解答
(1) W は ρ^ について線形なので、(5.4.4) の W0=πℏ1e−u と W1=−πℏ1e−u(1−2u) から
W=πℏ1e−u((1−p)−p(1−2u))=πℏ1e−u(1−2p+2pu).
原点では W(0,0)=(1−2p)/(πℏ)。Π^∣0⟩=∣0⟩、Π^∣1⟩=−∣1⟩ なので Tr(ρ^pΠ^)=(1−p)−p=1−2p で、(5.4.2) と一致する。
(2) 1−2p+2pu<0 は u<u0=2p2p−1 で、u0>0 となるのは p>1/2 のときである。p≤1/2 なら W≥0。p>1/2 では、dud(−e−u(1+2pu))=e−u(1−2p+2pu) を使って
∫W<0Wdxdp=∫0u0e−u(1−2p+2pu)du=1−e−u0(1+2pu0)=1−2pe−(2p−1)/(2p)
(1+2pu0=2p を使った)。(5.4.5) から
δ(p)=2(2pe−(2p−1)/(2p)−1)(p>1/2),δ(p)=0(p≤1/2).
p=1 で δ1=0.4261(例題 5.4.1)に戻り、p=1/2 で 0 に連続につながる。p=0.8 では u0=0.375、δ=2(1.6e−0.375−1)=0.1993。
(3) p=1/2 では W=πℏ1ue−u≥0 で、原点で 0 になるので Gauss 関数でない。Hudson の定理は純粋状態についての定理である。Trρ^p2=(1−p)2+p2 は p=1/2 で 1/2 で、この状態は純粋でないので定理の仮定を満たさない。純粋になるのは p=0(Gauss の W0)と p=1(負の値を持つ W1)だけで、どちらも定理と整合する。
(4) 命題 5.4.2 の右辺で σ^=∣0⟩⟨0∣ と置くと Wˉ=⟨α∣ρ^p∣α⟩/(2πℏ) で、∣⟨α∣0⟩∣2=e−∣α∣2、∣⟨α∣1⟩∣2=e−∣α∣2∣α∣2 から
Wˉ=2πℏ1e−∣α∣2((1−p)+p∣α∣2),∣α∣2=2u.
0≤p≤1 なら括弧の中は非負で、Wˉ≥0。p=1 でも原点で 0 に下がるだけで負にならない。
(5) H^=ℏωn^ は ∣0⟩⟨0∣・∣1⟩⟨1∣ と交換するので、ハミルトニアンの項は ρ^p の形の状態を動かさない。緩和の項は a^∣1⟩⟨1∣a^†=∣0⟩⟨0∣、a^∣0⟩=0、{a^†a^,∣1⟩⟨1∣}+=2∣1⟩⟨1∣、a^†a^∣0⟩=0 から
Γ(p∣0⟩⟨0∣−p∣1⟩⟨1∣)
で、やはり ρ^p の形の中に収まる。したがって ρ^(t)=ρ^p(t) で、dp/dt=−Γp、p(0)=1 から p(t)=e−Γt。(2) から負の値が消えるのは p=1/2 のときで、t∗=ln2/Γ=T1ln2(T1=1/Γ はエネルギー緩和時間)。光子1個の状態は、エネルギー緩和時間の約 0.69 倍で負の値を失う。
(6) 偶数は n=0、奇数は n=1 だけなので P偶=1−p、P奇=p。(5.4.17) から W(0,0)=πℏ1(P偶−P奇)=πℏ1−2p で、(1) と一致する。W(0,0)<0 は「奇数の確率が偶数の確率より大きい」ことに当たる。測っている P偶 と P奇 はどちらも非負の確率で、負になっているのはその差である。