解答
(1) x0=ct で g00=1、gij=−a2δij。0でない Christoffel 記号は Γ0ij=caa˙δij、Γi0j=caa˙δij である(Γ0ij=−21g00∂0gij=2c1∂t(a2)δij、Γi0j=21gik∂0gkj=caa˙δij)。これらを Ricci テンソルの定義に入れると R00=−c2a3a¨、Rij=c2aa¨+2a˙2δij で、R=R00−a21∑iRii=−c2a3a¨−c2a23(aa¨+2a˙2)=−c2a26(aa¨+a˙2)。G00=R00−21R=−c2a3a¨+c2a23(aa¨+a˙2)=c2a23a˙2、Gij=Rij+2a2Rδij=c2aa¨+2a˙2−3aa¨−3a˙2δij=−c22aa¨+a˙2δij。Λ>0 の de Sitter(a=eHt)では R=−12H2/c2 で、正定値の計量の球面の R>0 とは逆の符号になる。(+,−,−,−) で空間の部分を負に取っているためである(記法の正本 §4)。
(2) 塵の T00=ρc2、Tij=0。00 成分:c2a23a˙2−Λ=c48πGρc2 から H2=38πGρ+3Λc2。ij 成分:−c22aa¨+a˙2δij−Λ(−a2δij)=0 から a2a¨+H2=Λc2。第1式は例題 2.15.3 で N の方程式として出したものと同じである。
(3) 例題 2.15.4 で P=0 とすると ρ˙+3Hρ=0、つまり dtd(ρa3)=a3(ρ˙+3Hρ)=0。第1式を時間微分すると 2HH˙=38πGρ˙=−8πGHρ、H˙=aa¨−H2 なので aa¨=H2−4πGρ。第1式で ρ を消すと 4πGρ=23(H2−3Λc2) だから aa¨=−21H2+2Λc2 で、第2式と一致する。ij 成分の方程式が 00 成分と保存則から出ることは、2.15.4節の恒等式 ∇μGμν=0 の表れである。
(4) 第2式と第1式から aa¨=21(Λc2−H2)=21(Λc2−38πGρ−3Λc2)=−34πGρ+3Λc2。第1項は Newton の引力で、第2項は 2.15.5節の距離に比例する斥力 3Λc2r そのものである。今の値を H02 で割ると q0=−aH02a¨=2Ωm−ΩΛ=0.1575−0.685=−0.528 で、今の膨張は加速している。ρ∝a−3=(1+z)3 なので、a¨=0 は 2Ωm(1+z)3=ΩΛ、z=(0.3152×0.685)1/3−1=0.632。これより前(z>0.632)は減速していた。
(5) τ:=23ΩΛH0t、A:=(Ωm/ΩΛ)1/3 とおくと a=Asinh2/3τ、H=aa˙=32cothτ⋅23ΩΛH0=ΩΛH0cothτ。右辺は H02(Ωma−3+ΩΛ)=H02ΩΛ(sinh−2τ+1)=H02ΩΛcoth2τ で、左辺 H2 と一致する(ρ=ρ0a−3 を使った)。a=1 は sinhτ0=ΩΛ/Ωm のときで、H0t0=3ΩΛ2arsinhΩΛ/Ωm=0.951。1/H0=14.5Gyr なので t0=13.8Gyr である。t→∞ で cothτ→1、H∞=ΩΛH0=cΛ/3=55.8kms−1Mpc−1 で、a∝eH∞t の de Sitter 宇宙に近づく。そのとき物質は薄まり、式 (2.15.12) のトレースから R∞=−4Λ=−4.36×10−52m−2 になる。図 2.15.3 に a(t) を物質だけの宇宙と比べて示した。