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橋:第二量子化と経路積分

2026年10月17日12分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第6部 第6章 コヒーレント状態の経路積分
目次
  1. 両向きの証明
  2. 各部の書き方と並べる
  3. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

量子力学の様々な構成方法 第6部 第6章 §6.6.6 ★★★ 時間分割したコヒーレント状態の積分は正規順序のハミルトニアンの時間発展と厳密に結びつき、逆に短い時間の核の再生の性質から Bargmann 表示の Schrödinger 方程式が出る

両向きの証明

同値性の地図の橋「第二量子化 ↔ 経路積分」を、モードが有限個の場合に両向きに示す。状態 ∣ψ⟩| \psi \rangle の Bargmann 関数を ψ(zˉ)≔e∣z∣2/2⟨z∣ψ⟩=∑n⟨n∣ψ⟩ zˉn/n!\psi(\bar z)\coloneqq\mathrm{e}^{\lvert z\rvert ^2/2}\langle z | \psi \rangle =\sum_n\langle n | \psi \rangle \,\bar z^n/\sqrt{n!} とする。第2部第4章の Bargmann 表示で、a^†\hat a^\dagger は zˉ\bar z を掛けること、a^\hat a は ∂zˉ\partial_{\bar z} である(変数の名前を zz に替えれば第2部第4章の形)。

命題 6.6.2(コヒーレント状態の経路積分と第二量子化の同値 ★★★)

モードが有限個で、H^=H(a^†,a^)\hat H=H(\hat a^\dagger,\hat a) は正規順序の多項式で粒子数 N^\hat N と可換とする。

  1. (i) (第二量子化 → 経路積分)T^ϵ≔1−iϵH^/ℏ\hat T_\epsilon\coloneqq1-\mathrm{i}\epsilon\hat H/\hbar とおくと、時間分割の積分

KN(αf∗,αi)=∫∏k=1N−1d2αkπ∏k=0N−1⟨αk+1∣αk⟩[1−iϵℏH(αk+1∗,αk)]K_N(\alpha_f^*,\alpha_i)=\int\prod_{k=1}^{N-1}\frac{\mathrm{d}^2\alpha_k}\pi\prod_{k=0}^{N-1}\langle \alpha_{k+1} | \alpha_k \rangle \Bigl[1-\frac{\mathrm{i}\epsilon}\hbar H(\alpha_{k+1}^*,\alpha_k)\Bigr]

は ⟨αf∣T^ϵN∣αi⟩\langle \alpha_f | \hat T_\epsilon^N | \alpha_i \rangle に厳密に等しく、N→∞N\to\infty で ⟨αf∣e−iH^t/ℏ∣αi⟩\langle \alpha_f | \mathrm{e}^{-\mathrm{i}\hat Ht/\hbar} | \alpha_i \rangle の αf∗\alpha_f^*, αi\alpha_i の各次の係数(数の基底の行列要素)が正しい値に収束する。2. (ii) (経路積分 → 第二量子化)1つの刻みの核を Bargmann 関数に当てた

ψk+1(wˉ)=∫d2zπ e−∣z∣2 ewˉz[1−iϵℏH(wˉ,z)]ψk(zˉ)\psi_{k+1}(\bar w)=\int\frac{\mathrm{d}^2z}{\pi}\,\mathrm{e}^{-\lvert z\rvert ^2}\,\mathrm{e}^{\bar wz}\Bigl[1-\frac{\mathrm{i}\epsilon}\hbar H(\bar w,z)\Bigr]\psi_k(\bar z)

は ψk+1=ψk−iϵℏH(wˉ,∂wˉ)ψk\psi_{k+1}=\psi_k-\frac{\mathrm{i}\epsilon}\hbar H(\bar w,\partial_{\bar w})\psi_k(wˉ\bar w を左、∂wˉ\partial_{\bar w} を右に並べる)で、ϵ→0\epsilon\to0 で iℏ∂tψ=H(wˉ,∂wˉ)ψ\mathrm{i}\hbar\partial_t\psi=H(\bar w,\partial_{\bar w})\psi、すなわち Bargmann 表示の Schrödinger 方程式になる。

証明

(i) 正規順序の置き換え (6.6.5) により ⟨αk+1∣αk⟩[1−iϵℏH(αk+1∗,αk)]=⟨αk+1∣T^ϵ∣αk⟩\langle \alpha_{k+1} | \alpha_k \rangle [1-\frac{\mathrm{i}\epsilon}\hbar H(\alpha_{k+1}^*,\alpha_k)]=\langle \alpha_{k+1} | \hat T_\epsilon | \alpha_k \rangle は厳密である。間の ∫d2αkπ∣αk⟩⟨αk∣\int\frac{\mathrm{d}^2\alpha_k}\pi| \alpha_k \rangle \langle \alpha_k | は単位の分解(命題 6.6.1)なので、積分は ⟨αf∣T^ϵN∣αi⟩\langle \alpha_f | \hat T_\epsilon^N | \alpha_i \rangle に等しい。H^\hat H が N^\hat N と可換なので、T^ϵ\hat T_\epsilon は粒子数 nn ごとの有限次元の部分空間を保ち、そこで T^ϵN=(1−itH^/(ℏN))N→e−iH^t/ℏ\hat T_\epsilon^N=(1-\mathrm{i} t\hat H/(\hbar N))^N\to\mathrm{e}^{-\mathrm{i}\hat Ht/\hbar}(行列の指数関数の極限)である。⟨αf∣⋅∣αi⟩e(∣αf∣2+∣αi∣2)/2\langle \alpha_f | \cdot | \alpha_i \rangle \mathrm{e}^{(\lvert \alpha_f\rvert ^2+\lvert \alpha_i\rvert ^2)/2} を αf∗\alpha_f^*, αi\alpha_i の冪級数に展開した係数は数の基底の行列要素を m! n!\sqrt{m!\,n!} で割ったものなので、各係数が収束する。

(ii) zˉ\bar z の多項式 gg について再生の性質 ∫d2zπe−∣z∣2ewˉzg(zˉ)=g(wˉ)\int\frac{\mathrm{d}^2z}\pi\mathrm{e}^{-\lvert z\rvert ^2}\mathrm{e}^{\bar wz}g(\bar z)=g(\bar w) が成り立つ(g=zˉmg=\bar z^m で ewˉz\mathrm{e}^{\bar wz} を展開し、命題 6.6.1 の証明と同じ極座標の積分で mm 次の項だけが残る)。H(wˉ,z)H(\bar w,z) の zlz^l は zlewˉz=∂wˉlewˉzz^l\mathrm{e}^{\bar wz}=\partial_{\bar w}^l\mathrm{e}^{\bar wz} と書けるので、積分の外へ ∂wˉl\partial_{\bar w}^l として出せる。wˉk\bar w^k は積分に関係しないので左に残る。よって ψk+1(wˉ)=[1−iϵℏH(wˉ,∂wˉ)]ψk(wˉ)\psi_{k+1}(\bar w)=[1-\frac{\mathrm{i}\epsilon}\hbar H(\bar w,\partial_{\bar w})]\psi_k(\bar w) で、wˉ\bar w が左・∂wˉ\partial_{\bar w} が右の並びは正規順序 (a^†)ka^l(\hat a^\dagger)^k\hat a^l の Bargmann 表示そのものである。第2部第4章で示したとおり Bargmann 表示は数の基底を通して Fock 空間とユニタリ同値で、Fock 空間は第6部第2章で基準の NN 粒子の量子力学と同値なので、経路積分の短い時間の核から基準の Schrödinger 方程式に戻った。

(i) で被積分関数の 1−iϵH/ℏ1-\mathrm{i}\epsilon H/\hbar を e−iϵH/ℏ\mathrm{e}^{-\mathrm{i}\epsilon H/\hbar} に替えた (6.6.7) は、刻みあたり O(ϵ2)\mathcal{O}(\epsilon^2) だけ違うだけで、同じ極限を与える(2次の HH では例題 6.6.2 で確かめた)。(ii) は第3部第5章(第3部第5章)の「短い時間の核から Schrödinger 方程式を出す」をコヒーレント状態で行ったもので、位置の経路積分では Gauss 型の核の2次のモーメントを計算する必要があったのが、ここでは再生の性質1つで済む。第10部第4章が正則偏極の再生核 ewˉz\mathrm{e}^{\bar wz} と呼んだものが、経路積分の1つの刻みの核の本体になっている。

例題 6.6.7 1つの刻みと1階の作用 ★★

オリジナル

  1. (1) H^=ℏωa^†a^\hat H=\hbar\omega\hat a^\dagger\hat a、ψk(zˉ)=zˉn\psi_k(\bar z)=\bar z^n に命題 6.6.2 (ii) の1つの刻みを当て、ψk+1=(1−iϵωn)zˉn\psi_{k+1}=(1-\mathrm{i}\epsilon\omega n)\bar z^n を示せ。これは何を意味するか。
  2. (2) α=(x/ℓ+iℓp/ℏ)/2\alpha=(x/\ell+\mathrm{i}\ell p/\hbar)/\sqrt2 のとき、iℏα∗α˙=12(px˙−xp˙)+iℏ2ddt∣α∣2\mathrm{i}\hbar\alpha^*\dot\alpha=\frac12(p\dot x-x\dot p)+\frac{\mathrm{i}\hbar}2\frac{\mathrm{d}}{\mathrm{d} t}\lvert \alpha\rvert ^2 を示し、∫(iℏα∗α˙−H)dt\int(\mathrm{i}\hbar\alpha^*\dot\alpha-H)\mathrm{d} t が相空間の作用 ∫(px˙−H)dt\int(p\dot x-H)\mathrm{d} t と境界の項だけ違うことを確かめよ。
解答

(1) H(wˉ,∂wˉ)=ℏωwˉ∂wˉH(\bar w,\partial_{\bar w})=\hbar\omega\bar w\partial_{\bar w} なので ψk+1=wˉn−iϵωwˉ⋅nwˉn−1=(1−iϵωn)wˉn\psi_{k+1}=\bar w^n-\mathrm{i}\epsilon\omega\bar w\cdot n\bar w^{n-1}=(1-\mathrm{i}\epsilon\omega n)\bar w^n。zˉn\bar z^n は数の状態 n!∣n⟩\sqrt{n!}| n \rangle の Bargmann 関数で、1つの刻みが固有値 ℏωn\hbar\omega n の時間発展 e−iϵωn\mathrm{e}^{-\mathrm{i}\epsilon\omega n} を1次まで正しく与えた。経路積分の核は数の状態を数の状態へ移し、粒子数を保つ。

(2) α∗α˙=12(x/ℓ−iℓp/ℏ)(x˙/ℓ+iℓp˙/ℏ)=12[xx˙/ℓ2+ℓ2pp˙/ℏ2+i(xp˙−px˙)/ℏ]\alpha^*\dot\alpha=\frac12(x/\ell-\mathrm{i}\ell p/\hbar)(\dot x/\ell+\mathrm{i}\ell\dot p/\hbar)=\frac12[x\dot x/\ell^2+\ell^2p\dot p/\hbar^2+\mathrm{i}(x\dot p-p\dot x)/\hbar] である。iℏ\mathrm{i}\hbar を掛けると、虚部の項から 12(px˙−xp˙)\frac12(p\dot x-x\dot p)、実部の項から iℏ2(xx˙/ℓ2+ℓ2pp˙/ℏ2)=iℏ2ddt∣α∣2\frac{\mathrm{i}\hbar}2(x\dot x/\ell^2+\ell^2p\dot p/\hbar^2)=\frac{\mathrm{i}\hbar}2\frac{\mathrm{d}}{\mathrm{d} t}\lvert \alpha\rvert ^2 が出る。さらに 12(px˙−xp˙)=px˙−12ddt(xp)\frac12(p\dot x-x\dot p)=p\dot x-\frac12\frac{\mathrm{d}}{\mathrm{d} t}(xp) なので、2つの作用の差は時間の全微分 −12ddt(xp)+iℏ2ddt∣α∣2-\frac12\frac{\mathrm{d}}{\mathrm{d} t}(xp)+\frac{\mathrm{i}\hbar}2\frac{\mathrm{d}}{\mathrm{d} t}\lvert \alpha\rvert ^2 の積分、すなわち境界の項だけである。コヒーレント状態の経路積分は、1つのモードについては相空間の経路積分を複素座標で書いたものである。違いは境界で固定するもの(位置の経路積分は xx の両端、コヒーレント状態は α(0)\alpha(0) と αˉ(t)\bar\alpha(t))にある。

各部の書き方と並べる

コヒーレント状態の経路積分を、位置の経路積分(第3部)と第二量子化(この部)の書き方と並べると表 6.6.1 になる。

表 6.6.1 第二量子化・コヒーレント状態の経路積分・位置の経路積分の対応
第二量子化(Fock 空間)コヒーレント状態の経路積分位置の経路積分(第3部)
挿む完全系数の基底 ∣{nj}⟩| \{n_j\} \rangle∫d2απ∣α⟩⟨α∣\int\frac{\mathrm{d}^2\alpha}\pi| \alpha \rangle \langle \alpha |(過完備)∫dx∣x⟩⟨x∣\int\mathrm{d} x| x \rangle \langle x |
積分の変数—複素数 α\alpha, αˉ\bar\alpha(Grassmann 数 η\eta, ηˉ\bar\eta)実数 xx
作用の運動の項—iℏαˉα˙\mathrm{i}\hbar\bar\alpha\dot\alpha(1階)m2x˙2\frac m2\dot x^2(pp を積分した後)
ハミルトニアン正規順序の H(a^†,a^)H(\hat a^\dagger,\hat a)H(αˉ,α)H(\bar\alpha,\alpha)(置き換え)H(p,x)H(p,x)(評価点つき)
順序の曖昧さ交換関係で決まる時間の並び αˉk+1αk\bar\alpha_{k+1}\alpha_k評価点(左端・中点)
境界の条件—α(0)\alpha(0) と αˉ(t)\bar\alpha(t)x(0)x(0) と x(t)x(t)
虚時間のトレースTr⁡e−β(H^−μN^)\operatorname{Tr}\mathrm{e}^{-\beta(\hat H-\mu\hat N)}周期(ボース)/反周期(フェルミ)周期 x(βℏ)=x(0)x(\beta\hbar)=x(0)
統計交換子/反交換子1/det⁡M1/\det M/det⁡M\det M経路の入れ替えの符号
粒子数決まる・重ねる両方重ねた状態が自然粒子数ごとに別の積分

最後の行が、場の理論と多体系でコヒーレント状態の経路積分が使われる理由である。位置の経路積分で NN 粒子を扱うと、粒子の入れ替えの経路(解析力学の巻 解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第5部第1章)を NN ごとに数えなければならないが、コヒーレント状態では統計が境界の条件と行列式の位置(分母か分子か)に吸収され、粒子数の和も最初から入っている。図 6.6.3 に、この章が架けた橋を同値性の地図の中に描く。

図

図 6.6.3 この章が架けた橋。実線の両矢印は両向きに証明した同値、点線は1つのモードで作用が境界の項だけ違うという対応を表す。

ほかの巻では

光の巻(光学と量子エレクトロニクス 第31章)は、コヒーレント状態を変位演算子 D^(α)\hat D(\alpha) で真空を動かした状態として導入し、直交位相の揺らぎの配り方で読んだ。解析力学の巻の経路積分(解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第4部第8章)は位置の経路積分で、この章の表 6.6.1 の右の列に当たる。

木下の勉強ステータス

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