何を近似したか・何の実験の量で確かめるか
AI 生成・木下が未勉強
光学と量子エレクトロニクス 第27章 §27.5 ★★ 最低バンドへの射影、深い格子の強束縛と調和近似の Wannier 関数、完全な遮断の3つ。測る量は格子を切った後の干渉の山・井戸ごとの蛍光の像・Lamb–Dicke 因子で決まる側帯の分光
近似
Bose–Hubbard 模型 (27.9) は、多体の Hamiltonian を最低バンドの Wannier 関数の張る空間に射影したものである。射影で落としたのは、上のバンドへ原子を持ち上げる過程で、相互作用 がバンドの隙間(深い格子で の程度)より十分小さいことが条件になる。27.2 の例題の では、 に対し の隙間は で、比は である。原子が1井戸に3個以上入る場合や、Feshbach 共鳴で を大きくした場合はこの比が大きくなり、上のバンドを含めた模型が要る。
近似の裏付け
型 A(射影) | 小さいもの 最低バンドの Wannier 関数の張る部分空間() | 証明 要確認(上のバンドの寄与の評価は文献で数値的に調べられているが、射影の誤差の一般的な評価の前提を確かめていない) | 行き先 近似の数理 第4章
射影した後、隣どうしより遠いトンネルと、異なる井戸にまたがる相互作用の積分を落とし、 の計算で Wannier 関数を調和振動子の基底状態に置き換えた。どれも、格子が深いほど井戸の間の重なりが の程度で小さくなることに頼る極限である。 の調和近似は、正弦波の井戸が底から離れるほど広がることを無視するので、 を少し大きめに見積もる。
近似の裏付け
型 B(極限) | 小さいもの (深い格子。トンネルと井戸の重なりが で小さい) | 証明 要確認(深い井戸の極限のトンネルは WKB の指数で評価されるが、この章の漸近式 (27.8) の誤差の評価を原論文で確かめていない) | 行き先 近似の数理 第7章
CZ ゲートの計算は、Rydberg 状態を1つだけ残し、2個の原子の相互作用を だけにした模型で、完全な遮断 の極限からのずれを式 (27.16) で求めた。近くの別の Rydberg 状態の対へ移る過程(Förster 共鳴)や、原子の位置の揺らぎによる の揺らぎは含めていない。
近似の裏付け
型 B(極限) | 小さいもの (完全な遮断) | 証明 条件付き(Rydberg 状態を1つに絞った2原子の模型の中では、この章の厳密解から誤差が であることが示される。ほかの Rydberg 状態への漏れは含まない) | 行き先 近似の数理 第7章
測る量
超流動と Mott 絶縁体は、格子とトラップを切って原子を十数ミリ秒自由に広げ、吸収の像を撮って区別する。広がった後の位置は原子の初めの運動量に比例するので、像は運動量の分布である。超流動では運動量 の整数倍の所に鋭い干渉の山が並び、Mott 絶縁体では山が消えて Wannier 関数の Fourier 変換の広い分布だけが残る。Greiner たちの観測はこの像による。
井戸1つ1つの原子を直接見るには、開口数の大きな対物レンズで格子の中の原子の蛍光を撮る(量子気体顕微鏡。W. S. Bakr ほか (2009)、Nature 462, 74。J. F. Sherson ほか (2010)、Nature 467, 68)。撮像の光は光で誘起された衝突を起こすので、2個入った井戸は空に見え、像は各井戸の原子の数の偶奇を写す。Mott 絶縁体の中では、井戸ごとの数が1にそろって見える。ピンセットの列でも同じく蛍光で1個ずつを見分け、並べ替えの前後の像を比べる。
格子やピンセットの井戸の中の原子の振動の量子数は、光で原子を励起したときの吸収の側帯で読む。光子1個の反跳が振動の量子数をどれだけ変えるかは、Lamb–Dicke 因子
で決まる( は当てる光の波数、 は零点振動の広がり)。 なら、光子を吸収しても振動の量子数はほとんど変わらず、反跳の運動量は振動を励起せずに格子全体へ移る。 は、反跳エネルギーと振動の量子 の比である。
例題 27.7 格子の中の Lamb–Dicke 因子 ★
オリジナル
- (1) 格子の光の波数 で測った Lamb–Dicke 因子 が、深さ だけで と書けることを示せ(調和近似)。
- (2) 27.1 の例題の格子(、)で、 と、D2 線()の光の を求めよ。振動の周波数 も求めよ。
解答
(1) で、式 (27.6) の を入れると である。格子の深さだけで決まり、原子の種類や格子の波長には依らない。
(2) である。D2 線の光の波数は格子の光の 倍なので、 になる。 から である。 で1より小さいが十分小さいとは言えず、D2 線の光で冷やすと振動の量子数がかなりの確率で変わる。格子をさらに深くして を小さくするか、2本の光の差の運動量を使う Raman 遷移で波数を選んで、側帯を分けて冷やす。
木下の勉強ステータス
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