この章のまとめ
AI 生成・木下が未勉強
量子力学の様々な構成方法 第6部 第5章 §6.5.7 ★★ 大正準の状態は Fock 空間の上で初めて書け、自由な場合はモードの積に分かれて Bose・Fermi 分布を与える。粒子数で切れば基準の正準の状態に戻る
この章では、熱平衡の状態を Fock 空間の上の大正準の状態 として置いた。粒子数の違う状態を混ぜるので Fock 空間が必要で、Gibbs の変分原理で を最小にするただ1つの状態として選ばれる(6.5.1 節)。相互作用が無いときは、Fock 空間の指数法則によって がモードごとの積に分かれ、Bose 分布と Fermi 分布が1行で出た。 を逃散能で展開すると長さ の輪の和になり、第2章の置換の和を回収した(6.5.2 節)。 は保存する粒子数の Lagrange 乗数で、フォノン・光子では となって共通例題①の Planck 分布に戻る(6.5.3 節)。3次元の調和トラップでは励起状態の粒子数に上限があり、 以下で基底状態に凝縮する。凝縮体の数の揺らぎは大正準と正準で一致しない(6.5.4 節)。自由な熱平衡の状態は1粒子密度行列だけで決まり、2粒子の相関にボースの束とフェルミの反束が現れる。1粒子密度行列は共通例題③の伝播関数を虚時間で読んだものの和である(6.5.5 節)。橋の節では、大正準の状態を粒子数で切ると基準の 粒子の正準の状態になること、正準の状態を重みで足すと大正準に戻ることを両向きに示し、同じ分布を第4部・経路積分・KMS 条件から出す道と並べた(6.5.6 節)。
要点
- 大正準の状態 は Fock 空間の上の状態で、、。
- 自由な場合は 、。分母の は交換か反交換かの違いである。
- 。 の係数が第2章の になる。
- 粒子数が保存しない量子では 。1つのモードで共通例題①の 、。
- 2粒子の相関は 。 は虚時間の自由粒子の伝播関数(共通例題③)の輪の和。
- 大正準の状態を で切ると基準の正準の状態、逆に重み で足すと大正準の状態。
総合問題 3次元の調和トラップの同種粒子 ★★★
オリジナル3次元の等方的な調和ポテンシャル(角振動数 、1粒子準位 、縮退度 )に、相互作用の無い同種粒子が入っている。
- (1) 1粒子の分配関数 が共通例題①の答えの3乗 に等しいことを示し、 での値を出せ。(使う道具:第4部第4章の共通例題①、6.5.2 節)
- (2) で、循環展開から2粒子の正準の分配関数 を求めよ。(使う道具:6.5.2 節の命題 6.5.4、第6部第2章の置換の和)
- (3) スピンをそろえたフェルミ粒子で、 に下から の殻(エネルギーの等しい準位の組)をちょうど埋めると何個か。そのときの一番上の殻のエネルギーと全エネルギーを求め、大きな の近似 と比べよ。(使う道具:6.5.3 節)
- (4) ボース粒子 個で、 と、有限の の補正を入れた値を求めよ。(使う道具:6.5.4 節)
- (5) KMS の関係 (6.5.23) だけから基底状態の占有数 の分布を Bose 分布と決め、さらに で大正準の状態の の相対的な揺らぎが 1 に近いことを示せ。このことは粒子数の決まったトラップに大正準の状態を当てることについて何を意味するか。(使う道具:6.5.6 節・第8部第4章の KMS 条件、6.5.1 節の揺らぎ、命題 6.5.6)
解答
(1) 3次元の調和振動子のハミルトニアンは3方向の振動子の和なので、1粒子の状態空間はテンソル積で、 のトレースは各方向のトレースの積になる。各方向は共通例題①の なので、 である。縮退度で書いた は同じ和を ごとにまとめたものにすぎない。 では である。
(2) 同じく で、
である。1次元の例題 6.5.6 より交換の項 の比重が小さい( と )。3次元では準位の数が多く、2粒子が同じ準位に重なる割合が下がるためである。数値はモードの対を直接数えて verify_ch6-05.py で確かめた。
(3) 殻 には 個の準位があるので、 を埋めると 個である。一番上の殻のエネルギーは 、全エネルギーは になる。大きな では から 、全エネルギー で、220 個でも誤差は 5% 以内(全エネルギーでは 0.3%)である。差の主な原因は殻の零点 と、 の 以外の項である。
(4) なので である。(6.5.16) の補正は で、 になる。 を準位の和 (6.5.13) のまま数値で解くと で、1次の補正でほぼ合う。図 6.5.2 の点線が低温側へずれているのはこのためである。
(5) 基底状態のモードの消滅演算子を とすると、 による時間発展は で、KMS の関係は になる。これを解くと で Bose 分布である。同じ大正準の状態の中で、基底状態のモードは他のモードと独立な1つのモードの熱平衡にあるので(定理 6.5.3)、その占有数は幾何分布に従い、例題 6.5.1 から である。 では が巨視的なので、相対的な揺らぎ になる。たとえば 、 では準位の和から で、標準偏差も約 815 である。命題 6.5.6 によれば大正準の状態は正準の状態を で混ぜたものなので、この大きな揺らぎは粒子数 そのものが大きく揺らいでいることを意味する。粒子数の決まったトラップでは が揺らがないので、凝縮体の数の揺らぎは命題の (i) で を固定した正準の状態(第6部第2章)で計算しなければならない。平均の を出すだけなら大正準で差し支えないが、揺らぎを問うときは2つの状態が別の答えを与える。
木下の勉強ステータス
木下はまだこの記事を勉強していません。
AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com
← AI生成教科書『虎の巻』の記事一覧へ