何を近似したか・何の実験の量で確かめるか・授業で習った形との対応
AI 生成・木下が未勉強
光学と量子エレクトロニクス 第23章 §23.6 ★★ 近似は主方程式を作るときの1周の平均化と、利得の線と変調の放物線への展開。櫛の歯の式は厳密である。測る量は自己相関の幅・スペクトルの幅・ と f–2f のうなり
置いた近似
1つ目は、1周の間に起こる変化をすべて小さいとして、離散的な1周ごとの写像を連続な遅い時間 の微分方程式 (23.9), (23.13) に置き換えたことである。共振器の中で利得・変調・分散・非線形性は別々の場所で起こるが、どれも1周あたりの変化が小さければ、順番の違いは小さいものの積の大きさの補正にしかならない。これは速い1周の運動を平均化した B 型の近似で、小さいものは1周あたりの利得・損失・非線形の位相である。ソリトンのレーザーでこの前提が弱まると、パルスは1周の中で周期的に乱され、その周期に共鳴する周波数でスペクトルに鋭い側帯が現れる。
近似の裏付け
型 B(極限) | 小さいもの 1周あたりの変化 (1周の時間と、パルスの形が変わる時間の比) | 証明 要確認(平均化の誤差評価そのものは第V巻第7章の型だが、主方程式の導出に当てはめた原論文の前提は確かめていない) | 行き先 近似の数理 第7章
2つ目は、能動モード同期で、利得の線を まで、変調の損失を まで展開したことである。小さいものは と で、例題 23.3 ではそれぞれ と になる(2つは式 (23.11) から で結ばれる)。展開の次の項は相対的に小さいものの2乗の大きさで、厳密な の固有値問題との比較は verify_ch23.py で数値で確かめた。
近似の裏付け
型 B(極限) | 小さいもの , | 証明 条件付き(パルスが損失の1つの底に孤立していること。変調の損失の展開は本文の数値計算で確かめた。利得の線の展開は周波数の上での Taylor 展開で、スペクトルが線の幅より狭いことが前提) | 行き先 近似の数理 第7章
3つ目は、可飽和吸収体と Kerr 効果を瞬間の出力だけの関数にしたことである。回復の時間がパルスより長い吸収体(半導体の可飽和吸収鏡など)では、損失がパルスのエネルギーの積分に依存し、ここでの形は使えない。Kerr 効果は電子の応答で数フェムト秒より速いので、ピコ秒からその少し下のパルスではこの扱いが成り立つ。ここには小さいパラメータが立たないので、札は1つ目のものに含めた。
光周波数コムの式 (23.16) は近似を含まない。式の導出では、パルス列が厳密に周期的であることだけを仮定した。実際のレーザーでは と が雑音で揺らぐので、歯は有限の線幅を持ち、2つを基準に固定したときに初めて式どおりの物差しになる。
何の実験の量で確かめるか
パルスの幅は、ピコ秒より短いと光検出器の応答では測れない。そこで、パルスを2つに分けて時間 だけずらし、非線形結晶で重ねて2倍の高調波の強さを の関数として測る。これを強度の自己相関と呼ぶ。自己相関 の半値全幅とパルスの半値全幅の比は形で決まり、Gauss 型で 、 型で である。形を仮定しないと幅は決まらないので、スペクトルを同時に測り、時間帯域幅積が式 (23.6) の値に近いかどうかで形の仮定とチャープの有無を確かめる。
パルス列の周期は、光検出器の出力のラジオ波のスペクトルに とその倍数の線として現れる。モード同期が崩れて位相が乱れると、この線の幅が広がり、線のまわりに雑音が現れる。f–2f のうなりは を直接示し、 と を固定したコムどうしを比べれば、櫛の歯が式 (23.16) どおりに等間隔に並んでいるかが確かめられる。
例題 23.7 自己相関とスペクトルからチャープを判定する ★★
オリジナル のファイバーレーザーのパルスの強度の自己相関を測ると、半値全幅が だった。スペクトルの半値全幅は である。
- (1) パルスを 型と仮定して、パルスの半値全幅を求めよ。
- (2) 時間帯域幅積を求め、パルスがほぼ変換限界にあるかどうかを判定せよ。
- (3) 型の自己相関の幅の比 を数値で確かめる方法を述べよ。
解答
(1) 。
(2) で、。 型の変換限界の より ほど大きいだけなので、チャープはほとんど無い。Gauss 型と仮定すると幅は 、積は になり、Gauss 型の を下回る。不確定性関係の型の値を下回るので、この仮定はスペクトルの形と合わない。
(3) として を数値積分し、 となる の2倍を、 の半値全幅 で割る。結果は になる(verify_ch23.py)。
授業で習った形との対応
学部の光学やレーザー工学の授業では、モード同期を「 個のモードの位相がそろうと、強度 のパルス列になり、幅は 、ピークは平均の 倍」と書くことが多い。これは式 (23.4) に を入れたものである。 は最初の零点までの時間 で、半値全幅はその 倍(式 (23.5))になる。同じ式は、第6章(第6章)の 本のスリットの回折格子の強度 ( はとなりのスリットからの光の位相差)と同じ関数である。格子ではスリットが空間に等間隔に並び、回折の角度に鋭い主極大ができる。モード同期では周波数にモードが等間隔に並び、時間に鋭いパルスができる。
時間帯域幅積は、授業では「(Gauss 型)」の形で習う。不等号は、チャープを持つパルスが式 (23.7) で変換限界より大きな積を持つことを表し、定理 23.1 の2乗平均の幅の不等式を半値全幅の言葉で書いたものに当たる(半値全幅の積の下限はパルスの形によって変わるので、厳密な不等式は2乗平均の幅でしか書けない)。光周波数コムは授業で と書かれることが多く、、 に当たる。
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