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何を近似したか・何の実験の量で確かめるか

2026年10月15日5分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第30章 つなぎ:場の量子化と光子
目次
  1. 近似を含まない部分
  2. 1つのモードに絞る近似
  3. 何の実験の量で確かめるか
  4. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

光学と量子エレクトロニクス 第30章 §30.5 ★★ 場の量子化そのものは近似を含まない。近似は、モードを1つに絞ること・双極子近似・回転波近似の3つ。確かめる量は Lamb のずれ・真空 Rabi 振動の n+1\sqrt{n+1}・光子数の量子飛躍

近似を含まない部分

真空の電磁場の Lagrangian は場の2次式で、モードへの分解と各モードの量子化は近似を含まない(解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第5部第3章)。Coulomb ゲージの選択も、物理の結果を変えないゲージの固定である。箱の体積 VV は計算の都合で入れたもので、自由空間の量は V→∞V\to\infty の極限で和を積分に置き換えて得る。式 (30.15) で VV が消えたように、物理の量は VV に依らない。

1つのモードに絞る近似

30.4節では、原子と共鳴に近い1つのモードだけを残した。ほかのモードを捨てることは、状態を「原子の2準位 ⊗\otimes 1つのモード」の部分空間に限る A 型(射影)の近似である。この近似は、隣のモードまでの離調(共振器の縦モードなら FSR =c/(2L)=c/(2L)、第5章)が結合 g0n+1g_0\sqrt{n+1} より十分大きく、ほかのモードへの放出がこのモードとの結合より遅いときに使える。自由空間では、原子の線幅の中に入るモードの数が膨大なので、1つのモードに絞ることはできず、すべてのモードの和を取る必要がある(第34章の Wigner–Weisskopf の扱い)。双極子近似(ka0→0ka_0\to0)は第18章の札をそのまま使う(第18章)。

近似の裏付け

型 A(射影) | 小さいもの 原子の2準位と共鳴に近い1つのモードが張る部分空間(隣のモードまでの離調が g0n+1g_0\sqrt{n+1} より十分大きい) | 証明 要確認(捨てたモードへの漏れの大きさを、離調と結合の比で上から押さえる定理の形は確かめていない) | 行き先 近似の数理 第4章

例題 30.5 1つのモードに絞ってよい共振器と、絞れない自由空間 ★★

オリジナル

  1. (1) 例題 30.1 の光の微小共振器(L=50.0 μmL=50.0\,\mu\mathrm m)の FSR を求め、例題 30.4 (2) の g0/2πg_0/2\pi との比を求めよ。
  2. (2) 原子と共鳴した縦モードの隣のモード(離調 δ\delta が FSR に等しい)は、原子の準位を g02/δg_0^2/\delta の桁だけずらす(離調の大きい2準位の光シフト。第18章)。この大きさを周波数で求め、g0/2πg_0/2\pi と比べよ。
  3. (3) 共振器の無い自由空間で、体積 1 cm31\,\mathrm{cm^3} の箱の中に、角周波数の幅 Γ=2π×6.07 MHz\Gamma=2\pi\times6.07\,\mathrm{MHz}(原子の自然幅の目安)に入る両偏光のモードの数を求めよ(波長 780 nm780\,\mathrm{nm})。
解答

(1) FSR=c/(2L)=3.00×1012 Hz\mathrm{FSR}=c/(2L)=3.00\times10^{12}\,\mathrm{Hz}。g0/2π=122 MHzg_0/2\pi=122\,\mathrm{MHz} との比は 2.45×1042.45\times10^4 で、隣の縦モードは結合に比べて非常に遠い。

(2) 周波数で (g0/2π)2/FSR=(1.224×108)2/(3.00×1012)=5.0×103 Hz(g_0/2\pi)^2/\mathrm{FSR}=(1.224\times10^8)^2/(3.00\times10^{12})=5.0\times10^3\,\mathrm{Hz}。g0/2πg_0/2\pi の 4×10−54\times10^{-5} 倍で、隣のモードの影響は準位のわずかなずれとして残るだけである。

(3) g(ω)Γ=Vω2Γ/(π2c3)g(\omega)\Gamma=V\omega^2\Gamma/(\pi^2c^3) に V=10−6 m3V=10^{-6}\,\mathrm{m^3}、ω=2πc/(780 nm)=2.41×1015 s−1\omega=2\pi c/(780\,\mathrm{nm})=2.41\times10^{15}\,\mathrm{s^{-1}} を入れて 8.4×1058.4\times10^5 個。自由空間の原子は線幅の中の約 10610^6 個のモードに同時に結合していて、そのどれか1つに絞ることはできない。1つ1つの結合は 1/V1/\sqrt V で小さいが、モードの数が VV に比例するので、放出の速さは VV に依らない有限の値になる(第34章)。

何の実験の量で確かめるか

場の量子化を確かめる量は、半古典の扱いでは出ないものに限られる。第一はLamb のずれで、水素の 2s1/22s_{1/2} と 2p1/22p_{1/2} は Dirac 方程式では縮退するが、測定では約 1000 MHz1000\,\mathrm{MHz} 離れていた(Lamb, Retherford(1947))。真空の揺らぎの見積もり(例題 30.3)は、この桁を説明する。第二はCasimir 力で、零点のエネルギーが壁の位置で変わる分が力として測られる(解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第5部第3章)。

第三は、光子の数が少ないモードでの Rabi 振動である。Brune らは、超伝導のマイクロ波共振器に Rydberg 原子を1個ずつ通し、原子の励起の確率の時間変化を Fourier 変換して、周波数が n+1\sqrt{n+1} の比で並ぶ成分を観測した(Brune ほか(1996)、Phys. Rev. Lett. 76, 1800)。古典の場の振幅が連続に分布しているだけなら、周波数は離散の値に並ばない。同じ装置で Gleyzes らは、原子を共振器と共鳴させずに通して光子数を壊さずに読み出し、共振器の中の光子が1個から0個へ飛び移る瞬間(光子数の量子飛躍)を記録した(Gleyzes ほか(2007)、Nature 446, 297)。光子を1個ずつ数える検出器の相関(アンチバンチング)は第32章で扱う。

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