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この章のまとめと試験での出方

2026年10月17日8分で読めますAI生成教科書『資格試験』第12章 仮説検定の考え方と平均の検定

AI 生成・木下が未勉強

統計学の復習 第12章 §12.10

仮説検定は、帰無仮説 H0H_0 のもとで分布が完全に分かる統計量を作り、その実現値が分布の裾(棄却域)に落ちたら H0H_0 を棄却する手続きである。H0H_0 を値が1つに決まる側に置くのは確率を計算するためで、示したい主張は H1H_1 に置く。棄却したときの結論は第1種の過誤の確率 α\alpha で保証されるが、棄却しなかったときの結論は、第2種の過誤の確率 β(μ)\beta(\mu) が真の μ\mu ごとに決まり制御されていないので、H0H_0 が正しいことの証拠にならない。pp 値は H0H_0 のもとでの裾の確率で、p≤αp\le\alpha と統計量が棄却域に入ることは同じ判定である。H0H_0 が正しい確率ではない。検定の採択域を母数について解き直すと信頼区間になる。片側か両側かは対立仮説の向きで決まり、データを見る前に決める。

場面検定統計量H0H_0 のもとでの分布両側の棄却域
1標本・σ\sigma 既知(Xˉ−μ0)/(σ/n)(\bar X-\mu_0)/(\sigma/\sqrt n)N(0,1)\mathrm N(0,1)∣Z∣>zα/2\lvert Z\rvert >z_{\alpha/2}
1標本・σ\sigma 未知(Xˉ−μ0)/(S/n)(\bar X-\mu_0)/(S/\sqrt n)tn−1t_{n-1}∣T∣>tn−1(α/2)\lvert T\rvert >t_{n-1}(\alpha/2)
対応のある差Dˉ/(SD/n)\bar D/(S_D/\sqrt n)tn−1t_{n-1}∣T∣>tn−1(α/2)\lvert T\rvert >t_{n-1}(\alpha/2)
独立2標本・等分散(Xˉ−Yˉ)/(Sp1/n1+1/n2)(\bar X-\bar Y)/(S_p\sqrt{1/n_1+1/n_2})tn1+n2−2t_{n_1+n_2-2}∣T∣>tn1+n2−2(α/2)\lvert T\rvert >t_{n_1+n_2-2}(\alpha/2)
独立2標本・Welch(Xˉ−Yˉ)/S12/n1+S22/n2(\bar X-\bar Y)/\sqrt{S_1^2/n_1+S_2^2/n_2}近似 tν∗t_{\nu^*}∣TW∣>tν∗(α/2)\lvert T_W\rvert >t_{\nu^*}(\alpha/2)

片側検定では、どの行も臨界値の α/2\alpha/2 を α\alpha に替え、棄却域を対立仮説の向きの片方の裾だけにする。

2級では、場面を見分けて統計量を計算し臨界値と比べる問いのほか、pp 値の意味・2種類の過誤の増減・片側と両側の選択を問う文章の正誤問題が毎回出る。失点は、pp 値を H0H_0 が正しい確率と読む、nn を増やすと α\alpha が下がると考える、片側の臨界値に α/2\alpha/2 を使う、σ\sigma 未知で zz を使う、ss と s2s^2 を読み違える、対応のあるデータを独立2標本として扱う、の6か所に集中する。

1級の統計数理では、検定の手続きを与えられて結論を出すだけでなく、検定そのものを導くことが求められる。典型的な小問の連鎖は「帰無仮説のもとでの統計量の分布を示す → 有意水準 α\alpha の棄却域を決める → 検出力関数を母数の関数として書く → 検出力を指定した値にする標本の大きさを求める → 検定を反転して信頼区間を作る」である。この章では検定統計量を直観で選んだが、1級では尤度比から統計量を導くこと(尤度比検定)と、検出力が最大の検定を作ること(Neyman–Pearson の補題)が問われる。2025年 統計数理 問4 の題材(二項分布での確率化検定)は、例題 12.1 で見た「離散型では棄却の確率を α\alpha にちょうど合わせられない」問題の続きに当たる。これらは数理統計の解説 第7章 §7.3(尤度比検定)・§7.5(検定方式の評価)で扱い、検定の反転による区間の構成は数理統計の解説 第8章 §8.2 で扱う。統計応用(理工学)では、対応のある差の検定と2標本の検定が、実験計画法で処理の効果を調べるときの最も単純な場合(2水準の一元配置と乱塊法)として現れる。

次の総合問題は、本章の検出力と片側 tt 検定に、第6章の標準化・第8章の標本平均の分布・第10章の片側の信頼限界をつなぐ。

総合問題 検出力から標本の大きさを決め、母分散が未知の検定と信頼限界で確かめる ★★★

オリジナルある部品の強度は正規分布 N(μ,σ2)\mathrm N(\mu,\sigma^2) に従う。従来の平均は 1010 で、改良によって平均が上がったかを、H0:μ=10H_0:\mu=10、H1:μ>10H_1:\mu>10、有意水準 5%5\% で調べる。

  1. (1) σ=4\sigma=4 が既知で n=16n=16 のとき、Xˉ\bar X の分布を答え、Xˉ\bar X についての棄却域を求めよ。(使う道具:第8章 標本平均の期待値と分散、第6章 正規分布の再生性と標準化)
  2. (2) (1) の検定の、真の母平均 μ=11.5\mu=11.5 での検出力を求めよ(Φ(0.145)=0.5576\Phi(0.145)=0.5576)。(使う道具:本章 式 (12.2))
  3. (3) σ=4\sigma=4 のまま、μ=11.5\mu=11.5 での検出力を 0.90.9 以上にするのに必要な nn の最小値を求めよ(z0.1=1.2816z_{0.1}=1.2816)。(使う道具:本章 式 (12.2)、Φ\Phi の単調性)
  4. (4) 実際には σ\sigma は未知で、n=16n=16 の標本から xˉ=11.9\bar x=11.9、不偏標準偏差 s=4.4s=4.4 を得た。片側 tt 検定を行え(t15(0.05)=1.753t_{15}(0.05)=1.753)。また、誤って z0.05=1.645z_{0.05}=1.645 と比べた場合の結論を述べよ。(使う道具:本章 §12.7)
  5. (5) (4) のデータから、μ\mu の信頼係数 95%95\% の下側信頼限界を求め、(4) の結論と矛盾しないことを確かめよ。(使う道具:第10章 片側の信頼限界、本章 定理 12.5 の片側版)
解答

(1) 第8章から E[Xˉ]=μE[\bar X]=\mu、V[Xˉ]=σ2/n=16/16=1V[\bar X]=\sigma^2/n=16/16=1 で、第6章の再生性から Xˉ∼N(μ,1)\bar X\sim\mathrm N(\mu,1) である。H0H_0 のもとで Z=(Xˉ−10)/1∼N(0,1)Z=(\bar X-10)/1\sim\mathrm N(0,1) なので、棄却域は Z>1.645Z>1.645、すなわち

Xˉ>10+1.645×1=11.645\bar X>10+1.645\times1=11.645

である。

(2) 真の μ=11.5\mu=11.5 のとき Xˉ∼N(11.5,1)\bar X\sim\mathrm N(11.5,1) なので

1−β(11.5)=P(Xˉ>11.645)=P ⁣(Xˉ−11.51>0.145)=1−Φ(0.145)=0.4421-\beta(11.5)=P(\bar X>11.645)=P\!\left(\frac{\bar X-11.5}{1}>0.145\right)=1-\Phi(0.145)=0.442

である。式 (12.2) で δ=(11.5−10)×4/4=1.5\delta=(11.5-10)\times4/4=1.5 と置いた Φ(1.5−1.645)=Φ(−0.145)\Phi(1.5-1.645)=\Phi(-0.145) と同じ値である。真の平均が 1.51.5 上がっていても、半分以上の確率でそれを見逃す。

(3) 一般の nn では δ=1.5n/4\delta=1.5\sqrt n/4 で、検出力は Φ(δ−1.645)\Phi(\delta-1.645) である。Φ(δ−1.645)≥0.9=Φ(1.2816)\Phi(\delta-1.645)\ge0.9=\Phi(1.2816) は、Φ\Phi が増加関数なので δ−1.645≥1.2816\delta-1.645\ge1.2816 と同値である。したがって

1.5n4≥1.645+1.2816=2.9265,n≥4×2.92651.5=7.804,n≥60.9\frac{1.5\sqrt n}{4}\ge1.645+1.2816=2.9265,\qquad \sqrt n\ge\frac{4\times2.9265}{1.5}=7.804,\qquad n\ge60.9

で、切り上げて n=61n=61 である(n=60n=60 では δ=2.905\delta=2.905、検出力は Φ(1.260)=0.896\Phi(1.260)=0.896 で 0.90.9 を下回る)。(2) の n=16n=16 から約4倍の標本が要る。δ\delta は n\sqrt n に比例するので、δ\delta を 1.51.5 から 2.932.93 へ約2倍にするには nn を約4倍にする必要がある。

(4) 標準誤差は s/n=4.4/4=1.1s/\sqrt n=4.4/4=1.1 で、

tobs=11.9−101.1=1.727t_{\mathrm{obs}}=\frac{11.9-10}{1.1}=1.727

である。1.727<1.753=t15(0.05)1.727<1.753=t_{15}(0.05) なので、有意水準 5%5\% では H0H_0 を棄却しない(p=0.052p=0.052)。誤って z0.05=1.645z_{0.05}=1.645 と比べると 1.727>1.6451.727>1.645 で棄却してしまう。σ\sigma を ss で推定したぶれを無視した分だけ臨界値が小さくなり、第1種の過誤の確率が 5%5\% を超える手続きになる。

(5) 第10章の片側の信頼限界の zz を tn−1t_{n-1} に替えると、下側信頼限界は

xˉ−t15(0.05)sn=11.9−1.753×1.1=11.9−1.928=9.972\bar x-t_{15}(0.05)\frac{s}{\sqrt n}=11.9-1.753\times1.1=11.9-1.928=9.972

で、区間は [ 9.972, ∞)[\,9.972,\ \infty) である。上側の片側検定で H0:μ=μ0H_0:\mu=\mu_0 が棄却されないことは、tobs=(xˉ−μ0)/(s/n)≤t15(0.05)t_{\mathrm{obs}}=(\bar x-\mu_0)/(s/\sqrt n)\le t_{15}(0.05)、すなわち μ0≥xˉ−t15(0.05)s/n\mu_0\ge\bar x-t_{15}(0.05)s/\sqrt n と同値で、μ0\mu_0 が区間に入ることを意味する。μ0=10\mu_0=10 は 9.9729.972 以上なので区間に入り、(4) で棄却しなかったことと一致する。ただし 1010 は下限 9.9729.972 にきわめて近く、pp 値 0.0520.052 が 0.050.05 にきわめて近いことと同じ事情を表している。

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