解答
(1) 式 (3.1.12) から K^a=(1⊗⟨a∣)U^(1⊗∣0⟩)。∣0⟩A の行き先は ∣0⟩∣0⟩、∣1⟩A の行き先は 21(∣1⟩∣0⟩+∣0⟩∣1⟩) なので、E の ⟨0∣ をとると ∣0⟩↦∣0⟩、∣1⟩↦∣1⟩/2、E の ⟨1∣ をとると ∣0⟩↦0、∣1⟩↦∣0⟩/2。よって
K^0=(1001/2),K^1=21∣0⟩⟨1∣,K^0†K^0+K^1†K^1=diag(1,21)+diag(0,21)=1.
これは振幅減衰 (3.1.8) の γ=1/2 である。
(2) 式 (3.1.9) で γ=1/2 として (rx,ry,rz)↦(rx/2, ry/2, (1+rz)/2)。不動点は rx=ry=0、rz=(1+rz)/2 から r=(0,0,1)、すなわち ∣0⟩ だけである。1−rz は1回ごとに 1/2 倍になるので、n 回後は 1−rz=(1−rz(0))/2n。∣1⟩(rz=−1)から5回で rz=1−2/32=0.9375。
(3) Kraus 演算子が2つなので Choi 行列の階数は2以下。式 (3.1.14) で計算すると C=21∑a(1⊗K^a)∣Φ2⟩⟨Φ2∣(1⊗K^a)†(∣Φ2⟩=∣00⟩+∣11⟩)で、a=0 の項は 21(∣00⟩+21∣11⟩)(⋯)†、a=1 の項は 21⋅21∣10⟩⟨10∣。2つのベクトルは直交するので固有値は21(1+21)=43 と 41、残り2つは 0。すべて非負なので完全正値である(定理 3.1.6)。A 側の部分トレースは、R が ∣0⟩ のブロックで 21、∣1⟩ のブロックで 21(21+21)=21、非対角は 0 なので TrAC=1/2 で、トレースを保つ。
(4) 量子ビットでは T は Bloch ベクトルの距離の半分である。∣±⟩ の像は (±1/2,0,1/2) なので T は 1 から 1/2=0.7071 へ下がり、最善の成功確率は 1 から 0.8536 へ下がる。∣0⟩,∣1⟩ の像は (0,0,1) と (0,0,0) なので T は 1 から 1/2 へ、成功確率は 1 から 0.75 へ下がる。どちらも定理 3.1.9 のとおり増えていない。
(5) 対角の状態への作用は W=(101/21/2)(列の和が 1)。Wp=(41+83, 83)=(85,83)、Wq=(43+81, 81)=(87,81)。
D(p∥q)=41ln31+43ln3=21ln3=0.5493,D(Wp∥Wq)=85ln75+83ln3=0.2017
で、D(Wp∥Wq)≤D(p∥q) が成り立つ。トレース距離は前が 21(21+21)=21、後が 21(∣85−87∣+∣83−81∣)=41 で、対角の状態どうしなのでそれぞれ全変動距離と同じ値である。トレース距離も相対エントロピーも、同じ処理で減っている。
(6) U^(∣+⟩∣0⟩)=21∣0⟩∣0⟩+21(∣1⟩∣0⟩+∣0⟩∣1⟩)=∣0⟩A⊗(21∣0⟩+21∣1⟩)E+21∣1⟩A∣0⟩E。A の状態は (2) の Bloch ベクトル (1/2,0,1/2) を持ち ρ^A=(3/42/42/41/4)。E の状態は、E の基底でまとめ直すと ∣0⟩E の係数が 21∣0⟩A+21∣1⟩A、∣1⟩E の係数が 21∣0⟩A なのでρ^E=(3/42/42/41/4) で、ρ^A と同じ行列になる。純粋度はどちらも (9+2+2+1)/16=7/8。全体 AE は純粋状態なので、3.1.2節で見たとおり ρ^A と ρ^E は同じ固有値を持ち、純粋度も等しい。A が混ざった分だけ、E が A ともつれて情報を持っている。