この章のまとめ
AI 生成・木下が未勉強
解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第2部 第6章 §2.6.7 ★★★ 電磁場は を場とし を選んだ理論。Euler–Lagrange 方程式が4本、Bianchi 恒等式が4本で Maxwell 方程式になる
この章では、電磁場を「4元ポテンシャル を場の変数とし、Lagrangian 密度 を選んだ理論」として扱った。 の形は、Lorentz 不変性・方程式の線形性・ゲージ変換で が変わらないこと、の3つでほぼ決まり、もう1つの候補 は全微分なので方程式に寄与しない。係数は の項を正にし、Gauss の法則が Coulomb の法則の形になるように決めた。
場の Euler–Lagrange 方程式を の4成分に当てると が出て、 が Gauss の法則、 が変位電流つきの Ampère–Maxwell の法則になった。 の反対称性から、この方程式は源が を満たすときだけ解を持つ。残りの2本 と Faraday の法則は、 から出る Bianchi 恒等式で、作用の停留とは無関係に成り立つ。粒子と場を1つの作用にまとめると、粒子の変分で Lorentz 力が、場の変分で Maxwell 方程式が出る。Lorenz 条件のもとでは となり、真空では速さ の波が伝わる。
次の第2部第7章では、この に場の Noether の定理を当て、電荷の保存とエネルギー運動量テンソル(エネルギー密度 と Poynting ベクトル)を出す。 の正準運動量が になることと、 がゲージ変換の分だけ決まらないことの意味は第2部第8章で扱う。
この章で出したもの
- 電磁場テンソル 、、、。
- Lagrangian 密度 。
- 、 から (Gauss・Ampère–Maxwell)。
- Bianchi 恒等式 (・Faraday)。
- 両立の条件 。Lorenz 条件のもとで 。
総合問題 光子に質量があったら(Proca 場) ★★★
オリジナル長さの次元を持つ定数 を使って、Lagrangian 密度に質量項を足した
を考える(Proca の Lagrangian)。源は電荷を保存する()とする。
- (1) (使う道具:2.6.2節/第2部第5章の場の Euler–Lagrange 方程式) についての Euler–Lagrange 方程式を求めよ。
- (2) (使う道具:2.6.3節の両立の条件)(1) の方程式に を当てて、 が導かれることを示し、(1) を の波動方程式の形に書け。
- (3) (使う道具:2.6.6節・例題 2.6.3)原点に静止した点電荷 の作るスカラーポテンシャルが であることを示せ。
- (4) (使う道具:2.6.5節/第2部第3章の相対論的粒子)真空の平面波 の と の関係を求めよ。、 と読んで相対論的粒子の と比べ、質量 を で表せ。群速度 は より大きいか小さいか。
- (5) (使う道具:2.6.1節の3つ目の条件)ゲージ変換 で、質量項は変わるか。(2) の はゲージの選択と言えるか。
- (6) のとき、 と (eV 単位)を求めよ。点電荷のポテンシャルは、 と で Coulomb のポテンシャルの何倍か。、 とする。
解答
(1) 質量項は の微分を含まないので、 は式 (2.6.12) のまま変わらない。 を で微分すると なので、。式 (2.6.9) は 、すなわち
(2) を当てると、(2.6.3節)と から 、よって 。式 (2.6.22) の に入れると第2項が消えて
(3) 時間によらないので 。 の成分は 、 を掛けて を使うと。 で球対称な を入れると、 で右辺 の式を満たす。原点の近くでは で、 の項は の 関数に比べて積分への寄与が になるので、原点を囲む小さな球で例題 2.6.3 と同じく Gauss の定理を使うと に決まる。 で Coulomb のポテンシャルに戻る。
(4) から
を掛けると で、 と比べて 、すなわち 。群速度は で、質量を持つ粒子と同じく より遅い(位相速度との積は )。
(5) で、 が定数でない限り変わる。 の項は変わらないが、Lagrangian 密度全体はゲージ変換で不変でなくなる。そのため からゲージ変換の分を除く自由はもう無く、(2) の は自分で選ぶ条件(ゲージの選択)ではなく、運動方程式から必ず従う式である。2.6.1節で課した3つ目の条件を満たす限り、 の項は入れられず、光子の質量は になる。ゲージ不変性を課す理由は第2部第8章、超伝導体の中でこの形の項が現れることは第5部第6章で扱う。
(6) 。 を で割って 。Coulomb のポテンシャルとの比は で、 では 、 では 。 より十分近くでは Coulomb の法則との違いは小さく、 を超えるとポテンシャルは指数関数的に小さくなる。
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