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授業で習った形との対応

2026年10月15日6分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第19章 Rabi 振動と光 Bloch 方程式

AI 生成・木下が未勉強

光学と量子エレクトロニクス 第19章 §19.6 ★★ 学部の量子力学の Rabi の公式と時間に依る摂動論、磁気共鳴の Bloch 方程式、レート方程式が、この章の光 Bloch 方程式のどの場合に当たるか

学部の量子力学では、2準位系に振動する摂動を加えた問題を、状態を ∣ψ⟩=ce(t)∣e⟩+cg(t)∣g⟩| \psi \rangle =c_e(t)| e \rangle +c_g(t)| g \rangle と展開して係数の方程式を解く形で習う。回転波近似で速く振動する項を落とすと係数の方程式は定数係数になり、

∣ce(t)∣2=Ω2Ω2+Δ2sin⁡2Ω2+Δ2 t2\lvert c_e(t)\rvert ^2=\frac{\Omega^2}{\Omega^2+\Delta^2}\sin^2\frac{\sqrt{\Omega^2+\Delta^2}\,t}{2}

を得る。これを Rabi の公式と呼び、この章の式 (19.6) と同じである。この章の言葉では、これは緩和の無い場合の Bloch ベクトルの歳差を、ww 成分だけ取り出したものである。

Ω\Omega が小さいとき、Rabi の公式は ∣ce∣2≈(Ωt/2)2 sinc2(Δt/2)\lvert c_e\rvert ^2\approx(\Omega t/2)^2\,\mathrm{sinc}^2(\Delta t/2)(sinc x=sin⁡x/x\mathrm{sinc}\,x=\sin x/x)になる。これは時間に依る摂動論の1次の遷移確率で、tt が大きいと Δ\Delta について幅 ∼1/t\sim1/t の鋭い関数になり、連続的な状態や光のスペクトルについて積分すると、遷移確率が tt に比例する Fermi の黄金律になる(解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第4部第12章)。黄金律が使えるのは、Rabi 振動の周期より短い時間か、緩和で振動が消えた後の時間である。

磁気共鳴の授業では、磁化 M\bm{M} について

dMdt=γM×B−Mxex+MyeyT2−(Mz−M0)ezT1\frac{\mathrm{d} \bm{M}}{\mathrm{d} t}=\gamma\bm{M}\times\bm{B}-\frac{M_x\bm{e}_x+M_y\bm{e}_y}{T_2}-\frac{(M_z-M_0)\bm{e}_z}{T_1}

を Bloch 方程式として習う。γM×B=−γB×M\gamma\bm{M}\times\bm{B}=-\gamma\bm{B}\times\bm{M} なので、回転座標で −γB-\gamma\bm{B} を Ω\bm{\Omega} と、M/M0\bm{M}/M_0 を −R-\bm{R}(熱平衡の向きの符号を合わせる)と読み替えると、式 (19.9) と同じ形になる。違うのは熱平衡の値で、核スピンの熱平衡の磁化 M0M_0 は小さく(ℏω0≪kBT\hbar\omega_0\ll k_{\mathrm B} T)、光の遷移では熱平衡が w=−1w=-1(完全に下の準位)である。

レーザーの授業で使うレート方程式は、光 Bloch 方程式で T2T_2 が短い極限である。T2T_2 が Rabi 振動の周期や T1T_1 より十分短いと、u,vu,v は ww の変化に遅れずに ww で決まる値へ落ち着く(断熱消去)。式 (19.9) の最初の2式の左辺を 00 とおくと v=ΩT2w/(1+Δ2T22)v=\Omega T_2w/(1+\Delta^2T_2^2) で、第3式に入れると

dρeedt=−W(ρee−ρgg)−ρeeT1,W=Ω2T22(1+Δ2T22)(19.24)\frac{\mathrm{d} \rho_{ee}}{\mathrm{d} t}=-W(\rho_{ee}-\rho_{gg})-\frac{\rho_{ee}}{T_1},\qquad W=\frac{\Omega^2T_2}{2(1+\Delta^2T_2^2)}\tag{19.24}

になる。WW は誘導遷移の率で、吸収(ρgg\rho_{gg} に比例して上がる)と誘導放出(ρee\rho_{ee} に比例して下がる)が同じ率を持つ。自然放出だけで共鳴なら W=Ω2/ΓW=\Omega^2/\Gamma で、光の強度に比例する。この率を光のエネルギー密度あたりで書いたものが Einstein の BB 係数(第20章、第20章)で、式 (19.24) を多準位へ広げたものが第21章(第21章)のレート方程式と反転分布の話になる。断熱消去が使える条件(T2T_2 と Rabi の周期・T1T_1 の比)と誤差は第21章で調べる。レート方程式は占有だけを追うので、Rabi 振動やエコーのようなコヒーレンスの現象は書けない。

例題 19.9 レート方程式はいつ使えるか ★★

オリジナルT1T_1 を時間の単位として、T2=0.05 T1T_2=0.05\,T_1、Ω=2/T1\Omega=2/T_1、Δ=0\Delta=0 とする。t=0t=0 に原子は ∣g⟩| g \rangle にある。

  1. (1) 式 (19.24) の WW と、レート方程式の解 ρee(t)\rho_{ee}(t)・定常値を求めよ。
  2. (2) 光 Bloch 方程式の定常値 (19.16) がレート方程式の定常値と一致することを示せ。
  3. (3) 緩和が無ければ Rabi 振動の周期はいくらか。光 Bloch 方程式を数値で解くと、t≥0.5 T1t\ge0.5\,T_1 でレート方程式の解との差は最大 2.7×10−32.7\times10^{-3} である。振動が見えない理由を述べよ。
解答

(1) W=Ω2T2/2=4×0.05/2=0.1/T1W=\Omega^2T_2/2=4\times0.05/2=0.1/T_1。ρgg=1−ρee\rho_{gg}=1-\rho_{ee} を入れると ρ˙ee=W−(2W+1/T1)ρee\dot\rho_{ee}=W-(2W+1/T_1)\rho_{ee} で、

ρee(t)=W2W+1/T1(1−e−(2W+1/T1)t),ρee(∞)=0.11.2=0.0833.\rho_{ee}(t)=\frac{W}{2W+1/T_1}\bigl(1-\mathrm{e}^{-(2W+1/T_1)t}\bigr),\qquad\rho_{ee}(\infty)=\frac{0.1}{1.2}=0.0833 .

(2) Δ=0\Delta=0 で s=Ω2T1T2s=\Omega^2T_1T_2、W=Ω2T2/2W=\Omega^2T_2/2 なので W/(2W+1/T1)=(Ω2T2/2)/(Ω2T2+1/T1)=s/[2(1+s)]W/(2W+1/T_1)=(\Omega^2T_2/2)/(\Omega^2T_2+1/T_1)=s/[2(1+s)] で、式 (19.16) と同じ。ここでは s=0.2s=0.2。一般の Δ\Delta でも同じ計算で一致する。定常状態ではコヒーレンスが占有に従属して決まっているので、断熱消去は近似でなく厳密になる。

(3) 緩和が無ければ周期は 2π/Ω=3.14 T12\pi/\Omega=3.14\,T_1。ところが ΩT2=0.1\Omega T_2=0.1 で、コヒーレンスは振動の 1/601/60 周期ほどで消える。Bloch ベクトルが vv 方向へ伸びて ww を押し上げる前に縮むので、回転は始まらず、ww はゆっくりと定常値へ近づくだけになる。差は定常値 0.0830.083 の 3%3\% で、ΩT2\Omega T_2 が小さいほど小さくなる。逆に ΩT2≳1\Omega T_2\gtrsim1 ではレート方程式は Rabi 振動を見落とす。

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