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授業で習った形との対応

2026年10月15日6分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第28章 原子時計
目次
  1. 時間に依存する摂動と線の幅
  2. Doppler 効果
  3. 光子のエネルギーで考える重力赤方偏移
  4. 平均の標準誤差と Allan 分散
  5. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

光学と量子エレクトロニクス 第28章 §28.6 ★★ 学部の量子力学の時間に依存する摂動の遷移確率、Doppler 効果、光子のエネルギーで考える重力赤方偏移、実験の平均の標準誤差が、それぞれ Ramsey の縞・2次の Doppler 効果と Lamb–Dicke・式 (28.18)・Allan 分散に対応する

時間に依存する摂動と線の幅

学部の量子力学では、一定の振動数の摂動を時間 tt だけ加えたときの遷移確率を、1次の摂動で

Pe(t)=Ω24 sin⁡2(Δt/2)(Δ/2)2(28.19)P_e(t)=\frac{\Omega^2}{4}\,\frac{\sin^2(\Delta t/2)}{(\Delta/2)^2}\tag{28.19}

と習う。これが Rabi の式の Ω2\Omega^2 の1次であることは第18章(18.6 節)で見た。Δ\Delta の関数として見ると、幅が 1/t1/t の程度の山で、t→∞t\to\infty で 2πt δ(Δ)2\pi t\,\delta(\Delta) の形に近づくことが Fermi の黄金律の出発点になった(解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第4部第12章)。この章の Rabi の線は、式 (28.19) を摂動でなく厳密に解いたもの(第24章の Rabi の式)で、弱い光の極限で式 (28.19) に戻る。Ramsey の縞は、時間 tt の摂動を2つに分けて間を空けたもので、1次の摂動の振幅は2つのパルスの振幅の和 ∝1+eiΔtf\propto1+\mathrm{e}^{\mathrm{i}\Delta t_{\mathrm f}} になり、確率に干渉の項 cos⁡Δtf\cos\Delta t_{\mathrm f} が現れる。線の幅が観測の時間の逆数で決まることは、学部の摂動論の式の中にすでにある。

Doppler 効果

学部では、速さ vv で光源に近づく観測者が見る周波数を、1次で ν(1+v/c)\nu(1+v/c)、相対論で ν(1+v/c)/(1−v/c)\nu\sqrt{(1+v/c)/(1-v/c)} と習う。相対論の式には、1次の Doppler 効果のほかに、動く時計が遅れる効果(時間の遅れ 1−v2/c2≈1−v2/(2c2)\sqrt{1-v^2/c^2}\approx1-v^2/(2c^2))が入っている。時間の遅れは光の向きによらず、光と直角に動く場合にも残る。28.1 の例題の2次の Doppler 効果はこの時間の遅れである。1次の Doppler のずれは、光格子の中では「光子の運動量 ℏkc\hbar k_{\mathrm c} が原子の振動を励起するか」の問題に置き換わり、Lamb–Dicke の領域では搬送波が Doppler のずれを持たない。学部の Doppler 効果の式は、原子が自由な平面波の状態にあることを前提にしている。

光子のエネルギーで考える重力赤方偏移

学部では、重力赤方偏移を次のように説明することがある。エネルギー hνh\nu の光子は質量 hν/c2h\nu/c^2 を持つとみなせ、高さ Δh\Delta h を上る間に重力に対して仕事 (hν/c2)gΔh(h\nu/c^2)g\Delta h をするので、上でのエネルギーは hν(1−gΔh/c2)h\nu(1-g\Delta h/c^2) に下がる。この結果は式 (28.18) と同じ1次の式を与える。ただし、この説明は光子のエネルギーが落ちると読むのに対し、28.4節の説明では光子の周波数は座標時では変わらず、2つの場所の時計の進み方が違うと読む。2つの読み方が同じ数を与えるのは、エネルギー保存の議論で使った「光子の質量」が、等価原理の帰結を先取りしているからである。28.4節の読み方は、光を使わず時計を運んで比べても同じ結果になることまで言える点で一般的である。

平均の標準誤差と Allan 分散

学部の実験では、nn 回の独立な測定の平均の標準誤差を σ/n\sigma/\sqrt n と習う。式 (28.9) の τ−1/2\tau^{-1/2} はこれと同じ法則である。違いは、時計の雑音には独立でない成分(漂い)があり、そのときは平均を長く取っても誤差が下がらないことで、それを見分けるために Allan 分散を使う。

例題 28.8 白色雑音の Allan 分散 ★★

オリジナルy1,y2,…y_1,y_2,\dots を、平均 yˉ\bar y、分散 σ12\sigma_1^2 の互いに独立な確率変数とする(時間 τ0\tau_0 ごとの周波数の読み)。mm 個ずつの平均 yˉk=1m∑i=1my(k−1)m+i\bar y_k=\frac1m\sum_{i=1}^{m}y_{(k-1)m+i} を作る。

  1. (1) yˉk\bar y_k の分散を求めよ。
  2. (2) Allan 分散 σy2(mτ0)=12⟨(yˉk+1−yˉk)2⟩\sigma_y^2(m\tau_0)=\frac12\langle (\bar y_{k+1}-\bar y_k)^2 \rangle を求め、σy(τ)∝τ−1/2\sigma_y(\tau)\propto\tau^{-1/2} を示せ。
  3. (3) すべての yiy_i に一定の値 yoffy_{\mathrm{off}} を足しても Allan 分散が変わらないことを示せ。ふつうの分散 ⟨(yi−ytrue)2⟩\langle (y_i-y_{\mathrm{true}})^2 \rangle とどう違うか。
解答

(1) 独立な変数の和の分散は分散の和なので、Var(yˉk)=1m2×mσ12=σ12/m\mathrm{Var}(\bar y_k)=\frac{1}{m^2}\times m\sigma_1^2=\sigma_1^2/m である。

(2) yˉk+1\bar y_{k+1} と yˉk\bar y_k は重ならない区間の平均なので独立で、平均は等しい。したがって ⟨(yˉk+1−yˉk)2⟩=Var(yˉk+1)+Var(yˉk)=2σ12/m\langle (\bar y_{k+1}-\bar y_k)^2 \rangle =\mathrm{Var}(\bar y_{k+1})+\mathrm{Var}(\bar y_k)=2\sigma_1^2/m で、

σy2(mτ0)=σ12m,σy(τ)=σ1τ0τ\sigma_y^2(m\tau_0)=\frac{\sigma_1^2}{m},\qquad \sigma_y(\tau)=\sigma_1\sqrt{\frac{\tau_0}{\tau}}

になる(τ=mτ0\tau=m\tau_0)。白色雑音では、Allan 分散は区間の平均の分散そのものである。verify_ch28.py では、2182^{18} 個の乱数で m=1,16,256m=1,16,256 について 3%3\% 以内で一致することを確かめた。

(3) yoffy_{\mathrm{off}} を足すと yˉk\bar y_k にも同じ値が足され、差 yˉk+1−yˉk\bar y_{k+1}-\bar y_k では消える。したがって Allan 分散は変わらない。ふつうの分散を真の周波数 ytruey_{\mathrm{true}} のまわりで取ると、一定のずれ yoffy_{\mathrm{off}} は yoff2y_{\mathrm{off}}^2 として加わる。Allan 分散が測るのは時計の揺らぎ(安定度)で、一定のずれ(確度の問題)は別に評価する必要がある。時計の性能を「安定度」と「確度(系統的な不確かさ)」の2つで述べるのはこのためである。

木下の勉強ステータス

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