tecktom.com

出てくるもの(1):横モードとビームの太さ

2026年10月15日11分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第5章 光共振器
目次
  1. 借りる道具:ガウスビームと ABCD 則
  2. 周回で自分に戻る
  3. 2枚の鏡の共振器のビーム
  4. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

光学と量子エレクトロニクス 第5章 §5.3 ★★★ 周回の ABCD 則で自分に戻る qq は、安定な共振器でだけ存在する。そのビームの波面は両方の鏡の面に重なる

借りる道具:ガウスビームと ABCD 則

第4章(第4章)で、近軸の波動方程式 ∇⊥2u+2ik ∂zu=0\nabla_\perp^2u+2\mathrm{i} k\,\partial_zu=0 の解として、次のガウスビーム(第4章の式 (4.16))を導いた。この章ではその結果だけを使う。

u(x,z)∝1q(z)exp⁡ ⁣(ik∣x∣22q(z)),1q=1R(z)+i2kw(z)2=1R(z)+iλπw(z)2.(5.7)u(\bm{x},z)\propto\frac{1}{q(z)}\exp\!\Bigl(\frac{\mathrm{i} k\lvert \bm{x}\rvert ^2}{2q(z)}\Bigr),\qquad \frac{1}{q}=\frac{1}{R(z)}+\mathrm{i}\frac{2}{kw(z)^2}=\frac{1}{R(z)}+\mathrm{i}\frac{\lambda}{\pi w(z)^2}.\tag{5.7}

これは第4章の式 (4.9) と同じ qq で、λ\lambda は媒質の中の波長である。w(z)w(z) は強度が中心の e−2\mathrm{e}^{-2} 倍になる半径(ビーム半径)、R(z)R(z) は波面の曲率半径である。複素数の qq をこの形に取るのは、速い位相を ei(kz−ωt)\mathrm{e}^{\mathrm{i}(kz-\omega t)} と書くこの本の流儀による(eiωt−ikz\mathrm{e}^{\mathrm{i}\omega t-\mathrm{i} kz} の流儀で書く光学の教科書では 1/q=1/R−iλ/(πw2)1/q=1/R-\mathrm{i}\lambda/(\pi w^2) と、虚部の符号が逆になる)。自由な空間では q(z)=z−izRq(z)=z-\mathrm{i} z_{\mathrm R}(zz はビームの腰からの距離、zR=πw02/λz_{\mathrm R}=\pi w_0^2/\lambda は Rayleigh 長、w0w_0 は腰の半径)で、

w(z)2=w02(1+z2zR2),R(z)=z+zR2z,ψG(z)=arctan⁡zzR(5.8)w(z)^2=w_0^2\Bigl(1+\frac{z^2}{z_{\mathrm R}^2}\Bigr),\qquad R(z)=z+\frac{z_{\mathrm R}^2}{z},\qquad \psi_{\mathrm G}(z)=\arctan\frac{z}{z_{\mathrm R}}\tag{5.8}

となる。ψG(z)\psi_{\mathrm G}(z) は Gouy 位相で、ガウスビームの位相は kz−ψG(z)kz-\psi_{\mathrm G}(z) である。

第4章のもう1つの結果は、近軸の光学系を通るとき、光線の行列 (ABmathbbCD)\bigl(\begin{smallmatrix}A&B\\mathbb{C}&D\end{smallmatrix}\bigr) がそのまま qq の変換を決めることである(ABCD 則)。

q′=Aq+BCq+D,u′=1A+B/q⋅(新しい q′ の形の分布).(5.9)q'=\frac{Aq+B}{Cq+D},\qquad u'=\frac{1}{A+B/q}\cdot(\text{新しい}\ q'\ \text{の形の分布}).\tag{5.9}

2つ目の式の前の因子は、光学系を通る前後で場の全体のパワーを保つ規格化と、系を通るあいだに積もる Gouy 位相を合わせたものである。自由な伝搬 T(d)T(d) では 1/(1+d/q)=q/(q+d)=q/q′1/(1+d/q)=q/(q+d)=q/q' となり、その偏角は −(ψG(z+d)−ψG(z))-\bigl(\psi_{\mathrm G}(z+d)-\psi_{\mathrm G}(z)\bigr) で、式 (5.8) の Gouy 位相の差に一致する。高次の Hermite–Gauss のモード uml∝Hm(2x/w)Hl(2y/w) uu_{ml}\propto H_m(\sqrt2x/w)H_l(\sqrt2y/w)\,u(HmH_m は Hermite 多項式)は、同じ qq で形を保ったまま伝わり、Gouy 位相だけが (m+l+1)(m+l+1) 倍になる(第4章の式 (4.24))。添字 mm, ll は第4章の umlu_{ml}(式 (4.24))と同じ添字である。

周回で自分に戻る qq

定義 5.1 のモードをガウスビームの中から探す。周回で形が変わらないためには、ABCD 則 (5.9) で qq が自分に戻ればよい。

命題 5.4(共振器の固有の qq ★★★)

周回行列 Mrt=(ABmathbbCD)M_{\mathrm{rt}}=\bigl(\begin{smallmatrix}A&B\\mathbb{C}&D\end{smallmatrix}\bigr)(det⁡Mrt=1\det M_{\mathrm{rt}}=1, m=(A+D)/2m=(A+D)/2)について、q=(Aq+B)/(Cq+D)q=(Aq+B)/(Cq+D) を満たし、かつビーム半径が有限(Im⁡(1/q)>0\operatorname{Im}(1/q)>0)な qq が存在するための条件は ∣m∣<1\lvert m\rvert <1 で、そのとき

1q=D−A2B+i 1−m2∣B∣,w2=λ∣B∣π1−m2,R=2BD−A(5.10)\frac1q=\frac{D-A}{2B}+\mathrm{i}\,\frac{\sqrt{1-m^2}}{\lvert B\rvert },\qquad w^2=\frac{\lambda\lvert B\rvert }{\pi\sqrt{1-m^2}},\qquad R=\frac{2B}{D-A}\tag{5.10}

である(ww, RR は基準の面でのビーム半径と波面の曲率半径)。さらに B>0B>0 のとき、この qq について A+B/q=eiθA+B/q=\mathrm{e}^{\mathrm{i}\theta}(θ\theta は周回の角)が成り立つ。

証明

q=(Aq+B)/(Cq+D)q=(Aq+B)/(Cq+D) を 1/q1/q について書き直すと B(1/q)2+(A−D)(1/q)−C=0B(1/q)^2+(A-D)(1/q)-C=0 で、解は

1q=D−A±(A−D)2+4BC2B.\frac1q=\frac{D-A\pm\sqrt{(A-D)^2+4BC}}{2B}.

det⁡M=AD−BC=1\det M=AD-BC=1 を使うと (A−D)2+4BC=(A+D)2−4=4(m2−1)(A-D)^2+4BC=(A+D)^2-4=4(m^2-1) なので、根号の中が負になる ∣m∣<1\lvert m\rvert <1 のときに限り 1/q1/q は虚部を持ち、4(m2−1)=2i1−m2\sqrt{4(m^2-1)}=2\mathrm{i}\sqrt{1-m^2} から1/q=(D−A)/(2B)±i1−m2/B1/q=(D-A)/(2B)\pm\mathrm{i}\sqrt{1-m^2}/B となる。Im⁡(1/q)=λ/(πw2)>0\operatorname{Im}(1/q)=\lambda/(\pi w^2)>0 になる符号を選ぶと式 (5.10) を得る。∣m∣≥1\lvert m\rvert \ge1 では 1/q1/q は実数で、w=∞w=\infty の平面波の極限しか残らない。B>0B>0 のとき A+B/q=A+(D−A)/2+i1−m2=m+i1−m2=cos⁡θ+isin⁡θA+B/q=A+(D-A)/2+\mathrm{i}\sqrt{1-m^2}=m+\mathrm{i}\sqrt{1-m^2}=\cos\theta+\mathrm{i}\sin\theta である。

光線の言葉の安定条件(定理 5.2)と、波の言葉のモードの存在が、同じ不等式 ∣m∣<1\lvert m\rvert <1 になった。不安定な共振器でも鏡の間に光は残るが、それは鏡の縁で決まる別の種類のモード(鏡の外へ光を出し続ける不安定共振器のモード)で、ガウスビームの形にはならない。

2枚の鏡の共振器のビーム

式 (5.4) を式 (5.10) に入れると、鏡1の上のビーム半径は

w12=λLπg2g1(1−g1g2),w22=λLπg1g2(1−g1g2)(5.11)w_1^2=\frac{\lambda L}{\pi}\sqrt{\frac{g_2}{g_1(1-g_1g_2)}},\qquad w_2^2=\frac{\lambda L}{\pi}\sqrt{\frac{g_1}{g_2(1-g_1g_2)}}\tag{5.11}

となる(w2w_2 は添字の 1 と 2 を入れ替えて得る)。基準の面での波面の曲率半径は ∣R∣=R1\lvert R\rvert =R_1 で、ビームの波面は鏡1の面にぴったり重なる。同じことを腰の位置から言い直すと、ビームの腰は鏡1から距離

z1=g2(1−g1)Lg1+g2−2g1g2,zR2=g1g2(1−g1g2)(g1+g2−2g1g2)2 L2(5.12)z_1=\frac{g_2(1-g_1)L}{g_1+g_2-2g_1g_2},\qquad z_{\mathrm R}^2=\frac{g_1g_2(1-g_1g_2)}{(g_1+g_2-2g_1g_2)^2}\,L^2\tag{5.12}

の所にあり(腰が鏡2の側にあるとき z1>0z_1>0)、腰から鏡1までの距離 z1z_1 と鏡2までの距離 z2=L−z1z_2=L-z_1 で式 (5.8) の R(z)R(z) がそれぞれ R1R_1, R2R_2 に等しい。

波面が鏡に重なること

共振器のモードの波面は、両端で鏡の面と同じ曲率を持つ。鏡に当たった波面は、鏡の面と同じ形なので、形を変えずに逆向きに折り返される。こうして往復しても形の変わらない波が自分に重なり続ける。式 (5.12) は「R(z1)=R1R(z_1)=R_1 かつ R(L−z1)=R2R(L-z_1)=R_2」の2つの式を z1z_1 と zRz_{\mathrm R} について解いたものである。zR2>0z_{\mathrm R}^2>0 になる条件がちょうど 0<g1g2<10<g_1g_2<1 で、不安定な配置では両方の鏡に合う曲率のガウスビームが無い。

図

図 5.2 間隔 L=0.5 mL=0.5\,\mathrm m の対称な共振器の中のビーム半径 w(z)w(z)(波長 1064 nm1064\,\mathrm{nm}。式 (5.8) と (5.12))。実線は曲率半径 1 m1\,\mathrm m の鏡(g=0.5g=0.5)、破線は共焦点の配置(g=0g=0)。共焦点の配置のほうが腰は細く、鏡の上の半径も小さい(例題 5.3)。横軸は m、縦軸は mm で目盛った

例題 5.3 対称な共振器のビームの太さ ★★

オリジナル曲率半径 RR の凹面鏡2枚を間隔 LL で置いた対称な共振器(g1=g2=gg_1=g_2=g)で、波長は λ=1064 nm\lambda=1064\,\mathrm{nm} とする。

  1. (1) 腰の位置と Rayleigh 長、鏡の上のビーム半径を gg で表せ。
  2. (2) R=1 mR=1\,\mathrm m, L=0.5 mL=0.5\,\mathrm m のときの腰の半径 w0w_0 と鏡の上の半径 wmw_{\mathrm m} を求めよ。
  3. (3) 間隔 LL を固定して RR を変えるとき、鏡の上のビーム半径が最小になる配置と、そのときの w0w_0, wmw_{\mathrm m} を求めよ。
解答

(1) 式 (5.12) で g1=g2=gg_1=g_2=g とおくと、z1=g(1−g)L/(2g(1−g))=L/2z_1=g(1-g)L/(2g(1-g))=L/2 で腰は中央にあり、

zR2=g2(1−g2)4g2(1−g)2L2=1+g1−g⋅L24,wm2=λLπ11−g2z_{\mathrm R}^2=\frac{g^2(1-g^2)}{4g^2(1-g)^2}L^2=\frac{1+g}{1-g}\cdot\frac{L^2}{4},\qquad w_{\mathrm m}^2=\frac{\lambda L}{\pi}\frac{1}{\sqrt{1-g^2}}

である(2つ目は式 (5.11))。

(2) g=0.5g=0.5 では (1+g)/(1−g)=3(1+g)/(1-g)=3 なので zR2=3L2/4z_{\mathrm R}^2=3L^2/4、zR=3L/2=0.433 mz_{\mathrm R}=\sqrt3L/2=0.433\,\mathrm m である。w0=λzR/π=0.383 mmw_0=\sqrt{\lambda z_{\mathrm R}/\pi}=0.383\,\mathrm{mm}、鏡の上は wm=w01+(L/2)2/zR2=w04/3=0.442 mmw_{\mathrm m}=w_0\sqrt{1+(L/2)^2/z_{\mathrm R}^2}=w_0\sqrt{4/3}=0.442\,\mathrm{mm} である。

(3) wm2∝1/1−g2w_{\mathrm m}^2\propto1/\sqrt{1-g^2} は g=0g=0 で最小になる。これは共焦点の配置 R=LR=L で、zR=L/2z_{\mathrm R}=L/2、w0=λL/(2π)=0.291 mmw_0=\sqrt{\lambda L/(2\pi)}=0.291\,\mathrm{mm}、wm=2 w0=0.412 mmw_{\mathrm m}=\sqrt2\,w_0=0.412\,\mathrm{mm} となる。腰からの距離が Rayleigh 長に等しい所に鏡があるので、鏡の上の半径は腰の 2\sqrt2 倍になる。共焦点の配置は鏡の上のビームが最も細く、同じ大きさの鏡で回折による損失(5.6節)を最も小さくすることができる。ただし5.2節で見たとおり安定な領域の境目にあり、2枚の鏡の曲率半径が逆の向きに少しずれる(片方が LL より長く、もう片方が短い)だけで g1g2<0g_1g_2<0 となり不安定になる。実際に g=±1g=\pm1 に近づけると、式 (5.11) から wm→∞w_{\mathrm m}\to\infty になる。

木下の勉強ステータス

木下はまだこの記事を勉強していません。

AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com

← AI生成教科書『虎の巻』の記事一覧へ