解答
(1) 式 (3.5.9) の計算で V=−fx とすると、e−iϵV(x−η)/ℏ=1+ℏiϵf(x−η)+O(ϵ2) である。η の1次の項 −ℏiϵfη は平均すると消えるので、ϵ の1次は 2miℏϵψ′′+ℏiϵfxψ で、
iℏ∂t∂ψ=−2mℏ2∂x2∂2ψ−fxψ
を得る。評価点を内分点 x−(1−λ)η に替えても、変わるのは平均で消える η の1次の項の係数だけなので、結果は λ によらない。
(2) Euler–Lagrange 方程式は mx¨=f で、x(0)=xi、x(t)=xf を満たす解は x(s)=xi+v0s+2mfs2、v0=txf−xi−2mft である。作用 ∫0t(2mx˙2+fx)ds を計算すると、2m∫0t(v0+fs/m)2ds=2m(v02t+mv0ft2+3m2f2t3)、f∫0txds=f(xit+2v0t2+6mft3) で、v0 を入れて整理すると
Scl=2tm(xf−xi)2+2ft(xf+xi)−24mf2t3
となる。Kf に iℏ∂t と −2mℏ2∂xf2−fxf を当てて比べる。Kf=C(t)eiScl/ℏ とすると
iℏ∂tKf=(iℏCC′−∂tScl)Kf,−2mℏ2∂xf2Kf=(2m(∂xfScl)2−2miℏ∂xf2Scl)Kf
である。C∝t−1/2 から iℏC′/C=−2tiℏ、∂xf2Scl=m/t から −2miℏ⋅tm=−2tiℏ で、この2つは等しい。残りは −∂tScl=2m(∂xfScl)2−fxf、すなわち Hamilton–Jacobi 方程式で、∂xfScl=tm(xf−xi)+2ft、∂tScl=−2t2m(xf−xi)2+2f(xf+xi)−8mf2t2 を入れると両辺が一致する(verify_ch3-05.py で検算)。t→+0 では指数の第1項が支配して Kf は自由粒子の K0 に近づくので、初期条件 δ(xf−xi) も満たす。これで Kf は式 (3.5.27) の解である。作用が x の2次以下なので、第3部第3章のとおり K=F(t)eiScl/ℏ の形が厳密で、揺らぎの因子 F(t) は V の1次の項によらず自由粒子と同じ m/(2πiℏt) になる。
(3) Kf(xf;b)∗Kf(xf;a) の指数は ℏi[Scl(xf;a)−Scl(xf;b)] で、xf2 の項と 2ftxf の項は打ち消し合い、xf について1次の項 ℏtim(b−a)xf だけが残る。xf で積分すると m2πℏtδ(a−b) で、前因子 ∣C∣2=2πℏtm と合わせて δ(a−b) になる(a=b の上では残りの位相は1)。式 (3.5.19) の1区間の計算と同じ構造で、作用が実数であることから有限の t のユニタリ性が出ている。
(4) V′=−f なので、式 (3.5.24) は ⟨pk+1/2⟩−⟨pk−1/2⟩=ϵf⟨1⟩ になる。規格化した平均(⟨1⟩ で割ったもの、または始状態で平均したもの)で読むと、運動量は区間ごとに ϵf ずつ増え、N 区間で ft 増える。すなわち ⟨p⟩(t)=⟨p⟩(0)+ft で、Heisenberg の運動方程式 p^˙H=f の期待値と同じである。交換関係は式 (3.5.25) の右辺の ϵ⟨xkV′(xk)⟩=−ϵf⟨xk⟩ が ϵ→0 で消えるので [x^,p^]=iℏ のままで、f によらない。交換関係は核の幅(運動エネルギーの項)だけで決まり、ポテンシャルは運動方程式の側にだけ現れる。
(5) dtd(ftx)=fx+ftx˙ なので 2mx˙2−ftx˙+dtd(ftx)=2mx˙2+fx=L である。全微分の項は作用に端の値 ftxf−0⋅xi=ftxf だけを加えるので、L′=2mx˙2−ftx˙ の伝播関数 K′ と Kf=eiftxf/ℏK′ の関係にある。L′ は場所によらないベクトルポテンシャル a(t)=−ft を持つ自由粒子で、a が場所によらないので ∂xa=0 となり、式 (3.5.17) の評価点に依存する項は消える。対応するハミルトニアンは (p^+ft)2/(2m) で、K′=e−iftxf/ℏKf が iℏ∂tK′=(p^+ft)2K′/(2m) を満たすことも確かめられる。2つの記述の違いはゲージ変換 Λ に当たる端の位相 eiftxf/ℏ だけである。
中性子では (ℏ2/(2m2g))1/3=(2×(1.675×10−27)2×9.81(1.055×10−34)2)1/3m=5.87μm で、(1) の方程式の 2mℏ2∂x2 と mgx が同じ大きさになる長さである。t=1ms の位相は 24ℏmg2t3=24×1.055×10−341.675×10−27×9.812×10−9=0.0637 である。同じ時間で波数は ft/ℏ=mg×10−3/ℏ=1.56×105m−1 だけ増え、これが (4) の運動量の増加を波数で書いたものである。