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授業で習った形との対応

2026年10月15日7分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第3部 第3章 カノニカル分布と Z=∫e^(-β H) dΓ
目次
  1. 状態の和と相空間の積分
  2. 調和振動子で量子の和と古典の積分を比べる
  3. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第3部 第3章 §3.3.6 ★★ 量子の和 ∑ie−βEi\sum_i\mathrm{e}^{-\beta E_i} と古典の積分の関係を、h3Nh^{3N}(状態1つの体積)と N!N!(同種粒子)から確かめる

状態の和と相空間の積分

解析力学を使わない統計力学の授業では、分配関数を量子力学のエネルギー準位 EiE_i の和

Z=∑ie−βEi,pi=e−βEiZ(3.3.21)Z=\sum_i\mathrm{e}^{-\beta E_i},\qquad p_i=\frac{\mathrm{e}^{-\beta E_i}}{Z}\tag{3.3.21}

として導入し、古典系については「古典極限では」と断って

Z=1N! h3N∫e−βH(q,p) d3Nq d3Np(3.3.22)Z=\frac{1}{N!\,h^{3N}}\int\mathrm{e}^{-\beta H(q,p)}\,\mathrm{d}^{3N}q\,\mathrm{d}^{3N}p\tag{3.3.22}

を使う。この章の式 (3.3.3) は後者を、測度 dΓ\mathrm{d}\Gamma に h3NN!h^{3N}N! を入れた形で書いたものである。状態 ii の確率 pip_i が相空間の密度 ρβ(Γ)\rho_\beta(\Gamma) に、和 ∑i\sum_i が積分 ∫dΓ\int\mathrm{d}\Gamma に対応する。授業で「Boltzmann 因子」と呼ぶ e−E/(kBT)\mathrm{e}^{-E/( k_{\mathrm B} T)} は、この章の e−βH(Γ)\mathrm{e}^{-\beta H(\Gamma)} を相空間の1点で読んだものである。

h3Nh^{3N} の意味は、第1部の作用変数から読み取ることができる。自由度1の周期運動で、隣り合う量子状態の作用変数 J=12π∮p dqJ=\frac{1}{2\pi}\oint p\,\mathrm{d} q の差は ℏ\hbar で(Bohr–Sommerfeld の量子化、第1部第14章)、相空間の面積 ∮p dq=2πJ\oint p\,\mathrm{d} q=2\pi J にすると 2πℏ=h2\pi\hbar=h である。つまり量子状態1つが相空間の面積 hh を占める。自由度 3N3N では体積 h3Nh^{3N} が状態1つにあたり、和 ∑i\sum_i を積分 ∫d3Nq d3Np/h3N\int\mathrm{d}^{3N}q\,\mathrm{d}^{3N}p/h^{3N} に置き換えることになる。

N!N! の意味は、同種粒子の入れ替えにある。量子力学では同種粒子を区別できないので、粒子1と粒子2の位置と運動量を入れ替えた相空間の点は、同じ量子状態を表す。相空間の積分は入れ替えた N!N! 個の点を別々に数えるので、N!N! で割って補正する。N!N! を入れないとエントロピーが示量的でなくなり、仕切りを外すだけで 2NkBln⁡22N k_{\mathrm B}\ln2 増えること(Gibbs のパラドックス)は、第2章の例題 3.2.4 で見た(情報の見方からの扱いは 相対エントロピーから情報と物理を組み立てる 第2部第5章)。量子の和 (3.3.21) の側では、同種粒子の入れ替えで移り合う配置ははじめから1つの状態として数えるので、この余分は起きない。N!N! は古典力学の中からは出てこず、量子力学の同種粒子の扱いから持ち込む因子である。

調和振動子で量子の和と古典の積分を比べる

1次元調和振動子のエネルギー準位は En=ℏω(n+12)E_n=\hbar\omega(n+\frac12) で、式 (3.3.21) の和は等比級数になる。x=βℏωx=\beta\hbar\omega とおくと

Zq=∑n=0∞e−x(n+1/2)=e−x/21−e−x=12sinh⁡(x/2).(3.3.23)Z_{\mathrm q}=\sum_{n=0}^\infty\mathrm{e}^{-x(n+1/2)}=\frac{\mathrm{e}^{-x/2}}{1-\mathrm{e}^{-x}}=\frac{1}{2\sinh(x/2)} .\tag{3.3.23}

x→0x\to0(高温)で sinh⁡(x/2)≈x/2\sinh(x/2)\approx x/2 なので Zq≈1/x=kBT/(ℏω)Z_{\mathrm q}\approx1/x= k_{\mathrm B} T/(\hbar\omega) となり、例題 3.3.1 の古典の値 ZclZ_{\mathrm{cl}} と一致する。相空間の面積 hh を状態1つと数えたことの正しさが、ここで定数の因子まで確かめることができる。次の項まで展開すると

ln⁡Zq=−ln⁡x−x224+O(x4)\ln Z_{\mathrm q}=-\ln x-\frac{x^2}{24}+\mathcal{O}(x^4)

で、古典の結果からのずれは (βℏω)2(\beta\hbar\omega)^2 の程度である。βℏω≳1\beta\hbar\omega\gtrsim1 の低温では量子の離散準位が見えてきて、古典の積分を使うことはできない。例題 3.3.4 の nλT3≪1n\lambda_T^3\ll1 も同じ種類の条件で、熱的 de Broglie 波長 λT\lambda_T が、粒子間隔やポテンシャルの変化する長さより十分短いことを要求している。

例題 3.3.6 調和振動子の量子と古典の分配関数 ★★

オリジナル1次元調和振動子について、x=βℏωx=\beta\hbar\omega とする。

  1. 量子の内部エネルギー Uq=−∂ln⁡Zq/∂βU_{\mathrm q}=-\partial\ln Z_{\mathrm q}/\partial\beta を求め、x→0x\to0 で kBTk_{\mathrm B} T に、x→∞x\to\infty で 12ℏω\frac12\hbar\omega に近づくことを示せ。
  2. x=0.1x=0.1, 11, 33 について Zq/ZclZ_{\mathrm q}/Z_{\mathrm{cl}} と Uq/(kBT)U_{\mathrm q}/( k_{\mathrm B} T) を求めよ。
解答

(1) ln⁡Zq=−ln⁡(2sinh⁡(βℏω/2))\ln Z_{\mathrm q}=-\ln\bigl(2\sinh(\beta\hbar\omega/2)\bigr) を β\beta で微分して

Uq=ℏω2coth⁡βℏω2=ℏω2+ℏωeβℏω−1.U_{\mathrm q}=\frac{\hbar\omega}{2}\coth\frac{\beta\hbar\omega}{2}=\frac{\hbar\omega}{2}+\frac{\hbar\omega}{\mathrm{e}^{\beta\hbar\omega}-1}.

x→0x\to0 では coth⁡(x/2)≈2/x\coth(x/2)\approx2/x なので Uq≈ℏω/x=kBTU_{\mathrm q}\approx\hbar\omega/x= k_{\mathrm B} T。x→∞x\to\infty では coth⁡→1\coth\to1 で Uq→12ℏωU_{\mathrm q}\to\frac12\hbar\omega(零点エネルギー)。

(2) Zq/Zcl=x/2sinh⁡(x/2)Z_{\mathrm q}/Z_{\mathrm{cl}}=\dfrac{x/2}{\sinh(x/2)}、Uq/(kBT)=x2coth⁡x2U_{\mathrm q}/( k_{\mathrm B} T)=\dfrac{x}{2}\coth\dfrac x2 から

x=βℏωx=\beta\hbar\omegaZq/ZclZ_{\mathrm q}/Z_{\mathrm{cl}}Uq/(kBT)U_{\mathrm q}/( k_{\mathrm B} T)
0.10.10.999580.999581.000831.00083
110.9600.9601.0821.082
330.7040.7041.6571.657

x=0.1x=0.1 では古典の値と 0.1%0.1\% 以内で一致し、x=3x=3 では ZZ で 3 割、UU で 7 割近くずれる。零点エネルギー 12ℏω=x2kBT\frac12\hbar\omega=\frac x2 k_{\mathrm B} T がx=3x=3 では 1.5kBT1.5 k_{\mathrm B} T に達するので、UU のずれは ZZ のずれより大きい。

近似の裏付け

型 B(極限) | 小さいもの βℏω\beta\hbar\omega、λT/(ポテンシャルが変わる長さ)\lambda_T/(\text{ポテンシャルが変わる長さ})(熱的 de Broglie 波長が短い) | 証明 要確認(調和振動子は厳密な式 (3.3.23) で確かめた。一般の滑らかなポテンシャルの ℏ2\hbar^2 展開〔Wigner–Kirkwood 展開〕の前提は原論文で未確認) | 行き先 近似の数理 第7章

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