解答
(1) (5.6.14) で X1=0 と置くと、∣β∓α0∣2=α02+X22、∣β∣2=X22 から
W(0,X2)=π4N+2e−2X22(e−2α02+cos(4α0X2)).
原点の値は W(0)=π2Tr(ρ^Π^) で、偶の猫状態は ∣α0⟩ と ∣−α0⟩=Π^∣α0⟩ の和なので Π^∣ψ+⟩=∣ψ+⟩、⟨Π^⟩=1 から 2/π。α0 が大きいと括弧は cos に近く、X2=π/(4α0) の近くで W は原点の値と同じくらい深く負になる。
(2) ρ^in=N+2(∣α0⟩⟨α0∣+∣−α0⟩⟨−α0∣+∣α0⟩⟨−α0∣+∣−α0⟩⟨α0∣) の各項に (5.6.16) を当てる。対角の項は係数 1、非対角の項は ⟨−α0∣α0⟩1−η=e−2α02(1−η) が掛かり、a=ηα0 と書いて
ρ^out=N+2(∣a⟩⟨a∣+∣−a⟩⟨−a∣+e−2α02(1−η)(∣a⟩⟨−a∣+∣−a⟩⟨a∣)).
(5.6.13) で ∣a⟩⟨−a∣ の W を出すと π2e−2a2e−2∣β∣2+2a2−4iaX2 で、e±2a2 は打ち消すから、(5.6.14) の形の縞の項に c=e−2α02(1−η) が掛かる。η=e−Γt では c=exp(−2α02(1−e−Γt)) で、短い時間では c≈e−2α02Γt、成分の振幅の減る速さ Γ/2 の 4α02 倍の速さで縞が消える。
(3) (1) と同じ計算で、ガウスの山の位置が ±a に、縞に c が付くので
Wout(0,X2)=π4N+2e−2X22(e−2ηα02+ccos(4aX2)).
e−2X22>0 なので、負になる点があるのは括弧が負になりうるとき、すなわち cos=−1 の点で c>e−2ηα02 のときに限る。c=e−2α02(1−η) を入れると条件は 2α02(1−η)<2ηα02、すなわち η>21 で、α0 が消える。
(4) (5.6.17) で η=21 と置くと χ0,out(ξ)=χ0,in(ξ/2)e−∣ξ∣2/4。命題 5.6.3 の χ−1(ξ′)=χ0(ξ′)e−∣ξ′∣2/2 を ξ′=ξ/2 で使うと右辺は χ−1,in(ξ/2) である。Fourier 変換で引数を 1/2 倍にすると分布の引数は 2 倍、規格化を保つ係数 2 が付くので Wout(β)=2Qin(2β)≥0。η<21 では χ0,out(ξ)=χ−1,in(ηξ)e−(1−2η)∣ξ∣2/2 で、伸ばした Qin をさらに G(1−2η)/2 でならしたものになり、やはり非負である。半分の光を失った状態の W は、入力に真空の雑音を足した同時測定の分布(第5部第4章の、真空の窓でならした分布)と同じもので、どんな非古典性もこの段階で W の負の値としては見えなくなる。
(5) c=e−2⋅4⋅0.1=e−0.8=0.4493。a=0.9⋅2=1.897、X2=π/(4a)=0.4139 で、N+2=0.49983、e−2ηα02=e−7.2=7.47×10−4、e−2X22=0.7099 から
Wout=π4⋅0.49983⋅0.7099(7.47×10−4−0.4493)=−0.2026.
格子で探した最小は −0.207 で、この点の近くにある。損失のない (1) の −0.47 に比べ半分以下になった。(4) から η≤21 ではどんな状態の W も非負なので、e−Γt∗=21、t∗=T1ln2=0.693T1。猫状態に限らず、どの状態の負の値もこの時刻までに消える。第5部第4章の総合問題で ∣1⟩ を混ぜた状態の負の値が消えた時刻 T1ln2 も、この一般の結果の1つの例である。