物理のための微分幾何入門 第12章 §12.8
- 12.1-1 (12.4) で β=α とすると、2項が打ち消す。
(α∧α)(u,v)=α(u)α(v)−α(v)α(u)=0
すべての2本のベクトルで値が0なので、α∧α=0 である。
次に ω∧ω を展開する。
ω∧ω=dx1∧dx2∧dx1∧dx2+dx1∧dx2∧dx3∧dx4+dx3∧dx4∧dx1∧dx2+dx3∧dx4∧dx3∧dx4
第1項と第4項は、同じ1形式を2つ含むので 0 である。第3項は2形式どうしの入れ替えで、(12.5) から符号は (−1)2⋅2=1 である。したがって次の結果を得る。
ω∧ω=2dx1∧dx2∧dx3∧dx4=0
この形の2形式は第14章の正準2形式(2自由度)で、ω∧ω=0 はその非退化性を表す。2. 12.1-2 定理 12.5 の帰結から、値は成分を並べた行列式である。
(dx∧dy∧dz)(a1,a2,a3)=(2a)3det011101110=8a3⋅2=4a3
行列式は第1行で展開して 0⋅(0−1)−1⋅(0−1)+1⋅(1−0)=2 である。基本単位胞の体積は a3/4 である。立方体の単位胞(体積 a3)に原子が4個あることと合う。2本を入れ替えると、反対称性から値は −a3/4 になる。3. 12.1-3 まず α∧β を求める。dx2∧dx2=0 なので3項が残る。
α∧β=dx1∧dx2+dx1∧dx3+dx2∧dx3
これに γ=dx3+dx4 を掛ける。dx3 を掛けると、dx3 を含む第2項と第3項は消え、第1項だけが残る。dx4 を掛けると、3項とも残る。
α∧β∧γ=dx1∧dx2∧dx3+dx1∧dx2∧dx4+dx1∧dx3∧dx4+dx2∧dx3∧dx4
4つの基底の係数はどれも 1 である。4. 12.1-4 1次従属なら、番号を付け替えて αk=∑i<kciαi と書ける。これを代入すると、各項は同じ1形式を2つ含むので 0 になる。
逆に1次独立なら、この組を補って双対空間の基底 α1,…,αn を作る。その双対基底 v1,…,vn をとる(αi(vj)=δij)。(12.2) から、次の値が出る。
(α1∧⋯∧αk)(v1,…,vk)=det[δij]i,j=1k=1
したがって外積は 0 でない。5. 12.2-1 関数の積の偏微分に dxi を掛けて和をとると、次の式を得る。
d(fg)=∂i(fg)dxi=(g∂if+f∂ig)dxi=gdf+fdg
fdg は0形式と1形式の外積なので、Leibniz 則 (12.13) の k=0 の場合を使う。
d(fdg)=df∧dg+fd(dg)=df∧dg
最後に g=f とすると、d(fdf)=df∧df=0 である。6. 12.2-2 各項で、基底に無い座標の微分だけが残る。
dβ=2xdx∧dy∧dz+2ydy∧dz∧dx+2zdz∧dx∧dy
基底の並び (y,z,x) と (z,x,y) はどちらも巡回置換(偶置換)である。そのため、どちらの3形式も dx∧dy∧dz に等しい。したがって dβ=2(x+y+z)dx∧dy∧dz である。b=(x2,y2,z2) の発散も 2x+2y+2z で、(12.17) と一致する。7. 12.2-3 左辺から計算する。α∧β=xy2zdz∧dx なので、dy の項だけが残る。
d(α∧β)=2xyzdy∧dz∧dx=2xyzdx∧dy∧dz
右辺の各項を計算する。dα=ydx∧dz+xdy∧dz である。これに β=yzdx を後ろから掛けると、第1項は消える。
dα∧β=xyzdy∧dz∧dx=xyzdx∧dy∧dz
dβ=zdy∧dx+ydz∧dx である。α=xydz を前から掛けると、第2項は消える。
α∧dβ=xyzdz∧dy∧dx=−xyzdx∧dy∧dz
したがって dα∧β−α∧dβ=2xyzdx∧dy∧dz で、左辺と一致する。8. 12.2-4 (12.12) から (dω)jk=∂jωk−∂kωj である。これを2形式の成分として、もう1回 (12.12) を使う。
(ddω)ijk=∂i(dω)jk−∂j(dω)ik+∂k(dω)ij
3つの括弧を展開すると、6つの2階微分の項になる。
(∂i∂jωk−∂i∂kωj)−(∂j∂iωk−∂j∂kωi)+(∂k∂iωj−∂k∂jωi)
2階微分の順序は交換できるので、∂i∂jωk と −∂j∂iωk が打ち消す。残りの2組も同じように打ち消すので、和は 0 である。9. 12.3-1 接ベクトル u、v について、(12.18) と (12.4) から次のようになる。
f∗(α∧β)(u,v)=α(f∗u)β(f∗v)−α(f∗v)β(f∗u)
α(f∗u)=(f∗α)(u) などを使うと、右辺は次の式になる。
(f∗α)(u)(f∗β)(v)−(f∗α)(v)(f∗β)(u)=(f∗α∧f∗β)(u,v)
10. 12.3-2 §12.3 の例の dx、dy を代入する。
−ydx+xdy=−rsinθ(cosθdr−rsinθdθ)+rcosθ(sinθdr+rcosθdθ)=r2(sin2θ+cos2θ)dθ=r2dθ
dr の項は打ち消した。半径 a の円の上では r=a で、角度は1周分増える。したがって積分は ∫02πa2dθ=2πa2 である。これは例題 12.5(3) で R=a とした値と一致する。11. 12.3-3 ヤコビ行列は次のとおりである。
∂(r,θ,φ)∂(x,y,z)=sinθcosφsinθsinφcosθrcosθcosφrcosθsinφ−rsinθ−rsinθsinφrsinθcosφ0
第3行で展開する。第1項は cosθ⋅(r2sinθcosθ) で、第2項は rsinθ⋅(rsin2θ) である。和は r2sinθ(cos2θ+sin2θ)=r2sinθ で、(12.21) から主張が出る。12. 12.3-4 γ~=γ∘h とすると、連鎖律から γ~˙i(s)=γ˙i(h(s))h′(s) である。
∫γ~ω=∫cdωi(γ(h(s)))γ˙i(h(s))h′(s)ds
t=h(s) と置換する。
増加の場合は、積分の端点がそのまま区間の始点と終点に移る。すると右辺は ∫γω になる。h が減少なら端点が入れ替わるので、符号が反転する。これは1次元での定理 12.12 にあたる。13. 12.4-1 F♭=−dV なので、経路 γ に沿った仕事は (12.27) から次の式になる。
W=∫γF♭=−∫γdV=V(A)−V(B)
右辺は、始点 A と終点 B だけで決まる。14. 12.4-2 確認テスト 12.2-2 と同じ計算で dβ=3dx∧dy∧dz なので、∫Vdβ=3 である。境界の6つの面を計算する。右の面の上では x=1 で、引き戻しは dy∧dz になる。外向きは +x 方向で、(y,z) の順が外向きに合う向きである。この面の積分は 1 である。反対側の面では係数 x が0なので、積分は 0 である。ほかの2組の面も同じで、合計は 1+1+1=3 である。これは体積の積分と一致する。15. 12.4-3 ループの面積は S=π(0.05m)2=7.85×10−3m2 である。磁束の時間変化は、面積に磁場の増加率を掛けたものである。起電力の大きさは次のとおりである。
∣E∣=π(0.05)2×0.20V=1.57×10−3V
約 1.6mV である。16. 12.4-4 境界が空なので、(12.26) の右辺は0である。したがって ∫Sdη=0 である。閉曲面を貫く磁束は ∫SΦB=∫SdA♭ である。η=A♭ とすれば、これは 0 になる。17. 12.5-1 ω=dη なら dω=ddη=0 である。
f=21ln(x2+y2) とおく。偏微分は次のとおりである。
∂x∂f=x2+y2x,∂y∂f=x2+y2y
したがって df は問題の形式に等しく、この形式は完全である。極座標では f=lnr で、形式は dr/r である。
lnr は穴のある平面全体で1つの値に決まる関数である。そのため、dθ と違って完全形式になる。18. 12.5-2 閉性を確かめる。3つの成分について、組ごとの偏微分が一致する。
∂xωy=2x=∂yωx,∂xωz=1=∂zωx,∂yωz=0=∂zωy
(12.32)(k=1)で f を求める。
f=∫01[x(2t2xy+tz)+yt2x2+ztx]dt=x(32xy+2z)+3x2y+2xz=x2y+xz
df を計算すると ω に一致する。19. 12.5-3 右の辺は x=1 の線分である。その上では dx=0 なので、積分は次のようになる。
∫x2+y2xdy=∫−111+y2dy=2arctan1=2π
原点のまわりの 90∘ の回転で、正方形と ω はどちらも変わらない。したがって4辺の積分は等しく、合計は 4⋅π/2=2π である。
2つ目の正方形は、囲む領域ごと原点を含まない。その領域は原点を除いた平面に含まれる。そのため Stokes の定理から、周の積分は内部の dω=0 の積分に等しく、0 である。20. 12.5-4 1点 p0 を固定し、そこでの値と関数の値が等しくなる点の集合を A とする。f は連続なので A は閉集合である。A の点のまわりに連結な座標近傍をとる。そこでは ∂if=0 なので関数は一定で、近傍は A に含まれる。したがって A は開集合でもあり、空でないので、連結性から A=M である。 R∖{0} は、正の側と負の側の2つの連結成分を持つ。df=0 の関数は各成分で定数で、2つの定数は独立に選べる。したがって dimH0=2 である。21. 12.6-1 α=dx のとき、左辺は dx∧dy∧dz=vol で、右辺の内積は1である。ほかの基底のとき、左辺は同じ1形式を2つ含んで0で、右辺の内積も0である。したがって ⋆dx=dy∧dz である。同様に、(dx∧dy)∧dz=vol で、dx∧dy の自分との内積は1である。そのため ⋆(dx∧dy)=dz である。 (12.39) で sgn(g)=1、n=3 とする。指数 k(3−k) は、次数が0から3のときそれぞれ0、2、2、0で、すべて偶数である。したがって ⋆⋆=1 である。22. 12.6-2 (12.38) から、1番目の余枠の双対は残り2つの外積である。
⋆dr=(rdθ)∧(rsinθdφ)=r2sinθdθ∧dφ
df=mrm−1dr なので、次のようになる。
⋆df=mrm+1sinθdθ∧dφ,d⋆df=m(m+1)rmsinθdr∧dθ∧dφ
体積形式は vol=r2sinθdr∧dθ∧dφ で、⋆vol=1 である。したがって ⋆d⋆df=m(m+1)rm−2 である。m=−1 では係数が0なので、原点の外で Δ(1/r)=0 である。23. 12.6-3 定理 12.23 の証明の ⋆J♭ に d を当てる。第1項では、時間の微分だけが残る。
d(cρdx1∧dx2∧dx3)=c∂0ρdx0∧dx1∧dx2∧dx3=∂tρvol
第2項では、Leibniz 則の符号 −1 と前の負号が打ち消し、(12.17) の発散が残る。
−d(dx0∧[Jxdx2∧dx3+⋯])=dx0∧(∇⋅J)dx1∧dx2∧dx3=(∇⋅J)vol
合わせて、d⋆J♭=(∂tρ+∇⋅J)vol である。24. 12.6-4 (12.43) を続けて使う。
⋆⋆(dx0∧dx1)=⋆(−dx2∧dx3)=−dx0∧dx1
真空では dF′=d⋆F=0 である。また d⋆F′=d⋆⋆F=−dF=0 である。したがって F′ も2つの式を満たす。
(12.45) から、F′ は電場と磁場を次のように置き換えた形である。
E′/c=−B,B′=E/c
これは (E,B)→(−cB,E/c) という置き換えで、真空の Maxwell 方程式はこの置き換えで保たれる。25. 12.6-5 この座標では、温度と体積をエントロピーと圧力の関数とみなす。
dT∧dS=(∂p∂T)Sdp∧dS,dp∧dV=(∂S∂V)pdp∧dS
(12.48) で係数を比べると、次の関係を得る。
(∂p∂T)S=(∂S∂V)p
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