この章のまとめ
AI 生成・木下が未勉強
量子力学の様々な構成方法 第4部 第1章 §4.1.7 ★★★ 状態ベクトルの公理で書けない場面(不完全な情報・部分系・熱平衡・結果を読まない測定)は、期待値が の形にまとまることから、状態を密度演算子に取り替えた要請 (D1)〜(D5) で書ける
第1部の基準の公理は、孤立した系をその状態を完全に知る人が見る場合を書いていた。準備の情報が不完全なとき、もつれた系の一部分を見るとき、熱平衡にあるとき、測定の結果を読まないとき、系の統計はどの状態ベクトルでも再現できない。量子ビットでは、Pauli 行列の期待値のベクトルの長さが1より小さくなることで判定できる。どの場面でも期待値は の形にまとまり、 はエルミート・半正定値・トレース1を満たす。予言に要るのは だけで、どのアンサンブルから作ったかは使われない。
第4部ではこれを出発点に置き、状態=密度演算子、確率=、時間発展=(von Neumann 方程式 )、測定後=、部分系=部分トレースという5つの要請を立てた。状態の集合は凸集合で、純粋状態はその端点であり、純粋度 が1かどうかで判定できる。量子ビットでは 、 と書け、von Neumann 方程式は の回転 になって、共通例題②の Rabi 振動 が出る。離調のばらついた集団では、1個1個は純粋のまま集団の が縮む。
橋の節では、 と置くと要請が基準の公理に戻ることを表で確かめ、逆向きの証明(浄化と Schmidt 分解)を第4部第2章へ渡した。同じ を与えるアンサンブルの任意性は第4部第3章、熱平衡は第4部第4章、環境による純粋度の低下は第4部第5章で扱う。
総合問題 2準位原子が混合状態になる4つの道筋 ★★★
オリジナル2準位原子(、)について、次の2つの準備を比べる。準備 M:確率 で 、確率 で を作る(どちらかは記録しない)。準備 P:純粋状態 を作る。
- (1) 準備 M・P の密度行列 、、Bloch ベクトル、純粋度を求めよ。 の測定だけで M と P を区別できるか。(使う道具:この章の第4.1.2節・第4.1.4節)
- (2) どちらの準備の後でも、共鳴()のハミルトニアン で時間 だけ駆動する。 を両者について求め、この駆動と の測定の組み合わせでは M と P を区別できないことを示せ。区別に使える物理量を1つ挙げよ。(使う道具:第4.1.3節の von Neumann 方程式・第4.1.4節の Bloch 方程式/第2部第3章 の Heisenberg 方程式)
- (3) 原子が光の1つのモード(光子数 か )ともつれて になった。原子の縮約密度行列を求め、原子だけの測定ではこれと準備 M が区別できないことを示せ。(使う道具:第4.1.5節の部分トレース)
- (4) 原子の遷移周波数を とし、 の熱平衡 が に一致する温度を求めよ。(使う道具:第4.1.6節の熱平衡の量子ビット/第4部第4章)
- (5) 準備 P の原子に の測定をして、結果を読まずにおく。測定後の Bloch ベクトルと純粋度を求めよ。同じ操作を準備 M に当てるとどうなるか。(使う道具:第4.1.3節の要請 (D4))
解答
(1) 。。Bloch ベクトルは (4.1.8) の から
(4.1.9) から純粋度は M が 、P が 。 の統計は で両者同じなので、 の測定だけでは区別できない。
(2) なので Bloch ベクトルは 軸のまわりに回り、 は変わらない。 は、()に従い、、 から。これは M と P で同じなので、
2つの準備の違いは だけにあり、 軸まわりの回転は を ・ に混ぜないので、この駆動の後の の測定では区別できない。Heisenberg 描像で言えば、 は と交換するので で、 の Heisenberg 演算子は の組み合わせにしかならない。区別には そのものを測ればよい( が M で 、P で )。
(3) の光の部分をトレースすると、交差項は ・ を含むので消え、。命題 4.1.6 により原子の物理量の統計は縮約密度行列だけで決まるので、原子だけの測定では準備 M と区別できない。準備 M は「情報が足りない」混合、(3) は「全体は純粋だが一部分を見ている」混合で、成り立ちは違うが原子の側から見た状態は同じである。
(4) 熱平衡では で、これが になればよい。、
( は例題 4.1.6 の値。)この温度の熱平衡も原子の状態としては そのもので、(1)・(3) の混合と区別できない。
(5) で 。この写像は の固有基底で非対角成分を消すので、Bloch ベクトルの 成分だけを残し、 を にする。準備 P では 、純粋度 。測定前の純粋度1から下がった。準備 M では 、、純粋度 。 の値の確率は で、P では 、M では と、ここで初めて両者の違いが測定値に現れる。
木下の勉強ステータス
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