この章のまとめ
AI 生成・木下が未勉強
光学と量子エレクトロニクス 第12章 §12.7 ★★★ 線形・因果的な応答は上半面で正則で、実部と虚部が KK の関係で結ばれる。正常分散・総和則・反射率から位相を出す方法はすべてその帰結
この章では物質のモデルを選ばず、分極が過去の電場にだけ線形に応答するという性質だけを仮定した。応答関数が で になることは、感受率 が上半面で正則であることと同じ内容を持ち、Cauchy の積分から実部と虚部が Hilbert 変換で結ばれる(KK の関係)。実数性を使うと正の振動数だけの形になり、細い吸収線からは Sellmeier の式が、透明な領域では正常分散 が出た。金属では原点の極を引けば同じ形が使え、虚部の側に直流の伝導度の項が残る。高い振動数では電子が自由な粒子として振る舞い になるので、吸収を で重み付けた面積が電子の数密度で決まる( 総和則)。同じ議論は と にも当てはまり、屈折率は振動数について平均すると になる。実験では反射率だけを広く測り、 の KK の関係で位相を出して と を組み立てる。この操作で近似が入るのは測っていない振動数の外挿で、その減り方の指数が結果を大きく左右する。KK の関係そのものは近似を含まず、置いた仮定は線形性・局所性・時間的な一様性の3つである。次の第13章の Drude 模型と、第4部の2準位系の線形応答は、どちらもこの章の枠に入る具体例になる。
この章の道具
- 応答関数:、()、、、吸収の仕事率 。
- 全実軸の KK:、(因果律だけ)。
- 正の振動数の KK:、(+金属では )。
- 細い線:。透明な領域で 。
- 総和則:、、、。
- 反射の位相:、、。
総合問題 回転波近似の感受率を因果律と実数性で直す ★★★
オリジナル数密度 の2準位原子の気体(遷移角周波数 、双極子の行列要素 、線幅 )が、弱い光に応答する。第1章で、2準位系の分極率は で、回転波近似ではそのうち共鳴の項 だけを残すことを見た。減衰を入れた回転波近似の感受率(局所場は無視する)を
とする。
- (1) (使う道具:12.1節・12.2節) の極の位置を述べ、対応する応答関数 を求めよ。それが因果律を満たすが実数性を満たさないことを示せ。 で を確かめよ。
- (2) (使う道具:12.2節) が全実軸の KK の関係 (12.8) を満たすことを示せ。
- (3) (使う道具:12.3節)測定にかかるのは の吸収だけである。()を正の振動数の KK (12.10) に入れ、 の細い線の極限で を求めよ。結果を と比べ、回転波近似で落とした項がどこから戻ったかを述べよ。
- (4) (使う道具:12.4節・第1章の振動子強度)この線の重み を 総和則と比べて、振動子強度 を で表せ。、 のとき を を単位にして求めよ。
- (5) (使う道具:(3)・12.4節の静的な和・第1章の総合問題) の光に対する分散 の、正しい値と回転波近似の値の比を求めよ。 の原子に の光を当てたときの比と、静的な極限の比を求めよ。比が (回転波近似の誤差が )になる波長を求めよ。
解答
(1) 分母が になるのは で、極は下半面に1つだけある。逆変換 は、 では上半面で閉じると内側に極が無いので 、 では下半面で時計回りに閉じて留数を拾い
を得る。確かめに、 である。 で なので因果律は満たすが、 は複素数で、実数の電場に複素数の分極を返す。振動数の側では が と一致せず、実数性 (12.5) が破れる。虚部は で、 を中心とする幅 の Lorentz 形の吸収線である。
(2) 式 (12.8) を出すのに使ったのは、上半面で正則であることと で に減ることだけである。 は極が下半面にしか無く、 で のように減るので、どちらも満たし、式 (12.8) は成り立つ。直接確かめるには、例題 12.2 と同じく について部分分数に分ければよい( は Debye 形の を に、 を に置き換え、 を掛けたものなので、同じ計算がそのまま使える)。
(3) で である(面積 の山)。式 (12.10) の第1式に入れると
を入れると そのもので、回転波近似で落とした反共鳴の項 が戻っている。正の振動数の形は、 の吸収線を実数性で へ折り返した線( にある鏡像)を含んで KK の関係を当てたものになる。反共鳴の項は、その鏡像の線が作る分散である。回転波近似は因果律を保つが実数性を壊す近似で、実数性を課し直すと落とした項が戻る。
(4) 細い線の重みは である。 総和則の1本の線の重み と等しいとおくと
で、第1章の振動子強度の式と一致する。 のとき から になる。第1章で使った値と同じである。
(5) 正しい値は (3) の 、回転波近似の値は (線から十分離れた所)なので、比は
である。 では で、回転波近似は分散を 小さく見積もる。第1章の総合問題で光トラップの深さについて出した比 と同じ数で、双極子力のポテンシャルが分散(分極率の実部)で決まるからである。静的な極限 では比は で、回転波近似は静的な分極率をちょうど半分にする。 の静的な和で計算しても になり、正しい値の側と一致する。比が になるのは 、波長で で、これより長い波長では回転波近似の誤差が を超える。
木下の勉強ステータス
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