この章のまとめ
AI 生成・木下が未勉強
光学と量子エレクトロニクス 第21章 §21.7 ★★★ コヒーレンスを断熱消去するとレート方程式が残り、そこから「2準位では反転しない・3準位は半分を越えてから・4準位はすぐ」と利得の飽和が出る。総合問題は4準位の結晶の増幅器
要点
- 細い線の光と原子の結合は、断面積 と光子の流れ の積の割合で書くことができる。利得係数は (式 (21.4)・(21.6))。
- 光 Bloch 方程式でコヒーレンスを断熱消去すると、遷移の割合 のレート方程式が残る。条件は と で、定常解は近似なしで一致する(式 (21.11)・(21.14))。
- 2準位では で反転しない。光は吸収を飽和させるだけ(式 (21.15)・(21.16))。
- 3準位は で、半分を越えるまで反転しない。4準位は ですぐ反転する(式 (21.22)・(21.26))。
- 4準位の利得は で飽和し、。増幅器が光に渡すことのできる電力の上限は (式 (21.27)・(21.28))。
この章は、光 Bloch 方程式の速い変数を消すという1つの操作から、レーザーの媒質の設計の言葉を出した。吸収と誘導放出の係数が等しいこと(第20章の詳細つり合いの帰結)は、2準位では反転を禁じ、多準位ではポンプの遷移と光の遷移を分けることで回避される。反転の量と飽和強度が決まると、媒質の性能は小信号利得 と飽和強度 の2つの数で表される。第22章(第22章)では、この媒質を共振器に入れ、利得が共振器の損失を補うしきい値と、利得の飽和で決まる発振の出力を求める。コヒーレンスを残したままの扱い(短いパルスの増幅・Rabi 振動)は第19章の光 Bloch 方程式に戻り、線が不均一に広がる場合の飽和は第24章で扱う。
総合問題 4準位の結晶の増幅器 ★★★
オリジナル屈折率 の結晶に、4準位のイオンを数密度 で入れた長さ の棒を、光の増幅器として使う。光の遷移は真空の波長 、光の遷移への自然放出の割合 、線は均一に広がった Lorentz 形で周波数の半値の全幅 、準位2の寿命は 、準位1は十分速く空になるとする。ポンプは波長 の光で、単位体積あたり を吸収させ、吸収した光子はすべて準位2へ原子を1個ずつ送るとする(模型の値)。
- (1) 誘導放出の断面積 を求めよ。(使う道具:第20章の A と B の関係・21.1節・21.6節の媒質の中の形)
- (2) 線幅から を求め、飽和強度の光()が作る Rabi 周波数について を見積もって、レート方程式が使えることを確かめよ。(使う道具:第19章の光 Bloch 方程式・21.2節)
- (3) ポンプが準位2へ運ぶ割合 、反転の量 ( に対する割合も)、小信号利得係数 、弱い光の1回の通過での増幅率を求めよ。(使う道具:21.5節)
- (4) 入口の強度が の光の出口の強度と、媒質が光に渡した単位面積あたりの電力を求め、上限 と比べよ。(使う道具:21.5節・21.3節の積分)
- (5) 光の遷移の下の準位が基底状態(3準位)だったとすると、同じ を作るのに単位体積あたり何 W のポンプの電力を吸収させる必要があるか。(3) の何倍か。(使う道具:21.4節)
解答
(1) 第20章の A と B の関係を媒質の中で書くと 、ビームのエネルギー密度は なので、21.6 節のとおり である。Lorentz 形の中心の高さ を入れると、例題 21.6 と同じく
を得る。
(2) である。4準位の飽和強度 では誘導放出の割合が で、共鳴の と等しいとおくと 、
である。 とあわせて (21.13) は十分に成り立ち、コヒーレンスは Rabi 振動の1周期の ほどの間に消える。 の数十倍の光でもレート方程式で扱うことができる。
(3) ポンプの光子1個は なので、 である。(21.25) で として
で、、弱い光は1回の通過で 倍になる。反転は全体の パーセントにすぎないので、基底状態の減り((21.26) の分母)は無視できる。
(4) 飽和強度は例題 21.5 と同じ である。(21.28) で と置くと で、数値で解くと である。出口の強度は 、増幅率は で、弱い光の より小さい。媒質が光に渡した電力は単位面積あたり ()である。上限は で、入口が の光はその半分ほどを受け取る。残りは自然放出としてあらゆる向きに出ていく。入口の光を強くするほど、上限に近い電力を取り出すことができる。
(5) 3準位の (21.22) で を作るには が要る。ポンプが準位1の原子 を割合 で上げるので、吸収させる電力は
で、(3) の 倍である。この電力のほとんどは、原子の半分を準位2に保つ(反転を にする)ために自然放出で消える。同じ断面積と寿命の遷移でも、下の準位が空かどうかで必要なポンプが3桁違う。
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