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この章のまとめ

2026年10月15日10分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第7部 第7章 島の公式と Page 曲線の半古典的な導出

AI 生成・木下が未勉強

相対エントロピーから情報と物理を組み立てる 第7部 第7章 §7.7.7 ★★★ 日記の違う2つの放射の D は、島なしの間は 0、Page 時間の後は島に入った日記の D に等しく、その値は半古典的な重力の一般化エントロピーの極値とレプリカ・ワームホールから計算される

この章で比べた2つの状態は、同じブラックホールに違う日記を落とした2つの世界の放射の状態だった。Hawking の計算ではその相対エントロピーがいつまでも 0 で、ユニタリ性は Page 時間の後にそれが日記の情報量まで増えることを要求する。放射の状態を Hawking の状態と比べた D も同じで、Page 曲線は S(R)=ln⁡dR−D(ρ^R ∥ π^R)S(R)=\ln d_R-D(\hat\rho_R\,\|\,\hat\pi_R) のD の立ち上がりとして読めた。

当てた D の性質は2つあった。D の単調性(量子データ処理不等式)からは、地平面の外の場の D と面積の変化をまとめた一般化エントロピーSgen=A/(4ℓP2)+SbulkS_{\mathrm{gen}}=A/(4\ell_{\mathrm P}^2)+S_{\mathrm{bulk}} の第二法則が導かれた。JLMS の関係によれば境界の D はエンタングルメント・ウェッジの中の場の D に等しく、これを量子極値曲面の規則 S(B)=min⁡ext⁡SgenS(B)=\min\operatorname{ext}S_{\mathrm{gen}} と組み合わせて、どの領域の情報がどこから読み出せるかを判定した。

出てきたものは3つあった。島の公式 S(R)=min⁡ext⁡I[A(∂I)/(4ℓP2)+Sbulk(R∪I)]S(R)=\min\operatorname{ext}_{\mathcal I}[A(\partial\mathcal I)/(4\ell_{\mathrm P}^2)+S_{\mathrm{bulk}}(R\cup\mathcal I)] は、島なし(Hawking の計算)と島あり(ほぼ SBHS_{\mathrm{BH}})の小さい方を取り、Page 時間に極値曲面が入れ替わって Page 曲線になった。蒸発の模型ではtP/tev=1−(α/(1+α))3/2t_{\mathrm P}/t_{\mathrm{ev}}=1-(\alpha/(1+\alpha))^{3/2} だった。JT 重力に浴をつないだ模型では、島の端は地平面の外にa−b=β2πln⁡(1+12ΔS/cM)a-b=\frac{\beta}{2\pi}\ln(1+12\Delta S/c_{\mathrm M}) の位置にでき、その張り出しが Hayden–Preskill のスクランブリング時間になった。島の公式の根拠はレプリカの方法で、重力の経路積分に複製の内部をつなぐレプリカ・ワームホールが加わり、その寄与 e(1−n)SBH\mathrm{e}^{(1-n)S_{\mathrm{BH}}} を足して初めて、放射が Hawking の状態から見分けられるようになる(D(ρ^R ∥ π^R)≤ln⁡(1+k/d)D(\hat\rho_R\,\|\,\hat\pi_R)\le\ln(1+k/d))。授業で習う形との対応では、レプリカの方法が S=kB(ln⁡Z+β⟨E⟩)S=k_{\mathrm B}(\ln Z+\beta\langle E \rangle ) の一般化で、Page 曲線の折れ曲がりが1次相転移の自由エネルギーの折れ曲がりと同じ形であることを見た。

次の終章(第7部第8章)では、Shannon の符号化定理からこの章の島の公式までを、相対エントロピー1本で何が言えたかの表にまとめる。

この章の道具

  • Hawking の計算:D(ρ^RHawk,(1) ∥ ρ^RHawk,(2))=0D(\hat\rho_R^{\mathrm{Hawk},(1)}\,\|\,\hat\rho_R^{\mathrm{Hawk},(2)})=0。ユニタリ性:S(R)=S(B)≤min⁡{S(ρ^RHawk),A/(4ℓP2)}S(R)=S(B)\le\min\{S(\hat\rho_R^{\mathrm{Hawk}}),A/(4\ell_{\mathrm P}^2)\}。
  • S(ρ^)=ln⁡d−D(ρ^ ∥ π^)S(\hat\rho)=\ln d-D(\hat\rho\,\|\,\hat\pi)。日記の Holevo 量 χR=12∑jD(ρ^R(j) ∥ ρˉR)\chi_R=\frac12\sum_jD(\hat\rho_R^{(j)}\,\|\,\bar\rho_R)。
  • 一般化エントロピー Sgen=A/(4ℓP2)+SbulkS_{\mathrm{gen}}=A/(4\ell_{\mathrm P}^2)+S_{\mathrm{bulk}}、量子極値曲面 S(B)=min⁡ext⁡SgenS(B)=\min\operatorname{ext}S_{\mathrm{gen}}、JLMS DB=DEW(B)bulkD_B=D_{\mathrm{EW}(B)}^{\mathrm{bulk}}。
  • 島の公式 S(R)=min⁡ext⁡I[A(∂I)/(4ℓP2)+Sbulk(R∪I)]S(R)=\min\operatorname{ext}_{\mathcal I}[A(\partial\mathcal I)/(4\ell_{\mathrm P}^2)+S_{\mathrm{bulk}}(R\cup\mathcal I)]。
  • 蒸発の模型:tP/tev=1−(α/(1+α))3/2t_{\mathrm P}/t_{\mathrm{ev}}=1-(\alpha/(1+\alpha))^{3/2}(α=2\alpha=2 で 0.4560.456)。
  • JT+浴:島なし 2πcM3βt\frac{2\pi c_{\mathrm M}}{3\beta}t、島あり 2SBH2S_{\mathrm{BH}}、a−b=β2πln⁡(1+12ΔS/cM)a-b=\frac\beta{2\pi}\ln(1+12\Delta S/c_{\mathrm M})、tP=3βSBH/(πcM)t_{\mathrm P}=3\beta S_{\mathrm{BH}}/(\pi c_{\mathrm M})。
  • レプリカ:⟨Tr⁡ρ^R2⟩=(k+d)/(kd+1)≈1/k+1/d\langle \operatorname{Tr}\hat\rho_R^2 \rangle =(k+d)/(kd+1)\approx1/k+1/d、Sn≈min⁡{ln⁡k,ln⁡d}S_n\approx\min\{\ln k,\ln d\}、D(ρ^R ∥ π^R)≤ln⁡(1+k/d)D(\hat\rho_R\,\|\,\hat\pi_R)\le\ln(1+k/d)。
  • 熱状態で Tr⁡ρ^n=Z(nβ)/Z(β)n\operatorname{Tr}\hat\rho^n=Z(n\beta)/Z(\beta)^n。

総合問題 永遠のブラックホールに落とした日記はいつ放射から読めるか ★★★

オリジナル7.7.4 節の JT 重力の模型で、β=2π\beta=2\pi、ϕ0=0\phi_0=0、ΔS=1000\Delta S=1000(したがって SBH=1000S_{\mathrm{BH}}=1000)、cM=12c_{\mathrm M}=12、放射を集める位置 b=1b=1 とする。時刻 t0t_0 に、互いに直交する2つの日記の一方を等確率で境界から内向きの光で落とす。

  1. (1) 島なしの S(R)S(R) の遅い時刻の傾きを求め、Page 時間 tPt_{\mathrm P} を出せ。島なしの値がいずれ破る上限を、式 (7.7.1) から説明せよ。(使う道具:7.7.4 節・7.7.1 節・第5部第1章の区間のエントロピー)
  2. (2) 島の端の位置 a∗a_* を求め、張り出し a∗−ba_*-b をスクランブリング時間 β2πln⁡SBH\frac\beta{2\pi}\ln S_{\mathrm{BH}} と比べよ。(使う道具:7.7.4 節・第7部第4章のスクランブリング時間)
  3. (3) t0=600t_0=600 と t0=100t_0=100 のそれぞれで、日記の Holevo 量 χR\chi_R が 0 から ln⁡2\ln2 に変わる時刻を求めよ。そのとき放射の D が日記の D 以上になる理由を、式 (7.7.15) と量子データ処理不等式で説明せよ。(使う道具:7.7.2 節・7.7.3 節・第3部第3章の量子データ処理不等式・第3部第7章の Holevo 量)
  4. (4) Page 時間ちょうどを、乱数の状態の模型で k=d=25k=d=2^5 として表す。⟨Tr⁡ρ^R2⟩\langle \operatorname{Tr}\hat\rho_R^2 \rangle の2つの鞍点の寄与の比、S2S_2 と ln⁡k\ln k の差、D(ρ^R ∥ π^R)D(\hat\rho_R\,\|\,\hat\pi_R) の上限を求め、Page の平均 ln⁡k−⟨S⟩\ln k-\langle S \rangle と比べよ。(使う道具:7.7.5 節・7.7.6 節・第7部第3章の Page の式・第2部第3章の D の上限)
解答

(1) 式 (7.7.18) の傾きは 2πcM/(3β)=2π×12/(3×2π)=42\pi c_{\mathrm M}/(3\beta)=2\pi\times12/(3\times2\pi)=4 で、S島なし≈4t−4ln⁡2+(切断の定数)S_{\text{島なし}}\approx4t-4\ln2+(\text{切断の定数}) である。島ありは ≈2SBH=2000\approx2S_{\mathrm{BH}}=2000 なので、tP≈2000/4=500t_{\mathrm P}\approx2000/4=500(式 (7.7.23) の 3βSBH/(πcM)=5003\beta S_{\mathrm{BH}}/(\pi c_{\mathrm M})=500 と同じ)。全体は純粋なので S(R)S(R) は補集合(両側のブラックホールと浴の 0<y<b0<y<b の部分)のエントロピーに等しく、その状態空間の次元の対数を超えない。両側のブラックホールの状態の数は e2SBH\mathrm{e}^{2S_{\mathrm{BH}}} なので、S(R)≤2SBH+(浴の短い区間の分)S(R)\le2S_{\mathrm{BH}}+(\text{浴の短い区間の分}) で、時間に比例して増える島なしの値は t≈500t\approx500 を過ぎると破る。

(2) a∗=1+ln⁡(1+12×1000/12)=1+ln⁡1001=7.909a_*=1+\ln(1+12\times1000/12)=1+\ln1001=7.909(停留の条件 (7.7.20) の数値解は 7.90867.9086)。a∗−b=6.909a_*-b=6.909 は β2πln⁡SBH=ln⁡1000=6.908\frac\beta{2\pi}\ln S_{\mathrm{BH}}=\ln1000=6.908 とほぼ一致する。島の端は地平面の外にあり、境界から測って放射の集まる位置 bb よりスクランブリング時間だけ深い。

(3) 日記は時刻 tt に y=−(t−t0)y=-(t-t_0) にあり、島(y<−a∗y<-a_*)に入るのは t>t0+a∗t>t_0+a_* のとき、ただし島が存在するのは t>tPt>t_{\mathrm P} のときに限る。t0=600t_0=600 では、すでに島があるので t=600+7.909=607.9t=600+7.909=607.9 で χR\chi_R が ln⁡2\ln2 に跳ぶ(落としてから bb と t∗t_* の和だけ後)。t0=100t_0=100 では、t=107.9t=107.9 に日記は y<−a∗y<-a_* の深さまで達するが、そのとき島はまだ無いので放射には出ず、t=tP≈500t=t_{\mathrm P}\approx500 に島が現れた時点で χR=ln⁡2\chi_R=\ln2 になる。Page 時間の前に落とした情報は Page 時間まで出てこず、後に落とした情報はスクランブリング時間で出てくる、という Hayden–Preskill の結論と同じである。読み出せる理由:島がある時刻には RR のエンタングルメント・ウェッジが R∪IR\cup\mathcal I で、式 (7.7.15) によりD(ρ^R(1)∥ρ^R(2))=D(ρ^R∪Ibulk,(1)∥ρ^R∪Ibulk,(2))D(\hat\rho_R^{(1)}\|\hat\rho_R^{(2)})=D(\hat\rho^{\mathrm{bulk},(1)}_{R\cup\mathcal I}\|\hat\rho^{\mathrm{bulk},(2)}_{R\cup\mathcal I})。日記が I\mathcal I の中にあれば、R∪IR\cup\mathcal I から日記の部分系への部分トレースは量子チャネルなので、量子データ処理不等式により右辺は日記の状態どうしの D(直交するので ∞\infty)以上になる。Holevo 量では、各 D(ρ^R(j)∥ρˉR)D(\hat\rho_R^{(j)}\|\bar\rho_R) が日記の側の ln⁡2\ln2 以上になり、χR≤ln⁡2\chi_R\le\ln2(日記の次元の対数)と合わせて χR=ln⁡2\chi_R=\ln2 である。島が無い間は RR の場の状態は日記によらないので D=0D=0、χR=0\chi_R=0 である。

(4) k=d=32k=d=32 では ⟨Tr⁡ρ^R2⟩=2k/(k2+1)=64/1025=0.06244\langle \operatorname{Tr}\hat\rho_R^2 \rangle =2k/(k^2+1)=64/1025=0.06244。つながらない鞍点の寄与 kd2/(kd(kd+1))kd^2/(kd(kd+1)) とレプリカ・ワームホールの寄与 k2d/(kd(kd+1))k^2d/(kd(kd+1)) はk=dk=d で等しく、比は 1 である。S2=ln⁡(1025/64)=2.774S_2=\ln(1025/64)=2.774 で、ln⁡k=3.466\ln k=3.466 との差は 0.692≈ln⁡20.692\approx\ln2(式 (7.7.32) の交点の丸まり ln⁡2\ln2 と同じ)。D の上限は ln⁡(k⋅2k/(k2+1))=ln⁡(2048/1025)=0.692≈ln⁡2\ln(k\cdot2k/(k^2+1))=\ln(2048/1025)=0.692\approx\ln2。Page の平均は ln⁡k−⟨S⟩=0.499≈1/2\ln k-\langle S \rangle =0.499\approx1/2 で、上限 ln⁡2\ln2 の中に収まる。Page 時間ちょうどでは2つの鞍点が同じ重みで競り、放射は Hawking の状態から O(1)\mathcal{O}(1) だけ外れ始める。その外れは SBH=1000S_{\mathrm{BH}}=1000 に比べて小さく、(1) の折れ曲がりは O(1)\mathcal{O}(1) の幅で丸まるだけである。

木下の勉強ステータス

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