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この章のまとめ

2026年10月15日9分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第18章 2準位原子と双極子近似・回転波近似

AI 生成・木下が未勉強

光学と量子エレクトロニクス 第18章 §18.7 ★★★ 3段の近似で原子と光の問題が 2×22\times2 の時間に依らない行列になる。総合問題は 852 nm852\,\mathrm{nm} の原子の光シフトを出し、捨てた項を1つずつ数える

要点

  • 2準位への縮約:偶奇性で dgg=dee=0\bm{d}_{gg}=\bm{d}_{ee}=0、P^d^P^=degσ++deg∗σ−\hat P\hat{\bm{d}}\hat P=\bm{d}_{eg}\sigma_++\bm{d}_{eg}^*\sigma_-。縮退した励起状態の中では偏光が明るい状態を1つ決め、縮約は厳密(式 (18.4))。
  • 双極子近似:−d^⋅E(r0,t)-\hat{\bm{d}}\cdot\bm{E}(\bm{r}_0,t)。捨てた磁気双極子と電気四重極は振幅で αfs/2\alpha_{\mathrm{fs}}/2 と ka0/2ka_0/2 の桁。縮約した模型の Rabi 周波数は2つのゲージで ω0/ω\omega_0/\omega 倍違い、共鳴でだけ一致する(式 (18.8))。
  • 回転座標 eiωLtσz/2\mathrm{e}^{\mathrm{i}\omega_{\mathrm L}t\sigma_z/2} で H~=−ℏΔ2σz−ℏ2(Ωσ++h.c.)+(2ωL で回る項)\tilde H=-\frac{\hbar\Delta}{2}\sigma_z-\frac\hbar2(\Omega\sigma_++\mathrm{h.c.})+(2\omega_{\mathrm L}\text{ で回る項})(式 (18.12)、厳密)。回転波近似は最後の項を捨て、Ω=deg⋅E0/ℏ\Omega=\bm{d}_{eg}\cdot\bm{E}_0/\hbar。
  • 服を着た状態 E±=±ℏΩ′/2E_\pm=\pm\hbar\Omega'/2、Pe=(Ω/Ω′)2sin⁡2(Ω′t/2)P_e=(\Omega/\Omega')^2\sin^2(\Omega't/2)、光シフト ΔEg≈ℏΩ2/(4Δ)\Delta E_g\approx\hbar\Omega^2/(4\Delta)(赤い離調で下がる)。
  • 回転波近似の誤差は Bloch–Siegert のずれ Ω2/(4ω0)\Omega^2/(4\omega_0)(式 (18.18))。

この章は、第1章で結果だけ示した 2×22\times2 の行列を、2準位への縮約・双極子近似・回転波近似の3段に分けて作り直した。各段で捨てたものの大きさは、それぞれ別の小さいパラメータで測られる。2準位への縮約はほかの遷移への離調、双極子近似は ka0ka_0 と αfs\alpha_{\mathrm{fs}}、回転波近似は Ω/ω0\Omega/\omega_0 と ∣Δ∣/ω0\lvert \Delta\rvert /\omega_0 である。原子と可視光では3つとも小さく、とくに回転波近似の誤差は分光の精度より何桁も小さい。逆に、遠い離調の光トラップでは ∣Δ∣/ω0\lvert \Delta\rvert /\omega_0 が小さくなく、回転波近似と2準位への縮約がまとめて崩れる(第1章の総合問題・例題 18.2)。

第19章(第19章)では、この章の行列に減衰(T1T_1 と T2T_2)を入れて光 Bloch 方程式を作り、Rabi 振動が減衰して定常状態に落ち着く様子と、吸収の線形を出す。第20章では、黄金律の長い時間の極限から A と B の係数を、第25章では服を着た状態の光シフトから双極子力を出す。第34章では古典の場の振幅を光子の演算子に替え、この章の行列が Jaynes–Cummings の模型になる。

総合問題 852 nm852\,\mathrm{nm} の原子の光シフトと、捨てた項の勘定 ★★★

オリジナル遷移の波長 λ0=852 nm\lambda_0=852\,\mathrm{nm}、双極子の行列要素の大きさ d=3.0 ea0d=3.0\,ea_0 の2準位原子(与えられた値として使う)に、直線偏光で強度 I=1.0 W cm−2I=1.0\,\mathrm{W\,cm^{-2}} の光を離調 Δ/2π=−1.00 GHz\Delta/2\pi=-1.00\,\mathrm{GHz} で当てる。偏光は deg\bm{d}_{eg} と平行で、強度と振幅の関係は I=12cε0E02I=\frac12c\varepsilon_0E_0^2 とする。

  1. (1) E0E_0 と Rabi 周波数 Ω/2π\Omega/2\pi を求めよ。(使う道具:18.3節の式 (18.10)・第1章 の例題)
  2. (2) 双極子近似の小さいパラメータ ka0ka_0、回転波近似の小さいパラメータ Ω/ω0\Omega/\omega_0 と ∣Δ∣/ω0\lvert \Delta\rvert /\omega_0、光シフトの展開の小さいパラメータ Ω/∣Δ∣\Omega/\lvert \Delta\rvert を求めよ。(使う道具:18.2節・18.3節・18.4節)
  3. (3) 基底状態の光シフトを厳密な式と近似の式 (18.17) の両方で MHz で求め、∣ΔEg∣/kB\lvert \Delta E_g\rvert / k_{\mathrm B} を μK\mu\mathrm K で答えよ。光が強い所で原子は引き寄せられるか、押し出されるか。(使う道具:18.4節・第1章 の双極子力)
  4. (4) 反回転の項が光シフトに足す分と、共鳴の Bloch–Siegert のずれを Hz で求めよ。(使う道具:18.5節)
  5. (5) 2準位の模型を速度のゲージで作った場合、光シフトは何倍になるか。(4) と合わせて、この条件で回転波近似と2準位への縮約を疑う必要があるかを述べよ。(使う道具:18.2節の式 (18.8))
解答

(1) I=1.0×104 W m−2I=1.0\times10^4\,\mathrm{W\,m^{-2}} なので E0=2I/(cε0)=2×104/(2.998×108×8.854×10−12)=2.74×103 V m−1E_0=\sqrt{2I/(c\varepsilon_0)}=\sqrt{2\times10^4/(2.998\times10^8\times8.854\times10^{-12})}=2.74\times10^3\,\mathrm{V\,m^{-1}}。d=3.0×1.602×10−19×5.292×10−11=2.54×10−29 C md=3.0\times1.602\times10^{-19}\times5.292\times10^{-11}=2.54\times10^{-29}\,\mathrm{C\,m} で、Ω=dE0/ℏ=6.62×108 s−1\Omega=dE_0/\hbar=6.62\times10^8\,\mathrm{s^{-1}}、Ω/2π=105 MHz\Omega/2\pi=105\,\mathrm{MHz}。

(2) ka0=2πa0/λ0=3.90×10−4ka_0=2\pi a_0/\lambda_0=3.90\times10^{-4}。ω0=2πc/λ0=2.211×1015 s−1\omega_0=2\pi c/\lambda_0=2.211\times10^{15}\,\mathrm{s^{-1}} なので Ω/ω0=2.99×10−7\Omega/\omega_0=2.99\times10^{-7}、∣Δ∣/ω0=2.84×10−6\lvert \Delta\rvert /\omega_0=2.84\times10^{-6}。Ω/∣Δ∣=0.105\Omega/\lvert \Delta\rvert =0.105。双極子近似と回転波近似の小さいパラメータはどちらも 10−410^{-4} 以下で、光シフトを Ω2\Omega^2 の1次で書く展開の小さいパラメータ Ω/∣Δ∣\Omega/\lvert \Delta\rvert が一番大きい。

(3) Ω′/2π=105.372+10002=1005.5 MHz\Omega'/2\pi=\sqrt{105.37^2+1000^2}=1005.5\,\mathrm{MHz}。Δ<0\Delta<0 なので ∣g⟩| g \rangle は下の服を着た状態につながり、厳密なずれは −12(1005.54−1000)=−2.77 MHz-\frac12(1005.54-1000)=-2.77\,\mathrm{MHz}、近似では 105.372/(4×(−1000))=−2.78 MHz105.37^2/(4\times(-1000))=-2.78\,\mathrm{MHz} で、差は 0.28%0.28\%(Ω2/(4Δ2)\Omega^2/(4\Delta^2) の桁)である。∣ΔEg∣/kB=h×2.77 MHz/kB=133 μK\lvert \Delta E_g\rvert / k_{\mathrm B}=h\times2.77\,\mathrm{MHz}/ k_{\mathrm B}=133\,\mu\mathrm K。赤い離調なので基底状態は光の強い所ほど下がり、原子は光の強い所に引き寄せられる。

(4) 反回転の項の寄与は −Ω2/[4(ω0+ωL)]-\Omega^2/[4(\omega_0+\omega_{\mathrm L})] で、周波数にすると −3.9 Hz-3.9\,\mathrm{Hz}。共回転の光シフトに対する比は ∣Δ∣/(ω0+ωL)=1.4×10−6\lvert \Delta\rvert /(\omega_0+\omega_{\mathrm L})=1.4\times10^{-6} である。Bloch–Siegert のずれは Ω2/(4ω0)\Omega^2/(4\omega_0) で 7.9 Hz7.9\,\mathrm{Hz}。

(5) 式 (18.8) から光シフトは (ω0/ωL)2(\omega_0/\omega_{\mathrm L})^2 倍で、ωL=ω0+Δ\omega_{\mathrm L}=\omega_0+\Delta なので (ω0/ωL)2−1≈−2Δ/ω0=5.7×10−6(\omega_0/\omega_{\mathrm L})^2-1\approx-2\Delta/\omega_0=5.7\times10^{-6} だけ違う。(4) の反回転の項の比と同じく 10−610^{-6} の桁で、(3) の展開の誤差 0.28%0.28\% より3桁小さい。この条件で光シフトの数値を左右するのは Ω/∣Δ∣\Omega/\lvert \Delta\rvert の展開だけで、回転波近似と2準位への縮約(ゲージの違いを含む)は疑う必要がない。第1章の総合問題の 1064 nm1064\,\mathrm{nm} の光トラップでは ∣Δ∣/ω0=0.27\lvert \Delta\rvert /\omega_0=0.27 だったので、同じ勘定で反回転の項が 15%15\%、ゲージの違いが 86%86\% になり、そちらでは2準位の回転波近似の模型を使うことはできない。2つの条件を分けるのは、捨てた項の大きさを決める ∣Δ∣/ω0\lvert \Delta\rvert /\omega_0 である。

木下の勉強ステータス

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