この章のまとめ
AI 生成・木下が未勉強
解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第1部 第4章 §1.4.7 ★★★ Euler–Lagrange 方程式・第一積分・自然境界条件の3つで、端の条件まで含めた変分問題を解ける
汎関数 の第1変分を、連鎖律と部分積分で の形に書いた。積分の中の括弧が汎関数微分で、端を固定した問題ではそれを とおいた Euler–Lagrange 方程式が停留の条件になる。 は経路に沿った微分で、 なら方程式は2階になり、条件が2つ要る。自由度が複数あれば成分ごとに1本ずつ方程式が立つ。 が座標 を含まなければ が、時刻を含まなければエネルギー関数 が解に沿って一定で、方程式の階数が1つ下がる。 に時刻の関数の全微分 を足しても方程式は変わらない。端の値を自由にすると、部分積分の端の項から自然境界条件 が出て、手放した端の値の代わりの条件になる。端に費用 があれば条件は に変わる。回転面の面積と吊るした鎖からは懸垂線 が、降下時間からはサイクロイドが、どちらもエネルギー関数の第一積分から出た。懸垂面の例では、停留する曲線が2本ある場合と1本もない場合があった。次の章(第1部第5章)では、物理の作用として を選ぶ理由と、「最小作用」が停留であることの意味を扱う。
この章の道具
- 汎関数微分:。Euler–Lagrange 方程式は 。
- 第一積分: なら が一定。 なら が一定。
- で方程式は変わらない。
- 自由な端では (自然境界条件)。端の費用 があれば 。
総合問題 終点の高さを決めない最速降下線 ★★★
オリジナル原点から静かに放した玉が、摩擦なしに曲線 ( は下向き)に沿って滑り、鉛直な直線 ()のどこかに着くまでの時間を最も短くする曲線を探す。終点の高さ は決めない。重力加速度を とし、玉の速さは とする。
- (1) (使う道具:第1部第3章 の汎関数/1.4.1節)降下時間 を汎関数として書き、汎関数微分 を で表せ。
- (2) (使う道具:1.4.2節)エネルギー関数の第一積分を使い、停留曲線が を満たすことを示せ。
- (3) (使う道具:1.4.3節) での自然境界条件を書け。
- (4) (使う道具:1.4.5節)停留曲線のサイクロイドの と終点の高さ、降下時間を と で表せ。, での値を求め、例題 1.4.5 の終点 のサイクロイドの時間と比べよ。
- (5) (使う道具:第1部第3章 の離散化の考え方/近似の数理 第4章)比べる曲線を原点から への直線だけに限り、 を動かして時間を最小にせよ。(4) と比べて何が言えるか。
解答
(1) 、。 について
後者を で微分すると、 と から
よって式 (1.4.4) より
(括弧の第1・2項は にまとまる。)停留の条件は である。
(2) は を陽に含まないので、1.4.5節と同じ計算で が一定となり、これを とおくと を得る。これが (1) の2階の方程式の第一積分になっていることは、 を で微分すると となり、(1) の停留条件の下で になることからも確かめられる。
(3) 右端の値が自由なので、自然境界条件 (1.4.11) は
停留曲線は終点で水平になる。
(4) サイクロイド (1.4.18) の傾きは なので、 は 、すなわちサイクロイドの最も低い点である。 から 。終点の高さは 、時間は式 (1.4.19) から
では 、終点の深さ 、 である。例題 1.4.5 の終点を に固定したサイクロイドは だった。終点を固定した曲線は終点を自由にした曲線の一部なので、自由な問題の最小値はそれより大きくならず、実際に約 短い。
(5) 原点から への直線では、長さ 、斜面に沿った加速度 で、 から
は で最小値 をとるので、最良の直線は の直線で、 である。 では で、例題 1.4.5 の直線と同じ値になる。比は で、直線に限った最小値はサイクロイドより約 長い。比べる曲線を直線という狭い集まりに限ると、その中の最小値は本当の最小値の上界になる。これは、探す関数の空間を有限次元の部分空間に限る A 型(射影)の近似で、上界になることを近似の数理 第4章が Rayleigh–Ritz の方法として扱っている。直線の族は1つの数 で表されるので、関数の変分問題が1変数の普通の極値問題に置き換わった。
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