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この章のまとめ

2026年10月17日11分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第1部 第1章 この巻で扱う構成方法とその長所と短所

AI 生成・木下が未勉強

量子力学の様々な構成方法 第1部 第1章 §1.1.7 ★★★ 9つの構成は予言(確率と期待値)が一致するように基準でつながり、それぞれ得意な問題が違う

この巻は、量子力学を組み立てる出発点の違い(構成)を比べる。比べるときには、測定値の確率と期待値の一致を求める。同値性の一般的な証明に加えて、調和振動子・2準位系・自由粒子の3つの共通例題を全部の部で解き、答えを突き合わせる。この章では基準の言葉で、自由粒子の波束の広がり σ(t)2=σ02+(ℏt/(2mσ0))2\sigma(t)^2=\sigma_0^2+(\hbar t/(2m\sigma_0))^2 と、伝播関数 K=m/(2πiℏt) eim(xf−xi)2/(2ℏt)K=\sqrt{m/(2\pi\mathrm{i}\hbar t)}\,\mathrm{e}^{\mathrm{i} m(x_f-x_i)^2/(2\hbar t)} を出した。

構成は十数種知られており、主流であること、専攻と関心に当たること、ほかの構成との同値性の道筋がはっきりしていることの3つの基準で、行列力学・経路積分・密度行列・位相空間・第二量子化・軌道と流体・代数的量子論・公理からの再構成・幾何学的量子化の9つを採った。第二量子化だけは1粒子の量子力学から多粒子を作る手続きで、ほかとは階層が違う。どの構成にも長所と短所があり、それは出発点に何を置いたかで説明できる。構成は描像(時間依存を状態と物理量のどちらに置くか)とは別の軸で、Rabi 振動は Schrödinger 描像でも Heisenberg 描像でも Pe=(Ω/Ω′)2sin⁡2(Ω′t/2)P_e=(\Omega/\Omega')^2\sin^2(\Omega't/2) になる。

構成どうしの関係は、基準を中心にした同値性の地図(図 1.1.3)と橋の表(表 1.1.4)にまとめた。各部は基準との両向きの対応を必ず示す。この章では、純粋状態の密度行列が位相を除いて状態ベクトルと同じであること(命題 1.1.1)と、Wigner 関数による期待値 ∫WAW=Tr⁡(ρ^A^)\int WA_W=\operatorname{Tr}(\hat\rho\hat A)(命題 1.1.2)の2本を証明した。次の第1部第2章で基準の公理を置き、第3章で波動関数との接続、第4章で行列力学と波動力学が生まれて同値が示されるまでの経緯を扱う。

総合問題 自由粒子の波束を4つの構成で広げる ★★★

オリジナル質量 mm の自由粒子が、時刻 00 に Gauss 波束 ψ0(x)=(2πσ02)−1/4exp⁡(−x2/(4σ02))\psi_0(x)=(2\pi\sigma_0^2)^{-1/4}\exp\bigl(-x^2/(4\sigma_0^2)\bigr) にある。σp=ℏ/(2σ0)\sigma_p=\hbar/(2\sigma_0) とおく。

  1. (1) Heisenberg 描像の x^H(t)=x^+p^t/m\hat x_H(t)=\hat x+\hat pt/m を使い、⟨x^H(t)2⟩=σ02+σp2t2/m2\langle \hat x_H(t)^2 \rangle =\sigma_0^2+\sigma_p^2t^2/m^2 を示せ。(使う道具:1.1.1節・1.1.4節)
  2. (2) 伝播関数 (1.1.8) で ψ(x,t)=∫dxi K(x,t;xi,0)ψ0(xi)\psi(x,t)=\int\mathrm{d} x_i\,K(x,t;x_i,0)\psi_0(x_i) を計算し、∣ψ(x,t)∣2\lvert \psi(x,t)\rvert ^2 の分散が(1)と同じになることを示せ。(使う道具:1.1.5節。経路積分での一般の扱いは第3部第3章)
  3. (3) 初めの Wigner 関数は W0(x,p)=1πℏexp⁡(−x22σ02−p22σp2)W_0(x,p)=\frac{1}{\pi\hbar}\exp\bigl(-\frac{x^2}{2\sigma_0^2}-\frac{p^2}{2\sigma_p^2}\bigr) である。∫W0 dx dp=1\int W_0\,\mathrm{d} x\,\mathrm{d} p=1 を確かめよ。自由粒子では時刻 tt の Wigner 関数が W(x,p,t)=W0(x−pt/m,p)W(x,p,t)=W_0(x-pt/m,p) となる(第5部第3章の結果を借りる)。xx の周辺分布の分散を求め、(1)と比べよ。(使う道具:1.1.6節の命題 1.1.2・例題 1.1.2)
  4. (4) 同じ波束に、運動量の平均を温度 TT の Maxwell 分布でばらつかせた混合状態 ρ^=∫dp0 g(p0) eip0x^/ℏ∣ψ0⟩⟨ψ0∣e−ip0x^/ℏ\hat\rho=\int\mathrm{d} p_0\,g(p_0)\,\mathrm{e}^{\mathrm{i} p_0\hat x/\hbar}| \psi_0 \rangle \langle \psi_0 |\mathrm{e}^{-\mathrm{i} p_0\hat x/\hbar}(gg は平均 00、分散 mkBTm k_{\mathrm B} T の Gauss 分布)を考える。Tr⁡(ρ^ x^H(t)2)\operatorname{Tr}(\hat\rho\,\hat x_H(t)^2) を求めよ。(使う道具:1.1.1節の式 (1.1.2)・1.1.6節。混合状態の一般論は第4部)
  5. (5) 電子(m=9.109×10−31 kgm=9.109\times10^{-31}\,\mathrm{kg})で σ0=1 nm\sigma_0=1\,\mathrm{nm}、T=300 KT=300\,\mathrm K のとき、t=1 pst=1\,\mathrm{ps} での位置の標準偏差を純粋状態と混合状態のそれぞれで求めよ。(使う道具:(1)・(4)・例題 1.1.1)
解答

(1) 式 (1.1.2) の期待値をとる。ψ0\psi_0 は実数で偶関数なので ⟨x^p^+p^x^⟩=−iℏ∫(2xψ0ψ0′+ψ02)dx=−iℏ∫ddx(xψ02) dx=0\langle \hat x\hat p+\hat p\hat x \rangle =-\mathrm{i}\hbar\int\bigl(2x\psi_0\psi_0'+\psi_0^2\bigr)\mathrm{d} x=-\mathrm{i}\hbar\int\frac{\mathrm{d} }{\mathrm{d} x}(x\psi_0^2)\,\mathrm{d} x=0。⟨x^2⟩=σ02\langle \hat x^2 \rangle =\sigma_0^2、⟨p^2⟩=ℏ2∫(ψ0′)2dx=ℏ2⋅14σ04⟨x2⟩=ℏ24σ02=σp2\langle \hat p^2 \rangle =\hbar^2\int(\psi_0')^2\mathrm{d} x=\hbar^2\cdot\frac{1}{4\sigma_0^4}\langle x^2 \rangle =\frac{\hbar^2}{4\sigma_0^2}=\sigma_p^2 なので、⟨x^H(t)2⟩=σ02+σp2t2/m2\langle \hat x_H(t)^2 \rangle =\sigma_0^2+\sigma_p^2t^2/m^2。

(2) ψ(x,t)\psi(x,t) の被積分関数の指数は im(x−xi)22ℏt−xi24σ02\frac{\mathrm{i} m(x-x_i)^2}{2\hbar t}-\frac{x_i^2}{4\sigma_0^2} で、xix_i について2次である。xi2x_i^2 の係数を −a-a、xix_i の係数を bb とするとa=14σ02−im2ℏta=\frac{1}{4\sigma_0^2}-\frac{\mathrm{i} m}{2\hbar t}、b=−imxℏtb=-\frac{\mathrm{i} mx}{\hbar t}。Gauss 積分の公式で xix_i を積分すると、τ=ℏt2mσ02\tau=\frac{\hbar t}{2m\sigma_0^2} として

ψ(x,t)=(2πσ02)−1/4(1+iτ)−1/2exp⁡[−x24σ02(1+iτ)]\psi(x,t)=(2\pi\sigma_0^2)^{-1/4}(1+\mathrm{i}\tau)^{-1/2}\exp\Bigl[-\frac{x^2}{4\sigma_0^2(1+\mathrm{i}\tau)}\Bigr]

となる(指数は imx22ℏt+b24a\frac{\mathrm{i} mx^2}{2\hbar t}+\frac{b^2}{4a} を通分して得る)。Re⁡11+iτ=11+τ2\operatorname{Re}\frac{1}{1+\mathrm{i}\tau}=\frac{1}{1+\tau^2} なので∣ψ∣2∝exp⁡(−x22σ02(1+τ2))\lvert \psi\rvert ^2\propto\exp\bigl(-\frac{x^2}{2\sigma_0^2(1+\tau^2)}\bigr) で、分散は σ02(1+τ2)=σ02+(ℏt2mσ0)2\sigma_0^2(1+\tau^2)=\sigma_0^2+\bigl(\frac{\hbar t}{2m\sigma_0}\bigr)^2。σp=ℏ/(2σ0)\sigma_p=\hbar/(2\sigma_0) を代入すれば(1)と一致する。

(3) W0W_0 は xx と pp の Gauss 関数の積で、∫dx e−x2/(2σ02)=2πσ0\int\mathrm{d} x\,\mathrm{e}^{-x^2/(2\sigma_0^2)}=\sqrt{2\pi}\sigma_0、∫dp e−p2/(2σp2)=2πσp\int\mathrm{d} p\,\mathrm{e}^{-p^2/(2\sigma_p^2)}=\sqrt{2\pi}\sigma_p から∫W0=2πσ0σpπℏ=2σ0σpℏ=1\int W_0=\frac{2\pi\sigma_0\sigma_p}{\pi\hbar}=\frac{2\sigma_0\sigma_p}{\hbar}=1。W(x,p,t)=W0(x−pt/m,p)W(x,p,t)=W_0(x-pt/m,p) は、u=x−pt/mu=x-pt/m と pp が独立な Gauss 分布に従うことを表すので、x=u+pt/mx=u+pt/m の分散は σ02+σp2t2/m2\sigma_0^2+\sigma_p^2t^2/m^2 で、(1)と一致する。命題 1.1.2 で AW=x2A_W=x^2 ととれば、この分散は Tr⁡(ρ^(t)x^2)\operatorname{Tr}(\hat\rho(t)\hat x^2) に等しい。式は例題 1.1.2 の古典の結果と同じ形で、違いは σ0σp=ℏ/2\sigma_0\sigma_p=\hbar/2 が課されていることだけである。

(4) eip0x^/ℏ\mathrm{e}^{\mathrm{i} p_0\hat x/\hbar} は運動量を p0p_0 だけずらすので、ずらした波束では ⟨x^⟩=0\langle \hat x \rangle =0、⟨p^⟩=p0\langle \hat p \rangle =p_0、⟨p^2⟩=σp2+p02\langle \hat p^2 \rangle =\sigma_p^2+p_0^2、⟨x^p^+p^x^⟩=2p0⟨x^⟩+0=0\langle \hat x\hat p+\hat p\hat x \rangle =2p_0\langle \hat x \rangle +0=0 である。式 (1.1.2) は演算子の恒等式なので、Tr⁡(ρ^ x^H(t)2)\operatorname{Tr}(\hat\rho\,\hat x_H(t)^2) は各波束の値を gg で平均すればよく、

Tr⁡(ρ^ x^H(t)2)=σ02+(σp2+mkBT)t2m2.\operatorname{Tr}(\hat\rho\,\hat x_H(t)^2)=\sigma_0^2+\bigl(\sigma_p^2+m k_{\mathrm B} T\bigr)\frac{t^2}{m^2}.

⟨x^H(t)⟩=∫g(p0)p0t/m dp0=0\langle \hat x_H(t) \rangle =\int g(p_0)p_0t/m\,\mathrm{d} p_0=0 なので、これが位置の分散である。時刻 00 の位置の分布は純粋状態と同じ(分散 σ02\sigma_0^2)だが、運動量の分散が mkBTm k_{\mathrm B} T だけ大きいので速く広がる。広がりを決めるのは ⟨p^2⟩\langle \hat p^2 \rangle と相関だけで、それが純粋状態のゆらぎ(σp2\sigma_p^2)か熱的な混合(mkBTm k_{\mathrm B} T)かは式 (1.1.2) の中では区別されない。

(5) σp2=ℏ2/(4σ02)=(1.0546×10−34)2/(4×10−18)≈2.78×10−51 kg2 m2 s−2\sigma_p^2=\hbar^2/(4\sigma_0^2)=(1.0546\times10^{-34})^2/(4\times10^{-18})\approx2.78\times10^{-51}\,\mathrm{kg^2\,m^2\,s^{-2}}、mkBT=9.109×10−31×1.3806×10−23×300≈3.77×10−51 kg2 m2 s−2m k_{\mathrm B} T=9.109\times10^{-31}\times1.3806\times10^{-23}\times300\approx3.77\times10^{-51}\,\mathrm{kg^2\,m^2\,s^{-2}} で、比は約 1.361.36 である。純粋状態では例題 1.1.1 と同じく σ≈57.9 nm\sigma\approx57.9\,\mathrm{nm}。混合状態では σp2+mkBT/m≈8.89×104 m s−1\sqrt{\sigma_p^2+m k_{\mathrm B} T}/m\approx8.89\times10^4\,\mathrm{m\,s^{-1}} に t=10−12 st=10^{-12}\,\mathrm s を掛けて(σ02\sigma_0^2 は無視できる)σ≈88.9 nm\sigma\approx88.9\,\mathrm{nm}。比は 1+1.36≈1.54\sqrt{1+1.36}\approx1.54 で、室温の熱的な速度のばらつき kBT/m≈6.74×104 m s−1\sqrt{ k_{\mathrm B} T/m}\approx6.74\times10^4\,\mathrm{m\,s^{-1}} が、閉じ込めによる運動量のゆらぎと同じ程度の大きさを持つことが分かる。

木下の勉強ステータス

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