電磁気学入門 第10章 §10.7
- 10.1-1 u′=u−v を入れると、要求は
E+u×B=E′−v×B′+u×B′(すべての u)
である。u=0 とおくと E=E′−v×B′ である。これを引くと、すべての u で u×(B−B′)=0 となる。
速度を B−B′ に垂直にとれば外積は0でない。したがって B′=B でなければならない。すると E′=E+v×B である。2. 10.1-2 K′ で電荷の速度は u=−vx^ である。電荷から観測点への単位ベクトルは R^=y^ で、距離は 0.10 m である。(10.6) から
B′=4πμ0R2q(−v)(x^×y^)=−4πR2μ0qvz^,4πR2μ0qv=(0.10)210−7×1.0×10−9×1.0×103T=1.0×10−11T
で、向きは −z である。K での電場は +y 向きで、大きさは
E=4πε0R2q=0.0108.988×109×1.0×10−9V/m=899V/m
である。したがって
−c21v×E=−c2vE(x^×y^)=−(2.998×108)21.0×103×899z^ T=−1.0×10−11z^ T
となって一致する。3. 10.1-3 β=0.6 のとき、γ=1/1−0.36=1.25 である。また γβ=0.75 である。時間と x の部分だけ書くと(残りの部分は単位行列)
Λ=(1.25−0.75−0.751.25),Λ−1=(1.250.750.751.25)
で、積は (1.5625−0.5625001.5625−0.5625)=1 である。2行2列の計量 η2=diag(1,−1) について
ΛTη2Λ=(1.25−0.75−0.751.25)(1.250.75−0.75−1.25)=(1.5625−0.5625−0.9375+0.9375−0.9375+0.93750.5625−1.5625)=η2.
4元ベクトルの変換と内積は
a′0a⋅a=1.25×5−0.75×4=3.25,=25−16=9,a′1a′⋅a′=−0.75×5+1.25×4=1.25,=10.5625−1.5625=9
である。4. 10.1-4 成分で書くと [∇×(v×B)]i=ϵijk∂j(ϵklmvlBm) である。速度は定数なので、微分は磁場だけに掛かる。次の恒等式を使う。
ϵijkϵklm=ϵkijϵklm=δilδjm−δimδjl
すると
[∇×(v×B)]i=vi∂jBj−vj∂jBi=vi(∇⋅B)−(v⋅∇)Bi
となる。∇⋅B=0 なら第1項が消えて、−(v⋅∇)B になる。これで本文の ∇×E′=∇×(v×B) が示される。2つの場の差は回転がゼロなので勾配で書け、閉じた輪に沿った起電力は等しい。5. 10.2-1 (10.13) から
c2ρ2−∣J∣2=γu2ρ02(c2−u2)=γu2ρ02c2(1−u2/c2)=c2ρ02
である。中性の導線では電荷密度が0で電流は0でないので、JμJμ=−∣J∣2<0 である。
もし電荷が全部静止して見える系があれば、そこでは電流が0で、JμJμ=c2ρ′2≥0 となる。すると不変量の符号が変わってしまう。導線の中では陽イオンと電子が違う速度で動いているので、両方が同時に静止する系は無い。6. 10.2-2 γu=1.25 なので
ρJx=1.25×2.0μC/m3=2.5μC/m3,=ρu=2.5×10−6×0.60×2.998×108A/m2=4.5×102A/m2
である。単位を (A/m2)2 として
c2ρ2−Jx2=c2[(2.5)2−(1.5)2]×10−12=c2×4.0×10−12=c2ρ02
で一致する。7. 10.2-3 γ=1/1−0.25=1.155 である。(cλ,I) の変換から
cλ′=γ(0−0.50×5.0A)=−2.89A,λ′=−2.998×1082.89C/m=−9.6×10−9C/m,I′=γ(5.0−0)A=5.77A.
(cλ′)2−I′2=8.33−33.33=−25.0A2 である。これは、もとの系の (cλ)2−I2=0−25.0A2 に等しい。8. 10.2-4 変換後の4元発散は
∂μ(Aμ−∂μΛ)=∂μAμ−∂μ∂μΛ=∂μAμ−□Λ
である。変換の前に ∂μAμ=0 なら、変換の後も0であるための必要十分条件は □Λ=0 である。第8章 §8.2 で、Lorenz ゲージに移った後に残る自由度として述べた条件と同じである。9. 10.3-1 変換後の電磁場テンソルは
∂μ(Aν−∂νΛ)−∂ν(Aμ−∂μΛ)=Fμν−∂μ∂νΛ+∂ν∂μΛ=Fμν
である(Λ が2回連続微分可能なら偏微分の順序は入れ替えられる)。10. 10.3-2 (10.24) に入れて
Fμν=00E0/c000B00−E0/c−B0000000,Fμν=00−E0/c000B00E0/c−B0000000.
第1の不変量は
FμνFμν=2⋅cE0⋅(−cE0)+2⋅(−B0)(−B0)=2(B02−c2E02)
である。双対は置き換え (10.28) で次のようになる。
cE→(0,0,B0),B→(0,−cE0,0)
したがって0でない成分の位置は、次のとおりである。
- F~μν:(0,3)、(3,0)、(1,3)、(3,1)。
- Fμν:(0,2)、(2,0)、(1,2)、(2,1)。
位置が重ならないので FμνF~μν=0 である。E⋅B=0 と合っている。11. 10.3-3 0でない成分は、次の3つとその反対称の相手だけである。
F01=−a,F13=By=a,F23=−Bx=−a
したがって
Fμν=0a00−a00−a000a0a−a0.
第0行で展開すると、0でないのは (0,1) 成分 −a だけである。符号 (−1)0+1=−1 と小行列式(第0行・第1列を除く)を掛けて
detF=(−a)(−1)deta0000aa−a0=a⋅a(0⋅0−(−a)⋅a)=a⋅a⋅a2=a4.
E⋅B/c=a⋅a=a2 である。したがって (E⋅B)2/c2=a4 で一致する。12. 10.3-4 ϵμνρσFμνFρσ で0でない項は、4つの添字が 0, 1, 2, 3 の並べ替えのものだけである。4つの添字を2つずつの組に分ける分け方は、01|23、02|31、03|12 の3通りである。それぞれについて、どちらの組を前に置くか(2通り)と各組の中の順序(4通り)で8項ある。
組の中の順序を入れ替えると、Levi-Civita 記号と電磁場テンソルの両方の符号が変わる。組の前後を入れ替えると、Levi-Civita 記号は偶置換で変わらない。したがって8項はすべて等しい。よって
ϵμνρσFμνFρσ=8(ϵ0123F01F23+ϵ0231F02F31+ϵ0312F03F12).
並び 0231 と 0312 は、0123 の後ろ3つを巡回させた偶置換なので、記号の値は +1 である。次の値を入れる。
F01=cEx,F23=−Bx,F02=cEy,F31=−By,F03=cEz,F12=−Bz
すると
ϵμνρσFμνFρσ=−c8E⋅B,FμνF~μν=21×(−c8E⋅B)=−c4E⋅B.
13. 10.3-5 uμfμ=qFμνuμuν である。uμuν は2つの添字について対称、電磁場テンソルは反対称である。したがって和の添字の名前を入れ替えると自分自身の −1 倍になり、0である。
一方 pμ=muμ とすると
uμfμ=uμdτd(muμ)=c2dτdm+muμdτduμ
である。uμuμ=c2 を固有時で微分すると 2uμduμ/dτ=0 なので、第2項は0である。したがって uμfμ=0 は dm/dτ=0 と同値で、Lorentz 力は静止質量を変えない。これは磁気力が仕事をしないことと、電気力の仕事がそのまま運動エネルギーになることを4次元の形で述べたものである。14. 10.4-1 和の添字の名前を入れ替えると ∂ν∂μFμν=∂μ∂νFνμ である。偏微分は入れ替えられ、Fνμ=−Fμν である。したがってこれは −∂ν∂μFμν に等しい。自分自身の −1 倍に等しい量は0である。 (10.30) の両辺に ∂ν を作用させると、0=μ0∂νJν となる。これは連続の式 ∂tρ+∇⋅J=0 である。15. 10.4-2 ν=2 では F22=0 なので
∂μFμ2=∂0F02+∂1F12+∂3F32=c1∂t∂(−cEy)+∂x∂(−Bz)+∂z∂(Bx)=−c21∂t∂Ey+(∂z∂Bx−∂x∂Bz)
である(F32=−F23=Bx)。括弧の中は (∇×B)y なので、∂μFμ2=μ0J2=μ0Jy は次の式である。
(∇×B)y=μ0Jy+c21∂t∂Ey
16. 10.4-3 ϕ=q/(4πε0r)、A=0 で、時間によらない。したがって Fi0=∂iA0−∂0Ai=−∂i(ϕ/c) である。
−∇ϕ=4πε0qr3r
なので Fi0=Ei/c で、E=4πε0r2qr^ は Coulomb 電場である。また ∂μFμ0=∂iFi0=c1∇⋅E で、原点以外では
∇⋅r3r=r33+r⋅∇r31=r33−r33=0
なので0である。半径 R の球面では電場は面に垂直で大きさが一定なので、流束は 4πε0R2q⋅4πR2=ε0q である。原点だけに源 μ0J0=μ0cqδ3(r) があることと合っている。17. 10.4-4 FαβFαβ=2(B2−E2/c2)、η00=1 である。Fα0=ηαβFβ0 は、空間の添字では −Fi0=−Ei/c なので
T00=μ01[i∑F0iFi0+41⋅2(B2−c2E2)]=μ01[c2E2+2B2−2c2E2]
=2μ0c21E2+2μ01B2=2ε0E2+2μ0B2=u.
T01 では η01=0 である。F01=F01 の項は、F00=0 が掛かって消える。残りの2つは
F21=−F21=F12=−Bz,F31=−F31=F13=By
なので
T01=μ01(F02F21+F03F31)=μ01[(−cEy)(−Bz)+(−cEz)By]=μ0cEyBz−EzBy=cSx.
18. 10.4-5 巡回和に Fμν=∂μAν−∂νAμ を代入すると
∂λ∂μAν−∂λ∂νAμ+∂μ∂νAλ−∂μ∂λAν+∂ν∂λAμ−∂ν∂μAλ.
第1項と第4項、第2項と第5項、第3項と第6項がそれぞれ打ち消し合うので、0である。添字の組 (1,2,3) では、(10.24) の次の成分を使う。
F23=−Bx,F31=−By,F12=−Bz
すると
∂1F23+∂2F31+∂3F12=−(∂x∂Bx+∂y∂By+∂z∂Bz)=−∇⋅B
となり、これが0であることは ∇⋅B=0 である。19. 10.5-1 変わらないのは運動方向の成分 Ex と Bx である。β=0.60 のとき γ=1.25 である。また γβ=0.75 である。(10.38)・(10.39) に Ey=E0、ほかを0として入れると
E′=(0,1.25E0,0),B′=(0,0,−γc2vE0)=(0,0,−0.75cE0).
不変量は E′2−c2B′2=(1.5625−0.5625)E02=E02 で保たれている。20. 10.5-2 (10.42) で ψ=π/2 と ψ=0 の比は
1−β2(1−β2)/(1−β2)3/2=(1−β2)3/21=γ3.
β=0.80 では γ=5/3 である。したがって γ3=125/27=4.63 である。21. 10.5-3 (a) 直線から距離 d の点を、y 方向にとる。K′ では、そこで Ey′=λ0/(2πε0d) である。ほかの成分と磁場は0である。K′ はもとの系に対して +x 向きに動くので、逆変換を使う(速度の符号を変える)。
Ey=γEy′=2πε0dγλ0,Bz=γ(Bz′+c2vEy′)=2πε0c2dγvλ0=2πdμ0γλ0v.
(b) K′ で (cλ,I)=(cλ0,0) である。逆変換で
cλ=γ(cλ0+β⋅0),I=γ(0+βcλ0)
なので、λ=γλ0、I=γλ0v である。Gauss の法則と Ampère の法則から
E=2πε0dλ=2πε0dγλ0,B=2πdμ0I=2πdμ0γλ0v
で、(a) と一致する。22. 10.5-4 v=vn^ は電場にも磁場にも垂直なので、平行成分は0である。(10.40) は次のようになる。
E′=γ(E+v×B),B′=γ(B−c21v×E)
E⋅v=B⋅v=0 を使って外積を展開すると
E×(v×E)=vE2,(v×B)×B=−vB2,(v×B)×(v×E)=v(v⋅(B×E))
なので
γ2E′×B′=E×B−v(c2E2+B2)+c2v(v⋅(E×B))=n^[∣E×B∣(1+β2)−v(c2E2+B2)].
これが0になる条件は、本文の条件 β/(1+β2)=∣E×B∣/[c(E2/c2+B2)] である。右辺は ∣E∣∣B∣/c≤(E2/c2+B2)/2 から 1/2 以下である。したがって 0≤β<1 の解が必ずある。
例題 10.3 の場では、単位を mT2 として次の値をとる。
cE×B=(4,−2,−3),cE×B=29=5.385,c2E2+B2=14
したがって β/(1+β2)=0.3847 で、β2−2.600β+1=0 の小さい方の根をとる。
β=22.600−2.6002−4=0.469
この系で電場と磁場は平行で、2つの不変量は変わらない。したがって E′/c=1.572mT、B′=2.544mT は例題の値になる(成分の変換を数値で計算しても同じ値になることを、この章の検算で確かめた)。23. 10.5-5 y と z の成分の組ごとに計算する。Ey′ と Bz′ の組では
Ey′2−c2Bz′2=γ2[(Ey−vBz)2−c2(Bz−c2vEy)2]=γ2[Ey2(1−β2)−c2Bz2(1−β2)]=Ey2−c2Bz2
で、交差項 −2vEyBz と +2vEyBz が打ち消し合う。同様に Ez′2−c2By′2=Ez2−c2By2 である。運動方向の成分は変わらないので、和をとって E′2−c2B′2=E2−c2B2 を得る。内積は
Ey′By′+Ez′Bz′=γ2[(Ey−vBz)(By+c2vEz)+(Ez+vBy)(Bz−c2vEy)]
を展開すると、c2vEyEz と vByBz の項はそれぞれ打ち消し合う。残りは (EyBy+EzBz)(1−β2) である。これに γ2 を掛けると、もとの y,z 成分の内積に等しい。Ex′Bx′=ExBx と合わせて、E′⋅B′=E⋅B を得る。
AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com