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この章のまとめ

2026年10月15日9分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第2部 第18章 重力波

AI 生成・木下が未勉強

解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第2部 第18章 §2.18.7 ★★★ 重力波は Einstein–Hilbert 作用の2次の部分を選んだ場の理論で、ゲージ・拘束・エネルギーの流れ・放射はすべて電磁場と同じ道具で出る

この章では、Einstein–Hilbert 作用を平坦な計量のまわりで hμνh_{\mu\nu} の2次まで展開した作用 (2.18.5) と、物質との結合 −12Tμνhμν-\frac12T_{\mu\nu}h^{\mu\nu} を選んだ。座標の取り替えが hμν→hμν−∂μξν−∂νξμh_{\mu\nu}\to h_{\mu\nu}-\partial_\mu\xi_\nu-\partial_\nu\xi_\mu というゲージ変換になり、電磁気の第2部第8章と同じ数え方で、10成分のうち動く自由度は2つになった。調和ゲージで方程式は波動方程式 (2.18.14) になり、真空の波は TT ゲージで h+h_+ と h×h_\times の2つの偏極を持つ。偏極は座標を θ\theta 回すと 2θ2\theta 回り、質点の輪を潮汐力で楕円に変形させる。

2次の作用の正準エネルギー運動量テンソルからエネルギーの流れ (2.18.22) が、遅延解と ∂μTμν=0\partial_\mu T^{\mu\nu}=0 から四重極公式 (2.18.27) が出た。運動量と角運動量の保存のため、重力の放射には双極子の項が無い。四重極公式を連星に当て、軌道のエネルギーとの収支を取ると、公転周期の減少 (2.18.31) と周波数の上がり方 (2.18.33) が出る。前者は Hulse–Taylor の連星パルサーの観測と 0.3% で一致し、後者のチャープ質量は GW150914 の信号から直接読める。

次の章(第2部第19章)では、合体でできたブラックホールの地平面の面積が増えることを、ブラックホール力学の4法則の1つとして扱う。GW150914 で 3.0 M⊙c23.0\,M_\odot c^2 のエネルギーが出ても、合体後の地平面の面積は合体前の2つの和より大きい。

総合問題 円軌道の連星:波形からエネルギー収支まで ★★★

オリジナル質量 m1,m2m_1,m_2 の2つの星が重心のまわりを相対距離 aa の円軌道で回っている(全質量 M=m1+m2M=m_1+m_2、換算質量 mr=m1m2/Mm_{\mathrm r}=m_1m_2/M)。観測者は重心から距離 rr にいる。

  1. (1) (使う道具:第2部第1章の中心力・2.18.4節)公転の角振動数 Ω\Omega を G,M,aG,M,a で書き、相対運動の四重極モーメント Iij=mrxixjI_{ij}=m_{\mathrm r}x^ix^j の xyxy 成分の2階微分を求めよ。
  2. (2) (使う道具:2.18.3節・2.18.4節の式 (2.18.26))軌道面に垂直な zz 軸の上にいる観測者が見る h+h_+ と h×h_\times を求め、振幅 h0h_0 がチャープ質量で (2.18.34) と書けることを示せ。
  3. (3) (使う道具:2.18.4節の式 (2.18.22))軌道面の法線と視線のなす角 ι\iota の方向では、振幅が h+∝1+cos⁡2ι2h_+\propto\frac{1+\cos^2\iota}{2}、h×∝cos⁡ιh_\times\propto\cos\iota になることを使い、エネルギーの流れを全方向で積分すると四重極公式の結果 (2.18.28) に一致することを確かめよ。
  4. (4) (使う道具:第1部第10章のエネルギーの保存・2.18.5節)軌道のエネルギーとの収支から合体までの時間 τ\tau を a0a_0 で書け。
  5. (5) (使う道具:(1)〜(4))m1=m2=1.4 M⊙m_1=m_2=1.4\,M_\odot、公転周期 7.75 時間の円軌道の中性子星連星が r=1 kpc=3.086×1019 mr=1\,\mathrm{kpc}=3.086\times10^{19}\,\mathrm m にあるとする。aa、重力波の周波数、h0h_0、仕事率 PP、合体までの時間 τ\tau を求めよ。同じ周期の Hulse–Taylor の連星(例題 2.18.6)の周期の減少が円軌道の約 12 倍だったことと合わせて、離心率が合体までの時間をどちらへ変えるかを述べよ。
解答

(1) 換算質量 mrm_{\mathrm r} が中心からの力 −GMmr/a2-GMm_{\mathrm r}/a^2 を受けて半径 aa を回るので、mraΩ2=GMmr/a2m_{\mathrm r}a\Omega^2=GMm_{\mathrm r}/a^2 から Ω2=GM/a3\Omega^2=GM/a^3(Kepler の第3法則)。Ixy=mra2cos⁡Ωtsin⁡Ωt=12mra2sin⁡2ΩtI_{xy}=m_{\mathrm r}a^2\cos\Omega t\sin\Omega t=\frac12m_{\mathrm r}a^2\sin2\Omega t なので I¨xy=−2mra2Ω2sin⁡2Ωt\ddot I_{xy}=-2m_{\mathrm r}a^2\Omega^2\sin2\Omega t。同様に I¨xx=−2mra2Ω2cos⁡2Ωt\ddot I_{xx}=-2m_{\mathrm r}a^2\Omega^2\cos2\Omega t、I¨yy=+2mra2Ω2cos⁡2Ωt\ddot I_{yy}=+2m_{\mathrm r}a^2\Omega^2\cos2\Omega t である。

(2) zz 軸の上では xyxy 面がそのまま波の進む向きに垂直な面で、TT 射影は xyxy の2行2列から跡を除くことになる。(2.18.26) からh+=2Gc4r⋅I¨xx−I¨yy2=−4Gmra2Ω2c4rcos⁡2Ωtrh_+=\frac{2G}{c^4r}\cdot\frac{\ddot I_{xx}-\ddot I_{yy}}{2}=-\frac{4Gm_{\mathrm r}a^2\Omega^2}{c^4r}\cos2\Omega t_{\mathrm r}、h×=2Gc4rI¨xy=−4Gmra2Ω2c4rsin⁡2Ωtrh_\times=\frac{2G}{c^4r}\ddot I_{xy}=-\frac{4Gm_{\mathrm r}a^2\Omega^2}{c^4r}\sin2\Omega t_{\mathrm r}(tr=t−r/ct_{\mathrm r}=t-r/c)。2つの偏極は位相が 90° ずれた同じ振幅で、円偏光に当たる。振幅は h0=4Gmra2Ω2/(c4r)h_0=4Gm_{\mathrm r}a^2\Omega^2/(c^4r) で、Ω=πf\Omega=\pi f、a2=(GM)2/3Ω−4/3a^2=(GM)^{2/3}\Omega^{-4/3} を入れるとh0=4Gc4rmr(GM)2/3(πf)2/3h_0=\frac{4G}{c^4r}m_{\mathrm r}(GM)^{2/3}(\pi f)^{2/3}。mrM2/3=M5/3m_{\mathrm r}M^{2/3}=\mathcal M^{5/3} なので h0=4c4r(GM)5/3(πf)2/3h_0=\frac{4}{c^4r}(G\mathcal M)^{5/3}(\pi f)^{2/3} である。

(3) 方向 ι\iota では h+=−h01+cos⁡2ι2cos⁡2Ωtrh_+=-h_0\frac{1+\cos^2\iota}{2}\cos2\Omega t_{\mathrm r}、h×=−h0cos⁡ιsin⁡2Ωtrh_\times=-h_0\cos\iota\sin2\Omega t_{\mathrm r} となり、時間平均は⟨h˙+2+h˙×2⟩=12(2Ω)2h02[(1+cos⁡2ι2)2+cos⁡2ι]\langle\dot h_+^2+\dot h_\times^2\rangle=\frac12(2\Omega)^2h_0^2\bigl[(\tfrac{1+\cos^2\iota}{2})^2+\cos^2\iota\bigr]。立体角で積分すると、u=cos⁡ιu=\cos\iota として 2π∫−11[(1+u2)24+u2]du=2π(1415+1015)=16π52\pi\int_{-1}^1\bigl[\frac{(1+u^2)^2}{4}+u^2\bigr]\mathrm{d} u=2\pi\bigl(\frac{14}{15}+\frac{10}{15}\bigr)=\frac{16\pi}{5}。したがって P=c3r216πG⋅2Ω2h02⋅16π5=2c3r2Ω2h025GP=\frac{c^3r^2}{16\pi G}\cdot2\Omega^2h_0^2\cdot\frac{16\pi}{5}=\frac{2c^3r^2\Omega^2h_0^2}{5G}。r2h02=16G2mr2a4Ω4/c8r^2h_0^2=16G^2m_{\mathrm r}^2a^4\Omega^4/c^8 を入れるとP=325Gc5mr2a4Ω6P=\frac{32}{5}\frac{G}{c^5}m_{\mathrm r}^2a^4\Omega^6 で、(2.18.28) と一致する。この積分の 16π5\frac{16\pi}{5} の分母の 55 が、四重極公式の係数 15\frac15 の 55 に当たる。

(4) 軌道のエネルギーは E=−GMmr/(2a)E=-GMm_{\mathrm r}/(2a)(中心力の運動の保存量)。重力波が運び去る分だけ減るとして dE/dt=−P\mathrm{d} E/\mathrm{d} t=-P と置くと (2.18.29) を得て、a3da=−645G3mrM2c5dta^3\mathrm{d} a=-\frac{64}{5}\frac{G^3m_{\mathrm r}M^2}{c^5}\mathrm{d} t を a0a_0 から 00 まで積分して τ=5256c5a04G3mrM2\tau=\frac{5}{256}\frac{c^5a_0^4}{G^3m_{\mathrm r}M^2}。

(5) M=2.8 M⊙M=2.8\,M_\odot、Ω=2π/(2.79×104 s)=2.25×10−4 s−1\Omega=2\pi/(2.79\times10^4\,\mathrm s)=2.25\times10^{-4}\,\mathrm{s^{-1}} から a=(GM/Ω2)1/3=1.94×109 ma=(GM/\Omega^2)^{1/3}=1.94\times10^9\,\mathrm m(太陽半径の約3倍)。重力波の周波数は f=2/Pb=7.17×10−5 Hzf=2/P_{\mathrm b}=7.17\times10^{-5}\,\mathrm{Hz} で、地上の干渉計(数十 Hz 以上)でなく、宇宙に置く干渉計やパルサーの観測が対象とする帯域である。mr=0.7 M⊙m_{\mathrm r}=0.7\,M_\odot で h0=4Gmra2Ω2/(c4r)=2.9×10−22h_0=4Gm_{\mathrm r}a^2\Omega^2/(c^4r)=2.9\times10^{-22}、P=6.3×1023 WP=6.3\times10^{23}\,\mathrm W(太陽の光度 3.8×1026 W3.8\times10^{26}\,\mathrm W の約 600 分の1)、τ=1.7×109\tau=1.7\times10^9 年である。離心率があると放射が f(e)f(e) 倍に強まり軌道のエネルギーが速く減るので、同じ周期から始めた連星の合体までの時間は円軌道の値より短くなる。

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