この章のまとめ
AI 生成・木下が未勉強
光学と量子エレクトロニクス 第19章 §19.7 ★★★ 2準位原子の状態は Bloch ベクトルで、光は回転、環境は ・ の縮みとして働く。時間変化から Rabi 振動とエコー、定常解から飽和・パワー広がり・Lorentz 振動子・電磁誘起透明化が出る。総合問題は1つの原子の遷移で飽和強度から Bloch–Siegert のずれまでを数値でたどる
要点
- 2準位の密度行列は Bloch ベクトル で表され(式 (19.2))、 が占有の差、 と が双極子の同相成分と直交成分(屈折と吸収)である。
- 光は を のまわりに角速度 で回す(式 (19.4))。磁場中のスピンの歳差と同じ式である。
- 環境は を で へ、 を で へ戻す。。合わせたものが光 Bloch 方程式 (19.9)。
- 共鳴のパルスは面積 だけ回す。連続の光の下の Rabi 振動は率 で減衰し、不均一な広がりで消えた分極は パルスでエコーとして戻る。
- 定常状態は 。弱い光では Lorentz 振動子の近共鳴の分極率()、強い光では吸収が に飽和し、線が に広がる。。
- 3準位では結合光が吸収の中心に透明な窓を開き(式 (19.23))、第11章の結合した2振動子と同じ形の感受率になる。
この章は、第18章の回転座標の Hamiltonian に環境を加え、2準位原子の動きを3次元のベクトルの回転と縮みとして書いた。第11章で現象論的に置いた Lorentz 振動子の減衰 は横緩和の率 として、遅い光の結合した2振動子は3準位原子の干渉として、それぞれ量子論から導かれた。 が短い極限では光 Bloch 方程式は占有だけのレート方程式になり、第20章の Einstein 係数と第21章の反転分布へつながる。線幅の起源(自然幅・Doppler 幅・飽和吸収分光)は第24章で、自然放出の率 そのものは第34章で導く。同じ定常解の分極率の実部は、第25章(第25章)で原子を光で捕まえる双極子力のポテンシャルになる。
総合問題 1つの共鳴線を飽和強度から Bloch–Siegert のずれまで読む ★★★
オリジナル波長 、自然放出の率 の遷移を持つ原子を、自然放出だけで緩和する閉じた2準位系とみなす(、)。自然放出の率と双極子の行列要素の関係 を使ってよい。
- (1) を求め、( は Bohr 半径)を単位にして表せ。平面波の強度 と から となる を求めよ。(使う道具:19.4節・第10章 の強度の式)
- (2) 共鳴で の光を急に当てる。Rabi 周波数、 パルスに当たる時間、減衰する Rabi 振動の角周波数と包絡線の の時間を求め、包絡線が になるまでに何周期振動するか答えよ。(使う道具:19.3節)
- (3) (2) の定常状態での励起状態の占有、光子の散乱率とその上限、パワー広がりした線の全幅を求めよ。(使う道具:19.4節)
- (4) 弱い光の共鳴の吸収の断面積を光 Bloch 方程式から求め、第10章の と一致することを確かめよ。この原子の気体(、長さ )の光学的厚さと、 の光が入る入口での吸収係数を求めよ。(使う道具:第10章・第11章・19.4節)
- (5) (2) の光で と Bloch–Siegert のずれを求め、回転波近似がこの章の結論を変えないことを述べよ。(使う道具:第18章・19.5節)
解答
(1) 、 から
を に入れ、。 を で書き直すと式 (19.18) になり、(例題 19.6 と同じ)。
(2) から 、。 パルスに当たる時間は 。式 (19.13) で 、 で、振動の周波数は とほとんど同じである。包絡線の の時間は 。その間の周期の数は で、飽和強度の50倍でも振動は1周期ほどしか見えない。多くの周期を見るには 、すなわち の強い光か、パルスの時間を より短くすることが要る。
(3) 。散乱率は で、上限 にほぼ達している。全幅は 。
(4) で 、 なら なので 。 の式で を消すと 。第10章の式に (第1章)と (19.4節の )を入れると で、同じ式になる。光学的厚さは 、弱い光の吸収係数は 。 の入口では に下がって になる。強い光は入口ではほとんど吸収されずに進み、奥で弱まってから吸収が戻るので、透過は弱い光の よりずっと大きい。
(5) 。Bloch–Siegert のずれは で、 の 倍、パワー広がりした線幅と比べればさらに小さい。(2)〜(4) のどの数値も、回転波近似を外したときの補正は の桁で、有効数字に現れない。この原子の遷移では、第18章の札の「 の極限」に十分近い所にいる。
木下の勉強ステータス
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