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この章のまとめ

2026年10月15日10分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第2部 第9章 静電・静磁・放射を作用の言葉で見直す

AI 生成・木下が未勉強

解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第2部 第9章 §2.9.7 ★★★ 場を消去すると源の Lagrangian が出る。静的な場では Leff=Um−UeL_{\mathrm{eff}}=U_{\mathrm m}-U_{\mathrm e}、時間に依る場では時間対称な部分だけが作用に入り、放射は残りの部分から出る

電荷密度と電流密度を固定した電磁場の Lagrangian は、場の2次式と、場について1次の結合の和である。場について停留させると Maxwell 方程式の源を含む2本が出て、解を戻すと停留値は源の2次式 −12 j⋅K−1j-\frac12\,j\cdot K^{-1}j になる。静電場では、停留の条件が Poisson 方程式、停留値が −Ue-U_{\mathrm e} で、点電荷の間には Coulomb の位置エネルギーが現れる。−ε0∇2-\varepsilon _0\nabla^2 が正定値なので停留点は最小点で、試し関数から容量の上界が得られる(Dirichlet の原理)。静磁場では、停留の条件が Ampère の法則、停留値が +Um+U_{\mathrm m} である。磁場のエネルギーは電流(電荷の速度)の2次式として運動エネルギーの側に入り、インダクタンスは回路の質量行列、容量の逆行列はばね定数の行列になる。電流を固定した力が +∂Um/∂X+\partial U_{\mathrm m}/\partial X となる符号もここから出る。時間に依る源では、波動作用素の逆を遅延の解に選ぶ条件が作用の外にある。作用の2次形式には遅延と先進の平均だけが入り、その 1/c21/c^2 までの展開が Darwin の Lagrangian である。遅延と先進の差は源の位置で一様な場 μ0d.../(6πc)\mu_0\dddot{\bm{d}}/(6\pi c) になり、この場は源に負の仕事をする。その時間平均が Larmor の公式である。次の章(第2部第10章)では、放射が遠方で光線として進む極限を、Fermat の原理として作用の言葉で扱う。

この章の道具と結果

  • 場を消去する:Φ=12x⋅Kx−j⋅x\Phi=\frac12x\cdot Kx-j\cdot x の停留値は −12j⋅K−1j-\frac12j\cdot K^{-1}j、∂Φ∗/∂j=−x∗\partial\Phi^*/\partial j=-x^*。
  • 静電場:∇2ϕ=−ρ/ε0\nabla^2\phi=-\rho/\varepsilon _0、Le∗=−UeL_{\mathrm e}^*=-U_{\mathrm e}。Dirichlet の原理で C≤CtrC\le C_{\mathrm{tr}}。
  • 静磁場:∇×B=μ0J\nabla\times\bm{B}=\mu_0\bm{J}、Lm∗=+UmL_{\mathrm m}^*=+U_{\mathrm m}。回路は L=12∑Mikq˙iq˙k−12∑(C−1)ikqiqkL=\frac12\sum M_{ik}\dot q_i\dot q_k-\frac12\sum(C^{-1})_{ik}q_iq_k。
  • 放射:作用に入るのは 12(Gret+Gadv)\frac12(G_{\mathrm{ret}}+G_{\mathrm{adv}})。差の部分が Eodd=μ0d.../(6πc)\bm{E}^{\mathrm{odd}}=\mu_0\dddot{\bm{d}}/(6\pi c)、平均の仕事率 μ0⟨d¨ 2⟩/(6πc)\mu_0\langle \ddot{\bm{d}}^{\,2} \rangle /(6\pi c)。

総合問題 放射する LC 回路 ★★★

オリジナル容量 CC のコンデンサと自己インダクタンス MM のコイルをつないだ回路を考える。コンデンサの極板の電荷を ±q\pm q とし、2枚の極板の電荷の重心は距離 ℓ\ell 離れている。この回路は電気双極子 d=qℓ e\bm{d}=q\ell\,\bm{e}(e\bm{e} は負の極板から正の極板への単位ベクトル)として放射し、コイルの磁気双極子の放射と導線の抵抗は無視する。ℓ\ell は放射の波長より十分短いとする。

  1. (1) (使う道具:2.9.4節と第1部第5章の L=T−VL=T-V)放射を無視した回路の Lagrangian と運動方程式を書き、角振動数 ω0\omega_0 を求めよ。M=0.1 μHM=0.1\,\mu\mathrm H で共振の周波数を 100 MHz100\,\mathrm{MHz} にする容量 CC を求めよ。
  2. (2) (使う道具:2.9.5節)回路に沿って e\bm{e} の向きに働く放射の反作用の起電力 ℓ e⋅Eodd\ell\,\bm{e}\cdot\bm{E}^{\mathrm{odd}} を qq で表し、運動方程式を書き直せ。振動がほぼ角振動数 ω0\omega_0 の調和振動であるとして、3階微分の項を抵抗 Rradq˙R_{\mathrm{rad}}\dot q の形に書き直し、RradR_{\mathrm{rad}} を求めよ。RradR_{\mathrm{rad}} を波長 λ\lambda と真空のインピーダンス Z0=μ0cZ_0=\mu_0c で表せ。
  3. (3) (使う道具:第2部第7章のエネルギーの保存と2.9.6節)回路のエネルギー Ec=12Mq˙2+q2/(2C)\mathcal E_{\mathrm c}=\frac12M\dot q^2+q^2/(2C) がdEcdt=−Rradq˙2\frac{\mathrm{d} \mathcal E_{\mathrm c}}{\mathrm{d} t}=-R_{\mathrm{rad}}\dot q^2 で減ることを示し、その時間平均が遠方へ出ていく Larmor の仕事率 (2.9.18) に等しいことを確かめよ。
  4. (4) (使う道具:(1)〜(3))ℓ=5 cm\ell=5\,\mathrm{cm} として RradR_{\mathrm{rad}}、共振の鋭さ Q=ω0M/RradQ=\omega_0M/R_{\mathrm{rad}}、エネルギーが 1/e1/\mathrm{e} になる時間 M/RradM/R_{\mathrm{rad}} を求めよ。
  5. (5) (使う道具:第1部第4章の Euler–Lagrange 方程式と2.9.5節)2階微分まで含む Lagrangian の Euler–Lagrange 方程式は∂L∂q−ddt∂L∂q˙+d2dt2∂L∂q¨=0\frac{\partial L}{\partial q}-\frac{\mathrm{d} }{\mathrm{d} t}\frac{\partial L}{\partial \dot q}+\frac{\mathrm{d}^2}{\mathrm{d} t^2}\frac{\partial L}{\partial \ddot q}=0 である。定数 a,b,cq,ka,b,c_q,k を係数とする2次の Lagrangian L=12aq˙2+bq˙q¨+12cqq¨2−12kq2L=\frac12a\dot q^2+b\dot q\ddot q+\frac12c_q\ddot q^2-\frac12kq^2 の運動方程式には qq の奇数階の微分が現れないことを示し、(2) の q...\dddot q の項がこの形の Lagrangian から出ない理由を述べよ。
解答

(1) 式 (2.9.12) から L=12Mq˙2−q22CL=\frac12M\dot q^2-\frac{q^2}{2C} で、Euler–Lagrange 方程式は Mq¨+q/C=0M\ddot q+q/C=0、ω0=1/MC\omega_0=1/\sqrt{MC} である。ω0=2π×108 s−1\omega_0=2\pi\times10^8\,\mathrm{s^{-1}} と M=10−7 HM=10^{-7}\,\mathrm H から C=1/(ω02M)=2.53×10−11 F=25.3 pFC=1/(\omega_0^2M)=2.53\times10^{-11}\,\mathrm F=25.3\,\mathrm{pF} である。

(2) d=qℓ e\bm{d}=q\ell\,\bm{e} なので式 (2.9.16) から Eodd=μ0ℓ6πcq... e\bm{E}^{\mathrm{odd}}=\frac{\mu_0\ell}{6\pi c}\dddot q\,\bm{e}、起電力は μ0ℓ26πcq...\frac{\mu_0\ell^2}{6\pi c}\dddot q である。これは電流 q˙\dot q を流す向きの起電力なので、運動方程式は

Mq¨+qC=μ0ℓ26πc q...M\ddot q+\frac{q}{C}=\frac{\mu_0\ell^2}{6\pi c}\,\dddot q

になる。調和振動 q∝cos⁡ω0tq\propto\cos\omega_0t では q...=−ω02q˙\dddot q=-\omega_0^2\dot q なので、右辺は −Rradq˙-R_{\mathrm{rad}}\dot q で

Rrad=μ0ℓ2ω026πc=2π3Z0(ℓλ)2≈789 Ω×(ℓλ)2R_{\mathrm{rad}}=\frac{\mu_0\ell^2\omega_0^2}{6\pi c}=\frac{2\pi}{3}Z_0\Bigl(\frac{\ell}{\lambda}\Bigr)^2\approx789\,\Omega\times\Bigl(\frac{\ell}{\lambda}\Bigr)^2

である(ω0/c=2π/λ\omega_0/c=2\pi/\lambda を使った)。3階微分を −ω02q˙-\omega_0^2\dot q に置き換える操作は、2.9.5節の2枚目の札の次数下げである。

(3) dEcdt=q˙ (Mq¨+q/C)\frac{\mathrm{d} \mathcal E_{\mathrm c}}{\mathrm{d} t}=\dot q\,(M\ddot q+q/C) に運動方程式 Mq¨+q/C=−Rradq˙M\ddot q+q/C=-R_{\mathrm{rad}}\dot q を入れると −Rradq˙2-R_{\mathrm{rad}}\dot q^2 を得る。一方、Larmor の仕事率は d¨ 2=ℓ2q¨2\ddot{\bm{d}}^{\,2}=\ell^2\ddot q^2 から μ0ℓ26πc⟨q¨2⟩\frac{\mu_0\ell^2}{6\pi c}\langle \ddot q^2 \rangle で、調和振動では ⟨q¨2⟩=ω02⟨q˙2⟩\langle \ddot q^2 \rangle =\omega_0^2\langle \dot q^2 \rangle なのでμ0ℓ2ω026πc⟨q˙2⟩=Rrad⟨q˙2⟩\frac{\mu_0\ell^2\omega_0^2}{6\pi c}\langle \dot q^2 \rangle =R_{\mathrm{rad}}\langle \dot q^2 \rangle となり、回路が失うエネルギーの時間平均と一致する。回路から失われたエネルギーは、Poynting の定理のとおり遠方の球面を通って出ていく。

(4) λ=c/f=3.00 m\lambda=c/f=3.00\,\mathrm m なので

Rrad=789 Ω×(0.053.00)2=0.219 Ω,Q=ω0MRrad=62.8 Ω0.219 Ω=286,MRrad=4.56×10−7 sR_{\mathrm{rad}}=789\,\Omega\times\Bigl(\frac{0.05}{3.00}\Bigr)^2=0.219\,\Omega,\qquad Q=\frac{\omega_0M}{R_{\mathrm{rad}}}=\frac{62.8\,\Omega}{0.219\,\Omega}=286,\qquad \frac{M}{R_{\mathrm{rad}}}=4.56\times10^{-7}\,\mathrm s

である。1周期 10 ns10\,\mathrm{ns} に比べて減衰の時間は約 4646 周期分あり、(2) で振動をほぼ調和振動とした仮定が成り立っている。

(5) ∂L∂q˙=aq˙+bq¨\frac{\partial L}{\partial \dot q}=a\dot q+b\ddot q、∂L∂q¨=bq˙+cqq¨\frac{\partial L}{\partial \ddot q}=b\dot q+c_q\ddot q なので

−kq−(aq¨+bq...)+(bq...+cq q(4))=−kq−aq¨+cq q(4)=0-kq-\bigl(a\ddot q+b\dddot q\bigr)+\bigl(b\dddot q+c_q\,q^{(4)}\bigr)=-kq-a\ddot q+c_q\,q^{(4)}=0

となり、b q...b\,\dddot q の2つの項は打ち消し合う。bq˙q¨=ddt(12bq˙2)b\dot q\ddot q=\frac{\mathrm{d} }{\mathrm{d} t}(\frac12b\dot q^2) は全微分なので、運動方程式に寄与しないことと同じである。2次の Lagrangian から出る方程式は、t→−tt\to-t で符号を変えない偶数階の微分だけからなり、時間反転について対称である。(2) の q...\dddot q の項は t→−tt\to-t で符号を変える散逸の項なので、この形の Lagrangian からは出ない。2.9.5節で見たとおり、この項は場を消去した作用に入らない遅延と先進の差の部分から現れた。

木下の勉強ステータス

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