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この章のまとめと試験での出方

2026年10月17日7分で読めますAI生成教科書『資格試験』第8章 標本抽出と大数の法則・中心極限定理

AI 生成・木下が未勉強

統計学の復習 第8章 §8.6

この章では、標本を「母集団分布に従う独立な確率変数の組」として立て、そこから標本平均の性質を3段階で導いた。第一に、どの nn でも正確に E[Xˉ]=μE[\bar X]=\mu、V[Xˉ]=σ2/nV[\bar X]=\sigma^2/n が成り立ち(定理 8.2)、戻さない抽出では分散に有限母集団修正 (N−n)/(N−1)(N-n)/(N-1) がかかる(定理 8.3)。第二に、この分散を Chebyshev の不等式に入れると、Xˉ\bar X は μ\mu に確率収束する(大数の弱法則、定理 8.7)。第三に、標準化した Xˉ\bar X の分布の形は、母集団分布によらず標準正規分布に近づく(中心極限定理、定理 8.8)。二項分布の正規近似はその特別な場合で、連続補正をつけて使う。

抽出方法の比較も、同じ分散の式で行った。母分散は層内と層間に分かれ(定理 8.4)、比例配分の層別抽出は層間の分を分散から除く(定理 8.5)。クラスター抽出は級内相関 ρ\rho の分だけ分散が 1+(m−1)ρ1+(m-1)\rho 倍になる(定理 8.6)。標本誤差は nn を増やせば小さくなるが、無回答や抽出枠の不備による偏りは nn によらず残り、平均二乗誤差は分散と偏りの2乗の和になる(式 (8.5))。

2級では、抽出方法の名前を説明文から選ぶ問い(「各グループから」なら層別抽出)、標本平均の期待値と標準誤差、標本平均や二項分布の確率を正規近似で求める問いが毎回出る。二項分布の正規近似では連続補正の向きを、標本平均の確率では分散を nn で割り忘れないことを確かめる。

1級の統計数理では、この章の結果は大問の前半で使われる。典型的な小問の連鎖は次の形である。

  1. 母集団分布の平均と分散を積分や和で求める。
  2. 推定量(標本平均やその関数)の期待値と分散を、定理 8.2 の計算で求める。
  3. Chebyshev の不等式で一致性を示す。
  4. 中心極限定理で漸近正規性を述べ、近似の信頼区間や検定を作る。

関数 g(Xˉ)g(\bar X) の漸近分布を求めるデルタ法と、Slutsky の定理による σ\sigma の推定値への置き換えは、数理統計の解説 第5章 §5.3 で扱う。統計応用(理工学)では、抜き取り検査の標本の大きさや、層別・ブロック化による誤差分散の減少が、実験計画法の乱塊法(実験計画法の解説 第1章)と同じ考え方で問われる。

次の総合問題は、第3章の全確率の公式、第5章のベルヌーイ分布、この章の層別抽出と中心極限定理をつなぐ。

総合問題 層別抽出で支持率の推定精度を上げる ★★★

オリジナルある大学の学生は、理系が40%、文系が60%で、ある制度に賛成する割合は理系で 0.70.7、文系で 0.30.3 である。学生1人の賛否を「賛成なら1、反対なら0」の確率変数で表す。学生は十分多く、有限母集団修正は無視してよい。

  1. (1) 大学全体の賛成の割合 pp と、全学生を母集団としたときの母分散 σ2\sigma^2 を求めよ。(使う道具:第3章 全確率の公式、第5章 ベルヌーイ分布の分散)
  2. (2) σ2\sigma^2 を、定理 8.4 にしたがって層内と層間に分けて求め、和が (1) の値に一致することを確かめよ。(使う道具:本章 §8.3)
  3. (3) 400人の標本について、単純無作為抽出の標本比率 p^\hat p と、比例配分(理系160人・文系240人)の層別抽出の推定量 p^st=0.4p^1+0.6p^2\hat p_{\mathrm{st}}=0.4\hat p_1+0.6\hat p_2 の標準誤差をそれぞれ求めよ。(使う道具:本章 定理 8.2・定理 8.5)
  4. (4) 2つの方法のそれぞれについて、推定値が真の値から 0.030.03 以内に入る確率を中心極限定理で近似せよ。層別抽出の推定量が近似的に正規分布に従う理由も述べよ。(使う道具:本章 §8.5、第6章・第7章 独立な正規分布の和)
  5. (5) 単純無作為抽出で (3) の層別抽出と同じ標準誤差を得るには、標本の大きさがいくつ必要か。
解答

(1) 学生を1人無作為に選んだとき、全確率の公式から賛成の確率は p=0.4×0.7+0.6×0.3=0.28+0.18=0.46p=0.4\times0.7+0.6\times0.3=0.28+0.18=0.46 である。賛否は0か1の値をとるので、ベルヌーイ分布の分散として σ2=p(1−p)=0.46×0.54=0.2484\sigma^2=p(1-p)=0.46\times0.54=0.2484 である。

(2) 層 hh の中の賛否も0か1なので、層内の分散は σh2=ph(1−ph)\sigma_h^2=p_h(1-p_h) で、理系・文系ともに 0.7×0.3=0.3×0.7=0.210.7\times0.3=0.3\times0.7=0.21 である。層内の項は 0.4×0.21+0.6×0.21=0.210.4\times0.21+0.6\times0.21=0.21、層間の項は ph−p=0.24, −0.16p_h-p=0.24,\ -0.16 から

0.4×0.242+0.6×(−0.16)2=0.4×0.0576+0.6×0.0256=0.02304+0.01536=0.03840.4\times0.24^2+0.6\times(-0.16)^2=0.4\times0.0576+0.6\times0.0256=0.02304+0.01536=0.0384

である。和は 0.21+0.0384=0.24840.21+0.0384=0.2484 で、(1) と一致する。

(3) 単純無作為抽出では V[p^]=σ2/400=0.2484/400=0.000621V[\hat p]=\sigma^2/400=0.2484/400=0.000621 で、標準誤差は 0.000621=0.02492\sqrt{0.000621}=0.02492 である。比例配分では、定理 8.5 から V[p^st]=0.21/400=0.000525V[\hat p_{\mathrm{st}}]=0.21/400=0.000525 で、標準誤差は 0.000525=0.02291\sqrt{0.000525}=0.02291 である。式 (8.8) で直接計算しても、0.42×0.21/160+0.62×0.21/240=0.00021+0.000315=0.0005250.4^2\times0.21/160+0.6^2\times0.21/240=0.00021+0.000315=0.000525 で同じ値になる。

(4) 単純無作為抽出の p^\hat p は400個の独立なベルヌーイ変数の平均なので、中心極限定理から p^≈N(0.46,0.024922)\hat p\approx\mathrm{N}(0.46,0.02492^2) である。よって

P(∣p^−0.46∣≤0.03)≈P(∣Z∣≤0.030.02492)=P(∣Z∣≤1.204)=2Φ(1.204)−1=0.771.P(\lvert \hat p-0.46\rvert \le0.03)\approx P\Bigl(\lvert Z\rvert \le\frac{0.03}{0.02492}\Bigr)=P(\lvert Z\rvert \le1.204)=2\Phi(1.204)-1=0.771.

層別抽出の p^1\hat p_1 と p^2\hat p_2 はそれぞれ160個・240個の独立なベルヌーイ変数の平均なので、中心極限定理からそれぞれ近似的に正規分布に従う。2つの層の抽出は独立で、独立な正規分布に従う確率変数の線形結合は正規分布に従うので、p^st≈N(0.46,0.022912)\hat p_{\mathrm{st}}\approx\mathrm{N}(0.46,0.02291^2) である。よって

P(∣p^st−0.46∣≤0.03)≈P(∣Z∣≤1.309)=2Φ(1.309)−1=0.810.P(\lvert \hat p_{\mathrm{st}}-0.46\rvert \le0.03)\approx P(\lvert Z\rvert \le1.309)=2\Phi(1.309)-1=0.810.

(5) 0.2484/n≤0.0005250.2484/n\le0.000525 を解くと n≥0.2484/0.000525=473.1n\ge0.2484/0.000525=473.1 で、474474 人が必要である。層別抽出の400人は、単純無作為抽出の474人分の精度に当たる。層間の分 0.03840.0384 は母分散の約15%で、その分だけ必要な標本が減る。

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