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何の実験の量で確かめるか・授業で習った形との対応

2026年10月15日8分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第5部 第4章 超伝導:対を作る H
目次
  1. 何の実験の量で確かめるか
  2. 授業で習った形との対応
  3. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

ハミルトニアンの選び方で固体を考える 第5部 第4章 §5.4.6 ★★ 同位体効果・比熱の跳びと指数関数の減り方・トンネル分光で見る準粒子の状態密度が BCS を確かめる量。授業の N(0)VN(0)V はこの章の λ\lambda、二流体模型の 1−t41-t^4 は Yosida 関数の近似

何の実験の量で確かめるか

同位体効果。(5.4.17) の Tc∝ωD∝M−1/2T_{\mathrm c}\propto\omega_{\mathrm D}\propto M^{-1/2} は、超伝導が格子の振動に由来することを示す。水銀の同位体で TcT_{\mathrm c} が質量とともに下がることは、BCS の理論より前に報告された(E. Maxwell (1950), Phys. Rev. 78, 477;C. A. Reynolds, B. Serin, W. H. Wright, L. B. Nesbitt (1950), Phys. Rev. 78, 487)。例題 5.4.5 で見たように、Coulomb の反発は指数 α\alpha を 12\frac12 より小さくする。

比熱。TcT_{\mathrm c} での比熱の跳び (5.4.29) と、低温での指数関数の減り方 e−Δ0/(kBT)\mathrm{e}^{-\Delta_0/( k_{\mathrm B} T)} は、どちらも比熱の測定で直接読める。後者の指数からギャップの大きさを測り、TcT_{\mathrm c} と比べて (5.4.18) を確かめることができる。

トンネル分光。正常な金属と超伝導体を薄い絶縁膜で隔てた接合(N–I–S 接合)に電圧 VbV_{\mathrm b} をかけると、電子は絶縁膜を通り抜けて超伝導体の準粒子の状態に入る。第4部第7章の Bardeen のトンネル電流の式で、正常な金属の状態密度を一定とすると、絶対零度の微分伝導度は超伝導体の準粒子の状態密度に比例し、

G(Vb)Gn=Ns(eVb)N0,Ns(E)N0={∣E∣E2−Δ2(∣E∣>Δ)0(∣E∣<Δ)(5.4.31)\frac{G(V_{\mathrm b})}{G_{\mathrm n}}=\frac{N_{\mathrm s}(eV_{\mathrm b})}{N_0},\qquad \frac{N_{\mathrm s}(E)}{N_0}=\begin{cases}\dfrac{\lvert E\rvert }{\sqrt{E^2-\Delta^2}}&(\lvert E\rvert >\Delta)\\[1.2ex]0&(\lvert E\rvert <\Delta)\end{cases}\tag{5.4.31}

になる(GnG_{\mathrm n} は正常な状態の伝導度)。状態密度の形は、N0 dξ=Ns(E) dEN_0\,\mathrm{d}\xi=N_{\mathrm s}(E)\,\mathrm{d} E と E=ξ2+Δ2E=\sqrt{\xi^2+\Delta^2} から出る。ギャップの中の状態は、ギャップの縁のすぐ上に積み上がる(図 5.4.4)。Giaever はこの方法で超伝導体のギャップを直接測った(I. Giaever (1960), Phys. Rev. Lett. 5, 147)。有限温度では、正常な金属の側の Fermi 分布の幅 kBTk_{\mathrm B} T で縁がなまる。

図

図 5.4.4 準粒子の状態密度 (5.4.31)(実線)と正常な金属の N0N_0(点線)。ギャップの中の状態はギャップの縁に移り、縁で 1/E−Δ1/\sqrt{E-\Delta} の形で発散する。絶対零度の N–I–S 接合の微分伝導度は、この曲線そのものになる。

磁束の量子とマイクロ波の吸収。超伝導の輪を通る磁束が h/(2e)h/(2e) の整数倍になること(解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第5部第6章)は、秩序変数の電荷が −2e-2e であること、つまり対が凝縮していることの直接の証拠である。また、2Δ0/h2\Delta_0/h より高い周波数の電磁波だけが対を壊して吸収される(例題 5.4.3 では 86 GHz86\,\mathrm{GHz})。

授業で習った形との対応

BCS の公式。固体物理の授業では、BCS の結果を

kBTc=1.13 ℏωD e−1/N(0)V,Δ(0)=2ℏωD e−1/N(0)V,2Δ(0)=3.52 kBTck_{\mathrm B} T_{\mathrm c}=1.13\,\hbar\omega_{\mathrm D}\,\mathrm{e}^{-1/N(0)V},\qquad\Delta(0)=2\hbar\omega_{\mathrm D}\,\mathrm{e}^{-1/N(0)V},\qquad2\Delta(0)=3.52\, k_{\mathrm B} T_{\mathrm c}

と書くことが多い。N(0)N(0) は1スピンあたりの Fermi 準位の状態密度、VV は引力の行列要素で、N(0)VN(0)V はこの章の λ=gN0\lambda=gN_0 (5.4.3) と同じものである。状態密度を両スピンで数える教科書では指数が e−2/(D(εF)V)\mathrm{e}^{-2/(D(\varepsilon _{\mathrm F})V)} と書かれるので、比べるときは数え方を先に確かめる。

London 方程式と二流体模型。電磁気の授業では、超伝導体を「抵抗の無い電子(密度 nsn_{\mathrm s})と正常な電子(密度 n−nsn-n_{\mathrm s})の混合」とみなし、London 方程式 js=−(nse2/m)A\bm{j}_{\mathrm s}=-(n_{\mathrm s}e^2/m)\bm{A} と、経験式 ns/n=1−(T/Tc)4n_{\mathrm s}/n=1-(T/T_{\mathrm c})^4(Gorter–Casimir の二流体模型)を習う。この章では、前者が (5.4.28) として出て、nsn_{\mathrm s} が Yosida 関数で n(1−Y(T))n(1-Y(T)) と決まる。対の密度 ns/2n_{\mathrm s}/2・電荷 2e2e・質量 2m2m と数えても、nse2/m=(ns/2)(2e)2/(2m)n_{\mathrm s}e^2/m=(n_{\mathrm s}/2)(2e)^2/(2m) なので侵入長は変わらない。

熱力学の式。熱力学の授業では、臨界磁場 Bc(T)B_{\mathrm c}(T) を測って凝縮エネルギー Bc2/(2μ0)B_{\mathrm c}^2/(2\mu_0) と、Rutgers の式 ΔC=(Tc/μ0)(dBc/dT)2\Delta C=(T_{\mathrm c}/\mu_0)(\mathrm{d} B_{\mathrm c}/\mathrm{d} T)^2 を習う。(5.4.22) と (5.4.24) は、これらを微視的な量 N0N_0・Δ0\Delta_0・TcT_{\mathrm c} で書いたものである(総合問題 (3))。

例題 5.4.6 トンネル分光の伝導度と二流体模型の比較 ★★

オリジナル

  1. (1) 絶対零度の N–I–S 接合で、eVb=1.05ΔeV_{\mathrm b}=1.05\Delta と 2Δ2\Delta での G/GnG/G_{\mathrm n} を求めよ。
  2. (2) ∫0X(Ns(E)−N0)dE\int_0^{X}\bigl(N_{\mathrm s}(E)-N_0\bigr)\mathrm{d} E が X→∞X\to\infty で 00 に近づくことを示し、その意味を述べよ。
  3. (3) T=0.5 TcT=0.5\,T_{\mathrm c} で、BCS の ns/n=1−Yn_{\mathrm s}/n=1-Y は数値で 0.8340.834 である。二流体模型の 1−(T/Tc)41-(T/T_{\mathrm c})^4 と比べ、侵入長の比 λL(T)/λL(0)\lambda_{\mathrm L}(T)/\lambda_{\mathrm L}(0) をそれぞれで求めよ。
解答

(1) 1.05/1.052−1=1.05/0.320=3.281.05/\sqrt{1.05^2-1}=1.05/0.320=3.28、2/3=1.1552/\sqrt3=1.155 である。ギャップの縁のすぐ上で伝導度は正常な値の3倍を超え、2Δ2\Delta では正常な値に近づく。

(2) ∫ΔXE dEE2−Δ2−X=X2−Δ2−X=−Δ2X2−Δ2+X→0\int_\Delta^X\frac{E\,\mathrm{d} E}{\sqrt{E^2-\Delta^2}}-X=\sqrt{X^2-\Delta^2}-X=-\frac{\Delta^2}{\sqrt{X^2-\Delta^2}+X}\to0。状態は消えたのではなくギャップの縁へ移っただけで、全体の状態の数は保たれる。ξ\xi と EE が1対1に対応し、N0 dξ=Ns dEN_0\,\mathrm{d}\xi=N_{\mathrm s}\,\mathrm{d} E だからである。

(3) 二流体模型では 1−0.54=0.93751-0.5^4=0.9375 で、BCS の 0.8340.834 より大きい。侵入長の比は 1/ns/n1/\sqrt{n_{\mathrm s}/n} で、二流体模型で 1.0331.033、BCS で 1.0951.095 である。BCS では T=0.5 TcT=0.5\,T_{\mathrm c} でも準粒子の熱励起の分だけ超流体が 17%17\% 減っており、二流体模型はこの減り方を小さく見積もる。一方、TcT_{\mathrm c} の近くでは BCS の 2(1−t)2(1-t) に対して二流体模型は 4(1−t)4(1-t) で、傾きが2倍違う。二流体模型は全体の形を覚えるための経験式である。

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