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測地線の方程式

2026年10月22日18分で読めますAI生成教科書『基礎理論』第10章 測地線
目次
  1. 平行移動からの定義
  2. 径数の取り方
  3. 長さとエネルギーの変分から
  4. 確認テスト
  5. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

物理のための微分幾何入門 第10章 §10.1 ★★★ 「曲がらない」と「最短」が同じ方程式になることを示し、径数の取り方の自由度を確かめる

平面の直線には2つの顔がある。1つは「進む向きを変えない線」で、もう1つは「2点を結ぶ最短の線」である。

曲面や一般の多様体の上では、この2つを計量と接続の言葉で言い直すことになる。言い直した結果がどちらも同じ方程式に行き着くことが、この章の出発点である。その方程式の解を測地線と呼ぶ。

この章では、第8章 §8.2 の Christoffel 記号と第9章 §9.3 の曲線に沿う共変微分を使う。第5章 §5.4 の「運動エネルギーの計量」も使う。

道具をそろえたあと、回転面の上の測地線を Clairaut の関係で解く。続いて、束縛された質点の自由運動が測地線そのものであることを示す。さらに、位置エネルギーのある運動も Jacobi 計量の測地線になること、光線が屈折率でつくる計量の測地線になることを示す。

ここで作る道具は、あとの章でも使う。第11章 §11.4 では、隣り合う測地線の開き具合(測地線偏差)から曲率を読み、潮汐力へつなぐ。第13章 §13.3 では、この章の Clairaut の関係を Killing ベクトルの保存量として一般化する。第15章 §15.1 では、測地線でつくる三角形の内角の和から Gauss–Bonnet の定理を組み立てる。

記号は次のとおりとする。多様体の座標を xix^i と書き、力学の場面では qiq^i と書く。計量は gijg_{ij} で表し、Christoffel 記号は次の式で定める(第8章 §8.2)。

Γkij=12gkl(∂iglj+∂jgli−∂lgij)(10.1)\Gamma^k{}_{ij}=\frac12g^{kl}\left(\partial_ig_{lj}+\partial_jg_{li}-\partial_lg_{ij}\right)\tag{10.1}

上付きと下付きの同じ添字は和をとる。曲線の径数による微分は ˙\dot{} で表し、径数を取り替えたときだけ ′' を使う。

平行移動からの定義

平面の上を一定の速度で進む点を考える。速度ベクトルは向きも大きさも変わらないので、加速度は0である。

曲面の上では、速度ベクトルを微分すると接平面からはみ出す成分が出る。第9章では、接平面に射影した微分を曲線に沿う共変微分として定めた。その成分の式は、曲線 xi(t)x^i(t) に沿うベクトル場 Vk(t)V^k(t) について次のとおりであった(第9章 §9.3)。

DVkdt=V˙k+Γkij x˙iVj(10.2)\frac{DV^k}{\mathrm{d} t}=\dot V^k+\Gamma^k{}_{ij}\,\dot x^iV^j\tag{10.2}

「進む向きを変えない」を、速度ベクトルの共変微分が0になることと読み替える。

定義 10.1(測地線)

曲線 xi(t)x^i(t) を考える。速度ベクトル x˙i\dot x^i がその曲線に沿って平行移動されているとき、すなわち Dx˙k/dt=0D\dot x^k/\mathrm{d} t=0 のとき、この曲線を測地線と呼ぶ。(10.2) に Vk=x˙kV^k=\dot x^k を入れると、成分の式は次のようになる。

x¨k+Γkij x˙ix˙j=0(k=1,…,n)(10.3)\ddot x^k+\Gamma^k{}_{ij}\,\dot x^i\dot x^j=0\qquad(k=1,\dots,n)\tag{10.3}

これを測地線の方程式と呼ぶ。

平らな空間のデカルト座標では Christoffel 記号がすべて0なので、(10.3) は x¨k=0\ddot x^k=0 になり、解は等速直線運動である。曲線座標をとると Christoffel 記号は0でなくなる。それでも解は同じ直線で、座標で見た式の形が変わるだけである(例題 10.1)。

測地線の方程式は2階の常微分方程式なので、出発点と初速度を決めれば解が1つに決まる。

命題 10.2(存在と一意性)

点 pp と、そこでの接ベクトル vv を1つ選ぶ。すると、ある正の数 ε\varepsilon があって、∣t∣<ε\left\vert t\right\vert <\varepsilon で定義された測地線のうち次の2条件を満たすものがただ1つある。

x(0)=p,x˙(0)=vx(0)=p,\qquad \dot x(0)=v

証明

速度を新しい未知関数 vk=x˙kv^k=\dot x^k とおくと、(10.3) は 2n2n 個の未知関数についての1階の連立方程式になる。

x˙k=vk,v˙k=−Γkij(x) vivj\dot x^k=v^k,\qquad \dot v^k=-\Gamma^k{}_{ij}(x)\,v^iv^j

右辺は (x,v)(x,v) の滑らかな関数なので、局所的に Lipschitz 連続である。常微分方程式の Picard–Lindelöf の定理により、初期値 (p,v)(p,v) を通る解が短い時間のあいだただ1つ存在する。

測地線の上では、速さが一定に保たれる。これは平行移動が内積を保つことの言い換えである。

命題 10.3(速さの保存)

測地線の上で、次の量は径数 tt によらず一定である。

w≔gij(x) x˙ix˙jw\coloneqq g_{ij}(x)\,\dot x^i\dot x^j

証明

Levi-Civita 接続は計量と両立する(第9章 §9.2)。曲線に沿う2つのベクトル場 Y,ZY,Z について、次の Leibniz 則が成り立つ。

ddt g(Y,Z)=g ⁣(DYdt,Z)+g ⁣(Y,DZdt)\frac{\mathrm{d}}{\mathrm{d} t}\,g(Y,Z)=g\!\left(\frac{DY}{\mathrm{d} t},Z\right)+g\!\left(Y,\frac{DZ}{\mathrm{d} t}\right)

Y=Z=x˙Y=Z=\dot x とおくと、測地線では Dx˙/dt=0D\dot x/\mathrm{d} t=0 なので右辺は0になる。したがって w=g(x˙,x˙)w=g(\dot x,\dot x) は一定である。

径数の取り方

測地線の方程式は、曲線の形だけでなく径数の進み方まで指定する。同じ曲線を別の径数で走ると、方程式がどう変わるかを確かめる。

命題 10.4(径数の取り替え)

x(t)x(t) を測地線とし、x˙≠0\dot x\ne0 とする。滑らかで導関数が正の関数を使って、径数を t=ϕ(λ)t=\phi(\lambda) と取り替える。取り替えた曲線を y(λ)=x(ϕ(λ))y(\lambda)=x(\phi(\lambda)) とおく。すると次が成り立つ。

y′′k+Γkij y′iy′j=ϕ′′ϕ′ y′k(10.4)y''^k+\Gamma^k{}_{ij}\,y'^iy'^j=\frac{\phi''}{\phi'}\,y'^k\tag{10.4}

したがって yy が測地線の方程式を満たすのは、ϕ(λ)=aλ+b\phi(\lambda)=a\lambda+b の形の1次関数のときに限る。

証明

連鎖律から y′=ϕ′x˙y'=\phi'\dot x である。もう1回微分すると、次の式を得る。

y′′=ϕ′′x˙+ϕ′2x¨y''=\phi''\dot x+\phi'^2\ddot x

これらを左辺に入れると、ϕ′2\phi'^2 の項は測地線の方程式によって消える。

y′′k+Γkijy′iy′j=ϕ′′x˙k+ϕ′2(x¨k+Γkijx˙ix˙j)=ϕ′′x˙k=ϕ′′ϕ′ y′ky''^k+\Gamma^k{}_{ij}y'^iy'^j=\phi''\dot x^k+\phi'^2\left(\ddot x^k+\Gamma^k{}_{ij}\dot x^i\dot x^j\right)=\phi''\dot x^k=\frac{\phi''}{\phi'}\,y'^k

y′≠0y'\ne0 なので、右辺が0になるのは ϕ′′=0\phi''=0 のときに限る。

測地線の方程式 (10.3) をそのまま満たす径数をアフィン径数と呼ぶ。命題 10.4 により、アフィン径数どうしは1次変換でつながる。命題 10.3 と合わせると、アフィン径数は弧長 ss の定数倍に限られる。以下では、とくに断らない限り弧長 ss を径数に使う。

長さとエネルギーの変分から

次に「最短」の側から同じ方程式を導く。2点を結ぶ曲線 x(t)x(t)(a≤t≤ba\le t\le b)について、次の2つの汎関数を考える。

L[x]=∫abgijx˙ix˙j dt,E[x]=12∫abgijx˙ix˙j dt(10.5)L[x]=\int_a^b\sqrt{g_{ij}\dot x^i\dot x^j}\,\mathrm{d} t,\qquad E[x]=\frac12\int_a^b g_{ij}\dot x^i\dot x^j\,\mathrm{d} t\tag{10.5}

LL は曲線の長さで、径数の取り替えで値が変わらない。EE はエネルギー汎関数と呼ばれ、平方根が無い代わりに径数の進み方に依存する。

定理 10.5(エネルギーの停留と測地線)

端点を止めた変分について、E[x]E[x] が停留する曲線は測地線であり、逆も成り立つ。

証明

被積分関数 E=12gij(x)x˙ix˙j\mathcal E=\frac12g_{ij}(x)\dot x^i\dot x^j の Euler–Lagrange 方程式を書く。必要な偏微分は次の2つである。

∂E∂x˙k=gkjx˙j,∂E∂xk=12 ∂kgij x˙ix˙j\frac{\partial\mathcal E}{\partial\dot x^k}=g_{kj}\dot x^j,\qquad \frac{\partial\mathcal E}{\partial x^k}=\frac12\,\partial_kg_{ij}\,\dot x^i\dot x^j

1つめを時刻で微分する。係数 gkjg_{kj} も曲線 x(t)x(t) を通して時刻に依存するので、次の2つの項が出る。

ddt(gkjx˙j)=gkjx¨j+∂igkj x˙ix˙j\frac{\mathrm{d}}{\mathrm{d} t}\left(g_{kj}\dot x^j\right)=g_{kj}\ddot x^j+\partial_ig_{kj}\,\dot x^i\dot x^j

第2項の x˙ix˙j\dot x^i\dot x^j は2つの添字について対称である。そこで係数を対称化し、12(∂igkj+∂jgki)\frac12(\partial_ig_{kj}+\partial_jg_{ki}) に置き換えてよい。したがって Euler–Lagrange 方程式は次のようになる。

gkjx¨j+12(∂igkj+∂jgki−∂kgij)x˙ix˙j=0g_{kj}\ddot x^j+\frac12\left(\partial_ig_{kj}+\partial_jg_{ki}-\partial_kg_{ij}\right)\dot x^i\dot x^j=0

両辺に glkg^{lk} を掛けて和をとると、括弧の部分は (10.1) の Γlij\Gamma^l{}_{ij} になる。こうして x¨l+Γlijx˙ix˙j=0\ddot x^l+\Gamma^l{}_{ij}\dot x^i\dot x^j=0 を得る。式変形はすべて同値変形なので、逆も成り立つ。

この証明は、Christoffel 記号の公式 (10.1) がどこから来たかの1つの答えにもなっている。Euler–Lagrange 方程式の一般論は虎の巻『解析力学から様々な理論分野を組み立てる』第1部第4章にある。

定理 10.6(長さの停留と測地線)

速度が0にならない曲線を考え、w=gijx˙ix˙jw=g_{ij}\dot x^i\dot x^j とおく。L[x]L[x] が端点を止めた変分で停留することは、次の式と同値である。

x¨k+Γkijx˙ix˙j=w˙2w x˙k(10.6)\ddot x^k+\Gamma^k{}_{ij}\dot x^i\dot x^j=\frac{\dot w}{2w}\,\dot x^k\tag{10.6}

とくに弧長を径数にとれば w=1w=1 で右辺は0になり、測地線の方程式に戻る。LL が停留する曲線は、測地線を径数で走り直したものに限られる。

証明

被積分関数 w\sqrt w の偏微分は、次のとおり定理 10.5 の場合を w\sqrt w で割ったものになる。

∂w∂x˙k=gkjx˙jw,∂w∂xk=∂kgijx˙ix˙j2w\frac{\partial\sqrt w}{\partial\dot x^k}=\frac{g_{kj}\dot x^j}{\sqrt w},\qquad \frac{\partial\sqrt w}{\partial x^k}=\frac{\partial_kg_{ij}\dot x^i\dot x^j}{2\sqrt w}

1つめを時刻で微分すると、分母の w\sqrt w を微分した項が1つ増える。

ddtgkjx˙jw=1w(ddt(gkjx˙j)−w˙2w gkjx˙j)\frac{\mathrm{d}}{\mathrm{d} t}\frac{g_{kj}\dot x^j}{\sqrt w}=\frac{1}{\sqrt w}\left(\frac{\mathrm{d}}{\mathrm{d} t}(g_{kj}\dot x^j)-\frac{\dot w}{2w}\,g_{kj}\dot x^j\right)

残りは定理 10.5 の証明と同じ計算である。Euler–Lagrange 方程式を w\sqrt w 倍し、glkg^{lk} で添字を上げると (10.6) を得る。右辺は x˙\dot x に比例するので、命題 10.4 と比べると、この曲線は測地線を径数 ϕ\phi で走り直したものになる。

2つの汎関数の関係は、Cauchy–Schwarz の不等式で押さえられる。

命題 10.7(長さとエネルギーの不等式)

区間 [a,b][a,b] で定義された曲線について、次の不等式が成り立つ。

L[x]2≤2(b−a) E[x](10.7)L[x]^2\le2(b-a)\,E[x]\tag{10.7}

等号は速さ w\sqrt w が一定のときに限る。したがって、定義域を [a,b][a,b] に固定した曲線のうちでエネルギー汎関数を最小にするものは、速さが一定で、長さ LL も最小にする。

証明

関数 11 と w\sqrt w に Cauchy–Schwarz の不等式を使う。

(∫ab1⋅w dt)2≤∫ab12 dt∫abw dt=(b−a)⋅2E[x]\left(\int_a^b1\cdot\sqrt w\,\mathrm{d} t\right)^2\le\int_a^b1^2\,\mathrm{d} t\int_a^b w\,\mathrm{d} t=(b-a)\cdot2E[x]

等号は w\sqrt w が定数のときに限る。次に、エネルギー汎関数を最小にする曲線を γ\gamma とし、比べる相手の任意の曲線を cc とする。cc を速さ一定に走り直した曲線を c~\tilde c とする。長さは変わらず、等号の場合から次の式が成り立つ。

E[c~]=L[c]22(b−a)E[\tilde c]=\frac{L[c]^2}{2(b-a)}

これを使うと、次の不等式を得る。

L[γ]2≤2(b−a)E[γ]≤2(b−a)E[c~]=L[c]2L[\gamma]^2\le2(b-a)E[\gamma]\le2(b-a)E[\tilde c]=L[c]^2

よって L[γ]≤L[c]L[\gamma]\le L[c] となる。さらに γ\gamma では途中の不等号がすべて等号になり得るので、γ\gamma の速さは一定である。

なぜエネルギー汎関数を使うのか

  • LL は径数の取り替えで変わらないので、停留曲線は径数の分だけ決まらない。定理 10.6 の右辺はその自由度の表れである。
  • EE には平方根が無く、径数まで決めてくれる。停留曲線はアフィン径数で走る測地線になる。
  • 力学では、EE は自由粒子の作用そのものである。この見方は §10.3 で使う。

測地線は最短とは限らない

  • 球面の上の2点は、大円の短い弧でも長い弧でも結べる。どちらも測地線だが、長い弧は最短ではない。
  • 正反対の2点(対蹠点)を結ぶ大円は無数にあり、すべて同じ長さである。
  • 正しく言えるのは「十分短い測地線は、近くの曲線の中で最短」という局所的な主張である。どこまで伸ばすと最短でなくなるかは、第11章 §11.4 の Jacobi 方程式で判定する。
図

図 10.1 極座標で見た直線。速度 x˙\dot{\bm x}(濃い矢印)は一定だが、動径方向 er\bm e_r と角方向 eθ\bm e_\theta(灰色の矢印)への分け方は点ごとに変わる。成分 (r˙,θ˙)(\dot r,\dot\theta) の時間変化を打ち消す項が Christoffel 記号の項である。

例題 10.1 極座標で見た直線 ★★

オリジナル平面の極座標 (r,θ)(r,\theta) での線素は ds2=dr2+r2dθ2\mathrm{d} s^2=\mathrm{d} r^2+r^2\mathrm{d}\theta^2 である。

  1. Christoffel 記号を求め、測地線の方程式を書け。
  2. 2つめの方程式から保存量 h=r2θ˙h=r^2\dot\theta を導け。
  3. 直線 rcos⁡(θ−θ0)=br\cos(\theta-\theta_0)=b を一定の速さ vv で走る運動が、測地線の方程式を満たすことを確かめよ。
解答
  1. 計量の成分は grr=1g_{rr}=1、gθθ=r2g_{\theta\theta}=r^2 で、ほかは0である。0でない微分は ∂rgθθ=2r\partial_rg_{\theta\theta}=2r だけなので、(10.1) から次の2つが残る。

Γrθθ=−12 grr∂rgθθ=−r,Γθrθ=Γθθr=12 gθθ∂rgθθ=1r\Gamma^r{}_{\theta\theta}=-\frac12\,g^{rr}\partial_rg_{\theta\theta}=-r,\qquad \Gamma^\theta{}_{r\theta}=\Gamma^\theta{}_{\theta r}=\frac12\,g^{\theta\theta}\partial_rg_{\theta\theta}=\frac1r

ほかの成分は0である。測地線の方程式は次の2本になる。Γθrθ\Gamma^\theta{}_{r\theta} と Γθθr\Gamma^\theta{}_{\theta r} の2項が同じ寄与をするので、係数2がつく。

r¨−rθ˙2=0,θ¨+2r r˙θ˙=0\ddot r-r\dot\theta^2=0,\qquad \ddot\theta+\frac2r\,\dot r\dot\theta=0 2. 2つめの式に r2r^2 を掛けると、左辺は1つの微分にまとまる。

r2θ¨+2rr˙θ˙=ddt(r2θ˙)=0r^2\ddot\theta+2r\dot r\dot\theta=\frac{\mathrm{d}}{\mathrm{d} t}\left(r^2\dot\theta\right)=0

よって h=r2θ˙h=r^2\dot\theta は一定である。これは単位質量あたりの角運動量にあたる。3. 回転して θ0=0\theta_0=0 としてよい。直線 x=bx=b の上を速さ vv で上向きに走る運動を極座標で書くと、次のようになる。

r=b2+v2t2,θ=arctan⁡vtbr=\sqrt{b^2+v^2t^2},\qquad \theta=\arctan\frac{vt}{b}

θ˙=bv/r2\dot\theta=bv/r^2 なので h=r2θ˙=bvh=r^2\dot\theta=bv で、2つめの式は満たされる。1つめの式を調べるため、rr を2回微分する。

r˙=v2tr,r¨=v2r−v4t2r3=v2(r2−v2t2)r3=b2v2r3\dot r=\frac{v^2t}{r},\qquad \ddot r=\frac{v^2}{r}-\frac{v^4t^2}{r^3}=\frac{v^2(r^2-v^2t^2)}{r^3}=\frac{b^2v^2}{r^3}

一方で rθ˙2=h2/r3=b2v2/r3r\dot\theta^2=h^2/r^3=b^2v^2/r^3 なので、r¨−rθ˙2=0\ddot r-r\dot\theta^2=0 も成り立つ。

直線を走る点の θ\theta は等速では進まず、rr も一様には増えない。それでも図 10.1 の運動は等速直線運動であり、座標の成分の変化を Christoffel 記号の項が打ち消している。

確認テスト

オリジナル

  1. 10.1-1 x(t)x(t) を測地線とする。次の3つの曲線のうち、測地線の方程式 (10.3) をそのまま満たすものはどれか。

x(2t+1),x(−t),x(t3)x(2t+1),\qquad x(-t),\qquad x(t^3)

満たさないものについては、(10.4) の右辺の係数を求めよ。2. 10.1-2 上半平面 y>0y>0 に、次の計量を入れる(Poincaré の上半平面)。

ds2=dx2+dy2y2\mathrm{d} s^2=\frac{\mathrm{d} x^2+\mathrm{d} y^2}{y^2}

  1. (a) 0でない Christoffel 記号を求めよ。
  2. (b) 縦の直線 x=x0, y=esx=x_0,\ y=\mathrm{e}^s が、弧長 ss を径数とする測地線であることを示せ。y=1y=1 から y=ey=\mathrm{e} までの長さも求めよ。
  3. (c) 半円 x=x0+Rtanh⁡s, y=R/cosh⁡sx=x_0+R\tanh s,\ y=R/\cosh s が、弧長 ss を径数とする測地線であることを示せ。
  4. 10.1-3 平面の線分を x=t2, y=0 (0≤t≤1)x=t^2,\ y=0\ (0\le t\le1) と走る曲線を考える。長さとエネルギー汎関数を求めて、不等式 (10.7) を確かめよ。同じ線分を x=tx=t と走り直すと等号になることも確かめよ。
  5. 10.1-4 初速度 vv の測地線を x(t)x(t) とする。また、cc を0でない定数とする。y(t)=x(ct)y(t)=x(ct) が初速度 cvcv の測地線であることを示せ。さらに命題 10.2 の一意性を使い、初速度 cvcv の測地線がもとの測地線と同じ道を ∣c∣\left\vert c\right\vert 倍の速さで通ることを結論せよ。

木下の勉強ステータス

木下はまだこの記事を勉強していません。

AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com

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