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出てくるもの (2):Gauss の法則を解くと Coulomb 力が出る

2026年10月15日14分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第5部 第5章 ゲージ原理と QED
目次
  1. は力学変数でない
  2. スカラー場を交換すると引き合う
  3. 符号の違いはどこにあるか
  4. 動く電荷:横の光子の交換
  5. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第5部 第5章 §5.5.4 ★★★ A0A^0 は共役な運動量を持たない拘束の変数で、Gauss の法則を解くと瞬間的な Coulomb の項が Hamiltonian に残る。スカラー場の交換は同符号を引き寄せ、ベクトル場は反発させる

A0A^0 は力学変数でない

第2部第8章で見たとおり、LEM\mathcal L_{\mathrm{EM}} は ∂tA0\partial_tA^0 を含まないので、A0A^0 に共役な運動量は 00 で、A0A^0 の Euler–Lagrange 方程式は時間微分を含まない拘束 ∇⋅E=ρ\nabla\cdot\bm{E}=\rho になる。ここで ρ=j0=qψ†ψ\rho=j^0=q\psi^\dagger\psi、E=−∇A0−∂tA\bm{E}=-\nabla A^0-\partial_t\bm{A} である。ゲージを Coulomb ゲージ ∇⋅A=0\nabla\cdot\bm{A}=0 に固定すると、拘束は −∇2A0=ρ-\nabla^2A^0=\rho になり、各時刻で

A0(t,x)=∫ρ(t,y)4π∣x−y∣ d3y(5.5.16)A^0(t,\bm{x})=\int\frac{\rho(t,\bm{y})}{4\pi\lvert \bm{x}-\bm{y}\rvert }\,\mathrm{d}^3y\tag{5.5.16}

と解ける。A0A^0 は同じ時刻の電荷の分布で決まり、独立な自由度を持たない。

電場を E=E∥+E⊥\bm{E}=\bm{E}_\parallel+\bm{E}_\perp、E∥=−∇A0\bm{E}_\parallel=-\nabla A^0、E⊥=−∂tA\bm{E}_\perp=-\partial_t\bm{A} と分けると、∇⋅E⊥=0\nabla\cdot\bm{E}_\perp=0 から交差項 ∫E∥⋅E⊥ d3x\int\bm{E}_\parallel\cdot\bm{E}_\perp\,\mathrm{d}^3x は部分積分で消える。縦の部分のエネルギーは、部分積分と −∇2A0=ρ-\nabla^2A^0=\rho により 12∫(∇A0)2d3x=12∫ρA0d3x\frac12\int(\nabla A^0)^2\mathrm{d}^3x=\frac12\int\rho A^0\mathrm{d}^3x になる。こうして QED の Hamiltonian は

HQED=∫ψ†[α⋅(−i∇−qA)+βm]ψ d3x+12∫(E⊥2+B2)d3x+12∬ρ(x)ρ(y)4π∣x−y∣ d3x d3y(5.5.17)H_{\mathrm{QED}}=\int\psi^\dagger\bigl[\bm{\alpha}\cdot(-\mathrm{i}\nabla-q\bm{A})+\beta m\bigr]\psi\,\mathrm{d}^3x +\frac12\int\bigl(\bm{E}_\perp^2+\bm{B}^2\bigr)\mathrm{d}^3x +\frac12\iint\frac{\rho(\bm{x})\rho(\bm{y})}{4\pi\lvert \bm{x}-\bm{y}\rvert }\,\mathrm{d}^3x\,\mathrm{d}^3y\tag{5.5.17}

の3つの項に分かれる。1つ目は Dirac 場と横の光子 A\bm{A} の結合(−j⋅A-\bm{j}\cdot\bm{A} を含む)、2つ目は横の光子の振動子の集まり(第5部第3章)、3つ目が Coulomb の項 HCH_{\mathrm C} である。HCH_{\mathrm C} は場の量子を1つも含まず、電荷の密度だけで書かれている。Coulomb 力は、拘束を解いた結果として Hamiltonian に現れる。2つの点電荷 q1q_1, q2q_2 が距離 rr にあれば、交差項は q1q2/(4πr)q_1q_2/(4\pi r) で、同符号なら正、すなわち反発する。

スカラー場を交換すると引き合う

この符号を、質量 MM の実スカラー場 ϕ\phi が静止した源 s(x)s(\bm{x}) に結合した場合と比べる:

Lϕ=12∂μϕ∂μϕ−12M2ϕ2+g s(x)ϕ.(5.5.18)\mathcal L_\phi=\frac12\partial_\mu\phi\partial^\mu\phi-\frac12M^2\phi^2+g\,s(\bm{x})\phi .\tag{5.5.18}

Hamiltonian は H=∫[12π2+12(∇ϕ)2+12M2ϕ2−gsϕ]d3xH=\int\bigl[\frac12\pi^2+\frac12(\nabla\phi)^2+\frac12M^2\phi^2-gs\phi\bigr]\mathrm{d}^3x で、ϕ\phi と π\pi について2次式である。ϕ=ϕcl+ϕ′\phi=\phi_{\mathrm{cl}}+\phi' とずらし、ϕcl\phi_{\mathrm{cl}} を (−∇2+M2)ϕcl=gs(-\nabla^2+M^2)\phi_{\mathrm{cl}}=gs の解に選ぶと、ϕ′\phi' の1次の項が消えて

H=Hfree[ϕ′,π]−g2∫s ϕcl d3x(5.5.19)H=H_{\mathrm{free}}[\phi',\pi]-\frac g2\int s\,\phi_{\mathrm{cl}}\,\mathrm{d}^3x\tag{5.5.19}

になる。これは各モードで ωa†a+λ(a+a†)\omega a^\dagger a+\lambda(a+a^\dagger) を a→a−λ/ωa\to a-\lambda/\omega とずらしてエネルギーが −λ2/ω-\lambda^2/\omega だけ下がることと同じで、2次の Hamiltonian なので近似を含まない。基底状態のエネルギーのずれは古典の値 −g2∫sϕcl-\frac g2\int s\phi_{\mathrm{cl}} に等しい。s=δ(3)(x−x1)+δ(3)(x−x2)s=\delta^{(3)}(\bm{x}-\bm{x}_1)+\delta^{(3)}(\bm{x}-\bm{x}_2) とすると、ϕcl=g∑ie−M∣x−xi∣/(4π∣x−xi∣)\phi_{\mathrm{cl}}=g\sum_i\mathrm{e}^{-M\lvert \bm{x}-\bm{x}_i\rvert }/(4\pi\lvert \bm{x}-\bm{x}_i\rvert ) で、2つの源が関わる項は

Eint(r)=−g24πe−Mrr(5.5.20)E_{\mathrm{int}}(r)=-\frac{g^2}{4\pi}\frac{\mathrm{e}^{-Mr}}{r}\tag{5.5.20}

になる。同じ符号の源が引き合い、到達距離は 1/M1/M である。これは湯川の核力のポテンシャルの形である1H. Yukawa (1935), Proceedings of the Physico-Mathematical Society of Japan 17, 48–57.下の脚注へ。

符号の違いはどこにあるか

同じ符号の源が、スカラー場の交換では引き合い、電磁場では反発する。違いは L\mathcal L の中の勾配の項の符号にある。スカラー場では 12∂μϕ∂μϕ\frac12\partial_\mu\phi\partial^\mu\phi の空間部分が −12(∇ϕ)2-\frac12(\nabla\phi)^2 で、場を空間的に変化させると L\mathcal L が下がり、エネルギーが上がる。源があると場はエネルギーが下がる向きにずれ、2つの源の場が重なるとエネルギーはさらに下がる。電磁場では 12E2\frac12\bm{E}^2 の中の +12(∇A0)2+\frac12(\nabla A^0)^2 が L\mathcal L に正の符号で入る。A0A^0 の方程式は作用の極小でなく極大を選ぶ形になり、拘束を解いた後の HCH_{\mathrm C} は正の2次形式になる。この符号は η00=+1\eta_{00}=+1 と ηii=−1\eta_{ii}=-1 の差、つまり A0A^0 が4元ベクトルの時間成分であることに由来する。一般に、偶数のスピンの場の交換は同符号の源を引き寄せ、奇数のスピンの場の交換は反発させる(重力はスピン2で、質量どうしは引き合う)。

図

図 5.5.2 同符号の2つの静止した源の相互作用エネルギー(厳密な値、点線)。光子の交換(HCH_{\mathrm C} の交差項)は正で反発し、質量 MM のスカラー場の交換(式 (5.5.20))は負で引き合い、r≳1/Mr\gtrsim1/M で急に弱まる。横軸は 1/M1/M を単位にした距離で、Coulomb の曲線は同じ単位で描いた。

動く電荷:横の光子の交換

電荷が動くと、式 (5.5.17) の1つ目の項 −∫j⋅A-\int\bm{j}\cdot\bm{A} を通して横の光子とも結合する。電流がゆっくり変わるとして式 (5.5.19) と同じずらしを横の A\bm{A} に当てると、2つの電流が関わる項は

−∬j1i(x) δij+(eR)i(eR)j8πR j2j(y) d3x d3y,R=x−y,  eR=R/R(5.5.21)-\iint j_1^i(\bm{x})\,\frac{\delta_{ij}+(\bm{e}_{\bm{R}})_i(\bm{e}_{\bm{R}})_j}{8\pi R}\,j_2^j(\bm{y})\,\mathrm{d}^3x\,\mathrm{d}^3y,\qquad \bm{R}=\bm{x}-\bm{y},\ \ \bm{e}_{\bm{R}}=\bm{R}/R\tag{5.5.21}

になる。核の形は、Fourier 空間で横の成分だけを取り出す射影 δij−kikj/k2\delta_{ij}-k_ik_j/k^2 を 1/k21/k^2 に掛けて逆変換したものである。点電荷 qaq_a が速度 va\bm{v}_a で動くと ja=qavaδ(3)\bm{j}_a=q_a\bm{v}_a\delta^{(3)} で、この項は Coulomb の項 q1q2/(4πr)q_1q_2/(4\pi r) に比べて v2v^2(SI では v2/c2v^2/c^2)の大きさを持つ。古典電磁気学で Darwin の相互作用と呼ばれる速度依存の項にあたる。量子論では、これは結合 qq について2次の摂動(光子を1つ放出して吸収する過程)の結果で、QED の物理量は α=q2/(4π)\alpha=q^2/(4\pi) のべき級数として計算される。

近似の裏付け

型 B(極限) | 小さいもの v/c→0v/c\to0(電荷の速さが光速に比べて小さい。横の光子の交換を瞬間的な相互作用とみなす) | 証明 要確認((v/c)2(v/c)^2 の次数で放射の反作用が入らないこと、すなわち電磁場の自由度を消去した相互作用が (v/c)2(v/c)^2 まで正しいことの一般的な証明を原論文で確かめていない) | 行き先 近似の数理 第7章

近似の裏付け

型 B(極限) | 小さいもの α=e2/(4πε0ℏc)≈1/137→0\alpha=e^2/(4\pi\varepsilon_0\hbar c)\approx1/137\to0(結合定数の摂動展開) | 証明 未解決(QED の摂動級数は Dyson(1952), Physical Review 85, 631 の議論により収束しないと考えられているが、証明ではない。漸近級数であることも証明されていない) | 行き先 近似の数理 第7章

例題 5.5.4 質量のある光子を交換しても同符号の電荷は反発する ★★★

オリジナル光子に質量 MM があるとした Proca 場(第2部第6章の2.6.7節の総合問題。その章の 1/λ1/\lambda がここの MM にあたる)

L=−14FμνFμν+12M2AμAμ−JμAμ\mathcal L=-\frac14F_{\mu\nu}F^{\mu\nu}+\frac12M^2A_\mu A^\mu-J^\mu A_\mu

に、静止した電荷の密度 J0=ρ(x)J^0=\rho(\bm{x}), J=0\bm{J}=0 を入れる。静的な解では A=0\bm{A}=0 とおけることを認める。

  1. (1) A0A^0 の方程式が (−∇2+M2)A0=ρ(-\nabla^2+M^2)A^0=\rho になることを示し、原点の点電荷 qq の作る A0A^0 を書け。
  2. (2) 静的な配置のエネルギーは E=−∫L d3xE=-\int\mathcal L\,\mathrm{d}^3x である。L\mathcal L を A0A^0 で書き、2次の項の符号を式 (5.5.18) の静的な部分と比べよ。(1) の解を入れて E=12∫ρA0 d3xE=\frac12\int\rho A^0\,\mathrm{d}^3x を示せ。
  3. (3) 2つの点電荷 q1q_1, q2q_2 が距離 rr にあるとき、両方が関わる項が +q1q2e−Mr/(4πr)+q_1q_2\mathrm{e}^{-Mr}/(4\pi r) になることを示し、式 (5.5.20) と符号を比べよ。M→0M\to0 では何に戻るか。
  4. (4) 1/M=1 km1/M=1\,\mathrm{km}(第2部第6章の総合問題 (6) の λ\lambda)のとき、この相互作用が同じ電荷の Coulomb の値の 1/101/10 になる距離を求めよ。
解答

(1) Euler–Lagrange 方程式は ∂μFμν+M2Aν=Jν\partial_\mu F^{\mu\nu}+M^2A^\nu=J^\nu である(第2部第6章の総合問題 (1) で μ0=1\mu_0=1, 1/λ2=M21/\lambda^2=M^2 とおいたもの)。ν=0\nu=0 では、静的で A=0\bm{A}=0 なら Fi0=∂iA0−∂0Ai=−∂iA0F^{i0}=\partial^iA^0-\partial^0A^i=-\partial_iA^0 なので ∂iFi0=−∇2A0\partial_iF^{i0}=-\nabla^2A^0 で、

(−∇2+M2)A0=ρ.(-\nabla^2+M^2)A^0=\rho .

点電荷 ρ=q δ(3)(x)\rho=q\,\delta^{(3)}(\bm{x}) の解は、第5部第4章の式 (5.4.6) で g→qg\to q, m→Mm\to M と読み替えた A0=q4πe−MrrA^0=\frac{q}{4\pi}\frac{\mathrm{e}^{-Mr}}{r} である(その章の例題 5.4.1 で確かめた)。

(2) 静的で A=0\bm{A}=0 なら F0i=−∂iA0F_{0i}=-\partial_iA_0 だけが残り、−14FμνFμν=12E2=12(∇A0)2-\frac14F_{\mu\nu}F^{\mu\nu}=\frac12\bm{E}^2=\frac12(\nabla A^0)^2。AμAμ=(A0)2A_\mu A^\mu=(A^0)^2 なので

L=+12(∇A0)2+12M2(A0)2−ρA0.\mathcal L=+\frac12(\nabla A^0)^2+\frac12M^2(A^0)^2-\rho A^0 .

式 (5.5.18) の静的な部分は −12(∇ϕ)2−12M2ϕ2+gsϕ-\frac12(\nabla\phi)^2-\frac12M^2\phi^2+gs\phi で、2次の項の符号がそろって逆である。A0A^0 は4元ベクトルの時間成分なので、勾配の項も質量の項も η00=+1\eta_{00}=+1 を通して正の符号で入る。E=−∫LE=-\int\mathcal L は∫[−12(∇A0)2−12M2(A0)2+ρA0]d3x\int\bigl[-\frac12(\nabla A^0)^2-\frac12M^2(A^0)^2+\rho A^0\bigr]\mathrm{d}^3x になる。(1) の方程式に A0A^0 を掛けて部分積分すると∫[(∇A0)2+M2(A0)2]d3x=∫ρA0 d3x\int[(\nabla A^0)^2+M^2(A^0)^2]\mathrm{d}^3x=\int\rho A^0\,\mathrm{d}^3x なので、

E=−12∫ρA0 d3x+∫ρA0 d3x=+12∫ρA0 d3x.E=-\frac12\int\rho A^0\,\mathrm{d}^3x+\int\rho A^0\,\mathrm{d}^3x=+\frac12\int\rho A^0\,\mathrm{d}^3x .

スカラー場では同じ計算で E=−g2∫s ϕcl d3xE=-\frac g2\int s\,\phi_{\mathrm{cl}}\,\mathrm{d}^3x(式 (5.5.19))で、符号が逆になる。EE は A0A^0 について極小でなく極大の値である。

(3) ρ=q1δ(3)(x−x1)+q2δ(3)(x−x2)\rho=q_1\delta^{(3)}(\bm{x}-\bm{x}_1)+q_2\delta^{(3)}(\bm{x}-\bm{x}_2) の解は2つの点電荷の解の和で、EE のうち両方が関わる項は

12[q1q24πe−Mrr+q2q14πe−Mrr]=+q1q24πe−Mrr.\frac12\Bigl[q_1\frac{q_2}{4\pi}\frac{\mathrm{e}^{-Mr}}{r}+q_2\frac{q_1}{4\pi}\frac{\mathrm{e}^{-Mr}}{r}\Bigr]=+\frac{q_1q_2}{4\pi}\frac{\mathrm{e}^{-Mr}}{r}.

同符号なら正で、反発する。到達距離は湯川のポテンシャルと同じ 1/M1/M だが、式 (5.5.20) の −g2e−Mr/(4πr)-g^2\mathrm{e}^{-Mr}/(4\pi r) とは符号が逆である。質量を持たせても反発は引力に変わらず、符号を決めているのは質量でなく、場が4元ベクトルの時間成分であることである。M→0M\to0 で HCH_{\mathrm C} の交差項 +q1q2/(4πr)+q_1q_2/(4\pi r) に戻る。

(4) Coulomb の値との比は e−Mr\mathrm{e}^{-Mr} なので、e−Mr=1/10\mathrm{e}^{-Mr}=1/10 から r=ln⁡10/M=2.303×1 km=2.30 kmr=\ln10/M=2.303\times1\,\mathrm{km}=2.30\,\mathrm{km}。

1 H. Yukawa (1935), Proceedings of the Physico-Mathematical Society of Japan 17, 48–57.

木下の勉強ステータス

木下はまだこの記事を勉強していません。

AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com

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