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この章のまとめ

2026年10月17日9分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第5部 第4章 負になる準確率

AI 生成・木下が未勉強

量子力学の様々な構成方法 第5部 第4章 §5.4.7 ★★★ 負の値は干渉に由来し、確率ではなくパリティの期待値を表す。非負の純粋状態は Gauss 波束だけで、全部の直交位相の同時分布は W に限る

WW の各点の値はずらしたパリティの期待値の 1/(πℏ)1/(\pi\hbar) 倍で、負の値は「その点のまわりの鏡映で奇の成分が勝つ」ことを表す。至る所で正の WW を持つ状態に直交する状態は必ず負の値を持ち(命題 5.4.1)、数状態 ∣n⟩| n \rangle(n≥1n\ge1)がその例である。負の値の量は負の体積 δ\delta で測り、δ1=0.4261\delta_1=0.4261 だった。

負の値が観測と矛盾しないのは、確率がすべて非負の作用素 E^\hat E との重なり ∫WEW\int WE_{\mathrm W} で与えられ、相空間の小さな領域の指示関数は非負の作用素の記号にならないからである(例題 5.4.2:面積が 0.628×2πℏ0.628\times2\pi\hbar より小さい楕円の指示関数は負の固有値を持つ)。どんな WW も別の状態の WW でならせば非負になり(命題 5.4.2)、位置と運動量の同時測定で得られる分布はこの形をしている。

純粋状態で W≥0W\ge0 となるのは Gauss 波束だけである(定理 5.4.3)。証明は Bargmann 変換の零点の無さと増大度の評価からなり、混合状態では成り立たない。確率論の側からは、すべての直交位相の分布を周辺に持つ確率分布は WW に限られ(定理 5.4.4)、量子の特性関数は Bochner の条件でなく位相でねじった条件を満たす。2次のハミルトニアンの下では WW の符号は保たれ、Kerr のような非線形の発展で負の値が現れ、緩和と ℏ→0\hbar\to0 の平均で負の値は消える。

次の章(第5部第5章)では、この章で使った共通例題①の WnW_n と熱平衡の WW を導き、半古典近似と並べる。

総合問題 光子1個の状態が緩和して負の値を失うまで ★★★

オリジナル調和振動子(または光の1モード)の状態 ρ^p=(1−p)∣0⟩⟨0∣+p∣1⟩⟨1∣\hat\rho_p=(1-p)| 0 \rangle \langle 0 |+p| 1 \rangle \langle 1 |(0≤p≤10\le p\le1)を考える。u=2H/(ℏω)u=2H/(\hbar\omega) とする。

  1. (1) WW を uu と pp で書き、原点の値をずらしたパリティの期待値として説明せよ。(使う道具:この章1節、第5部第1章のパリティの式)
  2. (2) WW が負の値を持つ pp の範囲と、負の体積 δ(p)\delta(p) を求めよ。p=0.8p=0.8 の値を出せ。(使う道具:この章1節)
  3. (3) p=1/2p=1/2 の WW は非負だが Gauss 関数でない。これが Hudson の定理と矛盾しない理由を述べよ。(使う道具:この章3節)
  4. (4) 基底状態の W0W_0 でならした分布 Wˉ\bar W を求め、すべての pp で非負であることを確かめよ。(使う道具:この章2節の命題 5.4.2)
  5. (5) はじめ ∣1⟩| 1 \rangle にあった振動子が Lindblad 方程式 dρ^/dt=−(i/ℏ)[H^,ρ^]+Γ(a^ρ^a^†−12{a^†a^,ρ^}+)\mathrm{d}\hat\rho/\mathrm{d} t=-(\mathrm{i}/\hbar)[\hat H,\hat\rho]+\Gamma\bigl(\hat a\hat\rho\hat a^\dagger-\frac12\{\hat a^\dagger\hat a,\hat\rho\}_+\bigr)(H^=ℏωn^\hat H=\hbar\omega\hat n)で緩和する。ρ^(t)\hat\rho(t) が ρ^p\hat\rho_p の形に保たれることを示し、WW の負の値が消える時刻を求めよ。(使う道具:第4部第5章)
  6. (6) 原点の WW を光子数の偶奇の測定で決めるとき、偶数が出る確率を pp で書け。W(0,0)<0W(0,0)<0 がどの確率の大小関係に当たるか答えよ。(使う道具:この章6節)
解答

(1) WW は ρ^\hat\rho について線形なので、(5.4.4) の W0=1πℏe−uW_0=\frac{1}{\pi\hbar}\mathrm{e}^{-u} と W1=−1πℏe−u(1−2u)W_1=-\frac{1}{\pi\hbar}\mathrm{e}^{-u}(1-2u) から

W=1πℏe−u((1−p)−p(1−2u))=1πℏe−u(1−2p+2pu).W=\frac{1}{\pi\hbar}\mathrm{e}^{-u}\bigl((1-p)-p(1-2u)\bigr)=\frac{1}{\pi\hbar}\mathrm{e}^{-u}(1-2p+2pu).

原点では W(0,0)=(1−2p)/(πℏ)W(0,0)=(1-2p)/(\pi\hbar)。Π^∣0⟩=∣0⟩\hat\Pi| 0 \rangle =| 0 \rangle、Π^∣1⟩=−∣1⟩\hat\Pi| 1 \rangle =-| 1 \rangle なので Tr⁡(ρ^pΠ^)=(1−p)−p=1−2p\operatorname{Tr}(\hat\rho_p\hat\Pi)=(1-p)-p=1-2p で、(5.4.2) と一致する。

(2) 1−2p+2pu<01-2p+2pu<0 は u<u0=2p−12pu<u_0=\frac{2p-1}{2p} で、u0>0u_0>0 となるのは p>1/2p>1/2 のときである。p≤1/2p\le1/2 なら W≥0W\ge0。p>1/2p>1/2 では、ddu(−e−u(1+2pu))=e−u(1−2p+2pu)\frac{\mathrm{d}}{\mathrm{d} u}\bigl(-\mathrm{e}^{-u}(1+2pu)\bigr)=\mathrm{e}^{-u}(1-2p+2pu) を使って

∫W<0W dx dp=∫0u0e−u(1−2p+2pu) du=1−e−u0(1+2pu0)=1−2p e−(2p−1)/(2p)\int_{W<0}W\,\mathrm{d} x\,\mathrm{d} p=\int_0^{u_0}\mathrm{e}^{-u}(1-2p+2pu)\,\mathrm{d} u=1-\mathrm{e}^{-u_0}(1+2pu_0)=1-2p\,\mathrm{e}^{-(2p-1)/(2p)}

(1+2pu0=2p1+2pu_0=2p を使った)。(5.4.5) から

δ(p)=2(2p e−(2p−1)/(2p)−1)(p>1/2),δ(p)=0(p≤1/2).\delta(p)=2\bigl(2p\,\mathrm{e}^{-(2p-1)/(2p)}-1\bigr)\quad(p>1/2),\qquad \delta(p)=0\quad(p\le1/2).

p=1p=1 で δ1=0.4261\delta_1=0.4261(例題 5.4.1)に戻り、p=1/2p=1/2 で 00 に連続につながる。p=0.8p=0.8 では u0=0.375u_0=0.375、δ=2(1.6 e−0.375−1)=0.1993\delta=2(1.6\,\mathrm{e}^{-0.375}-1)=0.1993。

(3) p=1/2p=1/2 では W=1πℏu e−u≥0W=\frac{1}{\pi\hbar}u\,\mathrm{e}^{-u}\ge0 で、原点で 00 になるので Gauss 関数でない。Hudson の定理は純粋状態についての定理である。Tr⁡ρ^p2=(1−p)2+p2\operatorname{Tr}\hat\rho_p^2=(1-p)^2+p^2 は p=1/2p=1/2 で 1/21/2 で、この状態は純粋でないので定理の仮定を満たさない。純粋になるのは p=0p=0(Gauss の W0W_0)と p=1p=1(負の値を持つ W1W_1)だけで、どちらも定理と整合する。

(4) 命題 5.4.2 の右辺で σ^=∣0⟩⟨0∣\hat\sigma=| 0 \rangle \langle 0 | と置くと Wˉ=⟨α∣ρ^p∣α⟩/(2πℏ)\bar W=\langle \alpha | \hat\rho_p | \alpha \rangle /(2\pi\hbar) で、∣⟨α∣0⟩∣2=e−∣α∣2\lvert \langle \alpha | 0 \rangle \rvert ^2=\mathrm{e}^{-\lvert \alpha\rvert ^2}、∣⟨α∣1⟩∣2=e−∣α∣2∣α∣2\lvert \langle \alpha | 1 \rangle \rvert ^2=\mathrm{e}^{-\lvert \alpha\rvert ^2}\lvert \alpha\rvert ^2 から

Wˉ=12πℏe−∣α∣2((1−p)+p∣α∣2),∣α∣2=u2.\bar W=\frac{1}{2\pi\hbar}\mathrm{e}^{-\lvert \alpha\rvert ^2}\bigl((1-p)+p\lvert \alpha\rvert ^2\bigr),\qquad \lvert \alpha\rvert ^2=\frac u2 .

0≤p≤10\le p\le1 なら括弧の中は非負で、Wˉ≥0\bar W\ge0。p=1p=1 でも原点で 00 に下がるだけで負にならない。

(5) H^=ℏωn^\hat H=\hbar\omega\hat n は ∣0⟩⟨0∣| 0 \rangle \langle 0 |・∣1⟩⟨1∣| 1 \rangle \langle 1 | と交換するので、ハミルトニアンの項は ρ^p\hat\rho_p の形の状態を動かさない。緩和の項は a^∣1⟩⟨1∣a^†=∣0⟩⟨0∣\hat a| 1 \rangle \langle 1 |\hat a^\dagger=| 0 \rangle \langle 0 |、a^∣0⟩=0\hat a| 0 \rangle =0、{a^†a^,∣1⟩⟨1∣}+=2∣1⟩⟨1∣\{\hat a^\dagger\hat a,| 1 \rangle \langle 1 |\}_+=2| 1 \rangle \langle 1 |、a^†a^∣0⟩=0\hat a^\dagger\hat a| 0 \rangle =0 から

Γ(p∣0⟩⟨0∣−p∣1⟩⟨1∣)\Gamma\bigl(p| 0 \rangle \langle 0 |-p| 1 \rangle \langle 1 |\bigr)

で、やはり ρ^p\hat\rho_p の形の中に収まる。したがって ρ^(t)=ρ^p(t)\hat\rho(t)=\hat\rho_{p(t)} で、dp/dt=−Γp\mathrm{d} p/\mathrm{d} t=-\Gamma p、p(0)=1p(0)=1 から p(t)=e−Γtp(t)=\mathrm{e}^{-\Gamma t}。(2) から負の値が消えるのは p=1/2p=1/2 のときで、t∗=ln⁡2/Γ=T1ln⁡2t_*=\ln2/\Gamma=T_1\ln2(T1=1/ΓT_1=1/\Gamma はエネルギー緩和時間)。光子1個の状態は、エネルギー緩和時間の約 0.690.69 倍で負の値を失う。

(6) 偶数は n=0n=0、奇数は n=1n=1 だけなので P偶=1−pP_{\text{偶}}=1-p、P奇=pP_{\text{奇}}=p。(5.4.17) から W(0,0)=1πℏ(P偶−P奇)=1−2pπℏW(0,0)=\frac{1}{\pi\hbar}(P_{\text{偶}}-P_{\text{奇}})=\frac{1-2p}{\pi\hbar} で、(1) と一致する。W(0,0)<0W(0,0)<0 は「奇数の確率が偶数の確率より大きい」ことに当たる。測っている P偶P_{\text{偶}} と P奇P_{\text{奇}} はどちらも非負の確率で、負になっているのはその差である。

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