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この章のまとめ

2026年10月15日8分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第3部 第10章 量子鍵配送

AI 生成・木下が未勉強

相対エントロピーから情報と物理を組み立てる 第3部 第10章 §3.10.7 ★★★ 鍵率は2つの相互情報量の差、Eve の情報は Holevo 量、それを押さえるのはデータ処理不等式と不確定性関係

鍵の秘密は、Alice の鍵と Eve の系の状態 ρ^AE\hat\rho_{AE} を、一様で独立な理想の状態 1d1⊗ρ^E\frac1d\mathbf 1\otimes\hat\rho_E と比べる相対エントロピーで測った。それは鍵の偏り D(pA ∥ u)D(p_A\,\|\,u) と Eve との相互情報量 I(A;E)I(A;E) の和で、後者は Eve の状態の集まりの Holevo 量 χ\chi に等しい。取り出せる鍵の割合は Devetak–Winter の定理で I(A;B)−I(A;E)=S(A ∣ E)−H(A ∣ B)I(A;B)-I(A;E)=S(A\,|\,E)-H(A\,|\,B) と決まり、2つの項はそれぞれ秘匿性増幅で残せる量と誤り訂正で公開する量だった。

当てた性質はデータ処理不等式で、3つの場所で使った。Eve の測定に当てると、どの測定でも情報量が χ\chi を超えないこと(Holevo 限界)が出た。Eve の系に当てると、Eve は Alice と Bob の状態の純粋化を持つと仮定してよいことが出て、純粋な対は外と相関しないことにつながった。Bob の測定に当てると、記憶つきの不確定性関係 S(Az ∣ E)+S(Ax ∣ B)≥ln⁡2S(A_z\,|\,E)+S(A_x\,|\,B)\ge\ln2 から Eve の情報の上界 hb(ex)h_{\mathrm b}(e_x) が出た。出てきたものは、Bell 対角な状態での等式 I(Az;E)=H(λ)−hb(ez)I(A_z;E)=H(\lambda)-h_{\mathrm b}(e_z)、BB84 の鍵率 ln⁡2−hb(ez)−hb(ex)\ln2-h_{\mathrm b}(e_z)-h_{\mathrm b}(e_x) としきい値 11.0%11.0\%、6状態の手順のしきい値 12.6%12.6\%、そして誤り訂正と2-universal なハッシュによる秘匿性増幅で漸近の鍵率が実際に達成されることである。

これで第3部の量子情報理論を終える。次の第4部(第4部第1章)では、相対エントロピーの非負性とデータ処理不等式を、確率的に動く系の経路の分布に当てて、熱力学の第二法則を読む。量子計算のアルゴリズムは第6部(第6部第1章)で扱い、この章で使った CSS 符号の続きの誤り耐性は第6部第5章(第6部第5章)で扱う。

この章の道具

  • 秘密の度合い:D(ρ^AE ∥ 1d1⊗ρ^E)=ln⁡d−S(A ∣ E)=D(pA ∥ u)+I(A;E)D(\hat\rho_{AE}\,\|\,\frac1d\mathbf 1\otimes\hat\rho_E)=\ln d-S(A\,|\,E)=D(p_A\,\|\,u)+I(A;E)。
  • cq 状態:I(A;E)=∑ap(a)D(ρ^Ea ∥ ρ^E)=χI(A;E)=\sum_ap(a)D(\hat\rho_E^a\,\|\,\hat\rho_E)=\chi。測定しても I(A;Y)≤χI(A;Y)\le\chi。
  • 鍵率(Devetak–Winter):r≥I(A;B)−I(A;E)=S(A ∣ E)−H(A ∣ B)r\ge I(A;B)-I(A;E)=S(A\,|\,E)-H(A\,|\,B)。
  • Bell 対角:ez=λX+λYe_z=\lambda_X+\lambda_Y、ex=λZ+λYe_x=\lambda_Z+\lambda_Y、I(Az;E)=H(λ)−hb(ez)≤hb(ex)I(A_z;E)=H(\lambda)-h_{\mathrm b}(e_z)\le h_{\mathrm b}(e_x)。
  • BB84:r≥ln⁡2−hb(ez)−hb(ex)r\ge\ln2-h_{\mathrm b}(e_z)-h_{\mathrm b}(e_x)、対称なら Q<0.110Q<0.110。6状態:r6=ln⁡2−H(λ)r_6=\ln2-H(\lambda)、Q<0.126Q<0.126。
  • 秘匿性増幅:ℓ≤Hmin⁡(A ∣ E)/ln⁡2−2log⁡2(1/2ε)\ell\le H_{\min}(A\,|\,E)/\ln2-2\log_2(1/2\varepsilon )、漸近で ℓ/n→S(A ∣ E)−H(A ∣ B)\ell/n\to S(A\,|\,E)-H(A\,|\,B)。

総合問題 Werner 状態での鍵配送と Bell の不等式 ★★★

オリジナルAlice と Bob の対の状態が Werner 状態 ρ^V=V∣Φ+⟩⟨Φ+∣+(1−V)14\hat\rho_V=V| \Phi^+ \rangle \langle \Phi^+ |+(1-V)\frac{\mathbf 1}{4}(0≤V≤10\le V\le1。第3部第5章と同じく、分布の pp と分けるため VV と書く。第3部第2・4・6章の ρ^p\hat\rho_p の pp と同じ量)で、Eve はその純粋化を持つとする。答えの情報量はビットで示せ。

  1. (1) (使う道具:3.10.2節/第3部第7章 の Holevo 量)準備として、BB84 の4つの状態を Eve が基底を知らずに手に入れた場合を考える。ビット aa に対する Eve の状態は ρ^Ea=12(∣a⟩⟨a∣+∣±a⟩⟨±a∣)\hat\rho_E^a=\frac12(| a \rangle \langle a |+| \pm_a \rangle \langle \pm_a |)(∣±0⟩=∣+⟩| \pm_0 \rangle =| + \rangle、∣±1⟩=∣−⟩| \pm_1 \rangle =| - \rangle)である。χ({12,ρ^Ea})\chi(\{\frac12,\hat\rho_E^a\}) を求めよ。
  2. (2) (使う道具:3.10.3節)ρ^V\hat\rho_V が Bell 対角であることを示して λP\lambda_P を求め、eze_z、exe_x を VV で表せ。V=0.9V=0.9 のとき I(Az;E)I(A_z;E) と上界 hb(ex)h_{\mathrm b}(e_x) を求めよ。
  3. (3) (使う道具:3.10.4節)V=0.9V=0.9 で、BB84 の鍵率の下界 ln⁡2−2hb(Q)\ln2-2h_{\mathrm b}(Q) と、λ\lambda を知っているときの鍵率 ln⁡2−H(λ)\ln2-H(\lambda) を求めよ。BB84 の鍵率が 00 になる VV を求めよ。
  4. (4) (使う道具:第3部第5章 の CHSH の不等式)ρ^V\hat\rho_V の CHSH の値の最大は 22 V2\sqrt2\,V である。BB84 の鍵率が 00 になる VV での CHSH の値を求めよ。CHSH の不等式が破れる誤り率の範囲と、BB84 で鍵が取れる誤り率の範囲を比べよ。
  5. (5) (使う道具:3.10.5節/第1部第5章 のデータ圧縮)V=0.9V=0.9 で n=106n=10^6 ビットがふるい分けの後に残った。誤り訂正で公開する量と、ε=10−10\varepsilon =10^{-10} での鍵の長さの粗い見積もり n[1−2hb(Q)/ln⁡2]−2log⁡2(1/ε)n[1-2h_{\mathrm b}(Q)/\ln2]-2\log_2(1/\varepsilon ) を求めよ。
解答

(1) 平均の状態は 14(∣0⟩⟨0∣+∣1⟩⟨1∣+∣+⟩⟨+∣+∣−⟩⟨−∣)=1/2\frac14(| 0 \rangle \langle 0 |+| 1 \rangle \langle 1 |+| + \rangle \langle + |+| - \rangle \langle - |)=\mathbf 1/2 で、S=ln⁡2S=\ln2。ρ^E0=12(∣0⟩⟨0∣+∣+⟩⟨+∣)\hat\rho_E^0=\frac12(| 0 \rangle \langle 0 |+| + \rangle \langle + |) は例題 3.10.2 の ρˉ\bar\rho と同じで、固有値は (1±1/2)/2=0.8536, 0.1464(1\pm1/\sqrt2)/2=0.8536,\,0.1464、S(ρ^E0)=hb(0.8536)S(\hat\rho_E^0)=h_{\mathrm b}(0.8536)。ρ^E1\hat\rho_E^1 も同じ固有値を持つ。したがってχ=ln⁡2−hb(0.8536)\chi=\ln2-h_{\mathrm b}(0.8536)、ビットで 1−0.6009=0.3991-0.6009=0.399 である。ρ^E0\hat\rho_E^0 と ρ^E1\hat\rho_E^1 はどちらも ZZ と XX の中間の向き(Bloch 球で π/4\pi/4 の向き)の基底で対角なので、その基底で測れば χ\chi に等しい情報量が得られる。

(2) 1/4=14∑P(1⊗P)∣Φ+⟩⟨Φ+∣(1⊗P)\mathbf 1/4=\frac14\sum_P(\mathbf 1\otimes P)| \Phi^+ \rangle \langle \Phi^+ |(\mathbf 1\otimes P)(4つの Bell 状態の射影子の和は恒等演算子)なので、ρ^V\hat\rho_V は Bell 対角でλ1=(1+3V)/4\lambda_{\mathbf 1}=(1+3V)/4、λX=λY=λZ=(1−V)/4\lambda_X=\lambda_Y=\lambda_Z=(1-V)/4 である。式 (3.10.10) から ez=ex=(1−V)/2≡Qe_z=e_x=(1-V)/2\equiv Q。V=0.9V=0.9 で Q=0.05Q=0.05、λ=(0.925,0.025,0.025,0.025)\lambda=(0.925,0.025,0.025,0.025)、H(λ)/ln⁡2=0.5032H(\lambda)/\ln2=0.5032 なので、I(Az;E)=0.5032−0.2864=0.2168I(A_z;E)=0.5032-0.2864=0.2168 ビット。上界は hb(0.05)/ln⁡2=0.2864h_{\mathrm b}(0.05)/\ln2=0.2864 ビットである。

(3) BB84 の下界は 1−2×0.2864=0.42721-2\times0.2864=0.4272 ビット、λ\lambda を知っているときは 1−0.5032=0.49681-0.5032=0.4968 ビット。後者は6状態の手順の鍵率と同じ値になる。BB84 の鍵率が 00 になるのは Q=0.1100Q=0.1100、つまり V=1−2Q=0.7799V=1-2Q=0.7799 のときである。

(4) V=0.7799V=0.7799 で CHSH の値は 22×0.7799=2.206>22\sqrt2\times0.7799=2.206>2 で、不等式は破れている。CHSH が破れるのは V>1/2V>1/\sqrt2、すなわち Q<(1−1/2)/2=0.1464Q<(1-1/\sqrt2)/2=0.1464 のときである。Q<0.110Q<0.110 では両方が成り立ち、0.110<Q<0.1460.110<Q<0.146 では CHSH は破れているが、この章の BB84 の1方向の鍵率の下界は 00 になる。Bell の不等式が破れることは量子もつれがあることの証拠だが、それだけで1方向の通信で鍵が取れるとは限らない。

(5) 誤り訂正で公開する量は Slepian–Wolf の限界で n hb(0.05)/ln⁡2=2.86×105n\,h_{\mathrm b}(0.05)/\ln2=2.86\times10^5 ビット(第1部第5章のデータ圧縮の限界を、Bob の値を手がかりにした条件付きの形にしたもの)。鍵の長さは 106×0.4272−66=4.27×10510^6\times0.4272-66=4.27\times10^5 ビット(427140427140 ビット)である。

木下の勉強ステータス

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