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この章のまとめ

2026年10月15日12分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第5部 第4章 超伝導:対を作る H

AI 生成・木下が未勉強

ハミルトニアンの選び方で固体を考える 第5部 第4章 §5.4.7 ★★★ Fermi 面のまわりの対の引力を残した BCS の HH に対の平均場を当てると、Fermi 面にギャップが開く。ギャップ方程式から 2Δ0/(kBTc)=3.532\Delta_0/( k_{\mathrm B} T_{\mathrm c})=3.53・ΔC/(γTc)=1.43\Delta C/(\gamma T_{\mathrm c})=1.43 が出て、TcT_{\mathrm c} の近くの展開から Ginzburg–Landau 理論の係数が決まる

この章では、Fermi 面から ℏωD\hbar\omega_{\mathrm D} 以内の電子どうしに働くフォノンを介した引力を、運動量 00 の対を散乱させる定数の引力 −g/V-g/V に削った BCS の HH (5.4.2) を選んだ。Cooper の問題では、Fermi 面の状態密度 N0N_0 が有限なので、どれほど弱い引力でも2個の電子が束縛状態を作り、その束縛エネルギーは e−2/λ\mathrm{e}^{-2/\lambda} で λ\lambda のべき級数に現れなかった。

道具は対の平均場 Δ=(g/V)∑′⟨c−k↓ck↑⟩\Delta=(g/V)\sum'\langle c_{-\bm{k}\downarrow}c_{\bm{k}\uparrow} \rangle で、HH は k\bm{k} ごとの 2×22\times2 行列 (5.4.8) になり、Bogoliubov 変換で対角化された。準粒子のエネルギー Ek=ξk2+Δ2E_{\bm{k}}=\sqrt{\xi_{\bm{k}}^2+\Delta^2} は Fermi 面の上で幅 Δ\Delta のギャップを持つ。Fermi 面のすべての点で電子と正孔が縮退しているので、Peierls 転移と違って次元や Fermi 面の形によらずギャップが開く。

出てくるものは、ギャップ方程式 (5.4.15) から Δ0≈2ℏωDe−1/λ\Delta_0\approx2\hbar\omega_{\mathrm D}\mathrm{e}^{-1/\lambda}、kBTc=1.134ℏωDe−1/λk_{\mathrm B} T_{\mathrm c}=1.134\hbar\omega_{\mathrm D}\mathrm{e}^{-1/\lambda}、物質によらない比 2Δ0/(kBTc)=3.532\Delta_0/( k_{\mathrm B} T_{\mathrm c})=3.53、凝縮エネルギー 12N0Δ02\frac12N_0\Delta_0^2 と臨界磁場 Bc(0)=Δ0μ0N0B_{\mathrm c}(0)=\Delta_0\sqrt{\mu_0N_0} である。TcT_{\mathrm c} の近くで平均場の自由エネルギーを展開すると Ginzburg–Landau の汎関数が出て、秩序変数の電荷 −2e-2e・コヒーレンス長 ξ(T)=0.739ξ0/1−T/Tc\xi(T)=0.739\xi_0/\sqrt{1-T/T_{\mathrm c}}・侵入長 λL(0)/2(1−T/Tc)\lambda_{\mathrm L}(0)/\sqrt{2(1-T/T_{\mathrm c})}・比熱の跳び 12/(7ζ(3))=1.4312/(7\zeta(3))=1.43 が決まった。Meissner 効果は、準粒子のギャップのために常磁性の電流が減り、反磁性の電流が残ることとして微視的に説明された。

削ったものは、引力の運動量とエネルギーへの依存・Coulomb の反発・強い結合の効果・秩序変数のゆらぎ・不純物と非局所性の5つで、札は4枚置いた。Coulomb の反発は遅れの効果で μ∗\mu^* に縮み、ゆらぎはコヒーレンス長が大きいので TcT_{\mathrm c} のごく近くでしか見えない。実験の量は、同位体効果・比熱の跳びと指数関数の減り方・トンネル分光の状態密度・磁束の量子 h/(2e)h/(2e) である。

次の第5部第5章では、バンドの Berry 曲率を扱う。この章の 2×22\times2 行列も ξk\xi_{\bm{k}} と Δ\Delta を成分に持つ擬スピンの磁場とみなすことができ、Δ\Delta に向きの依存があるとき(pp 波の対など)、その巻き数がトポロジーの数になる(トポロジカル超伝導)。この巻では名前を挙げるにとどめるが、数え方は終章第5部第6章で2バンドの Chern 数を写像の度数として数えるのと同じである。

総合問題 仮想の金属の超伝導を一通り計算し、Peierls 転移と比べる ★★★

オリジナル1原子あたり伝導電子1個の金属で、電子の密度を n=5.0×1028 m−3n=5.0\times10^{28}\,\mathrm{m^{-3}} とし、自由電子気体として扱う。Debye のエネルギーを ℏωD=25 meV\hbar\omega_{\mathrm D}=25\,\mathrm{meV}、結合の強さを λ=0.25\lambda=0.25 とする(どれも仮の値)。定数は例題 5.4.3 と同じものを使い、ζ(3)=1.202\zeta(3)=1.202 とする。

  1. (1) kFk_{\mathrm F}・εF\varepsilon _{\mathrm F}・vFv_{\mathrm F}・N0N_0 と、電子比熱の係数 γ\gamma(単位体積あたり)を求めよ。(使う道具:第4部第1章)
  2. (2) TcT_{\mathrm c} と Δ0\Delta_0 を求め、Δ0\Delta_0 の厳密な形 ℏωD/sinh⁡(1/λ)\hbar\omega_{\mathrm D}/\sinh(1/\lambda) と近似の形 2ℏωDe−1/λ2\hbar\omega_{\mathrm D}\mathrm{e}^{-1/\lambda} を比べよ。(使う道具:5.4.3節)
  3. (3) Bc(0)B_{\mathrm c}(0) と凝縮エネルギーを求めよ。また、(5.4.24) の fmin⁡=−Bc(T)2/(2μ0)f_{\min}=-B_{\mathrm c}(T)^2/(2\mu_0) から TcT_{\mathrm c} での ∣dBc/dT∣\lvert \mathrm{d} B_{\mathrm c}/\mathrm{d} T\rvert を求め、Rutgers の式 ΔC=(Tc/μ0)(dBc/dT)2\Delta C=(T_{\mathrm c}/\mu_0)(\mathrm{d} B_{\mathrm c}/\mathrm{d} T)^2 が (5.4.29) の ΔC\Delta C と一致することを確かめよ。(使う道具:5.4.3節・5.4.4節・解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第5部第6章)
  4. (4) λL(0)\lambda_{\mathrm L}(0)・ξ0\xi_0・κ\kappa を求め、第1種か第2種かを判定せよ。T=0.9 TcT=0.9\,T_{\mathrm c} での λL(T)\lambda_{\mathrm L}(T) と ξ(T)\xi(T) も求めよ。(使う道具:5.4.4節・解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第5部第6章)
  5. (5) 第2部第8章の Peierls 転移では、ポリアセチレンの値でギャップの半分 Δ0=0.650 eV\Delta_0=0.650\,\mathrm{eV}、平均場の転移温度 TMF≈4180 KT_{\mathrm{MF}}\approx4180\,\mathrm K だった。Δ0/(kBTMF)\Delta_0/( k_{\mathrm B} T_{\mathrm{MF}}) を求めて (5.4.18) と比べ、同じ数が現れる理由と、BCS では Peierls 転移と違って Fermi 面の形によらずギャップが開く理由を述べよ。(使う道具:5.4.2節・5.4.3節・第2部第8章)
解答

(1) kF=(3π2n)1/3=1.14×1010 m−1k_{\mathrm F}=(3\pi^2n)^{1/3}=1.14\times10^{10}\,\mathrm{m^{-1}}、εF=ℏ2kF2/(2m)=4.95 eV\varepsilon _{\mathrm F}=\hbar^2k_{\mathrm F}^2/(2m)=4.95\,\mathrm{eV}、vF=ℏkF/m=1.32×106 m s−1v_{\mathrm F}=\hbar k_{\mathrm F}/m=1.32\times10^6\,\mathrm{m\,s^{-1}}。N0=3n/(4εF)=4.73×1046 J−1m−3=7.58 eV−1nm−3N_0=3n/(4\varepsilon _{\mathrm F})=4.73\times10^{46}\,\mathrm{J^{-1}m^{-3}}=7.58\,\mathrm{eV^{-1}nm^{-3}}、γ=2π23N0kB2=59.3 J K−2m−3\gamma=\frac{2\pi^2}{3}N_0 k_{\mathrm B}^2=59.3\,\mathrm{J\,K^{-2}m^{-3}} である。

(2) kBTc=1.134×25 meV×e−4=0.519 meVk_{\mathrm B} T_{\mathrm c}=1.134\times25\,\mathrm{meV}\times\mathrm{e}^{-4}=0.519\,\mathrm{meV}、Tc=6.02 KT_{\mathrm c}=6.02\,\mathrm K。Δ0=25 meV/sinh⁡4=0.9161 meV\Delta_0=25\,\mathrm{meV}/\sinh4=0.9161\,\mathrm{meV}、近似の形は 50 meV×e−4=0.9158 meV50\,\mathrm{meV}\times\mathrm{e}^{-4}=0.9158\,\mathrm{meV} で、差は 0.03%0.03\% である。sinh⁡(1/λ)=12e1/λ(1−e−2/λ)\sinh(1/\lambda)=\frac12\mathrm{e}^{1/\lambda}(1-\mathrm{e}^{-2/\lambda}) なので、相対的な差は e−2/λ=e−8=3×10−4\mathrm{e}^{-2/\lambda}=\mathrm{e}^{-8}=3\times10^{-4} の大きさになる。Δ0/(kBTc)=1.764\Delta_0/( k_{\mathrm B} T_{\mathrm c})=1.764 である。

(3) Bc(0)=Δ0μ0N0=35.8 mTB_{\mathrm c}(0)=\Delta_0\sqrt{\mu_0N_0}=35.8\,\mathrm{mT}、凝縮エネルギーは 12N0Δ02=509 J m−3\frac12N_0\Delta_0^2=509\,\mathrm{J\,m^{-3}}。例題 5.4.4 の (3) から Bc(T)2/(2μ0)=4π27ζ(3)N0(kBTc)2(1−t)2B_{\mathrm c}(T)^2/(2\mu_0)=\frac{4\pi^2}{7\zeta(3)}N_0( k_{\mathrm B} T_{\mathrm c})^2(1-t)^2 なので

∣dBcdT∣Tc=8π2μ0N07ζ(3) kB=10.3 mT K−1\lvert \frac{\mathrm{d} B_{\mathrm c}}{\mathrm{d} T}\rvert _{T_{\mathrm c}}=\sqrt{\frac{8\pi^2\mu_0N_0}{7\zeta(3)}}\, k_{\mathrm B}=10.3\,\mathrm{mT\,K^{-1}}

である。Rutgers の式に入れると (Tc/μ0)(dBc/dT)2=8π27ζ(3)N0kB2Tc(T_{\mathrm c}/\mu_0)(\mathrm{d} B_{\mathrm c}/\mathrm{d} T)^2=\frac{8\pi^2}{7\zeta(3)}N_0 k_{\mathrm B}^2T_{\mathrm c} となり、(5.4.29) の ΔC=1.426γTc\Delta C=1.426\gamma T_{\mathrm c} と式として一致する。値は 510 J K−1m−3510\,\mathrm{J\,K^{-1}m^{-3}}(γTc=357 J K−1m−3\gamma T_{\mathrm c}=357\,\mathrm{J\,K^{-1}m^{-3}} の 1.431.43 倍)である。GL の汎関数が BCS から出たので、熱力学の恒等式である Rutgers の式も BCS と矛盾しない。

(4) λL(0)=m/(μ0ne2)=23.8 nm\lambda_{\mathrm L}(0)=\sqrt{m/(\mu_0ne^2)}=23.8\,\mathrm{nm}、ξ0=ℏvF/(πΔ0)=302 nm\xi_0=\hbar v_{\mathrm F}/(\pi\Delta_0)=302\,\mathrm{nm}、κ=0.957×23.8/302=0.075\kappa=0.957\times23.8/302=0.075 で、1/21/\sqrt2 より小さいので第1種である。T=0.9 TcT=0.9\,T_{\mathrm c} では λL=23.8/0.2=53.1 nm\lambda_{\mathrm L}=23.8/\sqrt{0.2}=53.1\,\mathrm{nm}、ξ=0.739×302/0.1=705 nm\xi=0.739\times302/\sqrt{0.1}=705\,\mathrm{nm} である。清浄な単体金属で κ\kappa が小さいのは、ξ0\xi_0 が対の大きさ(ℏvF/Δ0\hbar v_{\mathrm F}/\Delta_0)で長く、λL\lambda_{\mathrm L} が電子の密度で短く決まるからである。

(5) kBTMF=1.381×10−23×4180/1.602×10−19 eV=0.360 eVk_{\mathrm B} T_{\mathrm{MF}}=1.381\times10^{-23}\times4180/1.602\times10^{-19}\,\mathrm{eV}=0.360\,\mathrm{eV} で、Δ0/(kBTMF)=1.80\Delta_0/( k_{\mathrm B} T_{\mathrm{MF}})=1.80 である。BCS の πe−γE=1.764\pi\mathrm{e}^{-\gamma_{\mathrm E}}=1.764 に 2%2\% の差で近い。同じ数が現れるのは、どちらの平均場でも自己無撞着の式が、Fermi 準位で一定の状態密度の上で1=λeff∫0Wtanh⁡(E/(2kBT)) dξ/E1=\lambda_{\mathrm{eff}}\int_0^{W}\tanh(E/(2 k_{\mathrm B} T))\,\mathrm{d}\xi/E の形になるからである。絶対零度の解は Δ0≈2We−1/λeff\Delta_0\approx2W\mathrm{e}^{-1/\lambda_{\mathrm{eff}}}、転移温度は kBT=2eγEπWe−1/λeffk_{\mathrm B} T=\frac{2\mathrm{e}^{\gamma_{\mathrm E}}}{\pi}W\mathrm{e}^{-1/\lambda_{\mathrm{eff}}} で、比をとると上端 WW と λeff\lambda_{\mathrm{eff}} が消える(2%2\% の差は、λ=0.204\lambda=0.204 が完全には弱い結合でないことの表れである)。

違いは、何と何を混ぜてギャップを開くかにある。Peierls 転移では、格子の歪みが kk と k+2kFk+2k_{\mathrm F} の電子を混ぜる。両者が同じエネルギーを持つ(Fermi 面が 2kF2k_{\mathrm F} ずらして重なる)のは1次元の鎖で特別に成り立つことで、2次元・3次元の一般の Fermi 面では一部の点しか重ならない。BCS では、平均場が k↑\bm{k}\uparrow の電子と −k↓-\bm{k}\downarrow の正孔を混ぜ、時間反転の対称性から ξ−k=ξk\xi_{-\bm{k}}=\xi_{\bm{k}} が成り立つので、Fermi 面のすべての点で電子と正孔が縮退している。そのため対数の発散は Fermi 面の形によらず必ず起き、どの次元の金属でも弱い引力でギャップが開く。

木下の勉強ステータス

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