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この章のまとめ

2026年10月17日9分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第10部 第4章 偏極

AI 生成・木下が未勉強

量子力学の様々な構成方法 第10部 第4章 §10.4.7 ★★★ 偏極=共変定数にする Lagrange 方向の選択=表示の選択。量子化できる関数は偏極を保つものに絞られ、その範囲で括弧は既約な表現の上で厳密に保たれる。零点の 12\frac12 はまだ無い

前量子化の空間は大きすぎたので、相空間の半分の方向について共変微分が0になる切断だけを残した。共変微分の曲率が (i/ℏ)ω(\mathrm{i}/\hbar)\omega なので、同時に条件を課せる方向は ω\omega が0になる組に限られ、最大の組が Lagrange 部分空間である。これを偏極と呼んだ。

鉛直の実偏極は位置表示を、水平の実偏極は運動量表示を、正の正則偏極は Bargmann–Fock 表示を与え、どれも既約な表現になった。直接量子化できる関数は、ハミルトン流が偏極を保つものに限られ、鉛直の偏極では a(q)+b(q)pa(q)+b(q)p、正則偏極では座標の1次関数と ∣z∣2\lvert z\rvert ^2 である。この範囲では Poisson 括弧が交換子に厳密に写り、Groenewold の定理と矛盾しない。実偏極で内積を座標によらずに決めるには半密度が要り、それを入れると b(q)pb(q)p の演算子が Weyl 順序の対称な形になった。

共通例題③は、水平の偏極ではハミルトニアンが掛け算になり、Fourier 変換で位置表示へ戻すと伝播関数 m/(2πiℏt) eim(xf−xi)2/(2ℏt)\sqrt{m/(2\pi\mathrm{i}\hbar t)}\,\mathrm{e}^{\mathrm{i} m(x_f-x_i)^2/(2\hbar t)} が出た。鉛直の偏極から出発すると、時間発展が偏極を傾け、葉に沿う積分(BKS の対)で同じ位相が出た。共通例題①は正則偏極で ℏω0n\hbar\omega_0n となり、前量子化の ℏω0Z\hbar\omega_0\mathbb{Z} から負の準位と縮退が消えたが、零点の 12\frac12 はまだ無い。トーラスでは、実偏極でも正則偏極でも状態の数が N=∫ω/(2πℏ)N=\int\omega/(2\pi\hbar) になり、案内中心では Landau 準位の縮退 eBA/heBA/h と一致した。

残った課題は2つで、どちらも半形式に関わる。1つは零点の 12\frac12 と Bohr–Sommerfeld 条件の Maslov の補正、もう1つは BKS の対の前因子(i\sqrt{\mathrm{i}} の位相と π−1/4\pi^{-1/4})である。第10部第5章でこれらを扱い、あわせて球面の量子化でスピンを出す。

総合問題 幅 ℓs\ell_s の正則偏極:スクイーズした表示 ★★★

オリジナル調和振動子 H=p2/(2m)+mω02q2/2H=p^2/(2m)+m\omega_0^2q^2/2 と、任意の長さ ℓs>0\ell_s>0 で作った複素座標 zs=12(qℓs−iℓspℏ)z_s=\frac{1}{\sqrt2}\bigl(\frac{q}{\ell_s}-\mathrm{i}\frac{\ell_sp}{\hbar}\bigr) を考える(ℓs=ℓ=ℏ/(mω0)\ell_s=\ell=\sqrt{\hbar/(m\omega_0)} が4節の場合)。偏極 span⁡{∂zˉs}\operatorname{span}\{\partial_{\bar z_s}\} を PsP_s とする。

  1. (1) (使う道具:10.4.1節・10.4.4節)ℓs\ell_s によらず ω=−iℏ dzs∧dzˉs\omega=-\mathrm{i}\hbar\,\mathrm{d} z_s\wedge\mathrm{d}\bar z_s であることを示し、PsP_s が正の正則偏極であること、偏極した切断が f(zs)e−∣zs∣2/2f(z_s)\mathrm{e}^{-\lvert z_s\rvert ^2/2} であることを述べよ。
  2. (2) (使う道具:10.4.1節・10.4.2節)∂zˉs\partial_{\bar z_s} を ∂q\partial_q、∂p\partial_p で表し、ℓs→0\ell_s\to0 と ℓs→∞\ell_s\to\infty で PsP_s が鉛直・水平の実偏極のどちらに近づくかを求めよ。
  3. (3) (使う道具:10.4.4節/第10部第1章)HH が PsP_s を保つ(直接量子化できる)のは ℓs=ℓ\ell_s=\ell のときに限ることを示せ。
  4. (4) (使う道具:10.4.6節/第2部第4章)PsP_s の偏極した切断 f=1f=1 を BKS の対で位置表示へ移すと ψ∝e−q2/(2ℓs2)\psi\propto\mathrm{e}^{-q^2/(2\ell_s^2)} になる(式 (10.4.24) で ℓ\ell を ℓs\ell_s に替えたもの)。位置と運動量の分散を求め、Δq Δp=ℏ/2\Delta q\,\Delta p=\hbar/2 を確かめよ。
  5. (5) (使う道具:第1部第2章・共通例題①)(4) の状態での ⟨H⟩\langle H \rangle を ℓs\ell_s の関数として求め、最小値とそれを与える ℓs\ell_s を求めよ。偏極した前量子化の振動子のスペクトル(命題 10.4.4)の最低値 0 と比べよ。
解答

(1) q=ℓs(zs+zˉs)/2q=\ell_s(z_s+\bar z_s)/\sqrt2、p=iℏ(zs−zˉs)/(2ℓs)p=\mathrm{i}\hbar(z_s-\bar z_s)/(\sqrt2\ell_s) で、dq∧dp=ℓs2⋅iℏ2ℓs(dzs+dzˉs)∧(dzs−dzˉs)=−iℏ dzs∧dzˉs\mathrm{d} q\wedge\mathrm{d} p=\frac{\ell_s}{\sqrt2}\cdot\frac{\mathrm{i}\hbar}{\sqrt2\ell_s}(\mathrm{d} z_s+\mathrm{d}\bar z_s)\wedge(\mathrm{d} z_s-\mathrm{d}\bar z_s)=-\mathrm{i}\hbar\,\mathrm{d} z_s\wedge\mathrm{d}\bar z_s。ℓs\ell_s が約されて消える。1自由度では1次元の PsP_s は自動的に Lagrange で、交換子でも閉じる。i ω(∂zs,∂zˉs)=ℏ>0\mathrm{i}\,\omega(\partial_{z_s},\partial_{\bar z_s})=\hbar>0 なので正である。θs=iℏ2(zˉsdzs−zsdzˉs)\theta_{\mathrm s}=\frac{\mathrm{i}\hbar}2(\bar z_s\mathrm{d} z_s-z_s\mathrm{d}\bar z_s) も 12(q dp−p dq)\frac12(q\,\mathrm{d} p-p\,\mathrm{d} q) のままなので、4節の計算がそのまま使え、切断は f(zs)e−∣zs∣2/2f(z_s)\mathrm{e}^{-\lvert z_s\rvert ^2/2} である。

(2) ∂zˉs=∂q∂zˉs∂q+∂p∂zˉs∂p=ℓs2(∂q−iℏℓs2∂p)\partial_{\bar z_s}=\frac{\partial q}{\partial \bar z_s}\partial_q+\frac{\partial p}{\partial \bar z_s}\partial_p=\frac{\ell_s}{\sqrt2}\Bigl(\partial_q-\mathrm{i}\frac{\hbar}{\ell_s^2}\partial_p\Bigr)。ℓs→0\ell_s\to0 では ∂p\partial_p の係数 ℏ/ℓs2\hbar/\ell_s^2 が大きくなり、PsP_s は span⁡{∂p}\operatorname{span}\{\partial_p\}、すなわち鉛直の偏極(位置表示)に近づく。ℓs→∞\ell_s\to\infty では span⁡{∂q}\operatorname{span}\{\partial_q\}、水平の偏極(運動量表示)に近づく。正則偏極の族が、2つの実偏極を両端に持つ連続な族になっている。

(3) 正則偏極で量子化できる実関数は c+αzs+αˉzˉs+β∣zs∣2c+\alpha z_s+\bar\alpha\bar z_s+\beta\lvert z_s\rvert ^2 の形で、zs2z_s^2 の項を持たないものに限る。HH を zsz_s で書くと zs2z_s^2 の係数は12∂zs2H=12(−ℏ22mℓs2+mω02ℓs22)\frac12\partial_{z_s}^2H=\frac{1}{2}\Bigl(-\frac{\hbar^2}{2m\ell_s^2}+\frac{m\omega_0^2\ell_s^2}{2}\Bigr) で、これが0になるのは ℓs2=ℏ/(mω0)\ell_s^2=\hbar/(m\omega_0)、すなわち ℓs=ℓ\ell_s=\ell だけである。ℓs≠ℓ\ell_s\neq\ell では HH は PsP_s を保たず、第10部第1章の 議論(2次以下の関数は Weyl 順序で既約に量子化できる)と合わせると、「量子化そのものは同じでも、偏極の切断の上で直接書ける関数の組は偏極ごとに違う」という状況の例になる。

(4) e−q2/(2ℓs2)\mathrm{e}^{-q^2/(2\ell_s^2)} の2乗は分散 ℓs2/2\ell_s^2/2 の Gauss 分布なので Δq2=ℓs2/2\Delta q^2=\ell_s^2/2。運動量は ∫∣ℏψ′∣2dq/∫∣ψ∣2dq=ℏ2/(2ℓs2)\int\lvert \hbar\psi'\rvert ^2\mathrm{d} q/\int\lvert \psi\rvert ^2\mathrm{d} q=\hbar^2/(2\ell_s^2) で Δp2=ℏ2/(2ℓs2)\Delta p^2=\hbar^2/(2\ell_s^2)。積は Δq Δp=ℓs2/2⋅ℏ2/(2ℓs2)=ℏ/2\Delta q\,\Delta p=\sqrt{\ell_s^2/2\cdot\hbar^2/(2\ell_s^2)}=\hbar/2 で、ℓs\ell_s によらず不確定性関係の下限に等しい。ℓs≠ℓ\ell_s\neq\ell のとき、この状態は振動子の基底状態を位置の方向に ℓs/ℓ\ell_s/\ell 倍伸ばしたスクイーズド状態である。

(5) ⟨H⟩=Δp22m+mω02Δq22=ℏ24mℓs2+mω02ℓs24\langle H \rangle =\frac{\Delta p^2}{2m}+\frac{m\omega_0^2\Delta q^2}{2}=\frac{\hbar^2}{4m\ell_s^2}+\frac{m\omega_0^2\ell_s^2}{4}。ℓs2\ell_s^2 について微分して0と置くと ℓs4=ℏ2/(mω0)2\ell_s^4=\hbar^2/(m\omega_0)^2、すなわち ℓs=ℓ\ell_s=\ell で、最小値は ℏω04+ℏω04=ℏω02\frac{\hbar\omega_0}{4}+\frac{\hbar\omega_0}{4}=\frac{\hbar\omega_0}{2}(相加相乗平均でも出る)。これは共通例題①の正しい零点エネルギーである。一方、命題 10.4.4 の偏極した前量子化では同じ状態(ℓs=ℓ\ell_s=\ell の f=1f=1)の固有値が0だった。状態そのものは正しい基底状態なのに、演算子 H^=ℏω0z d/dz\hat H=\hbar\omega_0z\,\mathrm{d}/\mathrm{d} z が 12ℏω0\frac12\hbar\omega_0 だけずれている。このずれを直すのが第10部第5章の半形式補正である。

木下の勉強ステータス

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