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この章のまとめ

2026年10月17日10分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第6部 第7章 得意な問題と限界:粒子数が変わる現象

AI 生成・木下が未勉強

量子力学の様々な構成方法 第6部 第7章 §6.7.7 ★★ 第二量子化は粒子数の変わる過程と粒子数を決めない状態を短く書く言語で、強い相関・無限自由度・相対論ではそれだけでは足りない

この章では、第6部の型の「得意な問題」と「限界」を扱った。粒子数の変わる過程の最も簡単な例として、局在した準位がフォノンと1次で結合する独立ボソン模型を厳密に解き、励起後の格子がコヒーレント状態になって、放出されるフォノンの数が Huang–Rhys 因子 SHRS_{\mathrm{HR}} を平均とする Poisson 分布になることを示した(6.7.1 節)。連続体のモードと結合した原子の自然放出は、励起の総数が保存するので1励起の部分空間に閉じ、Markov の極限で崩壊率 Γ=2π∑kκk2δ(ωk−ωe)\Gamma=2\pi\sum_k\kappa_k^2\delta(\omega_k-\omega_{\mathrm e}) の指数関数の減衰になった。離散モードの厳密な時間発展と比べ、短い時間の2次の始まりと再生という Markov の近似の限界も確かめた(6.7.2 節)。弱く相互作用するボース気体では、凝縮体の演算子を数に置き換えると粒子数を保たない2次形式が残り、波数の対ごとに第3章の2モードの模型として対角化して、音波から自由粒子へ移るBogoliubov の分散と温度0の枯渇を出した(6.7.3 節)。BCS 状態は対ごとの2モードのフェルミ模型の積で、粒子数の分散が体積に比例する状態として名前と式だけを置いた(6.7.4 節)。限界として、強い相関の問題では第二量子化で得られるのは書き方だけであること、無限体積では Bogoliubov の真空が元の Fock 空間に入らないこと、相対論では粒子数でなく電荷が保存することを示した(6.7.5 節)。橋の節では、Fock 空間の状態を粒子数ごとの波動関数の塔として読み、この章の3つの問題をそれぞれ共通例題①②③の変形として基準・密度行列・流体の言葉に並べ直した(6.7.6 節)。

要点

  • 生成消滅演算子の1次の項は真空をずらす。独立ボソン模型の励起状態はコヒーレント状態で、Pn=e−SHRSHR n/n!P_n=\mathrm{e}^{-S_{\mathrm{HR}}}S_{\mathrm{HR}}^{\,n}/n!、ポーラロンのずれ Ep=SHRℏω0E_{\mathrm p}=S_{\mathrm{HR}}\hbar\omega_0。
  • 粒子数が変わっても保存量があれば部分空間に閉じる。自然放出は1励起の部分空間で解け、Γ=2π∑kκk2δ(ωk−ωe)\Gamma=2\pi\sum_k\kappa_k^2\delta(\omega_k-\omega_{\mathrm e})、光子を捨てると T1=1/ΓT_1=1/\Gamma の Lindblad。
  • Bogoliubov:Ek=εk(εk+2gn)E_k=\sqrt{\varepsilon _k(\varepsilon _k+2gn)}、長波長で ℏck\hbar ck(c=gn/mc=\sqrt{gn/m})、短波長で εk+gn\varepsilon _k+gn。枯渇 (N−N0)/N=83πnas3(N-N_0)/N=\frac{8}{3\sqrt\pi}\sqrt{na_{\mathrm s}^3}。
  • BCS 状態 ∏(uk+vkc^†c^†)∣0⟩\prod(u_k+v_k\hat c^\dagger\hat c^\dagger)| 0 \rangle は粒子数を決めず、Var N=∑Δ2/Ek2∝V\mathrm{Var}\,N=\sum\Delta^2/E_k^2\propto V。
  • 限界:強い相関は解けない、無限体積では表現が分かれる(第8部)、相対論では反粒子が要る(『場の量子論入門』)。

総合問題 光で励起した局在準位と格子の振動 ★★★

オリジナル(6.7.1) の独立ボソン模型で、モードを1つ、結合を η=1.5\eta=\sqrt{1.5} とする(エネルギーの単位 ℏω0\hbar\omega_0)。

  1. (1) H^\hat H と可換な演算子を1つ挙げ、状態空間がどう分かれるかを述べよ。フォノンの数 a^†a^\hat a^\dagger\hat a が保存しないことを交換子で示せ。(使う道具:第6部第2章の粒子数ごとの分解、6.7.1 節)
  2. (2) 光で励起した直後の状態から、零フォノン線と n=1,2,3n=1,2,3 の線の重み、吸収の重心を求めよ。(使う道具:6.7.1 節)
  3. (3) 同じ零フォノン線の重みを、位置表示のずれた放物線の重なりとして出せ。(使う道具:第1部第3章の表示、6.7.6 節の式 (6.7.17))
  4. (4) 励起した電子のまわりで格子が n^d=1\hat n_{\mathrm d}=1 の基底状態 ∣−η⟩| -\eta \rangle まで緩和したあと、電子が光子を1個放出して n^d=0\hat n_{\mathrm d}=0 へ戻るとする。放出の線の位置と重み、放出の重心を求め、吸収の重心との差(Stokes のずれ)を出せ。各線の幅は何で決まるか。(使う道具:6.7.1 節、6.7.2 節の自然放出、第4部第5章の Lindblad の緩和)
  5. (5) 振動のモードが2つあり、ℏω1=ℏω0\hbar\omega_1=\hbar\omega_0・η1=0.6\eta_1=0.6、ℏω2=1.7ℏω0\hbar\omega_2=1.7\hbar\omega_0・η2=0.9/1.7\eta_2=0.9/1.7 のとき、Huang–Rhys 因子の和・ポーラロンのずれ・零フォノン線の重みを求めよ。モードが連続に分布すると吸収のスペクトルがどうなるかを述べよ。(使う道具:6.7.1 節の多モード、第6部第1章の独立なモード、第6部第5章の Fock 空間の指数法則)
解答

(1) 局在準位の占有 n^d\hat n_{\mathrm d} が H^\hat H と可換である(H^\hat H のどの項も n^d\hat n_{\mathrm d} の関数か、n^d\hat n_{\mathrm d} と可換なフォノンの演算子である)。状態空間 C2⊗F\mathbb{C}^2\otimes\mathcal F は n^d=0\hat n_{\mathrm d}=0 と n^d=1\hat n_{\mathrm d}=1 の2つの部分に分かれ、それぞれの中ではフォノンの Fock 空間の上の問題になる。一方 [a^†a^, H^]=ℏω0η n^d[a^†a^, a^+a^†]=ℏω0η n^d(a^†−a^)\left[\hat a^\dagger\hat a,\,\hat H\right]=\hbar\omega_0\eta\,\hat n_{\mathrm d}\left[\hat a^\dagger\hat a,\,\hat a+\hat a^\dagger\right]=\hbar\omega_0\eta\,\hat n_{\mathrm d}(\hat a^\dagger-\hat a) は n^d=1\hat n_{\mathrm d}=1 の部分で0でないので、フォノンの数は保存しない。第2章の粒子数ごとの分解は、ここでは電子の数について成り立ち、フォノンの数については成り立たない。

(2) SHR=η2=1.5S_{\mathrm{HR}}=\eta^2=1.5、Ep=1.5ℏω0E_{\mathrm p}=1.5\hbar\omega_0 である。(6.7.3) から P0=e−1.5=0.2231P_0=\mathrm{e}^{-1.5}=0.2231、P1=0.3347P_1=0.3347、P2=0.2510P_2=0.2510、P3=0.1255P_3=0.1255 で、1個放出する線が最も強い。重心は εd−Ep+SHRℏω0=εd\varepsilon _{\mathrm d}-E_{\mathrm p}+S_{\mathrm{HR}}\hbar\omega_0=\varepsilon _{\mathrm d} で、結合の強さによらない。

(3) (6.7.17) で mω0x02/(2ℏ)=η2=1.5m\omega_0x_0^2/(2\hbar)=\eta^2=1.5 なので、重なりは e−0.75\mathrm{e}^{-0.75}、その2乗は e−1.5=0.2231\mathrm{e}^{-1.5}=0.2231 で (2) の P0P_0 に一致する。底のずれは x0=−2ηℏ/(2mω0)=−2.449ℏ/(2mω0)x_0=-2\eta\sqrt{\hbar/(2m\omega_0)}=-2.449\sqrt{\hbar/(2m\omega_0)} で、零点の揺らぎの幅 ℏ/(2mω0)\sqrt{\hbar/(2m\omega_0)} の約2.4倍である。ずれが零点の幅を超えるので、零フォノン線は弱くなる。

(4) 始めの状態は ∣1d⟩⊗∣−η⟩| 1_{\mathrm d} \rangle \otimes| -\eta \rangle でエネルギーは εd−Ep\varepsilon _{\mathrm d}-E_{\mathrm p}、終わりの状態は ∣0d⟩⊗∣n⟩| 0_{\mathrm d} \rangle \otimes| n \rangle でエネルギーは nℏω0n\hbar\omega_0 である。放出される光子のエネルギーは εd−Ep−nℏω0\varepsilon _{\mathrm d}-E_{\mathrm p}-n\hbar\omega_0 で、重みは ∣⟨n∣−η⟩∣2=e−SHRSHR n/n!\lvert \langle n | -\eta \rangle \rvert ^2=\mathrm{e}^{-S_{\mathrm{HR}}}S_{\mathrm{HR}}^{\,n}/n!、吸収と同じ Poisson 分布になる。吸収の線は零フォノン線 εd−Ep\varepsilon _{\mathrm d}-E_{\mathrm p} から高い側へ、放出の線は同じ零フォノン線から低い側へ並び、2つのスペクトルは零フォノン線について鏡に映した形である。放出の重心は εd−Ep−SHRℏω0=εd−2Ep\varepsilon _{\mathrm d}-E_{\mathrm p}-S_{\mathrm{HR}}\hbar\omega_0=\varepsilon _{\mathrm d}-2E_{\mathrm p} で、吸収の重心 εd\varepsilon _{\mathrm d} との差(Stokes のずれ)は 2Ep=3ℏω02E_{\mathrm p}=3\hbar\omega_0 である。吸収では格子がひずむ前に、放出では格子がひずんだあとに電子が遷移するので、どちらの向きでもひずみのエネルギー EpE_{\mathrm p} の分だけ光子のエネルギーが少なくなる。各線は 6.7.2 節の崩壊率 Γ\Gamma で幅を持ち、Markov の極限では半値全幅 Γ\Gamma の Lorentz 形である。光子を部分トレースで捨てると、電子の占有は第4部第5章の L^=Γσ^−\hat L=\sqrt\Gamma\hat\sigma_- の緩和で T1=1/ΓT_1=1/\Gamma で減る。ただし「放出の前に格子が ∣−η⟩| -\eta \rangle まで緩和する」ことは、1つのモードの模型の中では起こらない((6.7.4) のとおり振動が続く)。振動のモードが別の熱浴に結合し、その緩和が Γ\Gamma より速いという、模型の外の仮定である。

(5) Huang–Rhys 因子の和は S=η12+η22=0.36+0.2803=0.6403S=\eta_1^2+\eta_2^2=0.36+0.2803=0.6403、ポーラロンのずれは Ep=∑kηk2ℏωk=(0.36+0.2803×1.7)ℏω0=0.8365ℏω0E_{\mathrm p}=\sum_k\eta_k^2\hbar\omega_k=(0.36+0.2803\times1.7)\hbar\omega_0=0.8365\hbar\omega_0、零フォノン線の重みは e−S=0.5271\mathrm{e}^{-S}=0.5271 である。2つのモードは独立なので、状態は各モードのコヒーレント状態のテンソル積で(Fock 空間の指数法則)、重みは2つの Poisson 分布の積になり、線は εd−Ep+n1ℏω1+n2ℏω2\varepsilon _{\mathrm d}-E_{\mathrm p}+n_1\hbar\omega_1+n_2\hbar\omega_2 に並ぶ。2つのモードを打ち切った Fock 空間(25225^2 次元)で (6.7.1) の多モード版を対角化し、基底のエネルギーのずれと零フォノン線の重みがこの値に一致することを確かめた(verify_ch6-07.py)。モードが連続に分布すると、nk≥1n_k\ge1 の線は振動数の分布に沿って連なり、零フォノン線の横に連続な「フォノンの側帯」ができる。零フォノン線は1本の鋭い線として残り、その重みは e−∑kηk2\mathrm{e}^{-\sum_k\eta_k^2} である。重心は (2) と同じ理由でモードの数によらず εd\varepsilon _{\mathrm d} である。

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