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この章のまとめ

2026年10月17日9分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第10部 第5章 半形式補正・Bohr–Sommerfeld・スピンは球面の量子化

AI 生成・木下が未勉強

量子力学の様々な構成方法 第10部 第5章 §10.5.7 ★★★ 半形式は偏極した切断に標準束の平方根を添える補正で、零点・Maslov の 12\frac12・BKS の位相を1つの仕組みで与え、偏極を保つ2次以下の関数では Weyl 量子化と一致する。球面の量子化はスピンの表現を与える

第10部第4章の偏極した前量子化は、括弧を既約な表現の上で厳密に保ったが、内積に座標の選び方が残り、調和振動子の零点と Bohr–Sommerfeld 条件の 12\frac12 が欠けていた。偏極を消す微分形式の平方根(半形式)を切断に添えると、内積が座標によらずに決まり、演算子には Lie 微分の半分の補正が付いた。補正は括弧の保存を壊さない。

実偏極では半形式が第10部第4章の半密度にあたり、b(q)pb(q)p が 12(bp^+p^b)\frac12(b\hat p+\hat pb) に量子化された。正則偏極では振動子に ℏω0/2\hbar\omega_0/2 の補正が付き、共通例題①のスペクトル ℏω0(n+12)\hbar\omega_0(n+\frac12)、分配関数 1/(2sinh⁡(βℏω0/2))1/(2\sinh(\beta\hbar\omega_0/2)) がそろった。補正なし・半形式・1形式全体の3通りは、正規順序・Weyl 順序・反正規順序に対応し、半形式が Weyl 順序を選ぶ。BKS の対に半形式の対を掛けると、自由粒子の伝播関数の t\sqrt t への依存と位相 e−iπ/4\mathrm{e}^{-\mathrm{i}\pi/4}、Bargmann 変換の ℓ\ell への依存が決まり、共通例題③の前因子が回収された。

エネルギーの等高線の偏極では、半形式を平面全体の基準と比べると軌道1周で符号が反転し、Bohr–Sommerfeld 条件 ∮p dq=2πℏ(n+12)\oint p\,\mathrm{d} q=2\pi\hbar(n+\frac12) が出た。これを位置表示へ移すと WKB の接続公式の形 ∣p∣−1/2cos⁡(∫p/ℏ−π/4)\lvert p\rvert ^{-1/2}\cos(\int p/\hbar-\pi/4) になり、転回点ごとの −π/2-\pi/2 は停留位相の焦点の位相と同じものだった。

球面 S2S^2 を正則偏極で量子化すると、整数条件 k=2S/ℏ∈Zk=2S/\hbar\in\mathbb{Z} のもとで切断は次数 kk 以下の多項式で、S\bm{S} がスピン j=k/2j=k/2 の表現に写った(Borel–Weil)。k=1k=1 の空間で2準位系を量子化すると、Rabi 振動は古典の回転そのものになり、共通例題②が解けた。半形式を入れるとスピン jj を与える半径が (j+12)ℏ(j+\frac12)\hbar にずれ、S2−ℏ2/4=j(j+1)ℏ2S^2-\hbar^2/4=j(j+1)\hbar^2 となる。振動子の零点と同じ形のずれである。残った課題は、偏極を保たない関数(q2p2q^2p^2 など)の扱いと、同じ相空間から関数の積を変える変形量子化との比較で、第10部第6章で扱う。

総合問題 2次元等方振動子と球面:量子化と簡約 ★★★

オリジナル2自由度の等方振動子 H=ℏω(∣z1∣2+∣z2∣2)H=\hbar\omega(\lvert z_1\rvert ^2+\lvert z_2\rvert ^2) を考える。za=12(qaℓ−iℓpaℏ)z_a=\frac{1}{\sqrt2}\bigl(\frac{q_a}{\ell}-\mathrm{i}\frac{\ell p_a}{\hbar}\bigr)(a=1,2a=1,2)で、Poisson 括弧は {za,zˉb}=iℏδab\{z_a,\bar z_b\}=\frac{\mathrm{i}}{\hbar}\delta_{ab} である。

  1. (1) (使う道具:10.5.2節/第10部第4章)正則偏極 span⁡{∂zˉ1,∂zˉ2}\operatorname{span}\{\partial_{\bar z_1},\partial_{\bar z_2}\} と半形式 dz1∧dz2\sqrt{\mathrm{d} z_1\wedge\mathrm{d} z_2} で HH を量子化し、スペクトルと縮退度を求めよ。
  2. (2) (使う道具:10.5.5節/第2部第4章)Jx=ℏ2(z1zˉ2+z2zˉ1)J_x=\frac\hbar2(z_1\bar z_2+z_2\bar z_1)、Jy=ℏ2(−iz1zˉ2+iz2zˉ1)J_y=\frac\hbar2(-\mathrm{i} z_1\bar z_2+\mathrm{i} z_2\bar z_1)、Jz=ℏ2(∣z1∣2−∣z2∣2)J_z=\frac\hbar2(\lvert z_1\rvert ^2-\lvert z_2\rvert ^2) が {Jx,Jy}=Jz\{J_x,J_y\}=J_z(巡回も)と {Jk,H}=0\{J_k,H\}=0 を満たすことを示せ。JzJ_z の半形式補正が0であることを確かめ、エネルギー準位 NN の空間で J^z\hat J_z の固有値を求めよ。
  3. (3) (使う道具:第10部第2章・10.5.5節)∣J∣=H/(2ω)\lvert \bm{J}\rvert =H/(2\omega) を示せ。エネルギー EE の殻 H=EH=E を振動子の流れで割った空間は半径 S=E/(2ω)S=E/(2\omega) の球面と同一視することができる。(1) のエネルギー準位に対応する SS を求め、5節の半形式つきの球面の量子化が与えるスピンと (2) の結果を比べよ。
  4. (4) (使う道具:10.5.4節・10.5.5節)(3) の球面で、Jz=sJ_z=s の円の半形式つきの Bohr–Sommerfeld 条件から ss の値を求め、(2) の固有値と比べよ。
  5. (5) (使う道具:10.5.6節)半形式を入れずに (1)(3) を繰り返すと、殻の半径とスピンの関係がどう変わるかを述べ、2つの約束のどちらでも「量子化してから同じエネルギーの空間を取ること」と「殻を割った球面を量子化すること」が同じスピンを与えることを確かめよ。N=3N=3 の数値で示せ。
解答

(1) 標準束は dz1∧dz2\mathrm{d} z_1\wedge\mathrm{d} z_2 の倍で、XH=iω∑a(za∂za−zˉa∂zˉa)X_H=\mathrm{i}\omega\sum_a(z_a\partial_{z_a}-\bar z_a\partial_{\bar z_a}) から LXH(dz1∧dz2)=2iω dz1∧dz2L_{X_H}(\mathrm{d} z_1\wedge\mathrm{d} z_2)=2\mathrm{i}\omega\,\mathrm{d} z_1\wedge\mathrm{d} z_2。補正は −iℏ2⋅2iω=ℏω-\frac{\mathrm{i}\hbar}{2}\cdot2\mathrm{i}\omega=\hbar\omega で

H^=ℏω(z1∂∂z1+z2∂∂z2+1).\hat H=\hbar\omega\Bigl(z_1\frac{\partial }{\partial z_1}+z_2\frac{\partial }{\partial z_2}+1\Bigr).

z1n1z2n2z_1^{n_1}z_2^{n_2} が固有関数で、固有値は ℏω(N+1)\hbar\omega(N+1)(N=n1+n2N=n_1+n_2)、縮退度は n1=0,…,Nn_1=0,\dots,N の N+1N+1 である。1自由度ごとの零点 ℏω/2\hbar\omega/2 が2つ分足されている。

(2) {f,g}=iℏ∑a(fzagzˉa−fzˉagza)\{f,g\}=\frac{\mathrm{i}}\hbar\sum_a(f_{z_a}g_{\bar z_a}-f_{\bar z_a}g_{z_a}) で直接計算すると {Jx,Jy}=Jz\{J_x,J_y\}=J_z、{Jy,Jz}=Jx\{J_y,J_z\}=J_x、{Jz,Jx}=Jy\{J_z,J_x\}=J_y で、JkJ_k はすべて HH と交換する(verify_ch10-05.py)。XJzX_{J_z} の成分は Xz1=i2z1X^{z_1}=\frac{\mathrm{i}}2z_1、Xz2=−i2z2X^{z_2}=-\frac{\mathrm{i}}2z_2 で、LXJz(dz1∧dz2)=(i2−i2)dz1∧dz2=0L_{X_{J_z}}(\mathrm{d} z_1\wedge\mathrm{d} z_2)=(\frac{\mathrm{i}}2-\frac{\mathrm{i}}2)\mathrm{d} z_1\wedge\mathrm{d} z_2=0、補正は0である。J^z=ℏ2(z1∂z1−z2∂z2)\hat J_z=\frac\hbar2(z_1\partial_{z_1}-z_2\partial_{z_2}) は z1n1z2n2z_1^{n_1}z_2^{n_2} に ℏ2(n1−n2)\frac\hbar2(n_1-n_2) を掛け、準位 NN の空間で固有値は ℏ(N2−m)\hbar(\frac N2-m)(m=0,…,Nm=0,\dots,N)、すなわちスピン j=N/2j=N/2 の表現である。NN 次の斉次多項式 z1Ng(z2/z1)z_1^N g(z_2/z_1) と u=z2/z1u=z_2/z_1 の NN 次以下の多項式 g(u)g(u) の対応で、5節の空間と同じものになる。

(3) (z1zˉ2+z2zˉ1)2−(z1zˉ2−z2zˉ1)2+(∣z1∣2−∣z2∣2)2=4∣z1∣2∣z2∣2+(∣z1∣2−∣z2∣2)2=(∣z1∣2+∣z2∣2)2(z_1\bar z_2+z_2\bar z_1)^2-(z_1\bar z_2-z_2\bar z_1)^2+(\lvert z_1\rvert ^2-\lvert z_2\rvert ^2)^2=4\lvert z_1\rvert ^2\lvert z_2\rvert ^2+(\lvert z_1\rvert ^2-\lvert z_2\rvert ^2)^2=(\lvert z_1\rvert ^2+\lvert z_2\rvert ^2)^2 なので∣J∣2=ℏ24(∣z1∣2+∣z2∣2)2=(H/(2ω))2\lvert \bm{J}\rvert ^2=\frac{\hbar^2}{4}(\lvert z_1\rvert ^2+\lvert z_2\rvert ^2)^2=(H/(2\omega))^2。J\bm{J} は (2) の括弧を満たすので、殻を流れで割った球面の上の括弧は第10部第2章の ωS\omega_S の括弧と同じになる。E=ℏω(N+1)E=\hbar\omega(N+1) では S=ℏ(N+1)/2=ℏ(j+12)S=\hbar(N+1)/2=\hbar(j+\frac12)(j=N/2j=N/2)で、5節の半形式つきの球面はスピン S/ℏ−12=jS/\hbar-\frac12=j を与え、(2) と一致する。

(4) 帽子の面積の条件 2π(S−s)=2πℏ(n+12)2\pi(S-s)=2\pi\hbar(n+\frac12) に S=ℏ(j+12)S=\hbar(j+\frac12) を入れると s=ℏ(j−n)s=\hbar(j-n)、n=0,…,2jn=0,\dots,2j。(2) の固有値 ℏ(N2−m)\hbar(\frac N2-m) と一致する。

(5) 半形式なしでは (1) のスペクトルが ℏωN\hbar\omega N で、殻の半径は S=ℏN/2=jℏS=\hbar N/2=j\hbar、球面の量子化(定理 10.5.6)はスピン S/ℏ=jS/\hbar=j を与える。半形式つきでは S=(j+12)ℏS=(j+\frac12)\hbar で、球面の量子化はスピン S/ℏ−12=jS/\hbar-\frac12=j を与える。どちらの約束でも、平面で量子化してから準位 NN の空間を取ったものと、殻を割った球面を量子化したものが同じスピン N/2N/2 になる。N=3N=3 では、半形式つきで E=4ℏωE=4\hbar\omega、S=2ℏS=2\hbar、j=2−12=32j=2-\frac12=\frac32、次元4。半形式なしで E=3ℏωE=3\hbar\omega、S=32ℏS=\frac32\hbar、j=32j=\frac32、次元4。この「量子化と簡約の可換性」は、V. Guillemin と S. Sternberg が一般のコンパクト群の作用について定式化した性質の最も簡単な例である1V. Guillemin and S. Sternberg (1982), “Geometric quantization and multiplicities of group representations”, Invent. Math. 67, 515–538.下の脚注へ。

1 V. Guillemin and S. Sternberg (1982), “Geometric quantization and multiplicities of group representations”, Invent. Math. 67, 515–538.

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