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当てる道具:時間を刻み、pp の積分で Legendre 変換する

2026年10月15日13分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第4部 第8章 経路積分
目次
  1. 時間を刻む
  2. の積分は Legendre 変換
  3. 電磁場があるとき
  4. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第4部 第8章 §4.8.2 ★★★ 時間を NN 等分して完全系を挟むと、指数の肩に相空間の作用 ∫(pq˙−H)dt\int(p\dot q-H)\mathrm{d} t が並ぶ。pp の Gauss 積分は停留点 p=mq˙p=m\dot q で値が決まり、Legendre 変換の逆を行って LL を戻す

時間を刻む

時間 TT を NN 等分し、刻み幅を ϵ=T/N\epsilon=T/N とする。e−iH^T/ℏ=(e−iϵH^/ℏ)N\mathrm{e}^{-\mathrm{i}\hat HT/\hbar}=(\mathrm{e}^{-\mathrm{i}\epsilon\hat H/\hbar})^N の NN 個の因子の間に、位置の完全系 ∫dqk ∣qk⟩⟨qk∣\int\mathrm{d} q_k\,| q_k \rangle \langle q_k |(k=1,…,N−1k=1,\dots,N-1)を挟む。端は q0=qiq_0=q_i、qN=qfq_N=q_f とする。

K(qf,qi;T)=∫dq1⋯dqN−1∏k=0N−1⟨qk+1∣e−iϵH^/ℏ∣qk⟩(4.8.11)K(q_f,q_i;T)=\int\mathrm{d} q_1\cdots\mathrm{d} q_{N-1}\prod_{k=0}^{N-1}\langle q_{k+1} | \mathrm{e}^{-\mathrm{i}\epsilon\hat H/\hbar} | q_k \rangle\tag{4.8.11}

これは式 (4.8.4) を N−1N-1 回使ったものと同じで、ここまで近似は入っていない。第1部第3章で、汎関数 S[q]S[q] を時刻の格子点での値 q1,…,qN−1q_1,\dots,q_{N-1} の多変数関数で近似した(第1部第3章)。式 (4.8.11) の積分変数は、その格子点の値そのものである。

短い時間の因子を計算する。H^=p^2/(2m)+V(q^)\hat H=\hat p^2/(2m)+V(\hat q) の2つの項は交換しないが、

e−iϵH^/ℏ=e−iϵp^2/(2mℏ) e−iϵV(q^)/ℏ+O(ϵ2)(4.8.12)\mathrm{e}^{-\mathrm{i}\epsilon\hat H/\hbar}=\mathrm{e}^{-\mathrm{i}\epsilon\hat p^2/(2m\hbar)}\,\mathrm{e}^{-\mathrm{i}\epsilon V(\hat q)/\hbar}+\mathcal{O}(\epsilon^2)\tag{4.8.12}

が成り立つ。両辺を ϵ\epsilon で展開すると1次の項までは一致し、違いは2次の項にある交換子 [p^2, V(q^)]\left[\hat p^2,\,V(\hat q)\right] の分だけだからである。1つの刻みの誤差が O(ϵ2)\mathcal{O}(\epsilon^2) なら、N=T/ϵN=T/\epsilon 個の刻みの誤差の合計は O(ϵ)\mathcal{O}(\epsilon) で、N→∞N\to\infty で消える。右側の因子 e−iϵV(q^)/ℏ\mathrm{e}^{-\mathrm{i}\epsilon V(\hat q)/\hbar} は ∣qk⟩| q_k \rangle に当たって数 e−iϵV(qk)/ℏ\mathrm{e}^{-\mathrm{i}\epsilon V(q_k)/\hbar} になり、左側の因子には運動量の完全系を挟む。

⟨qk+1∣e−iϵH^/ℏ∣qk⟩≈∫dpk2πℏexp⁡[iϵℏ(pkqk+1−qkϵ−pk22m−V(qk))].\langle q_{k+1} | \mathrm{e}^{-\mathrm{i}\epsilon\hat H/\hbar} | q_k \rangle \approx\int\frac{\mathrm{d} p_k}{2\pi\hbar}\exp\Bigl[\frac{\mathrm{i}\epsilon}{\hbar}\Bigl(p_k\frac{q_{k+1}-q_k}{\epsilon}-\frac{p_k^2}{2m}-V(q_k)\Bigr)\Bigr].

これを式 (4.8.11) に入れると、

K(qf,qi;T)=lim⁡N→∞∫∏k=1N−1dqk∏k=0N−1dpk2πℏ exp⁡[iℏ∑k=0N−1ϵ(pkq˙k−H(qk,pk))],q˙k≔qk+1−qkϵ(4.8.13)K(q_f,q_i;T)=\lim_{N\to\infty}\int\prod_{k=1}^{N-1}\mathrm{d} q_k\prod_{k=0}^{N-1}\frac{\mathrm{d} p_k}{2\pi\hbar}\, \exp\Bigl[\frac{\mathrm{i}}{\hbar}\sum_{k=0}^{N-1}\epsilon\Bigl(p_k\dot q_k-H(q_k,p_k)\Bigr)\Bigr],\qquad \dot q_k\coloneqq\frac{q_{k+1}-q_k}{\epsilon}\tag{4.8.13}

を得る。指数の肩の和は、第1部第8章の相空間の作用 S[q,p]=∫(pq˙−H) dtS[q,p]=\int(p\dot q-H)\,\mathrm{d} t を格子点で書いたものである(第1部第8章)。qq は N−1N-1 個の内側の点で積分し、pp は NN 個の区間ごとに積分する。端で固定するのは qq だけで、pp の端は固定しない。これは第1部第8章で、相空間の作用の停留を qq の端だけを固定して求めたことと対応している。

pp の積分は Legendre 変換

式 (4.8.13) の pkp_k は、それぞれ1つの区間にしか現れないので、区間ごとに積分することができる。pkp_k を含む部分は

∫dpk2πℏexp⁡[iϵℏ(pkq˙k−pk22m)]=m2πiℏϵ exp⁡[iϵℏ m2q˙k2](4.8.14)\int\frac{\mathrm{d} p_k}{2\pi\hbar}\exp\Bigl[\frac{\mathrm{i}\epsilon}{\hbar}\Bigl(p_k\dot q_k-\frac{p_k^2}{2m}\Bigr)\Bigr] =\sqrt{\frac{m}{2\pi\mathrm{i}\hbar\epsilon}}\,\exp\Bigl[\frac{\mathrm{i}\epsilon}{\hbar}\,\frac m2\dot q_k^2\Bigr]\tag{4.8.14}

で、式 (4.8.5) と同じ形の Gauss 積分である(TT を ϵ\epsilon に、qf−qiq_f-q_i を ϵq˙k\epsilon\dot q_k に置き換えればよい)。

この結果を Legendre 変換として読む。指数の肩の pq˙−p2/(2m)p\dot q-p^2/(2m) を pp の関数とみると、停留点は ∂(pq˙−p2/2m)/∂p=0\partial(p\dot q-p^2/2m)/\partial p=0 から p=mq˙p=m\dot q で、そこでの値は mq˙2/2m\dot q^2/2 である。第1部第7章の言葉では、HH から LL への Legendre 変換

L(q,q˙)=stat⁡p(pq˙−H(q,p))(4.8.15)L(q,\dot q)=\operatorname*{stat}_{p}\bigl(p\dot q-H(q,p)\bigr)\tag{4.8.15}

そのものである(stat は停留点での値を取る操作)。Gauss 積分では、指数の肩が積分変数の2次式なので、積分の値は「停留点での指数関数の値」と「2次の係数で決まる前因子」の積に厳密に等しい。したがって HH が pp の2次式なら、pp の積分は Legendre 変換を誤差なしに行い、前因子 m/(2πiℏϵ)\sqrt{m/(2\pi\mathrm{i}\hbar\epsilon)} を残す。量子化の入口で L→HL\to H と進んだ道を、経路積分は pp の積分で H→LH\to L と引き返している。

区間ごとの pp の積分を全部行うと、

K(qf,qi;T)=lim⁡N→∞(m2πiℏϵ)N/2∫∏k=1N−1dqk eiSN/ℏ,SN=∑k=0N−1ϵ[m2(qk+1−qkϵ)2−V(qk)](4.8.16)K(q_f,q_i;T)=\lim_{N\to\infty}\Bigl(\frac{m}{2\pi\mathrm{i}\hbar\epsilon}\Bigr)^{N/2}\int\prod_{k=1}^{N-1}\mathrm{d} q_k\,\mathrm{e}^{\mathrm{i} S_N/\hbar},\qquad S_N=\sum_{k=0}^{N-1}\epsilon\Bigl[\frac m2\Bigl(\frac{q_{k+1}-q_k}{\epsilon}\Bigr)^2-V(q_k)\Bigr]\tag{4.8.16}

となる。SNS_N は、格子点 q0,…,qNq_0,\dots,q_N を順に直線で結んだ折れ線の経路の作用 S[q]S[q] を、各区間の左端の VV で近似したものである。N→∞N\to\infty の極限を記号で

K(qf,qi;T)=∫q(0)=qiq(T)=qfDq eiS[q]/ℏ(4.8.17)K(q_f,q_i;T)=\int_{q(0)=q_i}^{q(T)=q_f}\mathcal Dq\,\mathrm{e}^{\mathrm{i} S[q]/\hbar}\tag{4.8.17}

と書き、これを経路積分と呼ぶ。Dq\mathcal Dq は式 (4.8.16) の前因子つきの多重積分の極限を表す記号で、それ自身が独立に定義された測度ではない。すべての折れ線の経路が、その作用で決まる同じ大きさ 1 の重み eiSN/ℏ\mathrm{e}^{\mathrm{i} S_N/\hbar} で寄与する。古典の経路も、古典力学では決して通らない経路も、重みの絶対値は同じである。違いは位相だけにある。この見方は Dirac が遷移振幅と eiS/ℏ\mathrm{e}^{\mathrm{i} S/\hbar} の関係として指摘し1P. A. M. Dirac (1933), Physikalische Zeitschrift der Sowjetunion 3, 64–72.下の脚注へ、Feynman が式 (4.8.16) の形にまとめた2R. P. Feynman (1948), Reviews of Modern Physics 20, 367–387.下の脚注へ。

図

図 4.8.1 時間を NN 等分した経路積分 (4.8.16)。内側の格子点 q1,…,qN−1q_1,\dots,q_{N-1} の値を独立に積分するので、始点 qiq_i と終点 qfq_f を結ぶすべての折れ線(赤・橙)が寄与する。古典の経路(青)はその中の1本にすぎず、重みの絶対値はどの経路でも同じで、違うのは位相 SN/ℏS_N/\hbar だけである

電磁場があるとき

第2部第2章の荷電粒子の Lagrangian L=m2r˙2−qϕ+qr˙⋅AL=\frac m2\dot{\bm{r}}^2-q\phi+q\dot{\bm{r}}\cdot\bm{A} を選んでも、H=(p−qA)2/(2m)+qϕH=(\bm{p}-q\bm{A})^2/(2m)+q\phi は p\bm{p} の2次式なので、p\bm{p} の積分は同じく Legendre 変換の逆を行い、指数の肩に LL が戻る(第2部第2章)。ただし A\bm{A} は格子点の区間の中点 (rk+rk+1)/2(\bm{r}_k+\bm{r}_{k+1})/2 で評価する必要がある。左端で評価すると、N→∞N\to\infty の極限で正しい Schrödinger 方程式(第4部第6章)を再現しない。r˙⋅A\dot{\bm{r}}\cdot\bm{A} の項は、経路ごとに重みへ

exp⁡[iqℏ∫経路A⋅dr]\exp\Bigl[\frac{\mathrm{i} q}{\hbar}\int_{\text{経路}}\bm{A}\cdot\mathrm{d}\bm{r}\Bigr]

を掛ける。磁束 ΦB\Phi_B を閉じ込めたソレノイドの両側を通る2本の経路では、この因子の比が exp⁡[iq∮A⋅dr/ℏ]=eiqΦB/ℏ\exp[\mathrm{i} q\oint\bm{A}\cdot\mathrm{d}\bm{r}/\hbar]=\mathrm{e}^{\mathrm{i} q\Phi_B/\hbar} になる。これが Aharonov–Bohm の位相差で、経路積分では「2本の経路の作用の差」として直接に出る(第2部第8章・第4部第6章)。経路が磁場のある所を通らなくても、作用には A\bm{A} が入るので位相が変わる。

経路積分の「測度」について

実時間の式 (4.8.16) の前因子 (m/2πiℏϵ)N/2(m/2\pi\mathrm{i}\hbar\epsilon)^{N/2} は N→∞N\to\infty で発散し、被積分関数は絶対値 1 で振動するだけで減衰しない。このため、Dq\mathcal Dq を経路の空間の上の測度として定めることはできず、式 (4.8.17) は有限次元の積分の極限の略記として読む。時間を虚数にした第5節の形では被積分関数が実数で減衰し、自由粒子の部分は Brown 運動の確率測度(Wiener 測度)になる。その形で e−H^τ/ℏ\mathrm{e}^{-\hat H\tau/\hbar} の行列要素を表す式は Kac が示した3M. Kac (1949), Transactions of the American Mathematical Society 65, 1–13.下の脚注へ(Feynman–Kac の公式)。

例題 4.8.2 2つに刻んで中点を積分する ★★

オリジナル自由粒子で時間 TT を2等分し(N=2N=2、ϵ=T/2\epsilon=T/2)、式 (4.8.16) の中点 q1q_1 についての積分を実行して、式 (4.8.8) と一致することを確かめよ。あわせて、q1q_1 についての積分の停留点が古典の経路の中点 (qf+qi)/2(q_f+q_i)/2 であることを確かめよ。

解答

N=2N=2 では前因子が (m/(2πiℏϵ))2/2=m/(πiℏT)(m/(2\pi\mathrm{i}\hbar\epsilon))^{2/2}=m/(\pi\mathrm{i}\hbar T)、作用が

S2=m2⋅(q1−qi)2+(qf−q1)2T/2=mT[2(q1−qf+qi2)2+(qf−qi)22]S_2=\frac{m}{2}\cdot\frac{(q_1-q_i)^2+(q_f-q_1)^2}{T/2}=\frac mT\Bigl[2\Bigl(q_1-\frac{q_f+q_i}{2}\Bigr)^2+\frac{(q_f-q_i)^2}{2}\Bigr]

である。2つ目の等号は q1q_1 について平方完成した。∂S2/∂q1=0\partial S_2/\partial q_1=0 の解は q1=(qf+qi)/2q_1=(q_f+q_i)/2 で、古典の等速直線の中点である。q1q_1 の積分は A=−2im/(ℏT)A=-2\mathrm{i} m/(\hbar T)、B=0B=0 の Gauss 積分で、π/A=πiℏT/(2m)\sqrt{\pi/A}=\sqrt{\pi\mathrm{i}\hbar T/(2m)} になる。前因子と掛けると

mπiℏTπiℏT2m=m2 πiℏT(πiℏT)2 2m=m2πiℏT\frac{m}{\pi\mathrm{i}\hbar T}\sqrt{\frac{\pi\mathrm{i}\hbar T}{2m}}=\sqrt{\frac{m^2\,\pi\mathrm{i}\hbar T}{(\pi\mathrm{i}\hbar T)^2\,2m}}=\sqrt{\frac{m}{2\pi\mathrm{i}\hbar T}}

で、残る指数は eim(qf−qi)2/(2ℏT)\mathrm{e}^{\mathrm{i} m(q_f-q_i)^2/(2\hbar T)} である。これは式 (4.8.8) そのもので、自由粒子では N=2N=2 ですでに厳密な核が出る。一般の NN でも同じで、内側の点を1つずつ積分するたびに、隣り合う2つの区間が1つの区間につながる(式 (4.8.4))。自由粒子の核は NN によらず厳密で、極限 N→∞N\to\infty が要るのは VV があるときの式 (4.8.12) の誤差を消すためである。

近似の裏付け

型 B(極限) | 小さいもの 1/N=ϵ/T→01/N=\epsilon/T\to0(時間の刻みを細かくする) | 証明 条件付き(Trotter の積公式。p^2/2m\hat p^2/2m と V(q^)V(\hat q) がそれぞれ自己共役で、和が定義域の共通部分で本質的に自己共役なとき、強収束の意味で成り立つ) | 行き先 近似の数理 第3章

1 P. A. M. Dirac (1933), Physikalische Zeitschrift der Sowjetunion 3, 64–72.

2 R. P. Feynman (1948), Reviews of Modern Physics 20, 367–387.

3 M. Kac (1949), Transactions of the American Mathematical Society 65, 1–13.

木下の勉強ステータス

木下はまだこの記事を勉強していません。

AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com

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