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出てくるもの1:運動量・エネルギーと静止エネルギー

2026年10月15日7分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第2部 第3章 相対論的粒子の作用
目次
  1. 正準運動量と運動方程式
  2. エネルギー
  3. 停留点は作用の最小点
  4. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第2部 第3章 §2.3.3 ★★★ Euler–Lagrange 方程式から p=γmv\bm{p}=\gamma m\bm{v}、Legendre 変換から E=γmc2E=\gamma mc^2。定数 −mc2-mc^2 が静止エネルギーになり、質量の変わる反応で測れる

正準運動量と運動方程式

L=−mc21−v2/c2L=-mc^2\sqrt{1-v^2/c^2} の正準運動量は

p=∂L∂v=mv1−v2/c2=γmv(2.3.9)\bm{p}=\frac{\partial L}{\partial \bm{v}}=\frac{m\bm{v}}{\sqrt{1-v^2/c^2}}=\gamma m\bm{v}\tag{2.3.9}

である。LL は x\bm{x} によらないので、Euler–Lagrange 方程式(第1部第4章)は dpdt=0\frac{\mathrm{d} \bm{p}}{\mathrm{d} t}=0 で、p\bm{p} が一定なら v\bm{v} も一定、つまり等速直線運動である。運動の形は Newton 力学と同じだが、運動量と速度の関係が違う。v→cv\to c で ∣p∣→∞\lvert \bm{p}\rvert \to\infty になるので、有限の運動量しか持たない粒子は光速に達しない。

エネルギー

Legendre 変換(第1部第7章)で H=p⋅v−LH=\bm{p}\cdot\bm{v}-L を作ると

H=γmv2+mc2γ=γmc2=p2c2+m2c4(2.3.10)H=\gamma mv^2+\frac{mc^2}{\gamma}=\gamma mc^2=\sqrt{\bm{p}^2c^2+m^2c^4}\tag{2.3.10}

になる。最後の形は γ2=1+p2/(m2c2)\gamma^2=1+\bm{p}^2/(m^2c^2) を使って pp の関数に直したもので、計算の細部は第1部第1章の例題で済ませた(第1部第1章)。LL は tt によらないので、Noether の定理(第1部第10章)により時刻の並進に対する保存量 HH が保存する。これを粒子のエネルギー EE と呼ぶ。LL は x\bm{x} にもよらないので、空間の並進に対する保存量 p\bm{p} も保存する。

v≪cv\ll c で展開すると E=mc2+12mv2+38mv4/c2+⋯E=mc^2+\frac12mv^2+\frac38mv^4/c^2+\cdots である。第2項が Newton 力学の運動エネルギーで、第1項 mc2mc^2 は静止している粒子にも残る。この mc2mc^2 は、LL の中の運動に関係しない定数 −mc2-mc^2 が Legendre 変換で HH に移ったものである。1個の自由粒子では定数なので観測にかからない。しかし、粒子が壊れたりくっついたりして質量の和が変わる過程では、エネルギー保存の式に mc2mc^2 の差がそのまま入るので測ることができる。このことは Einstein が 1905 年に指摘した1A. Einstein (1905), Annalen der Physik 18, 639.下の脚注へ。

例題 2.3.3 重水素の結合エネルギー ★★

オリジナル陽子・中性子・重陽子(重水素の原子核)の静止エネルギーを mpc2=938.27208816 MeVm_{\mathrm p}c^2=938.27208816\,\mathrm{MeV}、mnc2=939.56542052 MeVm_{\mathrm n}c^2=939.56542052\,\mathrm{MeV}、mdc2=1875.61294257 MeVm_{\mathrm d}c^2=1875.61294257\,\mathrm{MeV} とする2CODATA 2018 の推奨値。E. Tiesinga, P. J. Mohr, D. B. Newell, B. N. Taylor (2021), Reviews of Modern Physics 93, 025010。下の脚注へ。

  1. (1) 静止した陽子と中性子が結合して重陽子になるとき解放されるエネルギー B=(mp+mn−md)c2B=(m_{\mathrm p}+m_{\mathrm n}-m_{\mathrm d})c^2 を求め、(mp+mn)c2(m_{\mathrm p}+m_{\mathrm n})c^2 に対する比を求めよ。
  2. (2) 反応 n+p→d+γ\mathrm n+\mathrm p\to\mathrm d+\gamma で、はじめに陽子と中性子が静止していたとき、出てくる光子のエネルギー EγE_\gamma を求めよ。光子はエネルギー EγE_\gamma、運動量の大きさ Eγ/cE_\gamma/c を持つ。
  3. (3) B−EγB-E_\gamma は何に使われたか。
解答

(1) B=938.27208816+939.56542052−1875.61294257=2.22456611 MeVB=938.27208816+939.56542052-1875.61294257=2.22456611\,\mathrm{MeV}。比は B/(1877.83750868 MeV)=1.185×10−3B/(1877.83750868\,\mathrm{MeV})=1.185\times10^{-3}。結合した原子核は、ばらばらの陽子と中性子より質量が 0.12%0.12\% 小さい。

(2) 全体の運動量は 00 なので、重陽子は光子と逆向きに運動量の大きさ Eγ/cE_\gamma/c で反跳する。M=mp+mnM=m_{\mathrm p}+m_{\mathrm n} と書くとエネルギーの保存は

Mc2=Eγ+Eγ2+md2c4.Mc^2=E_\gamma+\sqrt{E_\gamma^2+m_{\mathrm d}^2c^4}.

EγE_\gamma を移項して2乗すると M2c4−2Mc2Eγ=md2c4M^2c^4-2Mc^2E_\gamma=m_{\mathrm d}^2c^4 なので

Eγ=(M2−md2)c22M=2.22325 MeV.E_\gamma=\frac{(M^2-m_{\mathrm d}^2)c^2}{2M}=2.22325\,\mathrm{MeV}.

(3) B−Eγ=1.32 keVB-E_\gamma=1.32\,\mathrm{keV} は重陽子の反跳の運動エネルギーである。Eγ2/(2mdc2)=1.318 keVE_\gamma^2/(2m_{\mathrm d}c^2)=1.318\,\mathrm{keV} と一致する。解放された質量のエネルギー BB は、ほとんどが光子に、ごく一部が反跳に分かれる。

停留点は作用の最小点

LL の速度についての2階微分(Hessian)は

∂2L∂vi∂vj=γm(δij+γ2vivjc2)(2.3.11)\frac{\partial^2L}{\partial v_i\partial v_j}=\gamma m\Bigl(\delta_{ij}+\gamma^2\frac{v_iv_j}{c^2}\Bigr)\tag{2.3.11}

で、固有値は速度に垂直な2方向で γm\gamma m、速度の方向で γ3m\gamma^3m である。どちらも正なので LL は v\bm{v} について狭義の凸関数である。したがって第1部第7章の Legendre 変換は1対1で(v\bm{v} と p\bm{p} が1対1に対応する)、さらに端の出来事を固定した作用について次の命題が成り立つ。

命題 2.3.3(まっすぐな世界線は作用の最小点 ★★)

端 x(t1)=x1\bm{x}(t_1)=\bm{x}_1, x(t2)=x2\bm{x}(t_2)=\bm{x}_2 を固定し、∣v∣<c\lvert \bm{v}\rvert <c の世界線だけを考える。等速直線運動 vˉ=(x2−x1)/(t2−t1)\bar{\bm{v}}=(\bm{x}_2-\bm{x}_1)/(t_2-t_1) の作用は、ほかのどの世界線の作用より小さい。すなわち固有時は等速直線運動で最大になる。

証明

LL は v\bm{v} の凸関数なので、平均の値は値の平均以下になる(Jensen の不等式)。v(t)\bm{v}(t) の時間平均は端の条件から vˉ\bar{\bm{v}} なので

S=∫t1t2L(v(t)) dt≥(t2−t1) L(vˉ),S=\int_{t_1}^{t_2}L(\bm{v}(t))\,\mathrm{d} t\ge(t_2-t_1)\,L(\bar{\bm{v}}),

等号は v(t)\bm{v}(t) が一定のときに限る(狭義の凸性)。

第1部第5章の調和振動子では、時間を長く取ると真の経路は最小点でなく鞍点になった。自由な相対論的粒子では LL が速度だけの凸関数なので、時間をどれだけ長く取っても最小点のままである。

1 A. Einstein (1905), Annalen der Physik 18, 639.

2 CODATA 2018 の推奨値。E. Tiesinga, P. J. Mohr, D. B. Newell, B. N. Taylor (2021), Reviews of Modern Physics 93, 025010。

木下の勉強ステータス

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