何を近似したか・何の実験の量で確かめるか
AI 生成・木下が未勉強
光学と量子エレクトロニクス 第7章 §7.5 ★★ 3つの近似(Fresnel 近似・薄い物体・スカラー波)と、焦点面のパワースペクトルと縁の像から測る MTF
置いた近似
1つ目は Fresnel 近似 (7.4) で、角スペクトルの位相 を の2次で打ち切った。 とおくと、捨てた位相は で、 の Taylor 展開の係数が から先すべて負で大きさが 以下なので
が成り立つ。場の角スペクトルが に収まっていれば、Fresnel 近似の伝達関数の位相の誤差は 以下で、これが より十分小さければ近似は使える。レンズの Fourier 変換の定理は、薄いレンズの2次の位相 (7.8) と Fresnel 近似が打ち消し合うことに頼っているので、同じ誤差が収差として残る。実際の Fourier 変換用のレンズは何枚かのレンズを組み合わせ、 の対応が大きな角度まで保たれるように収差を補正してある。
近似の裏付け
型 B(極限) | 小さいもの (角スペクトルの広がり ) | 証明 条件付き(角スペクトルが に収まる場では、伝達関数の位相の誤差が 以下。式 (7.21) の初等的な評価) | 行き先 近似の数理 第7章
2つ目は薄い物体の近似 (7.6) で、物体の中で光が横に広がることを無視した。厚さ の物体の中で、大きさ の構造で回折した光が横に進む距離は の桁なので、これが より十分小さいこと、すなわち が条件になる。厚い格子(体積ホログラム)のように が を超えると、回折光どうしが物体の中で結合し、特定の角度だけで強く回折する別の振る舞いになる。
近似の裏付け
型 B(極限) | 小さいもの (物体の厚さ 、構造の大きさ ) | 証明 要確認(物体の中での横の広がりを捨てる近似。誤差を評価した定理の形は原論文で確かめていない) | 行き先 近似の数理 第7章
3つ目はスカラー近似で、電場の向き(偏光)を忘れた。光軸からの傾き が小さいと、電場の 成分は横の成分の 倍の桁で、無視できる。開口数が に近い顕微鏡の対物レンズや、液浸の露光装置(第8章)では、焦点の近くで電場の 成分と偏光の向きによる点像の非対称が現れ、ベクトル場として扱う必要がある。
近似の裏付け
型 B(極限) | 小さいもの (光の進む向きが光軸となす角) | 証明 要確認(電場の 成分が の1次で小さいことは本文の評価。スカラーの像の誤差を評価した定理の形は原論文で確かめていない) | 行き先 近似の数理 第7章
照明については、完全にコヒーレントな場合(式 (7.15))と完全にインコヒーレントな場合(式 (7.16))の両端だけを扱った。実際の顕微鏡の照明はその中間の部分的なコヒーレンスを持ち、それを扱う道具(相互強度とその伝わり方)は第9章(第9章)で導く。この両端は近似というより、部分的なコヒーレンスの式の2つの極限である。
例題 7.5 Fresnel 近似が使える開口数 ★★
オリジナル の光で、焦点距離 の薄いレンズの Fourier 変換を考える。前の焦点面からレンズまでの距離 の伝搬で、Fresnel 近似の位相の誤差が になる開口数を求めよ。また のとき、式 (7.21) の下からの評価と厳密な誤差を求めよ。
解答
下からの評価 を解いて
では 、厳密には で、波長の数倍の光路差になる。薄い単レンズと Fresnel 近似の組み合わせが文字どおり使えるのは が数パーセントまでで、それより大きな角度を扱う系では、この位相の誤差を打ち消すように設計したレンズを使う。誤差が に比例するので、焦点距離を短くすると同じ誤差で使える開口数が で広がる。
何の実験の量で確かめるか
この章で出てきた量のうち、直接測れるものは2つある。1つは Fourier 面(レンズの後ろの焦点面)の強度で、式 (7.9) から物体のパワースペクトル そのものである。格子を置けば回折の点の間隔 から周期が、ランダムな表面を置けばその粗さの空間周波数の分布が、位置の目盛りを読むだけで得られる。
もう1つは結像系の MTF である。正弦波の濃淡の試験パターンを空間周波数を変えながら写して像の濃淡を測る方法のほかに、縁を1枚写すだけで MTF を出す方法がよく使われる。インコヒーレントな縁の像 を で微分すると、強度の線像分布関数(線の像)が得られ、その Fourier 変換の絶対値が MTF の1次元の切り口になる。スリットの瞳では線像分布関数が で、その Fourier 変換は三角形 である。これはスリットの瞳の自己相関(式 (7.17))と一致する。縁を画素の並びに対して少し傾けて写すと、画素の間隔より細かい位置で縁の像を標本化できるので、デジタルカメラの解像の検査ではこの傾けた縁の方法が使われる。コヒーレントな照明の系では、例題 7.4 のように像の強度が振幅について線形でなく、強度の微分が点像分布関数にならないので、この方法をそのまま使うことはできない。
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