この章のまとめ
AI 生成・木下が未勉強
ハミルトニアンの選び方で固体を考える 第5部 第4章 §5.4.7 ★★★ Fermi 面のまわりの対の引力を残した BCS の に対の平均場を当てると、Fermi 面にギャップが開く。ギャップ方程式から ・ が出て、 の近くの展開から Ginzburg–Landau 理論の係数が決まる
この章では、Fermi 面から 以内の電子どうしに働くフォノンを介した引力を、運動量 の対を散乱させる定数の引力 に削った BCS の (5.4.2) を選んだ。Cooper の問題では、Fermi 面の状態密度 が有限なので、どれほど弱い引力でも2個の電子が束縛状態を作り、その束縛エネルギーは で のべき級数に現れなかった。
道具は対の平均場 で、 は ごとの 行列 (5.4.8) になり、Bogoliubov 変換で対角化された。準粒子のエネルギー は Fermi 面の上で幅 のギャップを持つ。Fermi 面のすべての点で電子と正孔が縮退しているので、Peierls 転移と違って次元や Fermi 面の形によらずギャップが開く。
出てくるものは、ギャップ方程式 (5.4.15) から 、、物質によらない比 、凝縮エネルギー と臨界磁場 である。 の近くで平均場の自由エネルギーを展開すると Ginzburg–Landau の汎関数が出て、秩序変数の電荷 ・コヒーレンス長 ・侵入長 ・比熱の跳び が決まった。Meissner 効果は、準粒子のギャップのために常磁性の電流が減り、反磁性の電流が残ることとして微視的に説明された。
削ったものは、引力の運動量とエネルギーへの依存・Coulomb の反発・強い結合の効果・秩序変数のゆらぎ・不純物と非局所性の5つで、札は4枚置いた。Coulomb の反発は遅れの効果で に縮み、ゆらぎはコヒーレンス長が大きいので のごく近くでしか見えない。実験の量は、同位体効果・比熱の跳びと指数関数の減り方・トンネル分光の状態密度・磁束の量子 である。
次の第5部第5章では、バンドの Berry 曲率を扱う。この章の 行列も と を成分に持つ擬スピンの磁場とみなすことができ、 に向きの依存があるとき( 波の対など)、その巻き数がトポロジーの数になる(トポロジカル超伝導)。この巻では名前を挙げるにとどめるが、数え方は終章第5部第6章で2バンドの Chern 数を写像の度数として数えるのと同じである。
総合問題 仮想の金属の超伝導を一通り計算し、Peierls 転移と比べる ★★★
オリジナル1原子あたり伝導電子1個の金属で、電子の密度を とし、自由電子気体として扱う。Debye のエネルギーを 、結合の強さを とする(どれも仮の値)。定数は例題 5.4.3 と同じものを使い、 とする。
- (1) ・・・ と、電子比熱の係数 (単位体積あたり)を求めよ。(使う道具:第4部第1章)
- (2) と を求め、 の厳密な形 と近似の形 を比べよ。(使う道具:5.4.3節)
- (3) と凝縮エネルギーを求めよ。また、(5.4.24) の から での を求め、Rutgers の式 が (5.4.29) の と一致することを確かめよ。(使う道具:5.4.3節・5.4.4節・解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第5部第6章)
- (4) ・・ を求め、第1種か第2種かを判定せよ。 での と も求めよ。(使う道具:5.4.4節・解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第5部第6章)
- (5) 第2部第8章の Peierls 転移では、ポリアセチレンの値でギャップの半分 、平均場の転移温度 だった。 を求めて (5.4.18) と比べ、同じ数が現れる理由と、BCS では Peierls 転移と違って Fermi 面の形によらずギャップが開く理由を述べよ。(使う道具:5.4.2節・5.4.3節・第2部第8章)
解答
(1) 、、。、 である。
(2) 、。、近似の形は で、差は である。 なので、相対的な差は の大きさになる。 である。
(3) 、凝縮エネルギーは 。例題 5.4.4 の (3) から なので
である。Rutgers の式に入れると となり、(5.4.29) の と式として一致する。値は ( の 倍)である。GL の汎関数が BCS から出たので、熱力学の恒等式である Rutgers の式も BCS と矛盾しない。
(4) 、、 で、 より小さいので第1種である。 では 、 である。清浄な単体金属で が小さいのは、 が対の大きさ()で長く、 が電子の密度で短く決まるからである。
(5) で、 である。BCS の に の差で近い。同じ数が現れるのは、どちらの平均場でも自己無撞着の式が、Fermi 準位で一定の状態密度の上で の形になるからである。絶対零度の解は 、転移温度は で、比をとると上端 と が消える( の差は、 が完全には弱い結合でないことの表れである)。
違いは、何と何を混ぜてギャップを開くかにある。Peierls 転移では、格子の歪みが と の電子を混ぜる。両者が同じエネルギーを持つ(Fermi 面が ずらして重なる)のは1次元の鎖で特別に成り立つことで、2次元・3次元の一般の Fermi 面では一部の点しか重ならない。BCS では、平均場が の電子と の正孔を混ぜ、時間反転の対称性から が成り立つので、Fermi 面のすべての点で電子と正孔が縮退している。そのため対数の発散は Fermi 面の形によらず必ず起き、どの次元の金属でも弱い引力でギャップが開く。
木下の勉強ステータス
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