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この章のまとめ

2026年10月15日8分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第1部 第3章 相対エントロピーと相互情報量

AI 生成・木下が未勉強

相対エントロピーから情報と物理を組み立てる 第1部 第3章 §1.3.7 ★★★ 比べる相手を一様分布・独立な分布・別の結合分布と替えると、エントロピーの上限・相互情報量・データ処理の出発点が同じ不等式から出る

この章では、同じ確率変数の2つの分布 p,qp,q について、驚きの差の平均として相対エントロピー D(p ∥ q)D(p\,\|\,q) を定義した。DD は、分布を取り違えて作った符号の無駄、あるいは pp と qq を見分ける対数尤度比の平均として読むことができる。その性質の中心は Gibbs の不等式 D(p ∥ q)≥0D(p\,\|\,q)\ge0(等号は p=qp=q)で、証明は ln⁡\ln が凹であることを確率の平均に当てはめた Jensen の不等式だけを使った。DD は対称でなく三角不等式も満たさないが、Pinsker の不等式で差の絶対値の和 ∥p−q∥1\lVert p-q\rVert _1 を下から押さえる。

比べる相手 qq を替えると、この1つの不等式から別々の結果が出てきた。一様分布 uu と比べると H(X)=ln⁡∣X∣−D(p ∥ u)H(X)=\ln\lvert \mathcal X\rvert -D(p\,\|\,u) からエントロピーの上限が出る。結合分布を周辺分布の積と比べると相互情報量 I(X;Y)=D(pXY ∥ pXpY)I(X;Y)=D(p_{XY}\,\|\,p_Xp_Y) になり、その非負性から H(X ∣ Y)≤H(X)H(X\,|\,Y)\le H(X) と劣加法性が出る。結合分布どうしを比べると連鎖律 D(pXY ∥ qXY)=D(pX ∥ qX)+D(pY∣X ∥ qY∣X ∣ pX)D(p_{XY}\,\|\,q_{XY})=D(p_X\,\|\,q_X)+D(p_{Y|X}\,\|\,q_{Y|X}\,|\,p_X) になり、周辺に移ると DD が増えないこと(データ処理の最も簡単な場合)が出る。対数和不等式からは DD の結合凸性が出て、HH の凹性と、相互情報量が入力について凹・通信路について凸であることにつながった。

次の章(第1部第4章)では、周辺に移る操作を一般の確率的な処理に広げてデータ処理不等式を示し、Pinsker の不等式の一般の場合と、処理しても情報を失わない統計量(十分統計量)を扱う。

総合問題 読み違える測定器の相互情報量 ★★★

オリジナル2状態の系の状態 X∈{0,1}X\in\{0,1\} を測定器で読む。系は確率 aa で状態 11、確率 1−a1-a で状態 00 にある。測定器は、状態 00 は必ず Y=0Y=0 と読むが、状態 11 は確率 ss で読み落として Y=0Y=0 と表示し、確率 1−s1-s で正しく Y=1Y=1 と表示する(0<s<10<s<1。Z 通信路と呼ぶ)。はじめ a=1/2a=1/2、s=1/4s=1/4 とする。

  1. (1) 結合分布 pXYp_{XY} と周辺分布 pYp_Y を書き、H(X)H(X)、H(Y)H(Y)、H(Y ∣ X)H(Y\,|\,X) を求めよ。(使う道具:1.3.3 節)
  2. (2) I(X;Y)I(X;Y) を H(Y)−H(Y ∣ X)H(Y)-H(Y\,|\,X) から求め、H(X ∣ Y)H(X\,|\,Y) も求めよ。(使う道具:1.3.4 節の式 (1.3.14))
  3. (3) 同じ I(X;Y)I(X;Y) を D(pXY ∥ pXpY)D(p_{XY}\,\|\,p_Xp_Y) から直接求めて確かめよ。(使う道具:1.3.1 節の定義)
  4. (4) ∥pXY−pXpY∥1\lVert p_{XY}-p_Xp_Y\rVert _1 を求め、Pinsker の不等式 ∥pXY−pXpY∥1≤2I(X;Y)\lVert p_{XY}-p_Xp_Y\rVert _1\le\sqrt{2I(X;Y)} が成り立っていることを確かめよ。(使う道具:1.3.2 節)
  5. (5) s=1/4s=1/4 のまま aa を動かす。I(X;Y)I(X;Y) が aa について凹であることを確かめ、最大を与える aa と最大値を求めよ。(使う道具:1.3.5 節の命題 1.3.9)
  6. (6) a=1/2a=1/2 に戻し、独立な nn 個の系を1個ずつ同じ測定器で読む。I(Xn;Yn)=nI(X;Y)I(X^n;Y^n)=nI(X;Y) を示し、n=100n=100 のとき、YnY^n を見たことで XnX^n の典型的な候補の数がおよそ何分の1になるかを答えよ。(使う道具:1.3.5 節の式 (1.3.20)、第1部第2章 の典型系列)
解答

(1) pXY(0,0)=1−a=12p_{XY}(0,0)=1-a=\frac12、pXY(1,0)=as=18p_{XY}(1,0)=as=\frac18、pXY(1,1)=a(1−s)=38p_{XY}(1,1)=a(1-s)=\frac38、pXY(0,1)=0p_{XY}(0,1)=0 である。pY(1)=a(1−s)=38p_Y(1)=a(1-s)=\frac38、pY(0)=58p_Y(0)=\frac58。H(X)=ln⁡2≈0.6931H(X)=\ln2\approx0.6931、H(Y)=hb(3/8)≈0.6616H(Y)=h_{\mathrm b}(3/8)\approx0.6616。X=0X=0 なら YY は確定し、X=1X=1 なら YY は (s,1−s)(s,1-s) の2値なので、H(Y ∣ X)=12⋅0+12hb(1/4)≈0.2812H(Y\,|\,X)=\frac12\cdot0+\frac12h_{\mathrm b}(1/4)\approx0.2812。

(2) I(X;Y)=H(Y)−H(Y ∣ X)=hb(3/8)−12hb(1/4)≈0.6616−0.2812=0.3804I(X;Y)=H(Y)-H(Y\,|\,X)=h_{\mathrm b}(3/8)-\frac12h_{\mathrm b}(1/4)\approx0.6616-0.2812=0.3804 nat(0.5490.549 ビット)。H(X ∣ Y)=H(X)−I(X;Y)≈0.6931−0.3804=0.3128H(X\,|\,Y)=H(X)-I(X;Y)\approx0.6931-0.3804=0.3128 nat。Y=1Y=1 なら X=1X=1 が確定し、Y=0Y=0 なら XX は (4/5,1/5)(4/5,1/5) なので、H(X ∣ Y)=58hb(1/5)≈58×0.5004=0.3128H(X\,|\,Y)=\frac58h_{\mathrm b}(1/5)\approx\frac58\times0.5004=0.3128 とも一致する。

(3) pX(x)pY(y)p_X(x)p_Y(y) は (0,0)(0,0) で 12⋅58=516\frac12\cdot\frac58=\frac5{16}、(1,0)(1,0) で 516\frac5{16}、(1,1)(1,1) で 12⋅38=316\frac12\cdot\frac38=\frac3{16} である((0,1)(0,1) は pXY=0p_{XY}=0 なので寄与しない)。

D(pXY ∥ pXpY)=12ln⁡85+18ln⁡25+38ln⁡2≈0.2350−0.1145+0.2599=0.3804D(p_{XY}\,\|\,p_Xp_Y)=\frac12\ln\frac{8}{5}+\frac18\ln\frac{2}{5}+\frac38\ln2\approx0.2350-0.1145+0.2599=0.3804

で、(2) と一致する。

(4) 4つの値で ∣pXY−pXpY∣\lvert p_{XY}-p_Xp_Y\rvert は、(0,0)(0,0) で ∣12−516∣=316\lvert \frac12-\frac5{16}\rvert =\frac3{16}、(0,1)(0,1) で 316\frac3{16}、(1,0)(1,0) で ∣18−516∣=316\lvert \frac18-\frac5{16}\rvert =\frac3{16}、(1,1)(1,1) で ∣38−316∣=316\lvert \frac38-\frac3{16}\rvert =\frac3{16} なので、∥pXY−pXpY∥1=34=0.75\lVert p_{XY}-p_Xp_Y\rVert _1=\frac34=0.75。一方 2I=2×0.3804≈0.872\sqrt{2I}=\sqrt{2\times0.3804}\approx0.872 で、0.75≤0.8720.75\le0.872 が成り立つ。

(5) pY(1)=a(1−s)p_Y(1)=a(1-s)、H(Y ∣ X)=a hb(s)H(Y\,|\,X)=a\,h_{\mathrm b}(s) なので I(a)=hb(a(1−s))−a hb(s)I(a)=h_{\mathrm b}\bigl(a(1-s)\bigr)-a\,h_{\mathrm b}(s)。2回微分すると

I′′(a)=−(1−s)2t(1−t)<0,t≔a(1−s),I''(a)=-\frac{(1-s)^2}{t(1-t)}<0,\qquad t\coloneqq a(1-s),

で凹である。I′(a)=(1−s)ln⁡1−tt−hb(s)=0I'(a)=(1-s)\ln\frac{1-t}{t}-h_{\mathrm b}(s)=0 を解くと t∗=1/(1+ehb(s)/(1−s))t^*=1/\bigl(1+\mathrm{e}^{h_{\mathrm b}(s)/(1-s)}\bigr)。s=1/4s=1/4 ではhb(1/4)/(3/4)≈0.7498h_{\mathrm b}(1/4)/(3/4)\approx0.7498 から t∗≈0.3209t^*\approx0.3209、a∗=t∗/(1−s)≈0.428a^*=t^*/(1-s)\approx0.428、最大値 I(a∗)=hb(t∗)−a∗hb(1/4)≈0.3869I(a^*)=h_{\mathrm b}(t^*)-a^*h_{\mathrm b}(1/4)\approx0.3869 nat である。状態 11 は読み落とされやすいので、11 を少し減らして(a∗<1/2a^*<1/2)YY の曖昧さを減らしたほうが、伝わる情報がわずかに増える。

(6) nn 個の系は独立で、それぞれ同じ測定器で独立に読むので、pXnYn=pXY⊗np_{X^nY^n}=p_{XY}^{\otimes n}、pXnpYn=(pXpY)⊗np_{X^n}p_{Y^n}=(p_Xp_Y)^{\otimes n} である。式 (1.3.20) から I(Xn;Yn)=D(pXY⊗n ∥ (pXpY)⊗n)=nI(X;Y)I(X^n;Y^n)=D(p_{XY}^{\otimes n}\,\|\,(p_Xp_Y)^{\otimes n})=nI(X;Y)。前の章の典型系列の議論によると、XnX^n の典型的な系列はおよそ enH(X)\mathrm{e}^{nH(X)} 個あり、YnY^n を知ったあとに残る候補は(条件付き分布の典型系列として)およそ enH(X∣Y)\mathrm{e}^{nH(X|Y)} 個である。比は en(H(X)−H(X∣Y))=enI(X;Y)\mathrm{e}^{n(H(X)-H(X|Y))}=\mathrm{e}^{nI(X;Y)} で、n=100n=100 では e38.04≈3.3×1016\mathrm{e}^{38.04}\approx3.3\times10^{16}、つまり候補はおよそ 3×10163\times10^{16} 分の1に絞られる。

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