解答
(1) c=cosθ=21、s=sinθ=23 とする。∣Ψθ⟩=21(∣↑⟩∣0⟩+∣↓⟩(c∣0⟩+s∣1⟩))。(4.2.9) で α=β=21 として
ρ^A=21(1cc1)=21(1+cσx),r=(c,0,0)=(21,0,0),Trρ^A2=21+c2=85.
(2) ρ^A の固有ベクトルは ∣±⟩、固有値は λ±=21±c、すなわち 43 と 41。∣↑⟩=(∣+⟩+∣−⟩)/2、∣↓⟩=(∣+⟩−∣−⟩)/2 を代入すると、∣ϕ⟩=c∣0⟩+s∣1⟩ として
∣Ψθ⟩=21∣+⟩(∣0⟩+∣ϕ⟩)+21∣−⟩(∣0⟩−∣ϕ⟩).
∥∣0⟩±∣ϕ⟩∥2=2±2c なので、正規化した相手側の状態は
∣r+⟩=2+2c∣0⟩+∣ϕ⟩=cos2θ∣0⟩+sin2θ∣1⟩,∣r−⟩=2−2c∣0⟩−∣ϕ⟩=sin2θ∣0⟩−cos2θ∣1⟩
(1+cosθ=2cos22θ、sinθ=2sin2θcos2θ を使った)で、Schmidt 分解は
∣Ψθ⟩=43∣+⟩∣r+⟩+41∣−⟩∣r−⟩.
⟨r+∣r−⟩=cos2θsin2θ−sin2θcos2θ=0 で、確かに直交している。もつれのエントロピーは −43ln43−41ln41=0.216+0.347=0.562 nat。
(3) 指針が 1 を示す確率は ∥(1⊗∣1⟩⟨1∣)∣Ψθ⟩∥2=21s2=83 で、そのときの全体は ∣↓⟩∣1⟩、A の状態は ∣↓⟩。指針が 0 を示す確率は 21(1+c2)=85 で、A の状態は (∣↑⟩+c∣↓⟩)/1+c2=(2∣↑⟩+∣↓⟩)/5。平均は
85⋅51(4221)+83(0001)=(21414181+83)=21(121211)=ρ^A
で (1) に戻る。R の測定の結果ごとに A の状態は純粋だが、結果を知らない A の側の人にとっての状態は ρ^A のままである。
(4) ∣Ψ′⟩ と (2) の Schmidt 分解を比べると、V^∣0⟩=∣r+⟩、V^∣1⟩=∣r−⟩ であればよい。
V^=(cos2θsin2θsin2θ−cos2θ)=(232121−23)
(列が ∣r+⟩、∣r−⟩)。列が正規直交なのでユニタリである。2つの浄化は R の上の反射で移り合う。
(5) 浄化の側:U^A(t)=eiΔtσz/2 は ∣↑⟩↦eiΔt/2∣↑⟩、∣↓⟩↦e−iΔt/2∣↓⟩。定理 4.2.5 (b) により縮約は U^Aρ^AU^A† で、非対角要素は ρ↑↓↦eiΔtρ↑↓=2ceiΔt。rx=2Reρ↑↓、ry=−2Imρ↑↓ なので
r(t)=c(cosΔt, −sinΔt, 0).
Bloch 方程式の側:H^A=2ℏh⋅σ と比べて h=(0,0,−Δ)。h×r=(Δry, −Δrx, 0) なので r˙x=Δry、r˙y=−Δrx。r(0)=(c,0,0) から rx=ccosΔt、ry=−csinΔt で一致する。長さ ∣r∣=c は保たれ、A だけのユニタリは純粋度を変えない。R にユニタリ W^ を当てても、1⊗W^ は部分トレース TrR の中で W^†W^=1 として消えるので、ρ^A(t) は変わらない(定理 4.2.5 (e) と同じ理由)。Heisenberg 描像で言えば、A の物理量 σx,H(t)⊗1 は R の演算子と交換し、R の発展は A の期待値に入らない。