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授業で習った形との対応

2026年10月15日9分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第4部 第12章 光と物質
目次
  1. 長さのゲージと速度のゲージ
  2. 授業の黄金律と振動子強度
  3. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第4部 第12章 §4.12.6 ★★ 授業の −d^⋅E-\hat{\bm{d}}\cdot\bm{E} は、この章の −qmA⋅p^-\frac qm\bm{A}\cdot\hat{\bm{p}} とゲージの取り替え=正準変換で結ばれる。振動子強度の総和則は古典の {x,{H,x}}=−1/m\{x,\{H,x\}\}=-1/m の量子版

長さのゲージと速度のゲージ

授業では、光と原子の相互作用を最初から

H^′(t)=H^0−d^⋅E(0,t)=p^22m+V(r^)−qr^⋅E(0,t)(4.12.30)\hat H'(t)=\hat H_0-\hat{\bm{d}}\cdot\bm{E}(\bm{0},t)=\frac{\hat{\bm{p}}^2}{2m}+V(\hat{\bm{r}})-q\hat{\bm{r}}\cdot\bm{E}(\bm{0},t)\tag{4.12.30}

と書くことが多い。原子が一様な電場の中に置かれたときの静電エネルギー −d⋅E-\bm{d}\cdot\bm{E} を、そのまま時間に依存する場に使った形である。この章の式 (4.12.3) とは見かけが違い、しかも 4.12.4節の式 (4.12.22) の行列要素は、共鳴から外れると ωfi/ω\omega_{fi}/\omega だけ違う。2つは同じ物理を表しているのか。

答えは、2つの Hamiltonian がゲージの取り替えで結ばれる、というものである。双極子近似で A(r,t)≈A(0,t)\bm{A}(\bm{r},t)\approx\bm{A}(\bm{0},t) とし、ゲージ関数を

Λ(r,t)=−r⋅A(0,t)(4.12.31)\Lambda(\bm{r},t)=-\bm{r}\cdot\bm{A}(\bm{0},t)\tag{4.12.31}

に選ぶ(Göppert-Mayer のゲージ変換)。第2部第2章のゲージ変換 A→A+∇Λ\bm{A}\to\bm{A}+\nabla\Lambda, ϕ→ϕ−∂tΛ\phi\to\phi-\partial_t\Lambda で、A′=A(0,t)−A(0,t)=0\bm{A}'=\bm{A}(\bm{0},t)-\bm{A}(\bm{0},t)=\bm{0}、ϕ′=0+r⋅∂tA(0,t)=−r⋅E(0,t)\phi'=0+\bm{r}\cdot\partial_t\bm{A}(\bm{0},t)=-\bm{r}\cdot\bm{E}(\bm{0},t) になる。ベクトルポテンシャルが消え、電場はスカラーポテンシャル ϕ′\phi' だけで表される。新しいゲージの Hamiltonian は (p−qA′)2/(2m)+V+qϕ′(\bm{p}-q\bm{A}')^2/(2m)+V+q\phi' で、式 (4.12.30) そのものである。

第2部第2章では、ゲージ変換が母関数 F2=r⋅P−qΛF_2=\bm{r}\cdot\bm{P}-q\Lambda の正準変換で、正準運動量が p′=p+q∇Λ\bm{p}'=\bm{p}+q\nabla\Lambda、Hamiltonian が H′=H−q∂tΛH'=H-q\partial_t\Lambda に変わり、量子力学では波動関数が ψ′=eiqΛ/ℏψ\psi'=\mathrm{e}^{\mathrm{i} q\Lambda/\hbar}\psi と位相を変えることを示した。式 (4.12.31) では p′=p−qA(0,t)=mr˙\bm{p}'=\bm{p}-q\bm{A}(\bm{0},t)=m\dot{\bm{r}} で、新しいゲージの正準運動量は運動学的運動量に一致する。2つの Hamiltonian は同じ運動を、異なる正準変数で書いたものである。

速度のゲージ(この章)長さのゲージ(授業)
ポテンシャルA(0,t)\bm{A}(\bm{0},t), ϕ=0\phi=0A′=0\bm{A}'=\bm{0}, ϕ′=−r⋅E(0,t)\phi'=-\bm{r}\cdot\bm{E}(\bm{0},t)
摂動−qmA⋅p^+q22m∣A∣2-\frac qm\bm{A}\cdot\hat{\bm{p}}+\frac{q^2}{2m}\lvert \bm{A}\rvert ^2−qr^⋅E-q\hat{\bm{r}}\cdot\bm{E}
正準運動量 p\bm{p}mr˙+qAm\dot{\bm{r}}+q\bm{A}mr˙m\dot{\bm{r}}
共鳴の行列要素−ωfiωE02e⋅dfi-\frac{\omega_{fi}}{\omega}\frac{E_0}{2}\bm{e}\cdot\bm{d}_{fi}−E02e⋅dfi-\frac{E_0}{2}\bm{e}\cdot\bm{d}_{fi}

行列要素が共鳴から外れて違うのは、2つのゲージで「H^0\hat H_0 の固有状態」が指す物理的な状態が、場のある間は違うからである。H^0\hat H_0 の固有状態は、正準運動量 p\bm{p} を使って定義されているが、p\bm{p} の意味がゲージで違う(mr˙+qAm\dot{\bm{r}}+q\bm{A} と mr˙m\dot{\bm{r}})。場が消えた後(A=0\bm{A}=\bm{0})は2つのゲージが一致するので、測る量(遷移の後の状態の確率)は一致し、黄金律のように共鳴だけが残る極限では、行列要素そのものも一致する。

授業の黄金律と振動子強度

授業では Fermi の黄金律を w=2πℏ∣Vfi∣2ρ(Ef)w=\frac{2\pi}{\hbar}\lvert V_{fi}\rvert ^2\rho(E_f) と書くことが多い。式 (4.12.18) の H^ω\hat H_\omega が VV にあたる。H^1(t)=V^cos⁡ωt\hat H_1(t)=\hat V\cos\omega t と書く流儀では H^ω=V^/2\hat H_\omega=\hat V/2 で、係数に 14\frac14 が付くので、流儀を読み比べるときは振動の項の分け方を確かめる。

分光では、遷移の強さを振動子強度

fni=2mωniℏ∣⟨n∣x^∣i⟩∣2(4.12.32)f_{ni}=\frac{2m\omega_{ni}}{\hbar}\lvert \langle n | \hat x | i \rangle \rvert ^2\tag{4.12.32}

で表すことが多い。これは次の総和則を満たす。

命題 4.12.3(Thomas–Reiche–Kuhn の総和則 ★★★)

H^0=p^2/(2m)+V(r^)\hat H_0=\hat{\bm{p}}^2/(2m)+V(\hat{\bm{r}}) の任意の固有状態 ∣i⟩| i \rangle について ∑nfni=1\sum_nf_{ni}=1。

証明

[x^, [H^0, x^]]\left[\hat x,\,\left[\hat H_0,\,\hat x\right]\right] を2通りに計算する。[H^0, x^]=−iℏp^x/m\left[\hat H_0,\,\hat x\right]=-\mathrm{i}\hbar\hat p_x/m だから [x^, [H^0, x^]]=−iℏm[x^, p^x]=ℏ2m\left[\hat x,\,\left[\hat H_0,\,\hat x\right]\right]=-\frac{\mathrm{i}\hbar}{m}\left[\hat x,\,\hat p_x\right]=\frac{\hbar^2}{m}。一方、∣i⟩| i \rangle で期待値をとり、完全系 ∑n∣n⟩⟨n∣\sum_n| n \rangle \langle n | を挟むと⟨i∣[x^, [H^0, x^]]∣i⟩=∑n2(En−Ei)∣⟨n∣x^∣i⟩∣2\langle i | \left[\hat x,\,\left[\hat H_0,\,\hat x\right]\right] | i \rangle =\sum_n2(E_n-E_i)\lvert \langle n | \hat x | i \rangle \rvert ^2。両者を等しいとおいて ℏ2/m\hbar^2/m で割れば ∑nfni=1\sum_nf_{ni}=1。

この証明で使ったのは [x^, [H^0, x^]]=ℏ2/m\left[\hat x,\,\left[\hat H_0,\,\hat x\right]\right]=\hbar^2/m だけで、これは古典の Poisson 括弧 {x,{H0,x}}={x,−px/m}=−1/m\{x,\{H_0,x\}\}=\{x,-p_x/m\}=-1/m に (iℏ)2(\mathrm{i}\hbar)^2 を掛けたものである。括弧の中の式が pxp_x の1次式で、第4部第1章で述べた量子化の補正が入らないので、古典の値がそのまま量子の値になる。

古典の電子を平衡点に角振動数 ω0\omega_0 のばねでつないだ模型(Lorentz の振動子)では、光に対する応答は1個の振動子のものになる。量子の原子は、遷移ごとに角振動数 ωni\omega_{ni} の振動子をfnif_{ni} 個ずつ持ち、全部合わせてちょうど1個分になっている、と読める(屈折率への応用は光学と量子エレクトロニクス 第11章。光学と量子エレクトロニクス 第11章)。自然放出の確率も Ai→n=∣fni∣γclA_{i\to n}=\lvert f_{ni}\rvert \gamma_{\mathrm{cl}}(γcl=q2ωni2/(6πε0mc3)\gamma_{\mathrm{cl}}=q^2\omega_{ni}^2/(6\pi\varepsilon_0mc^3)。xx 方向に偏った1次元の双極子の場合)と、古典の放射減衰率を振動子強度で割り振った形に書ける。

例題 4.12.6 振動子強度を数える ★★

オリジナル

  1. (1) 調和振動子(角振動数 ω\omega)の nn 番目の準位から見た振動子強度 fn+1,nf_{n+1,n} と fn−1,nf_{n-1,n} を求め、総和則を確かめよ。
  2. (2) 水素の 1s→2p (m=0)1s\to2p\,(m=0) の振動子強度を、例題 4.12.4 の値から求めよ(x^\hat x の代わりに z^\hat z で計算してよい)。
解答

(1) 第4部第4章の ∣⟨n+1∣x^∣n⟩∣2=ℏ(n+1)2mω\lvert \langle n+1 | \hat x | n \rangle \rvert ^2=\frac{\hbar(n+1)}{2m\omega}、∣⟨n−1∣x^∣n⟩∣2=ℏn2mω\lvert \langle n-1 | \hat x | n \rangle \rvert ^2=\frac{\hbar n}{2m\omega} と ωn±1,n=±ω\omega_{n\pm1,n}=\pm\omega からfn+1,n=n+1f_{n+1,n}=n+1、fn−1,n=−nf_{n-1,n}=-n で、和は 11。x^\hat x が準位を1つずつしか動かさないので、項は2つしかない。下の準位への ff は負で、放出にあたる。基底状態(n=0n=0)では f10=1f_{10}=1 で、1つの遷移が強さを全部持つ。古典の Lorentz の振動子が厳密に1個の振動子であることの量子版である。

(2) 原子単位(m=ℏ=a0=1m=\hbar=a_0=1)で ωfi=3/8\omega_{fi}=3/8、zfi=0.745z_{fi}=0.745 なので f=2×38×0.7452=0.416f=2\times\frac38\times0.745^2=0.416。1s1s から zz 方向の振動子強度の残り 0.5840.584 は、3p3p 以上の束縛準位と電離した連続状態に分かれている。

ほかの巻では

木下の勉強ステータス

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