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この章のまとめ

2026年10月15日9分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第1部 第6章 通信路容量

AI 生成・木下が未勉強

相対エントロピーから情報と物理を組み立てる 第1部 第6章 §1.6.7 ★★★ 容量 == 結合分布と独立な分布の DD の最大 == 行を包む DD の球の半径。逆定理はデータ処理不等式から出る

この章で比べた2つの分布は、通信路の入力と出力の結合分布 pXYp_{XY} と、それを独立とみなした pXpYp_Xp_Y だった。その DD が相互情報量で、行ごとに分けると「各入力の出力の分布 WxW_x と平均の出力 qq の DD の平均」になる(式 (1.6.3))。参照の分布 rr を入れ替える恒等式 (1.6.6) と D≥0D\ge0 から、相互情報量の凹性、最適な入力の Kuhn–Tucker 条件、容量の min-max 表示 C=min⁡rmax⁡xD(Wx ∥ r)C=\min_r\max_xD(W_x\,\|\,r) がまとめて出た。容量は、各行を点とみなしてそれらを包む最小の DD の球の半径である。

この CC が通信の速さの上限であることを言うのが通信路符号化定理である。逆定理(R>CR>C では誤りが残る)は、Fano の不等式とデータ処理不等式、つまり DD の単調性から出た。順定理(R<CR<C なら誤りを 00 に近づけられる)は、独立な対が相関のある対に見える確率が e−nI=e−nD(pXY∥pXpY)\mathrm{e}^{-nI}=\mathrm{e}^{-nD(p_{XY}\|p_Xp_Y)} で小さくなることから出た。容量を数値で求める Blahut–Arimoto の反復は、2つの段のどちらも D≥0D\ge0 の等号条件で解け、毎回の上界と下界で精度が保証される。連続の場合は DD がそのまま移り、Gauss 分布の最大エントロピー性から C=12ln⁡(1+P/N)C=\frac12\ln(1+P/N)、熱雑音のもとで1ビットあたり kBTln⁡2k_{\mathrm B} T\ln2 のエネルギーの下限が出た。

要点

  • 通信路は確率行列 WW。I(p,W)=D(pXY ∥ pXpY)=∑xp(x)D(Wx ∥ pW)I(p,W)=D(p_{XY}\,\|\,p_Xp_Y)=\sum_xp(x)D(W_x\,\|\,pW)。
  • 恒等式 ∑xp(x)D(Wx ∥ r)=I(p,W)+D(pW ∥ r)\sum_xp(x)D(W_x\,\|\,r)=I(p,W)+D(pW\,\|\,r) から:II は pp について凹、C≤max⁡xD(Wx ∥ r)C\le\max_xD(W_x\,\|\,r)(任意の rr)。
  • Kuhn–Tucker:使う入力は D(Wx ∥ q∗)=CD(W_x\,\|\,q^*)=C、使わない入力は ≤C\le C。C=min⁡rmax⁡xD(Wx ∥ r)C=\min_r\max_xD(W_x\,\|\,r)。
  • 符号化定理:R<CR<C で誤り →0\to0。R>CR>C では Perr≥1−C/R−ln⁡2/(nR)P_{\mathrm{err}}\ge1-C/R-\ln2/(nR)(Fano+データ処理不等式)。
  • Blahut–Arimoto:pk+1∝pk eD(Wx∥qk)p_{k+1}\propto p_k\,\mathrm{e}^{D(W_x\|q_k)}、I(pk,W)≤C≤max⁡xD(Wx ∥ qk)I(p_k,W)\le C\le\max_xD(W_x\,\|\,q_k)。
  • Gauss 通信路 C=12ln⁡(1+P/N)C=\frac12\ln(1+P/N)、帯域 BB で Bln⁡(1+P/(N0B))B\ln(1+P/(N_0B))、熱雑音で Eb≥kBTln⁡2E_{\mathrm b}\ge k_{\mathrm B} T\ln2。

この章の結果は次の章以降で使う。容量の量子版(Holevo 量と量子通信路容量)は 相対エントロピーから情報と物理を組み立てる 第3部第7章、誤りの確率が 00 に近づく速さ(誤り指数)と、e−nD\mathrm{e}^{-nD} の形の確率の評価は 相対エントロピーから情報と物理を組み立てる 第1部第8章で扱う。

総合問題 2元対称通信路を2段につなぐ ★★★

オリジナル誤りの確率 p=0.1p=0.1 の BSC を2つ直列につなぎ、1段目の出力 YY をそのまま2段目に入れて、2段目の出力 ZZ を受け手が見る。2段の雑音は独立とする。

  1. (1) (使う道具:1.6.1節/第1部第4章のデータ処理不等式)XX から ZZ への通信路が BSC(p2p_2)、p2=2p(1−p)p_2=2p(1-p) であることを示せ。0<p<120<p<\frac12 で p2>pp_2>p を確かめ、どんな入力の分布でも I(X;Z)≤I(X;Y)I(X;Z)\le I(X;Y) となることをデータ処理不等式から述べよ。
  2. (2) (使う道具:1.6.2節の Kuhn–Tucker 条件・1.6.6節)1段の容量 C1C_1 と2段の容量 C2C_2 を nat とビットで求めよ。一様な入力が最適であることを条件 (1.6.8) で確かめよ。
  3. (3) (使う道具:1.6.3節の逆定理)2段の線で速さ 0.50.5 ビット/回の符号を使うと、長さ n=200n=200 と n→∞n\to\infty で誤りの確率はどれだけ以上になるか。1段だけならどうか。
  4. (4) (使う道具:1.6.4節)2段の通信路に入力 p0=(0.8,0.2)p_0=(0.8,0.2) から Blahut–Arimoto の反復を1回当てる。q0q_0、L0L_0、U0U_0、更新後の入力 11 の確率 π1\pi_1 を求めよ。
  5. (5) (使う道具:第1部第2章の典型系列・1.6.3節の勘定)2段の線を一様な入力で n=1000n=1000 回使う。出力の典型系列の数と、1つの符号語のまわりの雑音の雲の大きさを2の累乗で見積もり、見分けられる符号語の数を求めよ。
  6. (6) (使う道具:第1部第4章)同じ BSC を kk 段つなぐと、誤りの確率は pk=12(1−(1−2p)k)p_k=\frac12\bigl(1-(1-2p)^k\bigr) になる。k→∞k\to\infty で容量がどうなるかを述べ、kk が大きいときの近似式 Ck≈12(1−2p)2kC_k\approx\frac12(1-2p)^{2k} を導け。
解答

(1) Z≠XZ\neq X となるのは、2段のうちちょうど1段で反転したときで、その確率は p(1−p)+(1−p)p=2p(1−p)p(1-p)+(1-p)p=2p(1-p)。どちらの入力でも同じなので BSC(p2p_2) である。行列で書けば WX→Z=WBSC(p)WBSC(p)=WBSC(p2)W_{X\to Z}=W_{\mathrm{BSC}(p)}W_{\mathrm{BSC}(p)}=W_{\mathrm{BSC}(p_2)}。p2−p=p(1−2p)>0p_2-p=p(1-2p)>0(0<p<120<p<\frac12)なので2段のほうが乱れる。p=0.1p=0.1 では p2=0.18p_2=0.18。X→Y→ZX\to Y\to Z は Markov 連鎖(ZZ は YY だけを見て作られる)なので、データ処理不等式から入力の分布によらず I(X;Z)≤I(X;Y)I(X;Z)\le I(X;Y)。

(2) 一様な入力では出力も一様で、D(W0 ∥ 一様)=(1−p)ln⁡(2(1−p))+pln⁡(2p)=ln⁡2−hb(p)D(W_0\,\|\,\text{一様})=(1-p)\ln\bigl(2(1-p)\bigr)+p\ln(2p)=\ln2-h_{\mathrm b}(p)、D(W1 ∥ 一様)D(W_1\,\|\,\text{一様}) も同じ値になる。両方の入力を使い、両方の DD が等しいので条件 (1.6.8) を満たし、一様な入力が最適である。

C1=ln⁡2−hb(0.1)≈0.6931−0.3251=0.3681 nat=0.5310 ビット,C_1=\ln2-h_{\mathrm b}(0.1)\approx0.6931-0.3251=0.3681\ \text{nat}=0.5310\ \text{ビット},

C2=ln⁡2−hb(0.18)≈0.6931−0.4714=0.2218 nat=0.3199 ビット.C_2=\ln2-h_{\mathrm b}(0.18)\approx0.6931-0.4714=0.2218\ \text{nat}=0.3199\ \text{ビット}.

C2<C1C_2<C_1 は (1) のデータ処理不等式を容量で言い直したものである。

(3) 式 (1.6.12) をビットで使う。n=200n=200 では Perr≥1−0.31990.5−1200×0.5=1−0.640−0.010=0.350P_{\mathrm{err}}\ge1-\frac{0.3199}{0.5}-\frac{1}{200\times0.5}=1-0.640-0.010=0.350、n→∞n\to\infty では 1−0.640=0.3601-0.640=0.360。1段だけなら 0.5<C1=0.5310.5<C_1=0.531 ビットなので逆定理の右辺は負で何も言わず、順定理から誤りをいくらでも小さくできる。中継点が受け取った文字をそのまま流すと容量が下がるので、速さ 0.50.5 ビットは2段では送れない。中継点で一度復号して符号化し直せば、各段を C1C_1 未満の速さで使えるので、0.5 ビットでも送れる。

(4) 2段の行は W0=(0.82,0.18)W_0=(0.82,0.18)、W1=(0.18,0.82)W_1=(0.18,0.82)。q0=0.8W0+0.2W1=(0.692,0.308)q_0=0.8W_0+0.2W_1=(0.692,0.308)。

D(W0 ∥ q0)=0.82ln⁡0.820.692+0.18ln⁡0.180.308≈0.0425,D(W1 ∥ q0)=0.18ln⁡0.180.692+0.82ln⁡0.820.308≈0.5606.\begin{aligned}D(W_0\,\|\,q_0)&=0.82\ln\frac{0.82}{0.692}+0.18\ln\frac{0.18}{0.308}\approx0.0425,\\ D(W_1\,\|\,q_0)&=0.18\ln\frac{0.18}{0.692}+0.82\ln\frac{0.82}{0.308}\approx0.5606 .\end{aligned}

L0=0.8×0.0425+0.2×0.5606≈0.1461L_0=0.8\times0.0425+0.2\times0.5606\approx0.1461 nat、U0=0.5606U_0=0.5606 nat で、C2=0.2218C_2=0.2218 を挟む。更新は

π1=0.2 e0.56060.8 e0.0425+0.2 e0.5606≈0.35030.8347+0.3503≈0.2956.\pi_1=\frac{0.2\,\mathrm{e}^{0.5606}}{0.8\,\mathrm{e}^{0.0425}+0.2\,\mathrm{e}^{0.5606}}\approx\frac{0.3503}{0.8347+0.3503}\approx0.2956 .

少なく使っていた入力 11 は平均の出力から遠いので確率が増え、最適な 12\frac12 へ近づいた。次の段は L1≈0.1871L_1\approx0.1871、U1≈0.4286U_1\approx0.4286 nat で、上下の幅は 0.410.41 から 0.240.24 に縮む。

(5) 一様な入力では出力 ZZ も一様で H(Z)=ln⁡2H(Z)=\ln2、出力の典型系列はおよそ enH(Z)=21000\mathrm{e}^{nH(Z)}=2^{1000} 個。1つの符号語を送ったときの雲は enH(Z∣X)=enhb(0.18)=21000×0.6801≈2680\mathrm{e}^{nH(Z|X)}=\mathrm{e}^{nh_{\mathrm b}(0.18)}=2^{1000\times0.6801}\approx2^{680} 個。見分けられる符号語の数はおよそ 21000/2680=23202^{1000}/2^{680}=2^{320} で、指数は nC2=1000×0.3199≈319.9nC_2=1000\times0.3199\approx319.9 ビットに一致する。

(6) 0<p<120<p<\frac12 なら ∣1−2p∣<1|1-2p|<1 なので pk→12p_k\to\frac12 で、Ck=ln⁡2−hb(pk)→0C_k=\ln2-h_{\mathrm b}(p_k)\to0。何段もそのまま流すと、出力は入力についての情報をほとんど持たなくなる(データ処理不等式から CkC_k は kk について単調に減る)。δ=(1−2p)k\delta=(1-2p)^k とおくと pk=1−δ2p_k=\frac{1-\delta}2 で、hb(1−δ2)h_{\mathrm b}\bigl(\frac{1-\delta}2\bigr) を δ\delta で展開すると ln⁡2−δ22+O(δ4)\ln2-\frac{\delta^2}{2}+\mathcal{O}(\delta^4) なので

Ck=ln⁡2−hb(pk)≈δ22=12(1−2p)2k[nat].C_k=\ln2-h_{\mathrm b}(p_k)\approx\frac{\delta^2}{2}=\frac12(1-2p)^{2k}\quad[\text{nat}].

p=0.1p=0.1 では C5≈0.055C_5\approx0.055、C10≈0.0058C_{10}\approx0.0058 nat で、k=10k=10 の近似式 12(0.8)20\frac12(0.8)^{20} との比は 1.0021.002 である。容量は段の数について指数関数で 00 に近づく。

木下の勉強ステータス

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