この章のまとめ
AI 生成・木下が未勉強
相対エントロピーから情報と物理を組み立てる 第3部 第3章 §3.3.7 ★★★ 比べる組をチャネルの前後に取り、単調性1本から強劣加法性・局所操作・Holevo 限界・H 定理・回復写像を出した
比べた2つの状態は、量子チャネル を通す前の組 と、通した後の組 である。当てた性質は単調性 で、証明は Lieb の凹性定理を認めたうえで、 による同時凸性、Pauli 演算子の平均で書いた部分トレース、Stinespring 表示の3段で組み立てた。古典では比 を条件付き分布で平均する1行で済んだ所が、量子では交換しない2つの行列のために Lieb の凹性定理を要する。
単調性を部分トレースに当てると、相互情報量の差としての条件付き相互情報量 が非負になる(強劣加法性)。純粋化を組み合わせると弱単調性 が出て、これがもつれの一夫一婦制の最も簡単な形である。比べる組の選び方を替えると、局所操作で相互情報量は増えないこと、測定で取り出せる情報は Holevo 量 を越えないこと、定常状態との が減り続けること(量子 H 定理)が出た。H 定理で減るのは で、エントロピー は単位的なチャネルでない限り単調とは限らない。単調性が等号になるのは、 だけから作った Petz の回復写像で も戻るときに限り、古典では Bayes の事後分布に戻る。強劣加法性の等号は量子 Markov 連鎖で、ほぼ等号ならほぼ戻せる(Fawzi–Renner)。
次の章(第3部第4章)では、この章の単調性を「局所操作と古典通信(LOCC)でもつれの量は増えない」という形に移し、エンタングルメントの測度を作る。
この章の道具
- 単調性:。同時凸性 。
- (強劣加法性)、。
- 弱単調性 、すなわち (全体が純粋なら等号)。
- 局所操作 、Holevo 限界 、量子 H 定理 。
- Petz の回復写像 。等号 回復。
総合問題 Werner 状態の相関はどこへ行くか ★★★
オリジナル2つの量子ビット 、 が Werner 状態 にあり、 とする。
- (1) (使う道具:第3部第2章 の量子相互情報量と条件付きエントロピー) の固有値を求め、、、 を求めよ。
- (2) (使う道具:3.3.4節の局所操作) だけに位相緩和 を当てた後の と を求め、式 (3.3.11) を確かめよ。
- (3) (使う道具:3.3.1節の連鎖律/3.3.3節/第3部第1章 の Stinespring 表示)(2) の位相緩和を、 に用意した補助の量子ビット への CNOT で実現する。 を捨てる前の状態について と を求め、(1) と (2) の差がどこへ行ったかを説明せよ。
- (4) (使う道具:3.3.3節の弱単調性/第3部第2章 の Schmidt 分解) を3つ目の系 で純粋化する。、、 を求め、 を確かめよ。
- (5) (使う道具:3.3.3節の弱単調性) となる3量子ビットの状態 は存在しないことを示せ。
解答
(1) は の固有ベクトルでもあるので、 の固有値は の方向で 、それに直交する3次元で 。 nat。 なので nat、 nat。条件付きエントロピーが負なので、 と はもつれている。
(2) は についての非対角成分を消す。 は に、 はそのままになるので、後の状態は対角で、成分は 、 が 、、 が 。 と の値が一致する確率が の古典的な相関である。 で、 nat。周辺は一様のままなので nat、 nat 。 で式 (3.3.11) が成り立つ。
(3) CNOT は の上の等長写像なので、 nat のまま変わらない( は初め 、 と無相関の純粋状態で、ユニタリは に触れない)。連鎖律 から nat。強劣加法性からこの量は非負で、位相緩和で失われた相互情報量 nat は、捨てた補助系 が のもとで と持っていた相関である。例題 3.3.1 の の場合()を に広げた結果になっている。
(4) は純粋なので nat、。よって nat 、 nat。。一般に純粋な では (、)で、 が持つ相関の総量 を と で分け合っている。 が を取るので、 には しか残らない。
(5) そのような があったとすると、弱単調性を を共通の系として書いた (式 (3.3.10) の と を入れ替えたもの)の左辺は となり矛盾する。 は とも とも同じ強さでもつれることはできない。(4) の純粋化はこの不等式を等号にする場合で、 に対し である。
木下の勉強ステータス
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