この巻の章の型と地図:何を削り、何で確かめるか
AI 生成・木下が未勉強
ハミルトニアンの選び方で固体を考える 第1部 第1章 §1.1.5 ★★★ 各章は「選ぶ → 当てる道具 → 出てくるもの → 何を削ったか → 何の実験の量で確かめるか」の順に書かれる
章の型
この巻の第2章以降は、同じ順で書く。まずその章で選ぶ を1行で書き、次にどの道具(対角化・摂動・平均場・統計力学)を当てるかを述べ、道具を当てて出てくる量を導く。そのあとに、この巻に特有の2つの節を置く。1つは何を削ったかの節で、選んだ が式 (1.1.1) からどの自由度を捨てたものかを書き出し、末尾に近似の裏付けの札を置く。もう1つは何の実験の量で確かめるかの節で、出てきた量のうち実験で測れるものを挙げ、測り方と、模型が合わなくなる条件を述べる。最後に授業で習った形との対応と、この章のまとめを置く。
5つの部の地図
表 1.1.1 は、5つの部で選ぶ と、削ったもの、確かめる量を1行ずつ並べたものである。
| 部 | 選ぶもの | 削ったもの | 確かめる量 |
| 第1部 結晶と周期性 | 原子の並び(周期関数としての電子密度) | 原子の運動・電子の状態の中身 | 回折の像(Bragg の条件) |
| 第2部 分子からバンドへ | 1電子の (tight-binding・ほぼ自由な電子) | 電子どうしの相互作用(平均に置き換える)・多くの軌道 | 光の吸収端・分子の色・バンド図 |
| 第3部 格子 | 原子核を質点とばねにした | 電子の励起(Born–Oppenheimer)・非調和性の大部分 | 比熱・フォノンの分散(中性子・Raman) |
| 第4部 電子の輸送と光 | バンドの電子+外場+散乱 | 散乱の中身(緩和時間に置き換える) | 伝導度・Hall 係数・熱電係数・吸収スペクトル |
| 第5部 相互作用・秩序・トポロジー | Hubbard・Heisenberg・BCS 模型 | 着目する相互作用以外の全部 | 磁化率・比熱の跳び・超伝導ギャップ・Hall 伝導度 |
表の右の2列が、この巻で毎章書く2つの節にあたる。「削ったもの」の列を上から読むと、部が進むにつれて削るものが減り、相互作用を少しずつ戻していることが分かる。第2部では電子どうしの相互作用を平均に置き換えて1電子の問題にし、第4部で散乱として一部を戻し、第5部で着目する相互作用だけを残す。
近似の裏付けの札の読み方
「何を削ったか」の節の末尾には、削った近似ごとに1行の札を置く。札は第V巻(近似の数理)の近似の分類(近似の数理 第1章)を使い、4つの欄を持つ。1つ目の欄は近似の型で、扱いやすい部分空間の中で解を探す A 型(射影)、小さいパラメータを に送った極限の問題の解を使う B 型(極限)、未知の量を既知の量の関数で置き換えて方程式を閉じる C 型(閉じる)の3つがある。2つ目の欄はその近似の小さいパラメータか部分空間、3つ目の欄は数学の側で近似がどこまで正当化されているか(証明済み・条件付き・未解決・C 型で内部の評価なし・要確認)、4つ目の欄は証明の筋を置いた第V巻の章である。この章では 1.1.2節と 1.1.3節に札を4枚置いた。証明はこの巻には書かず、第V巻へ送る。固体の近似には B 型が多く、しかもエネルギーのギャップがあることを前提にした定理が多い。ギャップが閉じる所(金属の Fermi 面・トポロジカル相転移)で近似の前提が崩れることが、第4部と第5部を通す筋の1つになる。終章(第5部第6章)では、巻全体の札を1枚の表に集め、第V巻の終章の表と並べる。
例題 1.1.5 銅の伝導電子の数を2通りに数え、Hall 係数を予言する ★★★
オリジナル銅は面心立方格子(立方体の単位胞に原子 個)で、格子定数を 、密度を 、モル質量を とする(与えられた値として使う)。原子1個が伝導電子を1個出すと仮定する(1.1.2節で 個の電子をイオンにまとめた)。
- (1) 格子定数から伝導電子の数密度 を求めよ。
- (2) 密度とモル質量から を求め、(1) と比べよ()。
- (3) 自由電子の模型では Hall 係数が になる(第4部第4章)。(1) の で を求めよ。測った がこの値からずれたら、表 1.1.1 のどの削り方を見直すことになるかを述べよ。
解答
(1) 。
(2) 。(1) との差は で、2通りの数え方が合う。これは「原子1個が電子1個を出す」という仮定の確認ではなく、格子定数と密度が同じ結晶を表していることの確認である。電子の数を数える仮定は、(3) のように電子の運動に依る量で確かめる必要がある。
(3) 。符号が負であることは、電荷を運ぶものが負の電荷を持つことを表す。測った値の大きさがこれと違えば、まず「伝導電子は自由電子のように動く」という第4部の削り方を見直す。バンドの形が自由電子の放物線から外れると、Hall 係数は からずれ、正孔のように振る舞う部分があれば符号まで変わりうる。その扱いは第4部第4章で行う。
木下の勉強ステータス
木下はまだこの記事を勉強していません。
AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com
← AI生成教科書『虎の巻』の記事一覧へ