この章のまとめ
AI 生成・木下が未勉強
解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第4部 第6章 §4.6.7 ★★★ を正準運動量として読むと、ゲージ変換の位相・Landau 準位・Aharonov–Bohm 効果・ が1つの交換関係と1つの位相から出る
この章では、第2部第2章の Hamiltonian に正準量子化を当て、 を選んだ。 は正準運動量の演算子で、速度の演算子は である。エルミートな演算子の2乗という形が、 と の並べ方を決めた。
当てた道具は2つで、1つは交換子である。古典の Poisson 括弧 は交換子 になり、Heisenberg の式から Lorentz 力の式の演算子版が出た。もう1つはゲージ変換で、古典の の全微分の変化は波動関数の位相 のユニタリ変換になり、Schrödinger 方程式の形と、速度・確率の流れの値を保つ。
出てきたものは3つある。一様な磁場では、速度の2成分の交換子から上げ下げ演算子が作れ、エネルギーは Landau 準位 になった。エネルギーに入らない円の中心の座標は交換関係 を満たし、各準位は磁束を で数えた数だけ縮退する。磁束を囲む輪の上では、磁場の無い場所の粒子のエネルギー準位が の形で磁束に依存し、周期 の永久電流が流れる。ゲージ関数が1価に選べないため、1周の位相 は消すことができない。スピン の粒子では、運動エネルギーを と書くと交換子から Zeeman の項が出て、電子の になった。
次の章(第4部第7章)では、作用 を位相に入れた から WKB 近似を作り、Hamilton–Jacobi 方程式が古典極限になることを見る。この章の Aharonov–Bohm の位相は、経路積分(第4部第8章)では経路の作用の差として、断熱定理(第4部第9章)では Berry 位相の最初の例として、もう一度現れる。
この章の道具
- は正準運動量。速度は 、。
- (ゲージによらない)。
- ゲージ変換 , , 。
- Landau 準位 、縮退度 、磁気長 。
- 輪の準位 、永久電流 、周期 。
- から 。
総合問題 直交する電場と磁場の中の量子的なドリフト ★★★
オリジナル電荷 ・質量 の粒子が 平面を動き、一様な磁場 と一様な電場 (, )がかかっている。Landau ゲージ と を選び、、 とする。
- (1) 固有関数を とおいて の方程式を書き、エネルギー固有値 と振動の中心 を求めよ。(使う道具:この章の4.6.3節、第4部第4章の調和振動子)
- (2) 群速度 を求め、古典の ドリフトの速度と比べよ。(使う道具:第2部第2章のドリフト)
- (3) 固有状態での速度の演算子 の期待値を求め、(2) と一致することを確かめよ。(使う道具:この章の4.6.2節の速度の演算子)
- (4) を ・中心での静電エネルギー ・ドリフトの運動エネルギーの3つの和に書き直せ。(使う道具:(1)、第1部第8章の の値)
- (5) 電子(質量 、)で 、 のとき、ドリフトの速さ・ドリフトの運動エネルギー()とその に対する比を求めよ。また の周期境界条件で、隣り合う の状態のエネルギーの差を求めよ。(使う道具:この章の例題 4.6.3)
解答
(1) として
とおくと、ポテンシャルは で、平方完成すると
になる。中心 の調和振動子なので
電場があると、エネルギーは によるようになり、Landau 準位の縮退が解ける。
(2) 。古典の と一致する。ドリフトの速度は にも にも にもよらない。
(3) 固有状態で 、(振動子の固有関数は中心について対称)なので
(2) の群速度と一致する。 の期待値が の期待値に等しいこと(Hellmann–Feynman の関係)を確かめたことになる。
(4) を (1) に入れると
第1項はサイクロトロン運動の量子化されたエネルギー、第2項は円の中心の位置での静電エネルギー、第3項はドリフトの運動エネルギーである。古典の の値 を、回る運動と流れる運動と中心の位置に分けたものと読むことができる。
(5) ドリフトの速さは 。運動エネルギーは で、 の 倍である。隣り合う は だけ違い、中心は だけずれる。エネルギーの差は で、 よりはるかに小さい。電場は Landau 準位の縮退をほとんど連続な帯に広げるだけで、準位の間隔はそのまま残る。
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