この章のまとめ
AI 生成・木下が未勉強
光学と量子エレクトロニクス 第23章 §23.7 ★★★ 縦モードの位相をそろえることは、時間ではパルス列、周波数では等間隔の櫛を作ることである。能動では Gauss 型、受動ではソリトンのパルスになり、櫛の歯 で光の周波数を数える。総合問題はファイバーのソリトンレーザーで作るコム
要点
- 本の等間隔のモードの位相がそろうと強度は Dirichlet 核 (23.4) になり、幅 、ピークは平均の 倍。平均の強度は位相によらない(23.1節)。
- 時間と周波数の2乗平均の幅は を満たし、等号はチャープの無い Gauss 型。半値全幅の積は Gauss 型で 、 型で 、チャープで 倍(23.2節)。
- 能動モード同期の主方程式 (23.9) の定常なパルスは調和振動子の基底状態と同じ Gauss 型で、(23.3節)。
- 負の分散と自己位相変調がつり合うとソリトン になり、(23.4節)。
- 1周ごとに ずれるパルス列のスペクトルは厳密に で、f–2f のうなりの周波数が に等しい(23.5節)。
この章では、第5章の縦モードと第22章の多モードの発振に、モードどうしの位相の関係という1つの自由度を足した。位相を乱数にすると不規則な揺らぎ、1次式にそろえるとパルス列、2次の項を残すとチャープしたパルスになる。どの場合も平均の出力は同じで、違うのはモードの振幅の並べ方でなく位相の並べ方である。パルスの形は、利得の帯域(2準位系の )・変調・分散・Kerr 効果のつり合いで決まった。時間に周期的なパルス列は、周波数では等間隔の櫛になる。この櫛は1つの式で光の周波数とラジオ波の周波数を結び、第28章(第28章)の光格子時計の周波数を数える道具になる。第24章(第24章)では、原子の側の線の幅(自然幅・Doppler 幅)を扱い、コムで測る相手の線がどこまで細くできるかを考える。
総合問題 ファイバーのソリトンレーザーで作る光周波数コム ★★★
オリジナル例題 23.4 のリング型の Er ファイバーレーザー(ファイバーの長さ 、群屈折率 、、非線形係数 、中心の波長 、共振器の中のパルスのエネルギー )を光周波数コムに使う。
- (1) を求め、それが縦モードの間隔(第5章の自由スペクトル領域を、群屈折率を使って書き直したもの)に等しいことを説明せよ。(使う道具:23.1節・23.2節・第5章)
- (2) ソリトンのスペクトルの半値全幅の中に、櫛の歯は何本あるか。これらの歯の位相がそろっていれば、強度の半値全幅は何 fs になるか。(使う道具:23.4節・23.2節)
- (3) 1周の非線形の位相 と、分散の長さ が共振器の何周分かを求め、主方程式 (23.13) の平均化の前提を評価せよ。(使う道具:23.6節・第11章)
- (4) スペクトルを非線形性の大きいファイバーで 〜 に広げ、 の歯を2倍にして の歯と重ねたところ、うなりが と に出た。2つの線の由来を説明し、 の候補を挙げよ。また、候補を1つに決める方法を述べよ。(使う道具:23.5節・第17章)
- (5) 付近の歯の番号 を求めよ。その歯の周波数を の範囲に保つには、 を何 Hz の範囲に保つ必要があるか。それは共振器の長さの何 m の変化に当たるか。(使う道具:23.5節・第5章)
解答
(1) である。第5章の自由スペクトル領域は空の共振器で1周の時間の逆数 だった。23.2節で示したとおり、媒質があるときのモードの間隔は1周の群遅延 の逆数で、パルスが1周する時間 と同じものである。パルス列の周期とモードの間隔が一致するので、櫛の歯の間隔は になる。
(2) 例題 23.4 から、スペクトルの半値全幅は である。歯の数は 本。ソリトンはチャープが無い 型なので、強度の半値全幅は である。この幅は、式 (23.5) の平らなスペクトルの見積もり より短い。sech 型のスペクトルは半値全幅の外にも裾の歯を持ち、その歯もパルスを短くする向きに加わるからである。
(3) なので、1周の非線形の位相は 。式 (23.14) から、これは分散による1周の位相 に等しい。 で、共振器の 周分にあたる。1周あたりの変化はどちらも ほどで、平均化の前提は成り立つが余裕は大きくない。エネルギーを4倍の にすると は4分の1、 は16分の1の 周分になり、1周の位相が に達して平均化の前提が崩れる。
(4) の歯 を2倍にした は、 の歯 から だけずれる(式 (23.17))。同時に は1本上の歯 から だけ離れているので、うなりは と の2本に出る。 と合う。したがって は か である。共振器の中の分散をわずかに変えて を増やす向き(例題 23.5 の板を厚くする向き)へ動かすと が増えるので、増えたほうの線が 、減ったほうが である。スペクトルが1オクターブを超えていないと と の両方を同時に得られないので、この測定にはスペクトルを広げる段が要る(ソリトンそのものの幅は ほどしかない)。
(5) は で、 である。 なので、 を固定したとき である。 には が要る。 から で、 になる。これは原子核の大きさ(〜)の程度で、共振器の長さを機械的に固定するだけではこの精度に達しない。実際には (または1本の歯)を周波数の基準に帰還制御で合わせ、共振器の長さを圧電素子で常に調節する。
木下の勉強ステータス
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