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この章のまとめ

2026年10月15日11分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第4部 第8章 経路積分

AI 生成・木下が未勉強

解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第4部 第8章 §4.8.7 ★★★ 時間を刻み pp を積分すると LL が戻り、核は ∫Dq eiS/ℏ\int\mathcal Dq\,\mathrm{e}^{\mathrm{i} S/\hbar} になる。2次の LL では SclS_{\mathrm{cl}} と揺らぎの行列式で厳密に決まり、ℏ→0\hbar\to0 では停留する経路が残り、虚数の時間では分配関数になる

この章では、1粒子の L=m2q˙2−VL=\frac m2\dot q^2-V を選び、伝播の核 K=⟨qf∣e−iH^T/ℏ∣qi⟩K=\langle q_f | \mathrm{e}^{-\mathrm{i}\hat HT/\hbar} | q_i \rangle を経路の和として書いた。時間を NN 等分して完全系を挟むと、指数の肩に相空間の作用 ∫(pq˙−H)dt\int(p\dot q-H)\mathrm{d} t が並ぶ。pp の Gauss 積分は停留点 p=mq˙p=m\dot q で値が決まる Legendre 変換の逆で、これを行うと指数の肩に Lagrangian が戻り、K=∫Dq eiS[q]/ℏK=\int\mathcal Dq\,\mathrm{e}^{\mathrm{i} S[q]/\hbar} を得た。すべての経路が同じ大きさの重みで寄与し、違いは位相 S/ℏS/\hbar だけにある。

出てきたものは3つあった。第一に、LL が2次式なら作用は Scl+S[y]S_{\mathrm{cl}}+S[y] に厳密に分かれ、核は (−∂2Scl/∂qf∂qi)/(2πiℏ) eiScl/ℏ\sqrt{(-\partial^2S_{\mathrm{cl}}/\partial q_f\partial q_i)/(2\pi\mathrm{i}\hbar)}\,\mathrm{e}^{\mathrm{i} S_{\mathrm{cl}}/\hbar} になる。揺らぎの行列式は共役点で 0 になり、核の前因子が発散する。第二に、ℏ→0\hbar\to0 では停留位相によって作用の停留する経路の近くだけが残り、最小作用の原理は「位相がそろう条件」として出る。共役点を1つ越えるごとに位相 −π/2-\pi/2 が付き、第4部第7章の Maslov の位相を経路の側から説明する。第三に、t=−iτt=-\mathrm{i}\tau とすると重みは実数の e−SE/ℏ\mathrm{e}^{-S_{\mathrm E}/\hbar} になり、周期 βℏ\beta\hbar の閉じた経路の和が分配関数 ZZ になる。高温では古典の分配関数に戻る。

授業の Schrödinger 方程式とは、短い時間の核の展開で結ばれている。重みの幅 ⟨η2⟩=iℏϵ/m\langle \eta^2 \rangle =\mathrm{i}\hbar\epsilon/m から運動エネルギーの項が出て、寄与する経路は微分できない折れ線である。次の第4部第9章では、Hamiltonian がゆっくり変わるときの時間発展を扱い、位相に作用でない幾何学的な部分(Berry 位相)が付くことを見る(第4部第9章)。虚数の時間の経路積分は、量子統計力学(第5部第1章)と、場の量子論の摂動展開(第5部第7章)の出発点になる。

総合問題 一様な力の中の伝播の核と中性子の干渉 ★★★

オリジナル質量 mm の粒子が一様な力 FF(定数)を受け、V(q)=−FqV(q)=-Fq、L=m2q˙2+FqL=\frac m2\dot q^2+Fq とする。この章に限り FF は力を表す。

  1. (1) 端の条件 q(0)=qiq(0)=q_i、q(T)=qfq(T)=q_f を満たす古典の経路を求め、その作用がScl=m(qf−qi)22T+FT(qf+qi)2−F2T324mS_{\mathrm{cl}}=\dfrac{m(q_f-q_i)^2}{2T}+\dfrac{FT(q_f+q_i)}{2}-\dfrac{F^2T^3}{24m} になることを示せ。(使う道具:第1部第4章の Euler–Lagrange 方程式・4.8.1節の自由粒子の作用)
  2. (2) LL が2次式であることを使い、核が K=m/(2πiℏT) eiScl/ℏK=\sqrt{m/(2\pi\mathrm{i}\hbar T)}\,\mathrm{e}^{\mathrm{i} S_{\mathrm{cl}}/\hbar} と厳密に書けることを示せ。前因子が自由粒子と同じになる理由を述べよ。(使う道具:4.8.3節の古典の経路と揺らぎへの分解)
  3. (3) (2) の KK が Schrödinger 方程式 iℏ ∂TK=−ℏ22m∂qf2K−FqfK\mathrm{i}\hbar\,\partial_TK=-\frac{\hbar^2}{2m}\partial_{q_f}^2K-Fq_fK を満たすことを確かめよ。(使う道具:4.8.6節)
  4. (4) ∂Scl/∂qf\partial S_{\mathrm{cl}}/\partial q_f が終点での古典の運動量 mq˙(T)m\dot q(T) に、−∂Scl/∂T-\partial S_{\mathrm{cl}}/\partial T がその経路のエネルギーに等しいことを確かめ、停留位相の立場から、核の位相の傾きが何を表すかを述べよ。(使う道具:第1部第13章の Hamilton の主関数・4.8.4節)
  5. (5) 中性子(m=1.675×10−27 kgm=1.675\times10^{-27}\,\mathrm{kg})が重力 F=−mgF=-mg(g=9.81 m s−2g=9.81\,\mathrm{m\,s^{-2}}、qq は鉛直上向き)の中で、qi=qf=0q_i=q_f=0、T=0.1 sT=0.1\,\mathrm s の経路をとるとき、∣Scl∣/ℏ\lvert S_{\mathrm{cl}}\rvert /\hbar と古典の経路の最高点の高さを求めよ。また、干渉計の2本の腕が高さ Δ=1 cm\Delta=1\,\mathrm{cm} だけ違い、中性子がそれぞれを同じ時間 τarm=0.1 ms\tau_{\mathrm{arm}}=0.1\,\mathrm{ms} で水平に通るとき、2本の経路の作用の差による位相差を求めよ。(使う道具:4.8.2節の「経路の作用の差が位相差」・4.8.4節)
解答

(1) Euler–Lagrange 方程式は mq¨=Fm\ddot q=F で、解は q(t)=qi+v0t+Ft2/(2m)q(t)=q_i+v_0t+Ft^2/(2m)。q(T)=qfq(T)=q_f から v0=(qf−qi)/T−FT/(2m)v_0=(q_f-q_i)/T-FT/(2m) である。作用を計算するには、q(t)=qˉ(t)+F2mt(t−T)q(t)=\bar q(t)+\frac{F}{2m}t(t-T)(qˉ\bar q は端を結ぶ等速直線)と分けるとよい。u(t)=F2mt(t−T)u(t)=\frac{F}{2m}t(t-T) は端で 0 である。

S=∫0T[m2(qˉ˙+u˙)2+F(qˉ+u)]dt.S=\int_0^T\Bigl[\frac m2(\dot{\bar q}+\dot u)^2+F(\bar q+u)\Bigr]\mathrm{d} t .

qˉ˙\dot{\bar q} は定数で ∫0Tu˙ dt=0\int_0^T\dot u\,\mathrm{d} t=0 なので交差項 mqˉ˙∫u˙m\dot{\bar q}\int\dot u は消え、∫m2qˉ˙2=m(qf−qi)22T\int\frac m2\dot{\bar q}^2=\frac{m(q_f-q_i)^2}{2T}、∫Fqˉ=FT(qf+qi)2\int F\bar q=\frac{FT(q_f+q_i)}{2} である。残りは∫0T[m2u˙2+Fu]dt=F28m∫0T(2t−T)2dt+F22m∫0Tt(t−T)dt=F2T324m−F2T312m=−F2T324m\int_0^T[\frac m2\dot u^2+Fu]\mathrm{d} t=\frac{F^2}{8m}\int_0^T(2t-T)^2\mathrm{d} t+\frac{F^2}{2m}\int_0^Tt(t-T)\mathrm{d} t=\frac{F^2T^3}{24m}-\frac{F^2T^3}{12m}=-\frac{F^2T^3}{24m} で、3つを足して与式を得る。

(2) LL は qq と q˙\dot q の2次式なので、4.8.3節と同じく q=qcl+yq=q_{\mathrm{cl}}+y と分けると S=Scl+S[y]S=S_{\mathrm{cl}}+S[y] と厳密に分かれる。揺らぎの作用は S[y]=∫m2y˙2 dt+∫Fy dtS[y]=\int\frac m2\dot y^2\,\mathrm{d} t+\int Fy\,\mathrm{d} t の1次の項 ∫Fy\int Fy を含むように見えるが、1次の項は SclS_{\mathrm{cl}} のまわりの第1変分なので、Euler–Lagrange 方程式と yy の端の条件から 0 になる。残る S[y]=∫m2y˙2dtS[y]=\int\frac m2\dot y^2\mathrm{d} t は自由粒子と同じで、FF によらない。FF は LL の中で qq の1次の項にしか入らず、2階の微分 ∂2L/∂q2=0\partial^2L/\partial q^2=0 が自由粒子と変わらないからである。したがって F(T)=m/(2πiℏT)F(T)=\sqrt{m/(2\pi\mathrm{i}\hbar T)} で、K=m/(2πiℏT) eiScl/ℏK=\sqrt{m/(2\pi\mathrm{i}\hbar T)}\,\mathrm{e}^{\mathrm{i} S_{\mathrm{cl}}/\hbar}。−∂2Scl/∂qf∂qi=m/T-\partial^2S_{\mathrm{cl}}/\partial q_f\partial q_i=m/T とも合う。

(3) K=c T−1/2eiScl/ℏK=c\,T^{-1/2}\mathrm{e}^{\mathrm{i} S_{\mathrm{cl}}/\hbar} と書く。SclS_{\mathrm{cl}} の微分は

∂TScl=−m(qf−qi)22T2+F(qf+qi)2−F2T28m,∂qfScl=m(qf−qi)T+FT2,∂qf2Scl=mT.\partial_TS_{\mathrm{cl}}=-\frac{m(q_f-q_i)^2}{2T^2}+\frac{F(q_f+q_i)}{2}-\frac{F^2T^2}{8m},\qquad \partial_{q_f}S_{\mathrm{cl}}=\frac{m(q_f-q_i)}{T}+\frac{FT}{2},\qquad\partial_{q_f}^2S_{\mathrm{cl}}=\frac mT .

左辺は iℏ ∂TK=[−iℏ2T−∂TScl]K\mathrm{i}\hbar\,\partial_TK=\bigl[-\frac{\mathrm{i}\hbar}{2T}-\partial_TS_{\mathrm{cl}}\bigr]K。右辺の微分は ∂qf2K=[iℏ∂qf2Scl−1ℏ2(∂qfScl)2]K\partial_{q_f}^2K=\bigl[\frac{\mathrm{i}}{\hbar}\partial_{q_f}^2S_{\mathrm{cl}}-\frac{1}{\hbar^2}(\partial_{q_f}S_{\mathrm{cl}})^2\bigr]K なので

−ℏ22m∂qf2K−FqfK=[−iℏ2T+12m(∂qfScl)2−Fqf]K.-\frac{\hbar^2}{2m}\partial_{q_f}^2K-Fq_fK=\Bigl[-\frac{\mathrm{i}\hbar}{2T}+\frac{1}{2m}(\partial_{q_f}S_{\mathrm{cl}})^2-Fq_f\Bigr]K .

ℏ\hbar の1次の項 −iℏ/(2T)-\mathrm{i}\hbar/(2T) は両辺で一致する。ℏ\hbar の0次の項が一致する条件は ∂TScl+12m(∂qfScl)2−Fqf=0\partial_TS_{\mathrm{cl}}+\frac{1}{2m}(\partial_{q_f}S_{\mathrm{cl}})^2-Fq_f=0 で、これは Hamilton–Jacobi 方程式そのものである。代入すると12m(m(qf−qi)T+FT2)2=m(qf−qi)22T2+F(qf−qi)2+F2T28m\frac{1}{2m}\bigl(\frac{m(q_f-q_i)}{T}+\frac{FT}{2}\bigr)^2=\frac{m(q_f-q_i)^2}{2T^2}+\frac{F(q_f-q_i)}{2}+\frac{F^2T^2}{8m} なので、∂TScl\partial_TS_{\mathrm{cl}} と足して FqfFq_f が残り、−Fqf-Fq_f と打ち消して 0 になる。よって KK は Schrödinger 方程式を厳密に満たす。

(4) (1) の経路で mq˙(T)=mv0+FT=m(qf−qi)/T+FT/2m\dot q(T)=m v_0+FT=m(q_f-q_i)/T+FT/2 で、(3) の ∂qfScl\partial_{q_f}S_{\mathrm{cl}} と一致する。経路のエネルギーは E=m2v02−FqiE=\frac m2v_0^2-Fq_i(始点で計算)で、展開すると E=m(qf−qi)22T2−F(qf+qi)2+F2T28m=−∂TSclE=\frac{m(q_f-q_i)^2}{2T^2}-\frac{F(q_f+q_i)}{2}+\frac{F^2T^2}{8m}=-\partial_TS_{\mathrm{cl}} となる。核の位相は Scl/ℏS_{\mathrm{cl}}/\hbar なので、qfq_f についての位相の傾きは p/ℏp/\hbar(局所的な波数)、TT についての傾きは −E/ℏ-E/\hbar(局所的な角振動数)である。停留位相の立場では、終点の近くの波を ei(p δqf−E δT)/ℏ\mathrm{e}^{\mathrm{i}(p\,\delta q_f-E\,\delta T)/\hbar} と見たときの pp と EE が、そこに着く古典の経路の運動量とエネルギーになっている。

(5) F=−mgF=-mg、qf=qi=0q_f=q_i=0 では Scl=−F2T3/(24m)=−mg2T3/24S_{\mathrm{cl}}=-F^2T^3/(24m)=-mg^2T^3/24 で、

∣Scl∣ℏ=1.675×10−27×9.812×(0.1)324×1.055×10−34=6.37×104\frac{\lvert S_{\mathrm{cl}}\rvert }{\hbar}=\frac{1.675\times10^{-27}\times9.81^2\times(0.1)^3}{24\times1.055\times10^{-34}}=6.37\times10^4

である。最高点は t=T/2t=T/2 で、q(T/2)=−F2m⋅T2⋅T2=gT28=12.3 mmq(T/2)=-\frac{F}{2m}\cdot\frac T2\cdot\frac T2=\frac{gT^2}{8}=12.3\,\mathrm{mm} である。作用は ℏ\hbar の約 6×1046\times10^4 倍で、この経路の運動は古典的に扱ってよい(4.8.4節)。

干渉計の2本の腕では、運動エネルギーは同じで、ポテンシャル mgqmgq だけが mgΔmg\Delta 違う。L=m2q˙2−mgqL=\frac m2\dot q^2-mgq なので、高い方の腕の作用は時間 τarm\tau_{\mathrm{arm}} の間に mgΔ τarmmg\Delta\,\tau_{\mathrm{arm}} だけ小さい。位相差は

mgΔ τarmℏ=1.675×10−27×9.81×10−2×10−41.055×10−34=156 rad\frac{mg\Delta\,\tau_{\mathrm{arm}}}{\hbar}=\frac{1.675\times10^{-27}\times9.81\times10^{-2}\times10^{-4}}{1.055\times10^{-34}}=156\,\mathrm{rad}

である。重力による中性子の干渉の位相差は Colella・Overhauser・Werner が観測した1R. Colella, A. W. Overhauser, S. A. Werner (1975), Physical Review Letters 34, 1472–1474.下の脚注へ。この位相差は経路の作用の差として出るもので、2本の腕の古典の運動(重力でわずかに曲がること)を詳しく追わなくても、作用の差だけで決まる。

1 R. Colella, A. W. Overhauser, S. A. Werner (1975), Physical Review Letters 34, 1472–1474.

木下の勉強ステータス

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