出てくるもの (3):量子化の条件と断熱圧縮
AI 生成・木下が未勉強
解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第1部 第14章 §1.14.5 ★★★ は量子力学では量子数を数える量、統計力学では状態の数を数える量で、どちらでも「ゆっくり変えても変わらない」ことが意味を持つ
Bohr–Sommerfeld の量子化条件
序章(第1部第1章)と前の章で触れたとおり、波動関数を と書いて、等エネルギー線を1周したときに波動関数が元に戻る条件を課すと、
が出る(Bohr–Sommerfeld の量子化条件。導出は WKB 近似で、第4部第7章・近似の数理 第7章)。作用角変数の言葉では、量子化とは に の刻みで値を許すことで、エネルギーは で与えられる。調和振動子では から で、これは Schrödinger 方程式の厳密な固有値と一致する。
は、滑らかなポテンシャルの2つの転回点で波動関数の位相がそれぞれ ずつずれることによる。転回点の性質が違えばこの数も変わる。箱の壁のように無限に高い壁では波動関数が壁で になる必要があり、同じ数え方で壁1枚につき位相が ずれる。2枚の壁で合わせて (滑らかな転回点2つでは )になるので
となる。例題 1.14.2 の に入れると で、これも箱の中の粒子の厳密な固有値である。
近似の裏付け
型 B(極限) | 小さいもの (作用変数が に比べて大きい=量子数 が大きい) | 証明 条件付き(ポテンシャルが滑らかで転回点が孤立。箱の壁のような不連続な壁では転回点の接続の代わりに壁での境界条件を使う) | 行き先 近似の数理 第7章
断熱不変量と量子数
量子化の条件 (1.14.18) と断熱不変性を合わせると、1つの予想が出る。パラメータをゆっくり変えると は保たれるので、 の も変わらないはずである。つまり、ゆっくり変えれば系は同じ番号の状態にとどまり、エネルギーは に沿って連続に変わる。これは量子力学では断熱定理(エネルギー準位が他の準位と交わらない限り、ゆっくり変えた系は同じ番号の固有状態にとどまる)として成り立つ。断熱定理は第4部第9章で扱い、そこでは位相の中に Berry 位相という新しい項が現れる。
古典の を量子数の連続版とみなすと、断熱不変性を別の意味で読むことができる。量子数は整数で、連続に変わることができない。したがって量子化される量は、ゆっくりした変化で連続に変わってしまう量(エネルギー・周期)であってはならず、断熱不変量でなければならない。古典力学の断熱不変量を探すことが、どの量を量子化すべきかを見つける手がかりになる。
箱を広げた電子
幅 の箱の基底状態()の電子のエネルギーは である。壁をゆっくり動かして幅を にすると、 のまま に従って になる。古典では例題 1.14.2 の を一定に保つと で、量子と同じ割合で変わる。
箱の断熱圧縮と気体の
箱の幅 をパラメータとし、壁をゆっくり動かす。 が一定なので である。壁が粒子から受ける平均の力は、壁をわずかに だけ動かしたときに粒子がする仕事 から
になる。 を止めて微分しているのは、壁の動きがゆっくりで が保たれるからである。粒子が壁に当たるたびに運動量 を渡し、その頻度が であることから平均の力 を数えても同じ答えになる。
3次元の立方体の箱(1辺 、体積 )では、運動が , , の3方向に分離し、各方向の作用変数 , , がそれぞれ保たれる。エネルギーは で、圧力は
となる。多数の粒子の気体でも、各粒子の が保たれる限り同じで、 を全運動エネルギーとして と 一定が成り立つ。これは単原子理想気体の断熱変化の式で、指数 は熱力学で比熱の比 として出てくる値と一致する(1.14.6節)。
自由度1では、 はエネルギー 以下の状態が占める相空間の面積である。量子化の条件と合わせると、 はエネルギー 以下の量子状態の数を数えている。 が保たれることは、エネルギー以下の状態の数が保たれることで、統計力学の言葉では断熱変化でエントロピーが変わらないことにあたる。自由度の大きな系で「等エネルギー面が囲む相空間の体積」が断熱不変量になることと、エントロピーとの関係は第3部第5章で扱う。
例題 1.14.5 立方体の箱の気体を圧縮する ★★
オリジナル1辺 の立方体の箱に、互いに衝突しない質量 の粒子が多数入っている。壁をゆっくり動かして、立方体のまま体積を から にする。
- (1) 1辺の長さは何倍になるか。各粒子の , , が保たれることを使って、各粒子のエネルギーが何倍になるかを求めよ。
- (2) 気体の圧力は何倍になるか。式 (1.14.21) の 一定から求め、(1) と から求めた値と比べよ。
- (3) 圧縮のあいだに壁が気体にした仕事を、初めの全エネルギー で表せ。
解答
(1) なので1辺は 倍。各方向のエネルギー は が一定なので に比例し、 倍になる。, も同じで、各粒子のエネルギーは 倍。
(2) 一定から で、 倍。 では が 倍、 が 倍なので 倍で、一致する。
(3) 粒子は互いに衝突せず壁とだけ力を及ぼし合うので、壁がした仕事はすべて全エネルギーの増加になり、。
木下の勉強ステータス
木下はまだこの記事を勉強していません。
AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com
← AI生成教科書『虎の巻』の記事一覧へ