この章のまとめ
AI 生成・木下が未勉強
量子力学の様々な構成方法 第10部 第4章 §10.4.7 ★★★ 偏極=共変定数にする Lagrange 方向の選択=表示の選択。量子化できる関数は偏極を保つものに絞られ、その範囲で括弧は既約な表現の上で厳密に保たれる。零点の はまだ無い
前量子化の空間は大きすぎたので、相空間の半分の方向について共変微分が0になる切断だけを残した。共変微分の曲率が なので、同時に条件を課せる方向は が0になる組に限られ、最大の組が Lagrange 部分空間である。これを偏極と呼んだ。
鉛直の実偏極は位置表示を、水平の実偏極は運動量表示を、正の正則偏極は Bargmann–Fock 表示を与え、どれも既約な表現になった。直接量子化できる関数は、ハミルトン流が偏極を保つものに限られ、鉛直の偏極では 、正則偏極では座標の1次関数と である。この範囲では Poisson 括弧が交換子に厳密に写り、Groenewold の定理と矛盾しない。実偏極で内積を座標によらずに決めるには半密度が要り、それを入れると の演算子が Weyl 順序の対称な形になった。
共通例題③は、水平の偏極ではハミルトニアンが掛け算になり、Fourier 変換で位置表示へ戻すと伝播関数 が出た。鉛直の偏極から出発すると、時間発展が偏極を傾け、葉に沿う積分(BKS の対)で同じ位相が出た。共通例題①は正則偏極で となり、前量子化の から負の準位と縮退が消えたが、零点の はまだ無い。トーラスでは、実偏極でも正則偏極でも状態の数が になり、案内中心では Landau 準位の縮退 と一致した。
残った課題は2つで、どちらも半形式に関わる。1つは零点の と Bohr–Sommerfeld 条件の Maslov の補正、もう1つは BKS の対の前因子( の位相と )である。第10部第5章でこれらを扱い、あわせて球面の量子化でスピンを出す。
総合問題 幅 の正則偏極:スクイーズした表示 ★★★
オリジナル調和振動子 と、任意の長さ で作った複素座標 を考える( が4節の場合)。偏極 を とする。
- (1) (使う道具:10.4.1節・10.4.4節) によらず であることを示し、 が正の正則偏極であること、偏極した切断が であることを述べよ。
- (2) (使う道具:10.4.1節・10.4.2節) を 、 で表し、 と で が鉛直・水平の実偏極のどちらに近づくかを求めよ。
- (3) (使う道具:10.4.4節/第10部第1章) が を保つ(直接量子化できる)のは のときに限ることを示せ。
- (4) (使う道具:10.4.6節/第2部第4章) の偏極した切断 を BKS の対で位置表示へ移すと になる(式 (10.4.24) で を に替えたもの)。位置と運動量の分散を求め、 を確かめよ。
- (5) (使う道具:第1部第2章・共通例題①)(4) の状態での を の関数として求め、最小値とそれを与える を求めよ。偏極した前量子化の振動子のスペクトル(命題 10.4.4)の最低値 0 と比べよ。
解答
(1) 、 で、。 が約されて消える。1自由度では1次元の は自動的に Lagrange で、交換子でも閉じる。 なので正である。 も のままなので、4節の計算がそのまま使え、切断は である。
(2) 。 では の係数 が大きくなり、 は 、すなわち鉛直の偏極(位置表示)に近づく。 では 、水平の偏極(運動量表示)に近づく。正則偏極の族が、2つの実偏極を両端に持つ連続な族になっている。
(3) 正則偏極で量子化できる実関数は の形で、 の項を持たないものに限る。 を で書くと の係数は で、これが0になるのは 、すなわち だけである。 では は を保たず、第10部第1章の 議論(2次以下の関数は Weyl 順序で既約に量子化できる)と合わせると、「量子化そのものは同じでも、偏極の切断の上で直接書ける関数の組は偏極ごとに違う」という状況の例になる。
(4) の2乗は分散 の Gauss 分布なので 。運動量は で 。積は で、 によらず不確定性関係の下限に等しい。 のとき、この状態は振動子の基底状態を位置の方向に 倍伸ばしたスクイーズド状態である。
(5) 。 について微分して0と置くと 、すなわち で、最小値は (相加相乗平均でも出る)。これは共通例題①の正しい零点エネルギーである。一方、命題 10.4.4 の偏極した前量子化では同じ状態( の )の固有値が0だった。状態そのものは正しい基底状態なのに、演算子 が だけずれている。このずれを直すのが第10部第5章の半形式補正である。
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